アンブレイカブル
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ジョーカーゲームの著者の作品です 非常に面白かったです | ||||
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たくさんの本を読んでいるが、 近年、最も衝撃と影響、そして感銘を受けた。 特に、最後の主人公、三木清の在り方には、ずっと考えさせられている。 「人間は考える葦である」 この言葉の真の意味に、初めて触れた気がした。 人間は、どうしようもなく愚かしい。 一方で、信じ難いほど崇高でもある。 その人間の両面が、これでもかというほど、胸に迫る。そんな物語である。 小林多喜二が、三木清が、殺されない世界にはなった。そのことに、素直に安堵して生きていいのか。 これからも考え続けたい。 | ||||
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第二次世界大戦の時代を描いた短編集である。 ・雲雀(ひばり) 小説家の小林多喜二。作品を読んだことはないが、名前ぐらいは知っている。その多喜二が、蟹工船について取材している。もちろん、新しい小説のためである。その取材を受けた萩原と谷だが、2人はクロサキという内務省、特高の役人から、蟹工船での体験を話すように頼まれる。金をもらった2人は、多喜二の取材に応じる。多喜二から共産主義者の情報を聞き出すのが目的のようだ。つまりスパイである。谷の提案で、多喜二の暮らす小樽に行くことにした2人。だが、そこで目にしたのはまっとうな生活をしている多喜二だった。多喜二を罠にかけようとするクロサキだったが……。労働の本質を考えさせられる。 ・叛徒 軍隊で軍人の非行を取り締まる憲兵を務めている丸山に、クロサキが接近した。目的は川柳作家で共産主義者の鶴彬(つるあきら)のことである。丸山は鶴を憲兵に入れるつもりだった。丸山の考えでは、鶴は共産主義者ではない。鶴が憲兵に向いていると考えたのだ。しかし、鶴は「タマ除けを産めよ殖やせよ勲章をやろう」といった川柳を作っていた。鶴の将来はどうなるだろうか。あまりキレが感じられない短編だった。 ・虐殺 時代はやはり戦時中。志木は中央公論社に勤める和田と会っていた。2人はウマが合い、親しくなっていた。和田によれば最近、知り合いが次々に消えていくという。出版社の社員が神奈川県の特高に連行されているようなのだ。2人が所属している「政治経済研究会」が理由だろうか。志木が知り合いの巡査部長に聞くと、神奈川の特高は内務省のクロサキに会ってから人が変わったという。推理の末、志木がたどり着いた結論とは。軍国主義の怖さが分かる。 ・矜持 内務省のクロサキ参事官が中心の話である。共産主義者を罠にかけ、処罰しようとするクロサキ。この短編では、クロサキの経歴を知ることができる。内務省で参事官になるだけあって、勉強は得意だった。大学は東大に進んだ。しかし、彼は常に三木清と比較された。清は一高から京大に進学し、「京大きっての秀才」と言われた。しかし、その著書が問題になり、特高に検挙された。クロサキはその後に内務官僚として出世していった。仕事として、三木清の著作や動きは把握していた。その後、共産主義も受け入れていた清は、再び特高に引っ張られることになる。 どの話にもクロサキが関わってくるが、彼は正義漢ではない。特高の責任者として戦争中の軍部の愚かしさを象徴している存在である。同じ戦時中を描いた「ジョーカー・ゲーム」とは対照的で、読後に苦々しさが残る短編集になっている。 | ||||
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治安維持法と特高(特別高等警察)による理不尽な検挙、拷問、投獄の嵐が吹き荒れる時代にあって、自らの信念を敢然として貫き通した日本人がいたことの素晴らしさ。そこが一番、印象に残りました。 なかでも、第二話「叛徒(はんと)」に登場する川柳作家・鶴彬(つる あきら)と、第四話「赤と黒」に登場する哲学者・三木清(みき きよし)の二人の言動には、胸を強く打たれましたね。三木清の次の台詞なんか、実に良いじゃないですか。しびれました。 《参加した結果が後世〝歴史〟と呼ばれるのだとすれば、自分が生きているこの唯一の時間、唯一の歴史を、他人任せにしないで能(あた)う限りの力を尽くす。その上で、結果は後世の判断に任せる。それが、いまを生きていると胸を張って言える唯一の在り方ではないだろうか》角川文庫 p.269 内務省官僚としての業務を粛々とこなしていくクロサキの、いかにも上層役人ならではの理屈と生き方には、どうしようもない嫌悪感を覚えました。 人間としての在り方、道徳心を放棄していささかも恥じるところのないクロサキの言動、生きる姿勢って、現代の老害政治家、腹黒官僚、独裁学長 etc. etc. に通じるところ、あるんじゃないかなあと、そんなことも思ったんすけどね。 文庫版、巻末解説の森 絵都(もり えと)さんの文章も、共感するところが多く、読みごたえがありました。 | ||||
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初めての作家。着想が素晴らしい。”今”多くがシンクロしている。 | ||||
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