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複製症候群
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複製症候群の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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世界中に突如現れた「ストロー」。あらゆる地点に無差別に降り立ったこの「ストロー」に触れてしまうとその内側に完全なるコピー人間が一人生まれる。「ストロー」の内側に取り残された登場人物たちの中で殺意が芽生えやがて殺人事件へと発展していくというのがざっくりしたストーリー。 最近ですとキングの「アンダーザドーム」を連想させる設定ですが、SF的な密室を作り出してミステリー展開に盛り込むのが本当に上手い作家だなぁと思います。特に「ストロー」の設定が効いていて、必ずコピー人間は内側に現れるため、オリジナルの人間が外側に出ても内側の人数は減らないんですね。これがミソで出たくても出られないという状況を作り上げることに成功しています。 ただ今回はSF要素が勝ちすぎていてミステリー要素が若干おざなりになっていたかも。他の作品と比べ、本作は予測がついたトリックが多かったのが残念。殺意を抱く動機もことごとく唐突でそこもマイナス。 あと「ストロー」ですがこの現象に関して納得のいく説明はまったくないのでそういったSF的現象になんらかの答えを求める方は読後モヤモヤするかもしれません。最後の主人公の決断と行動により、登場人物たちはこのあとどうなるんだとハラハラしましたがそれに関しても一切説明はなく、総じて読者の想像に任せる部分が大きかったのもちょっと微妙かな。 とはいえスピード感あるストーリーは健在で、退屈を感じることなく読み進められます。同作者のSFミステリーが好きな方なら読んで損はないでしょう。 | ||||
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突如街がドームに覆われ、その境目に触れるとクローン人間が出来てしまうという例のごとく西澤氏にしか書けないよく分からないSF設定でのミステリー。 小松左京の首都消失を引き合いに出されているが、こちではなく、更に引き合いに出されている岡島二人の「そして扉は閉ざされた」の雰囲気を西澤的設定でやろうとした感じの作品。ラストの雰囲気とはトリックは違うが、「そして扉は閉ざされた」の読後感とよく似ている。 ただミステリー趣向とSF的趣向の仕掛けの大げささがどうもちぐはぐな感じもあり、SFとしてもミステリーとしてもどっち付かずの中途半端なできになっている感もある。 西澤作品としては標準的な出来に留まっているが、退屈はさせないのはさすがである。 | ||||
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1997年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。 異常な世界のなかで殺意が爆発する話。西澤作品に良くあるパターンだが、これは失敗作と思う。アイディアはひらめいたものの、うまいトリックにつなげられなかったというところか。特に結末で明かされる謎は蛇足と感じた。 冒険小説・青春小説として読むと面白いかも。 | ||||
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作者はSF的設定の中である縛りを設け、その縛りの中で謎を論理的に解くというロジカル・ミステリの大家。今回のお題は、「天からピンクの壁が降りてきて、人がその壁に触れるとその人物のコピー(身も心も)ができてしまう」というもの。壁の中に入ってしまった主人公の青年(高校生)を中心に数名の仲間と、彼らが訪ねた先生の所にいた数名の人物が物語の登場人物となる。 冒頭でも述べたように、作者はこうした状況で謎をロジカルに解くのを得意としているが、今回はSF的設定が大きすぎたような気がする。人間のコピーができると言っても、果たしてそれはどういう事なのか定義が難しい。壁の中でも、実は外でも事件が起きているのだが、そんな事件よりも「人間のコピーとは何か」という哲学的な問題の方が大きく、事件に身が入らない(作者は色々趣向を凝らしているが)。また、壁からどうやって脱出するのかというSF的問題も大きい。 本作は、SF的趣向を拡げ過ぎて、ミステリ的趣向が空回りしてしまった作品。 | ||||
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