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追想五断章
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追想五断章の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 41~60 3/5ページ
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ひとことでいって「巧い」物語であります。 5つのリドルストーリーの行方を追いかけ、謎かけの意味を解き明かしていく。淡々と、閉塞感、倦怠感を伴って物語が進んでいくので、途中で気が滅入ってページが進まなく読者もあるかもしれません。しかし、最後の最後で世界がひっくり返るような驚きを味わえます。 物語の結末もせつなく、そして、巧い。 | ||||
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米澤といえば高校だの中学だのを舞台にした青春ミステリというイメージだが、本作はちょっと毛色が違う。 主な舞台は古書店(ということで最近はやりのあの作品が頭をよぎる)、主人公たる菅生くんは大学休学中の居候だったり、ちょっとパッとしない状況設定という印象から始まる。 失われた5編の短編を探して回るというややマニアックなミステリ的ストーリ、徐々に見つかる各作品(リドルストーリ)の中身の思わせぶりな作風、そして毎回取ってつけたように付け加えられる「リドルストーリの結末」。ぼんやりとした不安感を増幅させながら、読者としてはどんどんページをめくるしかなく、そして最終章、大どんでんがえしというより、思ってもみなかったとんでもない事実、を突き付けられて困惑してしまうのだ。 この作品自体が、その仕掛けでもあるのだ。 | ||||
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2009年に出た単行本の文庫化。 5篇のリドル・ストーリーを組み合わせたミステリ風味の長編小説。 リドル・ストーリーとは、ストックトン「女か虎か」に代表されるような、結末を書かず、読者の想像にゆだねたタイプのショート・ストーリー。しかし、本書では各篇に「結末」が用意されているのがミソ。そこにトリックが仕掛けられており、読み終えて思わずうなってしまった。 優れた着想で書かれた、出来のよいミステリだと思う。 | ||||
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読後感がなんともいえない趣きがあります。本を巡る話ですが、社会的背景もふくめ、人の内面を覗き見る感じがしました。 | ||||
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米澤さんの文章が好きなので楽しく読む事ができましたが、特に感動とか盛り上がる所はないです。 主人公が普通の人っぽく描写されてる割に名探偵なところは氷菓やインシテミルと同じですね。 | ||||
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作品の雰囲気は地味で重く少々暗いです。 斜陽を感じさせるレトロっぽさと、明るいとはいえない先行きの現代を足して割って一引いた感じです。 好ましい点 ・いかにも曰くありげな、五つの断章を芳光と共に追い求めていくちょっとした冒険 ・個性的なちょうど良い具合に開示されていく五つの断章と、それに隠された謎 ・ぼーっとしているようだが鋭い洞察を見せる芳光 不満な点 ・登場人物全体に好感がもてない、誰も彼も鼻につく面がある。一人くらい透徹した人格者を配置してもよかったのでは… ミステリー初心者向け(?) 面白い部分だけを抜き出したカジュアルだけど開示されているヒントを元に推理可能な基礎を抑えた古風な作りです。 多くは語りたくありません、興味を持っているという方は是非読んでみて欲しいです。 暇な時に一章づつ読むくらいがちょうどいいかもしれません。 | ||||
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経済的事情から大学を休学し、伯父の古本屋でアルバイトしながら日々を過ごす主人公。そこに亡父の書いた5つのリドルストーリー(結末が書かれていない小説)を探す依頼がくる。幾つかの偶然と幸運から一つづつ小説を探し出すにつれ、それらのストーリーに込められた真の意味に気づき、自分を省みるきっかけをつかんでいく。広い意味での自分探しのストーリーでもある。 淡々と進むストーリーは筆者の特徴であり、派手な事件がおこらないのも他書と同じ。ストーリーはしっかりしているし、ミステリーを読み込んでいることが伺える。 本書のような、ややトリッキーな作りの小説はこのくらい地味な物語でちょうど良いのかもしれない。 ただ、カタルシスとかは無縁。納得感はあるが。 | ||||
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インシテミルを読んだことがあるので、興味をそそられ手にしてみました。よくできたストーリーに引き込まれました。 通常情感溢れる作品が主ですが、この作品は人の感情は必要最小限。なので余計ミステリアス。 よくこんな複雑な作品が書けるよなぁと驚きます。 読みながら私は頭で知恵の輪を外そうと懸命。そして私の知恵の輪は・・・・ いつも知恵の輪を外したい人には向かないかも。リドルストーリーは読んで興味をそそられる時間が醍醐味なんですね。きっと。 結末が曖昧でがっかりというのはよくドラマでもありますが、がっかりさせないところが作者の力量なのでしょう。 私は、唯一、北里氏の内面部分が出ていると思われる5つの作品が面白かった。 時代がかった、場所も神秘な外国の昔話が、「・・・で、奇妙な話を聞いた」から始まることの5つの作品が神秘的であり スリルがあり、物悲しく残酷。 リアルに考えてしまう私としては、もし私の読み取ったと思われる事が真実ならば、それは事件ではなく事故だったのになぁ。 本当のことは言えなかったのかなぁなどと野暮なことだけを思ったりもしました。 | ||||
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亡くなった父の残した小説探しと,その隠された真のメッセージは? ちょっと不気味で後味の悪いリドルストーリーがいい雰囲気. 「儚い羊〜」で拓いた新境地がこの作品でもうまく発揮されている. トリックから真相への見せ方も巧みで,緊張感を保ったままラストまで読み切れる. 作中作を通した訴え方にリアリティがないと感じる向きもなきにしもあらずだが, そもそも米澤氏はデビューからして,このような作品だったので,そこは目をつむるべきかもしれない. 主人公の魅力のなさや救いのない結末に,批判があるのもわからないではないが, それで作品の魅力を減じていることはないと思う. | ||||
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主人公・芳光は、家の事情から大学を休学中で、叔父の広一郎が細々つづける菅生書店の居候の身の上である。 彼は可南子という女性から、本探しを頼まれる。本来、叔父がするべき仕事を請け負い探した本は、同人誌に載るような 小品であった。しかもリドルストーリーであり、それは、可南子の家族の劇(ドラマ)でもあった・・・。 米澤穂信さんの、ミステリに深い造詣を持つがゆえのプロットのおもしろさを味わえる作品です。 古典部シリーズなどとは違い、ほろ苦い人生の生き様を横糸に、ミステリーの謎解きの要素を縦糸に絡めて 曇り空をながめながら歩いて行かなくてはならない、心に重くのしかかるようなお話となっています。 筋書き上やむを得ないのだが、探し出される5つの断章に救いが見いだされないので☆4つ。うまいとは思いますが。 難しい謎解きを味わっていくというよりは、家族の絆や生き方を考えてしまうような展開に 自分は家族とどう向き合っているのか、と思い返したくなる作品でもあります。 | ||||
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作者のファンではありますが、今作はなんだか全体的にジメジメと淡々と進み、主人公を含む登場人物の大半に好感が持てなかったので少し苦痛に感じた。 断章と結末を使ったトリック自体も分かり易いうえに、ラストに明かされる真相も以前読んだ若竹七海さんの作品に似た物があり物語半ばで予想がついてしまったのであまり楽しめなかった。 | ||||
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主人公は「叶黒白」が書いた小説五作品を探すよう依頼され、その中で徐々に隠されていた謎が明かされていくミステリー小説。構成が面白く、展開もわかりやすいためすぐに読み終えることができた。 ただ展開はいささかできすぎていて、作中でも主人公が「幸運が重なった」と述べている通り、ご都合主義や予定調和に収まっている感じが否めない。 登場人物の造形も浅く、古本屋のアルバイトの女の子や叔父さんのバックボーンをしっかり見せないと、登場回数が多い割に印象が希薄になってしまう。 全体的に「よくできた」作品ではあるものの、予想できない結末が待っているわけではないため読後感も特別いいものではない。 続編が出るのだとしたらまた意見は変わってくるのかもしれないが、この一冊で完結するのであれば人物の背景が浅かったことが残念でならない。 | ||||
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まず言いたいのが構成に無理がないか、ということ。事件の追想を5つの掌編にして各所の送付する。最初のここで首をひねってしまいました。散り散りになったそれらを主人公たちがつぎつぎと探し当てていくのを冷めた目で読んでいました。あまりにもご都合主義で興ざめです。主人公の芳光が掌編探しにのめり込んでいくのも動機付けが弱くて「なんでこいつ必至こいて調査してるの?」という疑問がぬぐえませんでした。結末もとく何も残らない終わり方でがっかりです。 芳光が没個性の根暗な上に、それをカバーするような相方などがいないので非常にどんよりとした雰囲気が作品全体に漂っているのもつらいです。読んでてあああああああああって気になります。また、小難しい言葉や表現が多数あるのでいちいち手を止めなければならずに、テンポが悪くストレスがたまる方も多いかと。 ぶっちゃけ、面白いと感じた時間がまったくといっていいほどなかったです。 | ||||
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死んだ父の書いた小説を探してほしいと依頼を受けた、古書店バイトの大学生の話。 超、入手困難な小説を手に入れるまでひとつひとつつぶしていく謎と、 手に入れた小説それ自体が意味するものの謎、 ふたつのなぞときが進んでいくのが面白い。 使われる言葉が(読書しつけていないので)ほんの少し難解だったり、 さらっと読むと前の内容を忘れたりして意味が分からなくなるので いつもより少し集中して読むと良いと思う。笑 時はバブル崩壊後。携帯なんてない。今よりもきっと学生はいろんな意味で 豊かではなく、大人びていたのではと思う。公衆電話の10円のシーンがとても印象的。 地味な古書店という舞台、主人公の生い立ちも影響し、全体的に小雨がずっと降っているような しっとりした暗さのようなものがある。 でもやり切れないまま終わることはなく、この一件を通して 少しだけ光がさしてくることにも救われる。 なんとなく続編を期待したくなってしまう。 そして古書店にふらりとたちよりたくなった。 | ||||
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古本屋でアルバイトをしている大学生である菅生芳光は、報酬に惹かれて北里可南子の依頼を引き受ける。その依頼は、亡くなった父である北里参吾が生涯書いた5つの小説(リドルストーリー:結末が伏せられた小説)を探してほしいという。その調査の中で、未解決事件「アンソワープの銃声」に、北里参吾がかかわっていることがわかった。ポイントは、見つかった小説と結末の対応関係でしょうね。 全体的な雰囲気はぼんやりとした暗さで覆われていると言う印象を受けた。雰囲気もそうだが、登場人物も陰がある人が多かったように思える。リドルストーリーの形式など趣向を凝らしているなあと言う感じがする。結論としては、ミステリー読みであればなんとなく推測できる感じかなと思う。ただ、結論に至るまでの過程は楽しめるかな。技巧的な作品ですからね。 主人公をはじめとした登場人物に共感することはなかった。ただ、結論がわかったときの、見え隠れする父の思いと言うものは、娘に伝わったのではないだろうか。 | ||||
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面白かった。 本書のテーマは「リドル・ストーリー」 あの「女か虎か」や、福永武彦「女か西瓜か」などの、結末が明示されない作品だ。 東野「どちらかが〜」もそうだった。 本作では、それがキモとなっている。 米澤作品でも本作のようなノン・シリーズだと、シリーズ作品に見られる恋愛ムードがほとんどでてこない。 「インシテミル」や「ボトルネック」なんかもそうだったな。 一応、主人公は若い男性だし、同年配の女性もふたり登場はするんだけどね。 過去に発表された短編作品を探すというメインのストーリーは、さながらハードボイルド私立探偵ものみたいな風情だ。 そして、背後にある謎がしだいに浮かび上がるあたりも、内包されるテーマも、ロス・マクの作品を思わせる。 だから、必ずしも後味は良いものではない。 そこが、たぶん著者が本書で書きたかったことなんだろう。 ネットではあまり評価が高くないようだけど、シリアス系が好きな人にはオススメだ。 特にロス・マクやチャンドラーなんかが好きな人にはピッタリだと思う。 | ||||
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自分の立ち位置に苦悩する男が、 五編の小説を探す依頼を受けるお話。 全体的にゆったりとしていて、落ち着いた感じ。それでいて、起承転結もしっかり。 依頼を受け始めた「お祭り気分」の辺りは淡々と話が進み、 まるでお説教モノのNHKドラマの脚本のような印象を受けたが、 後半、少しずつ事実が見え、現実を直視し始めてからの 静かな心境の変化が、妙にリアルでちょっと嫌になるくらいだった。 テーマの重さの割にさらっと読めたのは、 登場人物の多くがふわふわと淡白な印象だったためだろうか。 特に、「この人はこれから、どういう人生を生きていくんだろう」と、 ラストの手紙の主のその後が非常に気になった。 情報収集のためだけに関わる、いわゆる使い捨てキャラが数名いたが、 ご都合主義的な感じは特に受けず。この辺は文章の相性かなあ。 さらっと読めて、少しやるせなさが残る感じがよかったので、星4つ。 | ||||
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映画化作品もあったりと、話題の著者。 この作品以外も2作品読みましたが、あまり面白いと感じず…。 これだけ絶賛されているのだから、たまたま読んだ作品が自分にあわなかった だけだと思いこの作品を手に取りました。 内容については優れたレビューで他の皆様が説明されているので省略。 リドルストーリーというアイデアは面白いのですが、アイデア以外はごく普通な 印象。物語終盤のカタルシスも無かったです。 主人公のはっきりしない性格にもイライラ…。 物語の主人公ならある程度の明確な特徴付けが欲しいです。 文章は読みやすいので、何も考えずにスラスラ読めるのにイライラを拭えず 読み進める感じでした。自分としては、ミステリー色ももっと欲しかったです。 この著者の作品は自分にはあまり向かないのかもしれません。 | ||||
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古典シリーズ、小市民シリーズとライトな連続物があり インシテミルで映画化されて、いっきにメジャーになった感があります。 この作家さん、ほのぼの系から、シリアス物、ちょっと深みのあるものと、作風が幅が広いです。 この作品はちょっと深みのある味わいもので、すごくいいわけではないですが、なんともいえない 後味が残る良作だと思います。 結末はいまいちかと思いますが、まあ楽しめましたよ。 | ||||
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この物語は、バブル崩壊直後の平成4年です。 父が死に、学費の問題から休学せざるを得なくなった芳光。 その芳光の世話をする伯父は厭世的になり、 母は愚痴っぽくなるというストーリー。 後半、可南子の位置づけが分かってきて母の死の真実が明かされます。 すごい衝撃の事実が明かされるわけではありませんが、 面白かったです。 | ||||
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