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贋作『坊っちゃん』殺人事件



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贋作『坊っちゃん』殺人事件の評価: 4.40/5点 レビュー 20件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.40pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(4pt)

面白かった

名作坊ちゃんの隣の推理小説。
名作の読み方を教わったような。
新しい世界を体験させてもらったような。

かつ、史実にも寄り添っているので、
リアルさが増しているとも思いました。

いいと思います
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No.17:
(4pt)

凝っている!

夏目漱石『坊ちゃん』のその後を描いた、何と!ミステリ。オマージュと言っても良いたろう。

本作品を読んで、慌てて『坊ちゃん』を読み返した次第。それ程、巧に本家の世界観をなぞっているのである。本家を再読したくなるくらいに優れている。

教職を辞し東京に戻ったおれが、赤シャツの死の真相を探るべく山嵐とともに再び四国へ。冒頭から、ぐっとくるではないか!

坊ちゃんが名探偵さながらに、赤シャツ事件の謎を解くという展開。本作品は、本家のエピソードに違う意味を与え、真相を解明していく。う~ん、凝っている。
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No.16:
(5pt)

『坊っちゃん』の青春の終わり、切ない読後感

文豪夏目漱石の代表作『坊っちゃん』の驚きの真相(?)を解き明かす、裏・『坊っちゃん』であります。
原典の年代設定を発表前年に置いて、作中の出来事を、日露戦争、自由民権運動、社会主義者の弾圧等々、当時の世相をもとに再解釈を試みる発想が凄い。他のどの作品にもまして、この作者、天才なのか、アタマがおかしいのかと驚嘆させられること請け合いです。
ユーモアたっぷりに描かれる坊っちゃんの迷探偵ぶりが、後半になると一転、重量級の社会派歴史推理の趣きに。原典から全てがひっくり返された物語の中で、ただ一つ、坊っちゃんという破天荒のキャラクターだけは揺るがない。
原典が新人教師の青春の一幕とするなら、こちらは青春の終わりといった印象で切ない読後感が残ります。
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No.15:
(5pt)

柳広司という作家を追いかけたくなる一作

草葉の陰で、漱石先生がニヤリと口の端を吊り上げているさまが目に見えるかのような一作。
というか漱石先生自身が、このような鮮やかな謎解きを期待し「坊ちゃん」を記したのではと思わしむるほど鮮烈な推理と洞察の数々・・・
しかし平成の知性は明治のそれを超え近代日本史の暗部へ。
陰惨な犯罪の真相を追いながら我らが坊ちゃんは邂逅する。
自由民権、共産主義、ついには禁断の天皇論まで・・・
平成の知性は未来人の眼差しで戦前日本の歪みを白日のもとに暴き出す。
極上のミステリーを愉しみつつ両時代の第一級の知性に唸ることのできる一作です。

・・・ちなみに、こちらが柳先生の初受賞作だそうです。
この一作を読むと、すでに先生のその後の作品群が透かし彫りのように伺えるのが興味深い。
「ジョーカーゲーム」にしろ「トーキョープリズン」にしろ「ロマンス」にしろ・・・。
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No.14:
(4pt)

原作を知らない者が読んでも面白い

本書最後の解説にあるとおり、本家「坊ちゃん」を知らなくても楽しめるということは、私がそうだから間違いないです。
親譲りの無鉄砲で、、、という中学・高校あたりで暗唱したような記憶の一文から始まり、いったいどこから著者オリジナルの文章なのか分からないまま、物語の中に引き込まれていきます。
夏目漱石氏の文体を真似て、というか、まるで成りきっているかのようで、それでも現代の読者に読みやすいリズムで書かれているのに驚きました。

坊ちゃんの世界にトンデモナイ仮説を持ち込み、殺人事件を成立させた著者にただ脱帽です。
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No.13:
(5pt)

坊ちゃんという人物

漱石の「坊ちゃん」が大好きで、小学生の頃から何度も読み返している。
この本を読む直前にも読み返しており、それで続けて読むことに決めた。

再読の途中から、謎として使われそうな部分を意識して探すような読み方をしたことで、さらに読む楽しみに繋がったので、原作を全く知らないかたで昔の小説はちょっと、という方も、そんなふうに読んでみると、原作自体に推理的要素を見出だせるかもしれない。

原作を読まなくても、柳氏が冒頭で簡潔にまとめており、その後も綺麗に話しと織り交ぜてくれるから、構わないといえば、構わない。
しかし原作を知ってのほうが、まさかの壮大さを持つ事件に実は坊ちゃんは知らずに巻き込まれていたのだ、ということを知った時のインパクトが大きいと思う。

バッタ事件は、もっとトリッキーなものを期待していたものの、なるほど、と思う。
坊ちゃんの耳には入っていなかった会話が補完されることで浮かび上がる事実が、とても面白い。
とにかく、小説の全体を通して、謎解きが成されている。
それが大きな事件へとつながっていく。

物語の面白さも良かったが、坊ちゃんという真っ直ぐで不器用で、でも綺麗な心の持ち主に対しては、原作のとおりにしてくれたことで、物語を心から楽しいと思うことが出来た。
おっちょこちょいの江戸っ子が憤りをそのまんま拳にぶつけて結局職を失う、という物語が、憂国や愛国といった物語へと変化する中で、坊ちゃんはブレない。
気持ちのいい啖呵を切る。清への愛情も大きく持っている。
坊ちゃんの清への愛も清の坊ちゃんへの愛も、強く感じられる。

そうして、原作ではないこの物語から、坊ちゃんという人物の良さを、再確認することが出来る。
ミステリーなのに、読み返したいと思わせてくれる1冊だ。
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No.12:
(4pt)

原作の持つ奥深さを改めて再認識させてくれた佳作

非常に楽しい作品。「坊っちゃん」のミステリ風パスティーシュというアイデアそのものが秀逸だが、作者の漱石への敬愛の念がヒシヒシと感じられる点が嬉しい。原作と頁数がほぼ同一、主なエピソードも全て採り上げ、原作中の人物設定もそのままでいて、新しい解釈を示して見せる作者の手腕には感心した。作中に、"内と外"の世界、"多面性"と言った言葉が出て来るが、作者の意匠・資質を良く表していると思う。文体模写も微笑ましい。

原作は、「猫」の連載期間の終盤に2〜3週間で執筆された由だが、その間に「猫」中で披瀝された漱石の思惟が「坊っちゃん」に反映されている点を作者は良く捉えていると思う。当時の世相や思想的背景が本作にも巧みに織り込まれている。歴史上の著名人を主役にした本シリーズに共通して言える事だが、作者の時代考証の確かさが作品の質の高さを維持している要因の一つだろう。

一見すると痛快小説だが、実は明治の近代化の波に乗った成功者(赤シャツ一派)と対比して、近代化の波に乗り遅れた(敢えて乗らなかった)江戸っ子の敗北の美学を描いた作品と思われる「坊っちゃん」。これだけでも多義性のある作品だと思うが、本作は更なる捻りを加えた訳で、原作の持つ奥深さを改めて再認識させてくれた佳作だと思う。
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No.11:
(5pt)

パロディの秀作です!

解説に、漱石の原作の方を知らなくても、そちらを後から読んでも楽しめる、とありますが、やはり原作を読んでからのほうが楽しめると思います。作者が、原作のどの要素を上手に使ったかがわかるからです。漱石の作品を使ったパロディ・パスティーシュものでは奥泉光さんの「我輩」ものがありますが、こちらの方が上手だと思いました。真相解明では、思わず笑ってしまいました。

原作は新潮文庫版で300円で、こちらは540円。つまり合計840円の費用、そして数時間の読書で日本近代文学の青春ものの古典と現代文学の秀作が楽しめるというわけでおすすめです。
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No.10:
(5pt)

大好きです、この物語。

漱石の『坊ちゃん』は、昔読んだような読まないような、話をあまり覚えていないのですが、この柳広司さんのミステリーは、とても面白い。読んでいて、とても楽しかった。特に清さんに対する坊ちゃんの愛情がとても素敵で最後はほろりときました。清さんは家政婦で坊ちゃんの恋人ではなかったけれど、本当に大切な人、人生の中で愛した人に対して、人はきっとこう思うのだと感じました。これは、きっと柳先生の気持ちそのものなんだろうなと思います。
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No.9:
(5pt)

もう一度『坊ちゃん』が読みたくなる

『坊ちゃん』の単なる後日談ではなく、殺人事件の謎解きをしながら、『坊ちゃん』の各エピソードの真相がわかるし、そちらの方が説得力があるという何重にも読者を楽しませる仕掛けが用意されている名作。何より、『坊ちゃん』への強い愛が感じられる。
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No.8:
(5pt)

名作が名作を呼ぶ!

これは面白い!
現役教師からのお勧めで読んだ「虎と月」の爽やかさ、解釈の面白さに加え
こちらは、大人向けに一層深みを増した作品で、華麗な幻想、的確な時代認識、
胸熱くなるキャラクター等、一気に物語の世界に引き込まれた。
あの、天下の漱石相手に、かくも鮮やかに別の名品を創るとは!
柳広司、しばらく、マイブームとなりそうな予感です。
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No.7:
(4pt)

目を瞠る鮮やかさ

とても良くできたパスティーシュです。
「坊ちゃん」の中の何気ない一言に思わぬ角度から光を当てて新たな解釈を与えます。
その連なりが新たな絵を描き出すのですが、その手際の鮮やかさは目を瞠るばかりです。
文体模倣も見事で、うっかり本当に漱石が書きたかったのはこの物語だったのでは?などと妄想してしまいました。
きっともう一度『坊っちゃん』を読み返したくなります。
見事に弄ばれ、楽しかったです。
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No.6:
(5pt)

思想性の高い優れたミステリ

夏目漱石を主人公にした『吾輩はシャーロック・ホームズである』の次に、彼の書いた坊っちゃんを題材にした作品を読んだ。刊行順としてはこちらの方が先で、処女作である。
彼の他の小説でもそうだが、非常に思想性に富んでいる。日露戦争当時を時代背景として、社会主義運動、民権運動を絡めている。
特に大逆事件をモチーフにしたのであろう、ストーリーには驚いた。
彼の作品に今まで触れる機会がなかったのが、不思議。自分のアンテナも狂ってたかな?文庫解説の三浦雅士も書いているように笠井潔と親和性が高いのに。
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No.5:
(4pt)

思いもかけない

 2001年に朝日新聞社から出た単行本の文庫化。
 朝日新人文学賞を受賞したというミステリ。著者は特異な世界観のミステリを生み出すことで知られるが、本作もまた突拍子もない一冊であった。
 夏目漱石の『坊つちやん』を下敷きにしており、文章は物凄く上手に似せられている。まさに、あの世界が展開するのである。しかし、本書はそれだけではない。およそ漱石とは懸け離れた味わいが加えられており、真相が明らかになったときには、心の底から驚かされた。
 まあ、こういうのも文学的な遊びとしてはありだと思う。ミステリとしてはいまいち。
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No.4:
(5pt)

「坊っちゃん ~アナザー・ストーリー~」

夏目漱石の”坊っちゃん”の事件には、隠された秘密があった?!坊っちゃんを知っているほうがパロディとして楽しめますが、知らなくても大丈夫。坊っちゃんの真っ直ぐな視点から眺めると、世の中、理不尽なことだらけ。ミステリ・パロディ好きには、もちろん、歴史・雑学好きにもおススメ!
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No.3:
(5pt)

漱石もこうした推理小説を書いていたかも

 周知のごとく漱石は推理小説という形式に強い関心があり、その関心が『こころ』、『彼岸杉まで』などに色濃く反映されている。この作者の文体が漱石のそれを上手に取り入れているため、これが漱石本人の作といってもそう違和感を抱くことはないだろう。『はじまりの島』では『種の起源』出版当時の社会の雰囲気が実によく描出されていたが、本書でも殺人事件と当時の社会風潮の関係が立体的に描き出されており、読み終わると当時の社会に関する造詣が深くなることが本書を読む際の副産物となる。
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No.2:
(4pt)

じーんときます

この作者の作品は最初に読んだのは『はじまりの島』。非常に面白かったので興味を持ち、このデビュー作『贋作「坊ちゃん」殺人事件』を読んだ。まず、言うまでもないことだが元祖『坊ちゃん』を見事に自分のものにしているため、1ページ目からスッと漱石の世界に引き込まれる。物語は「坊ちゃん」のその後。最初は漱石文体、漱石の世界を使った普通の推理小説と思わせるのだが、いつの間にやら作者独特の重厚な仕掛けにハマっている。元祖『坊ちゃん』自体にも当時の世相が反映されてはいるがあくまでも背景なのに対し、この「本歌取り」作品では当時の政治状況が事件の重要なカギになっている。事件の本質が表れてくるにつれ、作者が坊ちゃんの中に読み取ったある性質が明らかにされるが、これにはなるほどと思わせられるものがあった。読み終わってじんとした。『はじまりの島』も、一見ダーウィンが探偵役というだけの推理小説かと思いきや、実に壮大なテーマにつながっていくなど、この作者の作品は非常に奥が深いのだ。変な話だが、これを読んでもう一度『坊ちゃん』を読み直そうかと思った。絶対に、見方が変わってしまうはず。
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No.1:
(5pt)

贋作『坊っちゃん』殺人事件

夏目漱石のおなじみの小説坊ちゃんの文体と登場人物もさながらのミステリー仕立てです。主人公坊ちゃんの気質もひょうひょうとしていて笑えます!山嵐、赤シャツ、野だマドンナ、それぞれが繰り広げる展開はとても興味あるものになっています。漱石版とくらべてみては?
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