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追想五断章
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追想五断章の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 21~40 2/5ページ
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幼児期に母親を失った女性。母は自殺と聞かされてきたが、実は隠された真相があるのではと、父親が遺した小説を探し求めるという設定で、ドラマは進む。著作探しを手伝う青年、その母親、下宿先の古本屋の亭主、アルバイトの女学生、同人誌の編集者など、一人ひとりの人間味がよく描かれていて、本格ミステリーという宣伝コピーに違和感を感じるほど、ていねいな文学小説である。 | ||||
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この小説は、「リドルストーリー」という、あえて結末が描かれていないというスタイルの物語がテーマとなったミステリーです。 私は元々、結末をはっきりさせて「そう言う事だったのか!」という驚きが得られそうな小説ばかり選んで読んでおり、リドルストーリーについての造詣は深くないです。しかしこの物語はリドルストーリーの楽しさを盛り込みつつ、ラストでは「そういう事か!」とパズルがハマる快感も同時に味わえる構成でした。 謎解きについては、確かにやや荒いと感じる面も無くはないですが、それゆえに、勘の良い人ならば途中で真相が推理できると思います。ミステリーの謎解きを読む前の自分の予想が当たるの嬉しくないですか?因みに私は勘が鈍いので毎回当たった事はなく、今回も見事に引っかかりました。 私の様に、この小説をきっかけにリドルストーリーに興味を持ったら是非、芥川龍之介の「藪の中」を読んでみてください。結局どういう事なの?!?!とモヤモヤする事請け合いです。追想五断章に結末があって本当に良かった。 長文失礼しました。 | ||||
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物語は、バブル後の不況が本格的になった頃。 訳があって大学を休学している主人公が、思考を巡らせ 依頼者の要望に応えようとする。 その過程で、真面目に考えたが故に背景が見えてくる。 主人公を取り巻く人達は、皆、控え目すぎる程に 物語に割り込みはしない。 もう少し、周辺の人達のエピソードがあってもいいのでは? と心配してあげたくなるくらいに・・・。 しかし、通常の現実世界ではそんなものだろうから、リアル ではあると思う。 やはり読んでいい手面白い本は引き込まれる。 今回も作者の技量に感謝! ただ、巻末の解説は中途半端な気がした。 書名をあげつらっている中で某長編と言ってみたり されると、読後の後味がまずくなって不快だ。 | ||||
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古本屋のアルバイトの青年が主人公で。はよくあるパターンのやつかな。と思って手に取ったのだが面白くて最後まで一息で読めた。 文章の構成が丁寧で読みやすい。 作中の五つの小説は、それぞれ結末を読者に予想させる手法。 それらをつなぎ合わせて謎がとけていく。作中作者が残したかったのは何か。 五つ目の小説の読後に思いを巡らせると楽しい。 小説の間をつなぐ物語りは澱んだり、はたまた一陣の風が吹き抜けたり随所で清涼感が心地よい。 無理に奇をてらったところが無く、章間で立ち止まり複線を拾いながら登場人物それぞれの人生感を味わえる。 松本市の標高は592.21mとのことで、スカイツリーの第二展望台より高いところだ。 空に近いぶんだけ広く見えるのだろうか。 | ||||
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松本から来た女性の依頼でも彼女の父親が生前に残した五つのリドルストーリーを探すうちに その父が五つのリトルストーリーを書き残した理由も明らかになっていく。 それらのドリストーリーも面白いし気になる結末もちゃんと残されているのだが。。。 間違いなく楽しめる作品です。 | ||||
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緻密に構成されている小説という印象。話の流れに飛躍が無く、また、余計な部分を削ぎ落としよく練られている小説だと思う。 5つの断章の作者である北里修吾の心が各断章と関連するエピソードによって巧く表現されていて、印象深い。派手な事件や最後のどんでん返しなどは無いが、読み手の心に静かに働きかけてくるような感じがする。余韻がある。 米澤穂信は、小説としての作り込みと登場人物の思い(あるいは登場人物を通じて語られる作者の思い)をバランスさせるのがやっぱいうまいと改めて感じた。 出来事の当事者(評価では千反田の叔父、本件では北里修吾)から発せられている想いは逆だと思うが、個人の苦い出来事を扱っている点で、氷菓と少し同じ感じも受けた。 | ||||
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何か大きな事件が有るわけではなく文章にもストーリーにもスピード感は皆無です。 生前に父が書いた短編を探す娘の依頼を受けて漫然と生きる大学を休学中の主人公が本を探すというお話しです。 リドルストーリーに興味が出たり、ちょっとしたミステリー要素、謎かけなどが楽しかったりしますが、その部分を期待なら他に面白い本は沢山あります。 この本で一番、自分が気に入ったのは主人公が本を探しながら感じる自分には物語がないの部分です。 悲観的な意味ではなく、何かを否定しているわけでもないのですが何となく考えさせられました。 山場もなく盛り上がる系の話しではないので一気に読むのがお勧めです。あまり時間はかかりません。 | ||||
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北里可南子さん(26歳?)は、昨年病気で亡くなった父、北里参吾の遺品を整理していて、彼がかつて叶黒白の筆名で少なくとも5篇の小説を書いたことを知ります。可南子さんが、内1篇を掲載した同人誌が持ち込まれた古書店、菅生書店を訪ね、応対した居候の大学生菅生芳光くんに、その5篇の捜索を依頼したところから物語は動き出します。 まず、冒頭に(多分)中学生の時の可南子さんの作文がありますが、夢の話でよく分からないけれども、何だかシュールで怖くて素敵です。 また、芳光くんの調査で叶黒白の短い4篇があちこちで見つかりますが、どれも寓意ありありの体裁で、なかなか素敵です。漱石先生の夢十夜を思い出しました。 それらに込められた著者、北里参吾の意図が、この物語全体の謎解きの鍵になっていて、小説設計の精密さを感じました。 | ||||
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アガサ・クリスティの『ゼロ時間へ』を読んだとき、女史の初作品『スタイルズ荘の怪事件』を思い出したと言えば、コアなミステリ好きの方は「ああ、そういうことね」とご納得頂けるのではないか。作家のくせというか、独特の論理というか。これとこれは同じ血が通ったような作品だと思うことは、ミステリに限らず本読みであればそう珍しい感覚ではないだろう(ほんとうに作者自身が”これ”と意識していたかどうかは別として) さて、何故このような書き出しをしたかというと、この『追想五断章』の途中で私は「ああ、『氷菓』みたいだな」と感じたからである。主人公である菅生に冒険を運んでくる役を務めるのが美しい女性だから、という訳ではない。この二作品は、主人公たちが過去の記録の断片を見つけ出してきて、やがてそこに隠された真相に迫るという点でよく似ている。鍵を握る関谷純と北里参吾がとも故人(もしくはそれに近い状態)であり、生涯に渡って沈黙を守りながら”氷菓”そして”叶黒白”という名に真なる想いを込めたという点も、ヒロインの幼き日の出来事に物語の焦点があてられるという点も。違いといえば『氷菓』では千反田によって最初からゴールが提示されているが、『五断章』にはそれがなく、着地点が見えないだけに読者をやきもきさせるというところが決定的であろうか。ただこの作品は決して『氷菓』の焼き直しではない。まったく別の化物である。主人公が集めることになる故北里参吾の断章たちが、物語に沿って一つずつ明かされていく度に抱くことになる違和感。衝撃の真実ではない。どんでん返しでもない。ただただどうしようもなく”そこに至ってしまう”時のやりきれなさを、嘆息とともに味わいたい作品である。 読了後すぐに、思いのままに書きなぐったため読み落としが無いとも限らないが、ありのまま思ったことを綴らせて頂いた。 | ||||
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道中は面白かったが、ラストは少し淡白でもう少し波乱があってもよかったかな。 | ||||
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人がバラバラになってるわけではなくバラバラになった物語を集めて謎を解こうとする話です。謎が解けた人も解けなかった人も解く過程を最後まで楽しめて、その緻密さに唸るのではないでしょうか。 | ||||
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ままならないことの物悲しさを描かせたら、米澤穂信は本当に上手だと思います。 まだお若い作家さんなのにすごいです。 絶対おすすめです。 | ||||
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以前読んだ本を未読と間違えて買ってしまいました。 作品の中に登場する物語がイマイチというか、ひとつの作品として認められる水準を要求してはいけないのでしょうけど、この形式にこだわるのは危険というか、本来のストーリーともうひとつのストーリー、このさじ加減が難しいというか失敗してるように感じました。 | ||||
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素直に読むほど、キレイにハマる作品 読後感はどこか小市民シリーズに似ていた この物語に、主人公達の個性は不要だったと思う だからこそ、これでいい 人がでしゃばらないからこそ活きたストーリーに感じた だってこれもリドルストーリーなんだろ? なんて思ったりして 読み終えてどれほど月日が経ったか分からないが、 時折ふと思い出す 思い返して 思い返して そして初回の読後感にまた酔いしれることができる そんな駄菓子のような愛しさを覚えた作品 | ||||
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正直にいうと,出張時の長時間移動の時間潰しになれば,という程度で購入しましたが,読み始めたら止まりませんでした。話の作り方がとにかく上手。途中で読むのを止めさせない上手さがあります。そして読了後に再び読み返したくなる。とても面白い小説でした。 | ||||
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傑作です。 5つの断章それぞれがつぶぞろいの名作です。それにまつわる逸話も趣があり良かったです。 この手の作品をもっと書いて欲しい! | ||||
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あっという間に最後まで読み切り、とても心地よい時間を過ごすことができました。 しかしながら、最後の締めでは少々強引というか、荒い展開も目立ち、最後でちょっと不完全燃焼。でも面白かった。オススメです。 | ||||
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久々に、素晴らしい出来の小説でした。 過剰な演出や人物描写が無く、終始、淡々と薄暗いトーンの中で物語が進んで行きます。 それが、昭和の時代背景と相まって、素晴らしい雰囲気を作り出しています。 要となる謎解きの部分も、非常に深みがあって魅力的で、吸引力が抜群でした。 ただ、唯一気になったのが、過去の事件の真相でした。 夫妻と子供が起こした行動、これが、どうにも説得力がありませんでした。 しかも、「こういう設定の方が良かったのでは?」という発想が安易に浮かんでしまうだけに、余計にもったいない。 なぜ、非常に重要なこの部分にもう少し力を注げなかったのか、不思議です。 ここの説得力が十分であれば、名作だったと思います。映画化もして欲しかった(近年の邦画に期待などしていませんが・・・) | ||||
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ミステリが読みたいと思って米澤先生の作品を集め始めました。 一番ミステリ色が強そうだったこの作品ですが、正直全然おもしろくなかったです。 リドルストーリーは苦痛な短編だし、話全体もミステリと言うほどの謎もなく最後まで読むのに非常に時間がかかってしまいました。 オチらしき結末は、「ああ、そうなの」程度で流せてしまいます。 自分の好みが初期の東野圭吾さんや宮部みゆきさん、貫井徳郎さんや歌野晶午さんなどかなり凝ったミステリを書かれる方なのでちょっと違うかな、と。 その他の作品も読みましたが、ファンタジー系?の「さよなら妖精」「折れた竜骨」は読み進めることもできませんでした。 評価は高いようですが、単純に好みではありません。 「犬はどこだ」「儚い羊たちの祝宴」「ボトルネック」「インシテミル」も読みました。 「インシテミル」が唯一ミステリと言えるかどうか、という所だと感じました。 「犬はどこだ」を読んでまあ普通の作家さんかと思いました。 作者の方は大変ミステリや古典を読まれているようですが、却ってそれを前面に出し過ぎて分からない人には全くおもしろくありません。 また、あれだけミステリを読んでいて何でこんな凡庸なんだろうと不思議に思ってしまいます。 もっとひねりをつけたりオチを強烈にしたりするのかと思いきや全体的に淡々としています。 この作家さんとは合わないようです。 | ||||
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古典部シリーズ、小市民シリーズ、儚い羊たちの祝宴、ボトルネック・・・などを読んだ後にこの作品に辿り着きました。 amazonさんの内容説明に大人の本格ミステリとありましたのでどの程度のものなのかなと思いましたが、読んでみて成程大人のミステリだな、と思いました(笑) 内容が内容だけに難しい単語やら言い回しやらが多いので、穂信さんの作品をアニメ化の影響で古典部読みましたとか似たような小市民を読みましたとかの人たちからしたら「!?」となるような気もします。主人公も大学生だし、穂信さん独特の学生らしい雰囲気はあまり見えないかもしれません。 私は古典部や小市民などのライトなミステリが好きであり、ちょっと物足りない感じもしていたので、今回読み終えてすっきりしたというか「ミステリだった」なと思いました。 あと、全然関係ないような気もしますが、穂信さんの作品である「ボトルネック」もリドルストーリーなのかなと思っています。勝手に。 | ||||
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