贋作『坊っちゃん』殺人事件

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贋作『坊っちゃん』殺人事件の評価:

4.40/5点 レビュー 20件。 B ランク

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全37件 1〜20 1/2ページ
No.37
(4pt)

面白かった

名作坊ちゃんの隣の推理小説。
名作の読み方を教わったような。
新しい世界を体験させてもらったような。

かつ、史実にも寄り添っているので、
リアルさが増しているとも思いました。

いいと思います
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫)より
4087478033
No.36
(4pt)

面白かった

名作坊ちゃんの隣の推理小説。
名作の読み方を教わったような。
新しい世界を体験させてもらったような。

かつ、史実にも寄り添っているので、
リアルさが増しているとも思いました。

いいと思います
贋作『坊っちゃん』殺人事件 Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件より
4022576707
No.35
(3pt)

羊頭狗肉の坊っちゃん...でも面白いヨ

震災復興をでっち上げ、ぼったくり男爵とあだなされる会長に乗って、日本政府も東京
オリンピックを強行。1年経って、汚職まみれで紛糾続きの国。

その東京オリンピックの街を脱出して、関西のK市に猫を連れて移住した、正義漢感の著者。
そのままでずっと居られたら好かったけれど、k市も地方国家。読みが甘かったかもね。

なるほど、現代のぼっちゃん。やることは漱石の『坊ちゃん』と似ている。改めて喝采。

しかし猫好きのくせに、猫の心知らず。猫が可哀そうだな。でも猫も現代の坊っちゃんを
とうに見抜いているか。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫)より
4087478033
No.34
(3pt)

羊頭狗肉の坊っちゃん...でも面白いヨ

震災復興をでっち上げ、ぼったくり男爵とあだなされる会長に乗って、日本政府も東京
オリンピックを強行。1年経って、汚職まみれで紛糾続きの国。

その東京オリンピックの街を脱出して、関西のK市に猫を連れて移住した、正義漢感の著者。
そのままでずっと居られたら好かったけれど、k市も地方国家。読みが甘かったかもね。

なるほど、現代のぼっちゃん。やることは漱石の『坊ちゃん』と似ている。改めて喝采。

しかし猫好きのくせに、猫の心知らず。猫が可哀そうだな。でも猫も現代の坊っちゃんを
とうに見抜いているか。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件より
4022576707
No.33
(4pt)

凝っている!

夏目漱石『坊ちゃん』のその後を描いた、何と!ミステリ。オマージュと言っても良いたろう。

本作品を読んで、慌てて『坊ちゃん』を読み返した次第。それ程、巧に本家の世界観をなぞっているのである。本家を再読したくなるくらいに優れている。

教職を辞し東京に戻ったおれが、赤シャツの死の真相を探るべく山嵐とともに再び四国へ。冒頭から、ぐっとくるではないか!

坊ちゃんが名探偵さながらに、赤シャツ事件の謎を解くという展開。本作品は、本家のエピソードに違う意味を与え、真相を解明していく。う~ん、凝っている。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫)より
4087478033
No.32
(4pt)

凝っている!

夏目漱石『坊ちゃん』のその後を描いた、何と!ミステリ。オマージュと言っても良いたろう。

本作品を読んで、慌てて『坊ちゃん』を読み返した次第。それ程、巧に本家の世界観をなぞっているのである。本家を再読したくなるくらいに優れている。

教職を辞し東京に戻ったおれが、赤シャツの死の真相を探るべく山嵐とともに再び四国へ。冒頭から、ぐっとくるではないか!

坊ちゃんが名探偵さながらに、赤シャツ事件の謎を解くという展開。本作品は、本家のエピソードに違う意味を与え、真相を解明していく。う~ん、凝っている。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件より
4022576707
No.31
(5pt)

『坊っちゃん』の青春の終わり、切ない読後感

文豪夏目漱石の代表作『坊っちゃん』の驚きの真相(?)を解き明かす、裏・『坊っちゃん』であります。
原典の年代設定を発表前年に置いて、作中の出来事を、日露戦争、自由民権運動、社会主義者の弾圧等々、当時の世相をもとに再解釈を試みる発想が凄い。他のどの作品にもまして、この作者、天才なのか、アタマがおかしいのかと驚嘆させられること請け合いです。
ユーモアたっぷりに描かれる坊っちゃんの迷探偵ぶりが、後半になると一転、重量級の社会派歴史推理の趣きに。原典から全てがひっくり返された物語の中で、ただ一つ、坊っちゃんという破天荒のキャラクターだけは揺るがない。
原典が新人教師の青春の一幕とするなら、こちらは青春の終わりといった印象で切ない読後感が残ります。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫)より
4087478033
No.30
(5pt)

『坊っちゃん』の青春の終わり、切ない読後感

文豪夏目漱石の代表作『坊っちゃん』の驚きの真相(?)を解き明かす、裏・『坊っちゃん』であります。
原典の年代設定を発表前年に置いて、作中の出来事を、日露戦争、自由民権運動、社会主義者の弾圧等々、当時の世相をもとに再解釈を試みる発想が凄い。他のどの作品にもまして、この作者、天才なのか、アタマがおかしいのかと驚嘆させられること請け合いです。
ユーモアたっぷりに描かれる坊っちゃんの迷探偵ぶりが、後半になると一転、重量級の社会派歴史推理の趣きに。原典から全てがひっくり返された物語の中で、ただ一つ、坊っちゃんという破天荒のキャラクターだけは揺るがない。
原典が新人教師の青春の一幕とするなら、こちらは青春の終わりといった印象で切ない読後感が残ります。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件より
4022576707
No.29
(2pt)

形態模写としては良くできているが

ジョーカーゲーム、トーキョープリズン、新世界に続いての購読です。
読後の感想として、形態模写としてはよく出来ているが、ストーリー、思想、推理小説としての完成度は低いと感じました。
まず、ストーリーに関してですが、物語中盤にご存知の人物たちの思いがけない過去や元祖坊っちゃんでの真相が明らかになるわけですが、
辻褄合わせとして矛盾がないものの、元祖で確立した各人物象が深まるどころか薄れてゆき、小説としての面白みがないように感じました。
また、他の作品でも散見する天皇制、共産主義の不備、熱狂的に戦争に突入していく国民性に対しての批判と警告は深みがなく、
物語のスパイスになるどころか、余剰効果とさえ感じます。
大詰めでは、思いも掛けない人物が真犯人として登場し、一部謎解きされるものの唸るほどのトリックでもなく、
物語としては突然、半ば強引に幕を閉じるかたちになり、読後、作者がこの作品に託したメッセージを感じ取ることができませんでした。
本作を作者の傑作と耳にすることがありますが、私の感想としては、本作はあくまで初期の作品であり、冒頭で示した作品の逆順で執筆、
作家として成長してゆき、ジョーカーゲームでようやく小説としての完成度が得られたのではないかと思います。
なので、ジョーカーゲームを読まれた方にとっては、他の作品で、それ以上の読後感を得るのは難しいと思います。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫)より
4087478033
No.28
(2pt)

形態模写としては良くできているが

ジョーカーゲーム、トーキョープリズン、新世界に続いての購読です。
読後の感想として、形態模写としてはよく出来ているが、ストーリー、思想、推理小説としての完成度は低いと感じました。
まず、ストーリーに関してですが、物語中盤にご存知の人物たちの思いがけない過去や元祖坊っちゃんでの真相が明らかになるわけですが、
辻褄合わせとして矛盾がないものの、元祖で確立した各人物象が深まるどころか薄れてゆき、小説としての面白みがないように感じました。
また、他の作品でも散見する天皇制、共産主義の不備、熱狂的に戦争に突入していく国民性に対しての批判と警告は深みがなく、
物語のスパイスになるどころか、余剰効果とさえ感じます。
大詰めでは、思いも掛けない人物が真犯人として登場し、一部謎解きされるものの唸るほどのトリックでもなく、
物語としては突然、半ば強引に幕を閉じるかたちになり、読後、作者がこの作品に託したメッセージを感じ取ることができませんでした。
本作を作者の傑作と耳にすることがありますが、私の感想としては、本作はあくまで初期の作品であり、冒頭で示した作品の逆順で執筆、
作家として成長してゆき、ジョーカーゲームでようやく小説としての完成度が得られたのではないかと思います。
なので、ジョーカーゲームを読まれた方にとっては、他の作品で、それ以上の読後感を得るのは難しいと思います。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件より
4022576707
No.27
(5pt)

柳広司という作家を追いかけたくなる一作

草葉の陰で、漱石先生がニヤリと口の端を吊り上げているさまが目に見えるかのような一作。
というか漱石先生自身が、このような鮮やかな謎解きを期待し「坊ちゃん」を記したのではと思わしむるほど鮮烈な推理と洞察の数々・・・
しかし平成の知性は明治のそれを超え近代日本史の暗部へ。
陰惨な犯罪の真相を追いながら我らが坊ちゃんは邂逅する。
自由民権、共産主義、ついには禁断の天皇論まで・・・
平成の知性は未来人の眼差しで戦前日本の歪みを白日のもとに暴き出す。
極上のミステリーを愉しみつつ両時代の第一級の知性に唸ることのできる一作です。

・・・ちなみに、こちらが柳先生の初受賞作だそうです。
この一作を読むと、すでに先生のその後の作品群が透かし彫りのように伺えるのが興味深い。
「ジョーカーゲーム」にしろ「トーキョープリズン」にしろ「ロマンス」にしろ・・・。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫)より
4087478033
No.26
(5pt)

柳広司という作家を追いかけたくなる一作

草葉の陰で、漱石先生がニヤリと口の端を吊り上げているさまが目に見えるかのような一作。
というか漱石先生自身が、このような鮮やかな謎解きを期待し「坊ちゃん」を記したのではと思わしむるほど鮮烈な推理と洞察の数々・・・
しかし平成の知性は明治のそれを超え近代日本史の暗部へ。
陰惨な犯罪の真相を追いながら我らが坊ちゃんは邂逅する。
自由民権、共産主義、ついには禁断の天皇論まで・・・
平成の知性は未来人の眼差しで戦前日本の歪みを白日のもとに暴き出す。
極上のミステリーを愉しみつつ両時代の第一級の知性に唸ることのできる一作です。

・・・ちなみに、こちらが柳先生の初受賞作だそうです。
この一作を読むと、すでに先生のその後の作品群が透かし彫りのように伺えるのが興味深い。
「ジョーカーゲーム」にしろ「トーキョープリズン」にしろ「ロマンス」にしろ・・・。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件より
4022576707
No.25
(4pt)

原作を知らない者が読んでも面白い

本書最後の解説にあるとおり、本家「坊ちゃん」を知らなくても楽しめるということは、私がそうだから間違いないです。
親譲りの無鉄砲で、、、という中学・高校あたりで暗唱したような記憶の一文から始まり、いったいどこから著者オリジナルの文章なのか分からないまま、物語の中に引き込まれていきます。
夏目漱石氏の文体を真似て、というか、まるで成りきっているかのようで、それでも現代の読者に読みやすいリズムで書かれているのに驚きました。

坊ちゃんの世界にトンデモナイ仮説を持ち込み、殺人事件を成立させた著者にただ脱帽です。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫)より
4087478033
No.24
(4pt)

原作を知らない者が読んでも面白い

本書最後の解説にあるとおり、本家「坊ちゃん」を知らなくても楽しめるということは、私がそうだから間違いないです。
親譲りの無鉄砲で、、、という中学・高校あたりで暗唱したような記憶の一文から始まり、いったいどこから著者オリジナルの文章なのか分からないまま、物語の中に引き込まれていきます。
夏目漱石氏の文体を真似て、というか、まるで成りきっているかのようで、それでも現代の読者に読みやすいリズムで書かれているのに驚きました。

坊ちゃんの世界にトンデモナイ仮説を持ち込み、殺人事件を成立させた著者にただ脱帽です。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件より
4022576707
No.23
(5pt)

坊ちゃんという人物

漱石の「坊ちゃん」が大好きで、小学生の頃から何度も読み返している。
この本を読む直前にも読み返しており、それで続けて読むことに決めた。

再読の途中から、謎として使われそうな部分を意識して探すような読み方をしたことで、さらに読む楽しみに繋がったので、原作を全く知らないかたで昔の小説はちょっと、という方も、そんなふうに読んでみると、原作自体に推理的要素を見出だせるかもしれない。

原作を読まなくても、柳氏が冒頭で簡潔にまとめており、その後も綺麗に話しと織り交ぜてくれるから、構わないといえば、構わない。
しかし原作を知ってのほうが、まさかの壮大さを持つ事件に実は坊ちゃんは知らずに巻き込まれていたのだ、ということを知った時のインパクトが大きいと思う。

バッタ事件は、もっとトリッキーなものを期待していたものの、なるほど、と思う。
坊ちゃんの耳には入っていなかった会話が補完されることで浮かび上がる事実が、とても面白い。
とにかく、小説の全体を通して、謎解きが成されている。
それが大きな事件へとつながっていく。

物語の面白さも良かったが、坊ちゃんという真っ直ぐで不器用で、でも綺麗な心の持ち主に対しては、原作のとおりにしてくれたことで、物語を心から楽しいと思うことが出来た。
おっちょこちょいの江戸っ子が憤りをそのまんま拳にぶつけて結局職を失う、という物語が、憂国や愛国といった物語へと変化する中で、坊ちゃんはブレない。
気持ちのいい啖呵を切る。清への愛情も大きく持っている。
坊ちゃんの清への愛も清の坊ちゃんへの愛も、強く感じられる。

そうして、原作ではないこの物語から、坊ちゃんという人物の良さを、再確認することが出来る。
ミステリーなのに、読み返したいと思わせてくれる1冊だ。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫)より
4087478033
No.22
(5pt)

坊ちゃんという人物

漱石の「坊ちゃん」が大好きで、小学生の頃から何度も読み返している。
この本を読む直前にも読み返しており、それで続けて読むことに決めた。

再読の途中から、謎として使われそうな部分を意識して探すような読み方をしたことで、さらに読む楽しみに繋がったので、原作を全く知らないかたで昔の小説はちょっと、という方も、そんなふうに読んでみると、原作自体に推理的要素を見出だせるかもしれない。

原作を読まなくても、柳氏が冒頭で簡潔にまとめており、その後も綺麗に話しと織り交ぜてくれるから、構わないといえば、構わない。
しかし原作を知ってのほうが、まさかの壮大さを持つ事件に実は坊ちゃんは知らずに巻き込まれていたのだ、ということを知った時のインパクトが大きいと思う。

バッタ事件は、もっとトリッキーなものを期待していたものの、なるほど、と思う。
坊ちゃんの耳には入っていなかった会話が補完されることで浮かび上がる事実が、とても面白い。
とにかく、小説の全体を通して、謎解きが成されている。
それが大きな事件へとつながっていく。

物語の面白さも良かったが、坊ちゃんという真っ直ぐで不器用で、でも綺麗な心の持ち主に対しては、原作のとおりにしてくれたことで、物語を心から楽しいと思うことが出来た。
おっちょこちょいの江戸っ子が憤りをそのまんま拳にぶつけて結局職を失う、という物語が、憂国や愛国といった物語へと変化する中で、坊ちゃんはブレない。
気持ちのいい啖呵を切る。清への愛情も大きく持っている。
坊ちゃんの清への愛も清の坊ちゃんへの愛も、強く感じられる。

そうして、原作ではないこの物語から、坊ちゃんという人物の良さを、再確認することが出来る。
ミステリーなのに、読み返したいと思わせてくれる1冊だ。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件より
4022576707
No.21
(4pt)

原作の持つ奥深さを改めて再認識させてくれた佳作

非常に楽しい作品。「坊っちゃん」のミステリ風パスティーシュというアイデアそのものが秀逸だが、作者の漱石への敬愛の念がヒシヒシと感じられる点が嬉しい。原作と頁数がほぼ同一、主なエピソードも全て採り上げ、原作中の人物設定もそのままでいて、新しい解釈を示して見せる作者の手腕には感心した。作中に、"内と外"の世界、"多面性"と言った言葉が出て来るが、作者の意匠・資質を良く表していると思う。文体模写も微笑ましい。

原作は、「猫」の連載期間の終盤に2〜3週間で執筆された由だが、その間に「猫」中で披瀝された漱石の思惟が「坊っちゃん」に反映されている点を作者は良く捉えていると思う。当時の世相や思想的背景が本作にも巧みに織り込まれている。歴史上の著名人を主役にした本シリーズに共通して言える事だが、作者の時代考証の確かさが作品の質の高さを維持している要因の一つだろう。

一見すると痛快小説だが、実は明治の近代化の波に乗った成功者(赤シャツ一派)と対比して、近代化の波に乗り遅れた(敢えて乗らなかった)江戸っ子の敗北の美学を描いた作品と思われる「坊っちゃん」。これだけでも多義性のある作品だと思うが、本作は更なる捻りを加えた訳で、原作の持つ奥深さを改めて再認識させてくれた佳作だと思う。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫)より
4087478033
No.20
(4pt)

原作の持つ奥深さを改めて再認識させてくれた佳作

非常に楽しい作品。「坊っちゃん」のミステリ風パスティーシュというアイデアそのものが秀逸だが、作者の漱石への敬愛の念がヒシヒシと感じられる点が嬉しい。原作と頁数がほぼ同一、主なエピソードも全て採り上げ、原作中の人物設定もそのままでいて、新しい解釈を示して見せる作者の手腕には感心した。作中に、"内と外"の世界、"多面性"と言った言葉が出て来るが、作者の意匠・資質を良く表していると思う。文体模写も微笑ましい。

原作は、「猫」の連載期間の終盤に2〜3週間で執筆された由だが、その間に「猫」中で披瀝された漱石の思惟が「坊っちゃん」に反映されている点を作者は良く捉えていると思う。当時の世相や思想的背景が本作にも巧みに織り込まれている。歴史上の著名人を主役にした本シリーズに共通して言える事だが、作者の時代考証の確かさが作品の質の高さを維持している要因の一つだろう。

一見すると痛快小説だが、実は明治の近代化の波に乗った成功者(赤シャツ一派)と対比して、近代化の波に乗り遅れた(敢えて乗らなかった)江戸っ子の敗北の美学を描いた作品と思われる「坊っちゃん」。これだけでも多義性のある作品だと思うが、本作は更なる捻りを加えた訳で、原作の持つ奥深さを改めて再認識させてくれた佳作だと思う。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件より
4022576707
No.19
(5pt)

パロディの秀作です!

解説に、漱石の原作の方を知らなくても、そちらを後から読んでも楽しめる、とありますが、やはり原作を読んでからのほうが楽しめると思います。作者が、原作のどの要素を上手に使ったかがわかるからです。漱石の作品を使ったパロディ・パスティーシュものでは奥泉光さんの「我輩」ものがありますが、こちらの方が上手だと思いました。真相解明では、思わず笑ってしまいました。

原作は新潮文庫版で300円で、こちらは540円。つまり合計840円の費用、そして数時間の読書で日本近代文学の青春ものの古典と現代文学の秀作が楽しめるというわけでおすすめです。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件 (集英社文庫)より
4087478033
No.18
(5pt)

パロディの秀作です!

解説に、漱石の原作の方を知らなくても、そちらを後から読んでも楽しめる、とありますが、やはり原作を読んでからのほうが楽しめると思います。作者が、原作のどの要素を上手に使ったかがわかるからです。漱石の作品を使ったパロディ・パスティーシュものでは奥泉光さんの「我輩」ものがありますが、こちらの方が上手だと思いました。真相解明では、思わず笑ってしまいました。

原作は新潮文庫版で300円で、こちらは540円。つまり合計840円の費用、そして数時間の読書で日本近代文学の青春ものの古典と現代文学の秀作が楽しめるというわけでおすすめです。
贋作『坊っちゃん』殺人事件 Amazon書評・レビュー: 贋作『坊っちゃん』殺人事件より
4022576707