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羊をめぐる冒険
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羊をめぐる冒険の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全204件 181~200 10/11ページ
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というのは、マザー3のコピーですが(笑) まさに、そんな小説です。 「風の歌を聴け」からはじまる青春3部作のうちで私は、本作品が一番好きです。 だって、北海道にいるらしい鼠を追って耳の美しい女性と飛行機に乗り、札幌に到着するまでが上巻(つまり本作)なんですけれど、 そこに至るまでの道程が、本当に奇妙でおもしろいんですもの。 | ||||
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なぜ羊の写真を広告に主人公は使用したんでしょうか?そしてこの写真は鼠という親友が主人公宛に送付したものでした。ここで主人公はこの物語の根幹に関わるような重要な選択をしている筈です。主人公は心の奥底で実はこの写真からトラブルの匂いを嗅ぎ取っていた、しかしあえて広告に採用しました。なぜでしょうか?なぜ自らトラブルに巻き込まれるような選択をするんでしょうか?それはおそらく日常からの脱出です、そう退屈な僕たちの日常からの・・・。タイトルに冠せられてる冒険という言葉は日常の反対物です。つまり非日常です。この物語はひょっとしたらある種の人間たちはトラブルが待ち構えているような選択肢を、行為を無意識的に選択しているのではないか、そう教えてくれます。それはここでもないどこかを希求しているという、日常の枠外へと飛び出したいという読者の願望を満たす本。しかしこれがSF的な地球外という場所という特性、ことほどさように非日常から非日常ということになればこの本が好きな人はだめだと思うんです。やっぱりこの本が好きな人は、日常から非日常じゃなきゃまんぞくしない人たちなんじゃないかと思うんです。 | ||||
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個々の表現のレトリックを追いかけると、飽きてしまうかもしれない。 ただ、物語りの全体構成のレトリックを読み取る努力をすると、非常に楽しいのではないでしょうか。 羊男、鼠など、個性的なキャラクターが登場しますが、それぞれが何を表そうとしているのか、読むたびに違う解釈が出来ます。 | ||||
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村上春樹さんの文章に漂う清潔感というか、透明感。これが不思議。決して心をかき乱すことがない。でも読む人の心をひきつける。 読んだあとなぜか、何に対してかもわからないが、「まあ、いいか」というのを感情として沸き立たせるものがある。不思議。 内容。これがまたわかりにくい。まじめに書いてんのかな、と思うところもあれば、相当適当に見えるところも。。。 最後に「鼠」と暗闇で会話をする場面。これは神秘的で心地よい。幽霊だけど、ビールを飲む。これは変。でも何もかもあっさり書かれるから、スムーズに入ってくる。神秘的な気分にさえなってくる。不思議。 | ||||
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何をしているのか、が微妙にさぱりだけで、それでももの凄く心に響くものがあるこの作品。 この作品で、影的存在である鼠との決着が一応つく。それはそのままダンスダンスダンスへ。是非是非読んでほしい作品 | ||||
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はっきり言って、最初読んだ時は結末の意外さに衝撃を受けました。「風の歌を聴け」との矛盾が多少あるのが残念ですが、それを考慮しても素晴らしい作品だと思います。 | ||||
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村上春樹さんの長編小説の中、最も読書時間が短く読めたお話です。初期作品なので、無駄な構築部分もありますが(妻の存在に物語的な意味を感じられません)。戦争を生き抜いた者、大人の恋、精神的要素、知的なニュアンスの日常会話、一通りの村上節が揃ってますので、村上ワールド未体験の方は一度目を通すと良いかもです。 | ||||
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「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」とともに、俗に「三部作」と呼ばれる小説の3作目。前二作を先に読まないと半分も楽しめません。「風の歌を聴け」に出てくる主人公「僕」とその親友「鼠」。この二人がとても魅力的な人物で、彼らへの思い入れこそがこの三部作を楽しむ上で最も重要になります。あの二人は文学史に残るアイドルになるかもしれない。夏目漱石の「坊ちゃん」みたいに。二人は「風の歌を聴け」で20歳前後、「1973年のピンボール」で25歳前後。「羊をめぐる冒険」で30歳となります。20歳、25歳の彼らとともに青春の苦悩を味わい、”ジェイズバー”でビールを飲み、それぞれの恋をし、バーテンの「ジェイ」と会話を楽しんだ過去があってこそ、30歳の彼らが遭遇する苦難と冒険にのめりこむことが出来るわけです。「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」に関しては、僕の場合、部分的に20回以上読み返しています。暗記している場面すらあります。小説を読み返すタイプではないんですが、この二作は別です。短いですし。「羊をめぐる冒険」は探偵小説のように謎を追うストーリーです。探偵小説と青春小説を混ぜ合わせたような小説。ドラマチックな場面も多い。三部作の中でも特に人気の高い作品です。前二作と違って整ったストーリーと緻密なプロット、構成の巧みさをも楽しめます。特に終盤がいい。ついでに言うと、この続編として「ダンス・ダンス・ダンス」という小説がありますが、こちらはこの「羊をめぐる冒険」に出てきた人物が中心になります。つまり人気シリーズなんですね。 | ||||
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鬱になりそうな人は読まないでおいた方がいいかもしれません。 今まで本を読んでいて感じたことのない感覚に陥りました。悲しいというか寂しいというか。なんだかブルーな気持ちになります。でも、読者に涙を流させるために、これでもかと言わんばかりに悲劇を並べた作品ではありません。上辺だけの感情ではなく、心の底から悲しさを感じます。 全体的に抽象化された文章で話は進んでいき、ところどころに現実に引き戻される表現。私にとって、この本との出会いは未知との遭遇でした。最初の方はよく内容が把握できず、「この話は一体なんなんだ」などと思っていました。最終的に感じたことは、これは物語ではなく、心の中のことまでもを体験化したエッセイなのではないか、ということです。悲しかった出来事をそのまま「悲しい」とは表現していませんが、その文章すべてから哀愁が漂ってきます。 理解できた、とは思っていません。誰にも正確に読み解くことなんてできないでしょう。ただ何かわからないけれど深い悲しみが湧き上がってくる、そんな作品です。 | ||||
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どのように楽しめばよいのかわからない、作品でした。三部作の第三弾にあたるこの作品は、全二作品とはだいぶ異なるスタイルで書かれています。この作品には明確なストーリーがあり、しかも少しミステリー仕立てです。そういう意味では、村上春樹が好きな人でなくとも、ある程度は楽しめるのではないかと思います。文章も読みやすいです。ただ、やはり純文学であるので、ミステリーのように全てを明らかにして物語が終わるわけではありません。登場人物の心情も重要な要素です。この作品では、純文学的な要素とミステリー的な要素がどっちつかずに混在しているように感じました。こだわらなければ、そこそこ楽しむことはできます。けれど物語としては、心を打つものがありませんでした。作品の中で、象徴的に用いられているもの、例えば彼女の素敵な耳など、も何故耳なのか。効果的にに生かされておらず、とってつけたような印象を受けました。私の知人の間では、この作品の評判は上場だったのですが残念です。ただ村上春樹の作品には、必ず心に残る文章が含まれています。この作品でも、時折そんな素敵な文章と出会うことができました。 | ||||
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やっぱり村上春樹さんの本でした。風景の描写でのあの文章の静けさはとっても心に浸透していきます。いままでの本とこの本との似ている雰囲気があり、この作者はよくここまで自分のまっすぐな所を文字にし何年間も維持することができるのだなと感心と共に改めて村上さんのすばらしさに一段と惹きつけられました。 | ||||
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「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」に続く、「僕」三部作の終焉。これらの三つの作品を見てみると、よく言われている「村上ワールド」の軌跡が見て取れます。段階的に村上春樹の特徴とも言える、異界との接触というものが確立されていきます。(初めて村上さんの作品を読むのならこの3作から入るのをお勧めします。) 「羊をめぐる冒険」はそういった点で、村上春樹の方向性をしっかりと決めた作品なのではないでしょうか?純文学でありながら、ファンタジー的な要素を盛り込んでいくという。そして、多くのメタファーと示唆に富んだ作品へと進む村上春樹の傑作であると僕は思います。 そして、その方向は「羊を~」の続編「ダンス・ダンス・ダンス」である形でのゴールを迎えているような感じです。 しかし、この「羊をめぐる冒険」での「羊男」や「いるかホテル」など象徴的な存在を巧くメタフォリカルに書き出す力には圧倒されます。 文学は解釈のしようだということもありますが、多くの人を楽しませ、考えさせる村上春樹と言う作家は現在の文学界にはなくてはならない存在なのでしょう。 | ||||
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『羊をめぐる冒険』……はて、「羊」とはなにか?これは「羊」を探すファンタジー小説である。のだと、思う。主人公・僕は無為に過ぎる毎日を鬱屈とした気持ちで送っていた。退屈な日々。しかし、それは彼自身が凡庸な日々を求めている結果としての退屈な時間でもあった。僕のもとに一人の男が現れた。生き方としての無駄な贅肉をまったくもたない男である。彼はPR誌の1ページを差し出した。グラビアページ。そこには「羊」がいた。雲と山と羊と草原があって、他にはなにもいなかった。そして、それは僕の制作したものだった。男は言った。「この写真のなかにいる羊を見つけて欲しい」その中には一匹の特殊な羊がいた。かくして、僕は「羊」を探す旅に出た。少々、雑な筋だが、内容はこんな感じ。主人公はとにかく「羊」を探す旅に出た。しかし、この「羊」とは、フカフカ動物だけをさすものではない。「羊」とはなにか?それは様々な比喩を含み、そして何度も何度も遠くから問いかけ、結局答えは各人に任せて、終焉を迎える。人間の弱さ? それも「羊」かもしれない。なにかの死? それも「羊」かもしれない。私たちの「羊」を探す旅は、この小説を読み終えてからようやく始まるのだと思う。確かに『風の歌を聴け』と『1973年のピンボール』の続編(?)である。しかし、雰囲気はだいぶ違う気がした。同じような気持ちで読むと少々面食らうかもしれない。「羊」を探すミステリーとファンタジー。これは実にうまく人間というものを観察した冒険小説だと思う。 | ||||
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文章が上手いし、物語が面白い。小説においての大切な2点が誰でも満足できる以上のラインでカバーされています。30代手前の主人公を扱いながら、何故か誰でも共有できるような心理や、それに付随する美しい情景など、何かと欠かせない作家ではあります。ただ、物語のラストに納得できる、できないが大きな問題点にはなると思いますが。 | ||||
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一つの物語でこんなにも、もどかしさ、無力感、無常観を味わうとは思いませんでした。失いたくないもの、失われていくもの、時が過ぎていくこと、どうしようもないのだけれど、どうにかしたい。そんな気持ちでいっぱいになります。深いです。いろんな意味で、涙が出ました。 | ||||
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この作品は村上文学において記念碑的であると言っても過言ではない。第一作の「風の歌を聴け」と2作目の「1973年のピンボール」までは どちらかというと筋があいまいで都会の洒落たおとぎ話という趣で この人が将来「アンダーグラウンド」なんて本を書くような人だとは それまで誰も思わなかったはず。ところが この3作目で 村上春樹はおそるべきストーリーテリングの冴えを見せ始めている。それとともに 後年彼の「小説」で見せる超自然的要素もこの作品で現れはじめる。小生は賭けても良いが 1,2作目での村上ファンのかなりが 「羊をめぐろ冒険」に違和感を抱き あるものは村上春樹から 離れていったと思う。但し その代わりに この作品が決定打となって村上春樹が好きになった人も相当いるはずである。ここから村上神話が始まったのである。 | ||||
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私が村上春樹を知ったのは、ちょうど大学生になったばかりの頃。最初は、昔なんかの賞を取ったし、まあ、面白いやろう・・・という不純な動機でした。取り合えず手に取ったのは、風の歌を聴け、デビュー作です。この小説を読んで以来、なぜか気になる小説家で、次に手を出したのが『1973年のピンボール』。これでハマり、本書『羊をめぐる冒険』へ。正直、最初はシンボリズムだとかなんだとかは分からなかった(今でも分かっていないけれど)。ただ、本に惹き込まれた。この小説を読んで、『身体が震える』経験をしました。なぜか分からないけれど涙が止まらなかった。もっと評価されて良い小説だと思います。未読の方は是非手に取ってみてください。 | ||||
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ある意味で完結しています。映像でなけ小説でしか味わえないこのムラカミワールドに誘います。 | ||||
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「風の歌を訊け」「1973年のピンボール」につづく青春三部作完結作品。当時、村上春樹は旧来の多くの作家が使う「日本語」とは似て非なる表現をしていたわけですが、その乾いているけれど趣きがある散文テクニックにエンターテイメント性、戦後の日本に関わるある種のノンフィクション性を合わせ骨太にしようとしたのがこの作品ではないかと思います。その分、量もそれまでの2作よりは多くなっている、と。正直、羊に関しては読後も完全にすっきりすることはなくそれは文学として余韻を楽しむべきところか、エンターテイメントとしての消化不良性を問うべきところか、ちょっと考えました。あとどこかに書かれているかもしれないのですが、「先生」については児玉誉士夫を思い浮かべたのですが、ど㡊??でしょう?安保以降、政治に距離を置き続けた村上春樹が実は無意識のうちに政治に拘泥していた、という文学的背景のグルーヴが出てより興味深いと思うのですが...。 | ||||
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10年ぶりの再読である。今回は順を追って読んでいった。北海道の十二滝町の情景がありありと目に浮かんだ。ぼくたちが知っている村上春樹のエッセンスもそこかそこに見受けられ、いわゆる村上春樹ワールドを堪能することができた。10年前は途方に暮れてしまった形而上的な部分が、それはそれとして形而上的に楽しむことができた。村上春樹自身が解題でいみじくも述べているように、村上春樹の小説のひとつの文学的到達点がここにはある。次作のダンスダンスダンスを読むのが大変楽しみだ。 | ||||
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