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羊をめぐる冒険



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羊をめぐる冒険の評価: 4.22/5点 レビュー 204件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.22pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全23件 1~20 1/2ページ
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No.23:
(3pt)

前半戦は我慢の読書か。洒脱でユーモラスな会話を楽しみつつ。

本作「羊をめぐる冒険」ですが、「僕」や「鼠」が登場する「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」の続編となります。一応本作ののち「ダンス・ダンス・ダンス」が続きます。

・・・
さて、今回も「僕」が飛ばします。衒学的で、厭世的、そして女性に困らないという、なんともまあ憎たらしい・羨ましい設定のキャラ。

読んでいて感じたのですが、この小難しい感じの男性「僕」というのは21世紀前半の昨今、まだイケているのでしょうか。

女性との会話に「そうそう、そういう感じでさぁ」と返すのではなく、「違うんだよ。表現しづらいんだけど、僕の心のひだの底に、澱のようにたまった沈殿物のように「それ」はあるんだよ」みたいな。いちいち日常会話が文学的比喩で満ち満ちている。

もちろんこれはお話の世界ですからアリですが、こういう小難しい会話は私の時代は「かっこいい」と思ったものですが、今はどうなのでしょうか。時代を感じます。

・・・
ま、そんなのはいいのですが、この上巻、若干冗長な印象を受けます。
というのも延々と「僕」の話で、一向に羊にまつわる話に突入しないからです。

そんな中でも、洒脱でユーモラスな会話は健在です。
また、前作群同様、状況と展開は予想を超えてきます。

前作では「僕」は翻訳会社を友人と運営していましたが、そこにアシスタントの女性がいましたね。米国からの留学帰りの。本作ではいつの間にか「僕」の奥様に。というか、その奥様と別れるところから本作始まりますし。

さらに、早速の新彼女は、耳のモデル兼コールガール兼出版社の校正係という変わり種。さらに彼女の耳は特殊な「何か」を聞いているという、ある意味霊感的な能力?の持ち主。

そんなこんなで前作を想起しつつ上巻も終わろうとしているところで、やっとこさ「鼠」が登場。彼から手紙が届き、そして羊をめぐる冒険の火ぶたが切って落とされます。

・・・
ということでここからが本番、といったところでしょうか。
おしなべて上巻は「我慢」の読書を強いられるでしょう。先ずは上巻を何とか頑張って読み切ってください。展開に動きが出てくるのは下巻からです。そして下巻では、驚きの展開。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.22:
(3pt)

魔術的な物語

流行りに流されつつ、村上作品は大体読んでいる気がする。あらためて不思議な読後感だとおもった。魔術的な物語、面白くないわけではない、むしろ一気読みした。

凡庸といいつつ超然としていて共感が難しい主人公の言いい回しに似せるなら、この物語が「なんといっていいかわからない。無理して表現しても、大事な部分が損なわれているように思う」といったところか。

これを多くの人が読んでいると思うと、それもまた不思議な気分になる。評価も高いらしい。書評や感想もたくさんあるとおもうが、みんなは自分の言葉で語れているんだろうか。
どの村上作品にもいえるが、内容もそうだが存在自体も魔術的な物語だと思う。

すこしだけ感想めいたことを書いてみると、自分は、普段から、できるだけ「自然」に生きるということを意識しているが、「魔術的な物語を生きる」ことも「人の自然」なのかもしれないなと思った。
なぜなら、やっぱり、よくわからないのに、また村上作品がでたら読むだろうから。
羊をめぐる冒険Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険より
4062002418
No.21:
(3pt)

学生時代に読んだ本、再度読んでみた

学生時代に読んだことがある本です。
実は、日本語を勉強している私の生徒さんからのリクエストで
この本を取り上げることになり、もう一度読むことになりました。
最初読んだときは、新鮮な感じでしたが、
主人公の年齢よりもずっと自分の今の年齢の方がうえで、
仕事で読んでいるせいか、こんなだったかなという感じです。
きっと主人公と年齢が近いほうが感動できると思います。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.20:
(3pt)

何故だか好きなんですよ(笑)

「ボールを持ったからにはゴールまで走るしかないさ。たとえゴールがなかったとしてもね・・」読み終え、この言葉が妙に気になったが、そもそもこの物語のゴールなんて作者にとってはどうでもいい事だったのかもしれないなんて思っている。いささかリアリティに欠けた物語ではあったが、心の葛藤・動きは感じ取れ、それなりに読めた。
羊をめぐる冒険Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険より
4062002418
No.19:
(3pt)

不思議な読了感

村上春樹の1982年発表の作品。
村上春樹ワールド色は濃くもなく薄くもなく中くらい。ただ、のめり込んで読める、なのにライトな感じ。不思議な読了感。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.18:
(3pt)

知り合いに勧められて読みました。

誰もが知る作品だと思います。一読の価値はあると思います。
羊をめぐる冒険Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険より
4062002418
No.17:
(3pt)

人生の哀感が伝わる不条理絵本のようなもの

村上春樹はストーリーだけ追っても詰まらない。この下巻もやはりイマイチすっきりしたラストではない。主人公や鼠は結局自分探しの旅を終え、学生時代から続いたモラトリアムと決別した、と言う事なのだろうか?
 今巻で印象に残るのはやはり羊男。ちょっと不条理な絵本だと思えば一番納得出来た。きっとそれで良い。とても読み易いし、人生の哀感みたいなものが良く伝わってきた。それで十分ではないか。
羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)より
4061836072
No.16:
(3pt)

雰囲気勝負

初期三部作だそうで、確かに登場人物などの設定が繋がっており、そこは素直に楽しめた。やはり基本的にあの時代の雰囲気を楽しむ類の小説かと思ったら、後半羊の謎を追うミステリに変わる。そこで「え? これってどうだっけ?」とページを戻って確認読みをしたのは私だけだろうか。上巻だけの感想だけど、本格ミステリでないのは間違いない。恐らく謎が解明されてスッキリする事なんてないだろう。が、エンタテイメント性を取り入れるためのミステリ要素と思えば腹も立たない。
 羊の謎を解明するため、使いの男に飼い猫の世話を依頼するエピソードが、上巻の中では一番面白かった。いや、そんなの本筋と関係ないだろ、と言われればその通りだが、村上作品はそういう読み方で間違ってないと私は思う。あくまで雰囲気勝負の作風で、テーマ性やストーリーにこだわってはこんな退屈な作家もない。細部の洒落た文章表現やユーモアを楽しめばそれで良いのだ。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.15:
(3pt)

羊男のイラストが気になる

本書の時代背景である1978年は、単行本化された当時は数年前のことであったが、今となっては時代は遡っているのだから、幾分古めかしい用語も登場する。「テクニカラー」、「テレビのスイッチをつけて、チャンネルをひととおりまわして」、「部屋にはテレビ・ゲームが四台」、「ブックシェルフ・スピーカーとアンプとプレーヤー」などです。
「テレビで『バックス・バニー』の再放送」、「ナット・キング・コールが『国境の南』を唄っていた」、「パーシー・フェイス・オーケストラの『パーフィディア』」、「ベニー・グッドマン・オーケストラが『エアメイル・スペシャル』を演奏」、「チャーリー・クリスチャンが長いソロを取った」 などは、当時の読者は分かるだろうが、後の読者は何だかわからない。しかし2005年以降くらいだろうか?YouTubeの存在が、どういった曲なのか読者は知ることが出来るようになりました。今はそういう便利な時代です。
村上春樹の代表作「ノルウェイの森」などと比べて本書は軽くて読みやすい。でもこの作品は軽いがゆえにかえって腑に落ちない点が幾つかあるのです。63頁「夢の中に羊が現われて、私の中に入ってもいいか、と訊ねた。」 いったい羊に憑かれるとは何なのでしょう?ある人の解釈によれば、羊は悪魔である。そのようなものと考えれば合点はゆきます。そして上巻に戻りますが、耳のモデルの彼女はなぜコールガールという設定なのでしょう?耳のモデルという設定で十分ミステりアスではないでしょうか?まず日本にコールガールなどいるのでしょうか?フランスでは、地位の高い要人を相手にターゲットとしたそういった職業があるそうですが、日本ではソープランド嬢、本書の時代背景である1978年では、トルコ嬢と呼んでよいでしょう!多分そういった呼称が使われれば、下品なものになってしまうからコールガールなどという呼び方にしたのでしょう?そして、戻って下巻では、この耳のモデルの彼女は山を下ります。どうやって下山したのでしょうか?歩いて下山できる距離ではありませんし、ヒッチハイクできる車が付近を往来しているわけでもありません。そして、一旦、ドルフィン(いるか)ホテルに戻った彼女は、「行き先はおっしゃいませんでした。体の具合がお悪そうで」とは、何を意味しているのでしょう?
そもそも、羊男と鼠との関係は、何なんでしょう?同一人でしょうか?下巻の167ページには羊男のイラストが掲載されています。この絵はすごいインパクトです。上下巻で絵はこの頁だけ掲載されている。そもそも掲載される必要があったのでしょうか?またこれほど印象深いキャラクターを絵として造形し創造したのは、誰なのでしょう?
最後に、結末のほうですが、××によって、羊男・鼠と黒服の男はどうなってしまったのでしょうか?自○なのか?それとも事故に遭遇したのか?そうでないのか?なんだかわかりません。消化が良いと思い食べたものがそうでなく未消化でいる気分で満ちているのです。
羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)より
4061836072
No.14:
(3pt)

評価って難しい

本書の時代背景である1978年は、単行本化された当時は数年前のことであったが、今となっては時代は遡っているのだから、幾分古めかしい用語も多く登場する。
「東京都の区分地図」、「国電」、「アルバムを開いてみると彼女が写っている写真」、「テープデッキのリール」、「近所にあるオーディオ・メーカーのショールームで新譜のレコードをひとかかえ聴いて時間をつぶし」、「運転手は座席の下から手さぐりでカセット・テープを選び出し、ダッシュボードのスイッチを押した」、「公団住宅」、「トランシーバー型の受話器」、「デジタル時計」、「ピンク電話に十円玉を三枚入れ」など。
「ジョニー・リヴァーズが『ミッドナイト・スペシャル』と『ロール・オーヴァー・ベートーヴェン』を続けて唄っていた。それから『シークレット・エージェント・マンになった。』」、「レコードはビル・ウィザーズに変り」、「メイナード・ファーガソンの『スター・ウォーズ』を聴きながら」などは、当時の読者は分かるだろうが、後の読者は何だかわからない。しかし2005年以降くらいだろうか?YouTubeの存在が、どういった曲なのか読者は知ることが出来るようになりました。今はそういう便利な時代です。
さて、この作品を読んで良いとか面白いとか評価をする人がいます。本書は1982年に単行本化されて1985年に文庫本化され、以後何度も再刷りされて発行が続いています。このことは、きっとそういった評価の結果なのでしょう。でも最初自分はあまり面白くありませんでした。何故かと思い巡らせば、後の彼の作品にあるような過激な性描写がここにはない、Aパート・Bパートと交互に物語が進行する形を取っていない、それ故に緊張感や興奮度が少ないといったのが原因ではないかと。「羊をめぐる冒険」という標題も何かしらスリリングな『冒険』を期待されて読んだのですが、冒険というにはたいしたこともなくその期待はかわされてしまいました。後の作品だと、ときには性描写が嫌悪するほど激しく吐き気がするほどでも、本書では、243頁のように「我々はソファーの上で抱きあった。~僕は彼女のシャツのボタンを全部はずし、手のひらを乳房の下に置いてそのまま彼女の体を眺めた。」とおとなしい目の表現です。
しかし、よく読むと「やれやれ」と呟き、「猫」がでてきて、知り合った女性が葛藤もなく主人公とまぐわってしまう。間違いなくここでは「村上ワールド」の方法論が成立しています。春樹作品を読み続けている読者にとって、数々の作品の成立の過程を知る点で「羊をめぐる冒険」は興味深い作品でしょう。「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」は羊四部作で、デビュー作「風の歌を聴け」からは、本作は3作目です。作者村上春樹がジャズバーを売却して専業作家となって書き上げたはじめての長編小説です。
ただこの作品だけを単独に読む読者にとっては、ある種の緩いいいかげんさが良いと感じるのか、それとも緩い設定の非整合性が、消化の悪いものを食べたあとのもたれと感じるのか、単独では評価は難しいです。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.13:
(3pt)

何も起こらない

村上春樹の小説は何も起こらない。最終的に自分で考えてというようなことなのだろう。でももう少し最後に、なにかほしかった。
羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)より
4061836072
No.12:
(3pt)

理解できない

続きが気になって、どんどん読み進みたくなる。
ただ、読み終わった後で、
「この本は一体何を言いたかったのだろう」と、
考えてしまった。
羊をめぐる冒険Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険より
4062002418
No.11:
(3pt)

エンターテイメント性のある村上作品の最初?

村上作品は、友人に面白いと勧められた「ノルウェィの森」を大学時代に読んだのが最初。
その後、ここ数年、前期三部作とか最近の作品とか、有名どころは読んでます。
全部は網羅していません。

で、この作品はおそらく初めてエンターテイメント性を自分の小説世界に持ち込んだ最初の作品なのでしょう。
他のレビューで映画から着想を得た、と書いてあって、なるほどと思いました。
確かに映画的です。絵が浮かびやすい作品です。

このエンターテイメント性は、おそらく「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」とか「1Q84」に引き継がれます。
そういう娯楽性も楽しみたい方にはおすすめします。

ただ、最初の小説からずっと一貫しているなと思うのは、この人はいつも静かに怒っている。
世界のあり方にどうも納得していないらしい。

私もずっとそう思っているから、そこに共鳴して読んでしまうのだろうなと思います。
ですから、今に満足している人にとっては、何も響かないと思います。
今を変えたくない、決まった法則の中で安全に暮らしたいと考えている人にとっては、村上春樹は無用の長物でしょう。
むしろ害であると感じる人もいるでしょう。

世の中には大きく分けて、二種類の人間がいると思います。
今を変えたくない、ただひたすら幸福を求める人と、
今を変えたい、現状に満足できない人です。
後者を村上さんは支持していると感じる。
それは、「アフターダーク」ではっきり言っている。

そう、村上さんはそういうことを、今まであまりはっきり言わなかったのですが、 けっこう「アフターダーク」あたりからはっきり言うようになった。
それで私は、ずっと村上春樹を読んでしまうのだな、と感じます。

今後も、村上さんには、ペンで戦っていただきたい。
そう思います。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.10:
(3pt)

羊男と数字が気になって眠れない

あちこちにシンボルが散りばめてあり、それが謎解きのようであることはとてもおもしろく読みがいがある。特に、羊男とたくさん出てくる数字が気になる!!でも解けない。。。時間をおいて5回読み直したけどやっぱりシンボルが何を象徴しているのかも話しの内容もよくわからない。村上春樹の良さが分かる人と分からない人がいる、というのはこうゆうことを言っているのだと思う。この作家独特の心象風景描写には惹かれないが、作家の社会的な面にはとても魅力を感じる。
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No.9:
(3pt)

久しぶりに読みました

ある日、僕の頭に羊が浮かんできました。

それは、昔に読んだ村上春樹の本書に出てきた羊の姿とクロスしました。

10年ぶり?20年ぶり?に読みたくなり手に取りました。

春樹ワールド全開で、少し景気が良かった時代が懐かしく読みました。
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4061836072
No.8:
(3pt)

鼠が素敵

村上氏の長編はこれまで「ノルウェイ」、「カフカ」、「世界の終わりと〜」と読んできたが、この長編は素直に彼の個性が表現されているという点において他の作品に群を抜いているように思う。何が「素直」かと言えば「僕」という存在や「鼠」という存在のリアリティ、メタファーの多様、推理小説ばりのエンターテインメント性などがそうだ。「カフカ」は文章といい、登場人物といい、こしらえものくさい印象が鼻についた。しかしリアリティ溢れるこの作品は読むものの心を震わせる素直な魅力を感じた。難点を挙げるならばストーリー進行の緩慢さと風景描写の冗長か。危機的な状況にあるにもかかわらず主人公らの行動に緊張感が感じられないのが疑問だし、下巻の登山のくだりは読んでいて飽き飽きした。あとこれは他の作品にも言えることだが主人公の「やれやれ」的な受身体質、すぐにやらせてくれる女性の性格にはいつまでたっても慣れない。
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No.7:
(3pt)

私には難しかった

村上春樹の作品を読んでみようと思って挑戦したが、内容の解釈がなかなかできずよくわからないまま読みおわってしまった。

雰囲気には浸れると思いますが、私のような読解力に自信のない人にはお勧めできないです。
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No.6:
(3pt)

青春はいつか終わるってことか

 新作1Q84の発表で、村上春樹への関心がバブリーに沸騰している。私は彼の作品のうち、本作をあまり好きではない。連作のキャラクター達が登場するから、好きな人は好きなのだろうが、長い割に楽しめなかった。 固有名詞が一切出てこない作風は、彼の小説の普遍性を演出しているのだろう。そこがややキザな感じがするし、もったいぶった感じがするのだが。人から人へ渡り歩く観念的かつ実存的な「羊」については、いくらでも深読みできるだろうが、共通仮想敵のいない現代日本にとっては決定的な解釈がない。
 これだけ長いが、読後の感想は「青春はいつか終わるってことか」という感じ。
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No.5:
(3pt)

。『後日譚』という表現を使わせてもらうとすると、まさにその言葉どおりとなる

村上春樹の『僕と鼠』の俗に言う『青春三部作』の三作目。
比較的短い『風の歌を聴け』と『1973年のピンボール』に比べ、
上下巻があるなど長めの物語である。
しかしこのシリーズと一貫して大きな事件がおきるわけではなく、『僕』を語り部として淡々と日常がつづられていく。
物語性は薄い。
しかしこれはこの作品だけではなくて
前三作も物語としてみるとものすごく薄い。
かといって極度な観念性のある話という感じでもない。
登場人物はすべての象徴であり、凝縮したような存在に感じる。
しかし内容は直接つながっていないとはいえ、
前二作を読んでいないと完全に置いてきぼりをくらう感じである。
もっとも、読んでいたとしても
淡々と流れる日常にただ飲まれるだけであろう。
個人的には『風の歌を聴け』という名作を受ける作品として、
過剰な失敗作ではないのはもちろんの事、成功という感じもしない。
ただし、成功というのがなにを意味するのかは
厳密には定義しがたい。
『後日譚』という表現を使わせてもらうとすると、
まさにその言葉どおりとなる。
実際の物語は下巻からはじまるといってもいい。
だから、とりあえず上巻には★3つ。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
4062749122
No.4:
(3pt)

羊が象徴するもの

30才になった「僕」は、四年の結婚生活にピリオドをうつも仕事は順調にこなしていた。新しい恋人は完璧な耳を持った不思議な女の子。耳を解放したらって話はよくわかなかったが、妻がいなくなった僕の隙間を埋めていた。
単調な生活から、街を出て放浪する鼠から送られてきた羊の写真がきっかけとなって冒険というのか旅に出る。
背中に星形の印がある羊は人の中に入り込んで支配する。羊としての世界観を実現させることで、付随的に宿主だった人間は社会を支配するも幻想に悩まされるという。羊を探しに人里離れた山小屋にまで来た僕は、暗闇の中で羊に取り込まれることを拒否した鼠と再会した。
前作にも増して非現実的な世界が展開するけれど、相変わらずリアリズムに徹する日常生活の描写のおかげか単なる幻想小説にはとどまらない魅力がある。
「羊」は何なのだろう。野心? そんな単純なものではない。世界そのものかもしれない。いや、羊は羊のままでいいのだろう。頭で考えるだけでなく、心にまで羊が入り込んでくるような作品だった。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)より
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