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神狩り
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【この小説が収録されている参考書籍】
神狩りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 1~20 1/2ページ
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1974年にSFマガジンに発表された著者のデビュー作だそうです。その後75年に加筆修正の上で単行本出版されました。 自分が持っているのはハルキ文庫版ですが、ここで上がってこないのでこちらに書いています。ハルキ文庫では大森望氏の詳しい解説があるので、作品の成立過程がよくわかるようになっています。また著者自身もあとがきを寄せています。 まず、すごく斬新なアイデアだと思います。天才的と称賛されている情報工学の研究者、島津は、ある石室の壁に描かれた古代文字らしいものを解析してもらえないかとたのまれます。人間には理解できないと思われる構造を持つ文字、そして「命が惜しければ文字のことは忘れろ」と言う言葉を残して石室から幻のように消えた男のことを考えあわせ、いわば”神”のような存在がいるのではないかと考え始めます。ある日突然彼は得体の知れない組織に拉致され、その文字を解読しろと監禁されてしまい・・という出だしです。 偶然最近、著者と恩田陸さんの対談を読んだのですが(「読書会」徳間文庫)、ここで披露されている「論理記号が2つしかなく、関係代名詞が13重以上に入り組んでいる言語を人間の脳は理解できない」という理論は思いついただけで実在する学説ではないそうです。それでもヴィトゲンシュタインとかそれらしい公式や聖書の話などで読者を雰囲気に巻き込んでしまうストーリー展開は説得力があると思いました。 自分は神も宗教も信じていませんが、実際ギリシャ神話の神などを見ていても、人類を守るとか導くとかとはほど遠く気まぐれで残酷ですし、ユダヤの神の”妬む”性質からも、たとえ神がいるとしても優しく偉大な存在とは思えません。そのあたりをこの作品はうまくついていると思います。 著者が23歳という若さで執筆し、しかも48年前の作品ですから古めかしさは否めません。70年代の学生運動などを背景にしたどこか荒廃した雰囲気、登場人物はウィスキーをがぶ飲みしタバコを吸いまくり、みんなが投げやりで何らかの怒りを抱えているようです。 あとがきで著者本人が書かれていますが「この作品を書いた時、自分を虫ケラのように感じていて、自分がこんな人間であるのを強いられていることをひどく不当なものに感じていた。(中略)何物とも知れないものに対する怒りをフツフツとたぎらせていた」 「作品が発表された後、まったく注文がこず、プラカードを持って中野ブロードウェイに立つというアルバイトをやり最低の食い扶持を稼いでいた」ということ、登場人物がみんないつも陰鬱で苛立っているようなのも、当時の著者の気持ちを反映しているのかもしれません。 古さと時代を考慮して読めば斬新な作品だと思います。続編「神狩り2、リッパー」が2005年に刊行されているので続けて読んでみます。 | ||||
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遺跡等から見つかる解析不能な古代言語の構成が人間の使う物とは違うとこから神の存在を類推するアイデアは面白かった。 | ||||
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今でこそそれほど奇抜でもないアイディアですが、40年以上も前に本作を書いていた(しかもデビュー作!)作者の才能には戦慄と同時に感動すら覚えます。凡人が思いつかないアイディア、読ませる文章力、グイグイ引き込まれる構成力など、圧倒的という言葉じゃ生温いです。栴檀は双葉より芳しとは正にこの事でしょうな。 | ||||
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大昔読んだが、三体を読んだらこっちももう一度読みたくなった。持ってるのは間違いないが、発掘するのが無理なので、Kindle版で読み直した。満足! | ||||
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何十年ぶりかに読んだけどやはり面白かったよ。 ほかの作品も再度読みたい | ||||
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以前よく読んでいた山田正紀のデビュー作。もちろん読んだ事もあるのだけど、新装版を見掛けたので購入。内容はほとんど忘れていたが、その後多ジャンルで活躍する器用な作家のイメージがある作者が、本格SF作家として身を立てるのだと言う熱意を込めた意欲作と読んだ。 内容はさすがに現代SFのレベルには及ばないやや稚拙さの窺えるもので、中途半端なスパイ小説みたい。古代文字の解読から神の存在を感知する過程でもう少し精緻な疑似科学的説明が必要と思ったし、やや没個性的なキャラクターの書き分けももっと上手に出来る作者のはずだ。 それでも本作が十分読むに足る魅力を持ち得ているのは、あの当時のレベルで新しいものを作り出すのだと言う山田正紀の熱意が込められているからだろうと思う。 | ||||
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学生時代SF作家にあこがれていた。だが本書を読んであきらめた。作者の山田正紀は23歳だという。 正直、自分とたいして歳が変わらない作者との差がどれぐらいあるのか解らなかった。100年たっても同じものは書けない。 そう思った。 連想コンピューター、機械翻訳、記号論理学。翻訳機が手のひらサイズになり部分的にせよ人工知能が人間の能力を凌駕するような 時代になってはさすがに登場するアイテムの古さは否めないが40年前にこんなものが書けたことにやはり驚嘆せずにはいられない。 ツッコミ所はいろいろある。主人公の愛する女性が霊魂になっても明確な意思を持って主人公を守れるなら妨害者を殺害したところで 何の意味がある?妨害者も肉体を失ってもまた誰かに憑依して同じことを続けるだけだろう。 宇宙に出れば進化の階段を登れると考えるのもいかにも70年代的な発想だ。 だけどやっぱり自分には100年たっても同じものは書けないと思う。星5つ。 | ||||
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「神狩り2」は徳間で千円超えてたし・・・ 解説が無いのがちょっと残念。 最近発行の早川版紙の本では36年目の解説や、神林長平の解説もあってお得だった。 | ||||
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ストーリー展開がテンポよく、超越者が仕掛けた罠に対して挑んでいくながれをうまく仕立ててあると思います。 論理のさらに上の論理をいかに出し抜いていくのかと言うところに話が進むと思いましたが、この話はそこまでいかず、途中で終わっているような感じです。 続編に相当する作品があるらしいので、そちらに期待しています。 | ||||
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複雑すぎるSFが増えてきた昨今です。 セカイ系とか呼ばれるものが流行って以降、旧来のSFファンは置いて行かれたような気もしていました。 今再読してみても、やっぱりこの時代のSFって良いですね。 設定、語り口なども大事かもしれないですけど、まずは起伏があって面白い物語が読みたいです。 | ||||
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冒頭のヴィトゲンシュタインの引用から始まり、古代文字の言語的な特性から、論理を超越したものの存在を予想するといった展開は、非常にわくわくします。全体的にちょっと荒削りなところはありますし、最初の展開と桑べて、後半ちょっとあらっぽい展開のような気はしますが、面白い作品でした。 | ||||
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想像できないものを想像する、に高校生の頃、痺れました。 山田正紀の私の原点です。 久しぶりに読みましたが、今となっては少々、物足りなさがありますね。 | ||||
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山田正紀氏デビューから40周年とのことで、再読。やっぱり面白い。 | ||||
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神をこのように扱ってよいのかとハラハラしながら一息で読んでしまった。 | ||||
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山田正紀氏の商業作品デビュー作である。 現代日本SF小説の代表作でもある。 コンピューター翻訳の先鋒である主人公、島津が、《神》が執筆したらしい《古代文字》を発見したことから、中国系マフィアとおぼしき宗、超能力者の理亜、《神》の存在証明を存在理由としてきた老人芳村などと邂逅し、《神を狩る》という利害関係によって、一致団結して《古代文字》の謎に肉薄してゆく。《神》との直截の対決は遅延されてゆき、《古代文字》をめぐる言語ゲームが中枢となる。亦、本作における《神》は、猶太教などにおける全知全能の神として君臨するのだが、すべからく、人間を愛する神ではなくて、《この世界は悪にみちているから、神も悪であるはずである》とする異端宗教グノーシス派における《神》にちかい。《神》は現前しないまま、宇宙内の因果関係を支配することにより、《間接的》に《古代文字》の関係者を殺戮してゆき、《想像できないことを想像する》という山田正紀氏の名言を髣髴とさせる。 福田和也氏に、《未完の大器》と絶賛された幻想SF作家、佐藤亜紀氏は、本作をリアルタイムで読破し、《人類の調和や進歩のためならば、何百万人死んでもよい、というような、小松左京的粗野》というように評価したらしいが、佐藤氏の批判は、聊か、的外れにもおもわれた――小松左京が粗野だというのはわかるが、抑ゝ、小松左京が天才であることに相違はない――。本作では《神》の全能の力によって、大量の人間が犠牲となるが、ひとりが犠牲となるたびに、島津たちは《神狩りをやめるべきか》と、真剣に懊悩する。実際に、何遍か、島津は《神狩り》を中断するのだが、精緻な物語の仕掛けによって、最終的に、島津は《神》との闘いをつづけることになる。島津たち生存者が、みずからも犠牲になる危険性とともに、《神狩り》をつづけてゆく理由は、《人類の進歩》のためというより、《犠牲者たちの鎮魂》のためというような雰囲気をおびてゆく。遠藤周作が、『沈黙』において、《なぜ神は沈黙するのか》を主題としたのとは対照的に、本作は不条理の象徴としての《神》との死闘と描破するにあたり、《神》の象徴との決戦である『白鯨』や、《人間は死んでも、負けることはねえんだぞ》という『老人と海』の構造にちかい。正直、文章は下手だが、発想、構成、物語の大胆さと緻密さは、掛値なしで星五つと評価できるだろう。 | ||||
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SFにはまったのは、半村良氏の「妖星伝」からだったような気がする。 その後、氏の伝奇小説を読み倒し、その周辺にも食指を伸ばしていった。 なかでも、光瀬龍氏の「百億の昼と千億の夜」は秀逸だったなぁ。 山田正紀氏の「神狩り」もそのひとつで、荒削りながらも、正統派SFと伝奇性を組み合わせた、当時では「せんすおぶわんだー」だった記憶がある。 これも既に数年前の出版にはなるが、今更ながら「神狩り2」を読むにあたり、もう一度、本書を読み返すこととなった。 さすがに、四半世紀前の内容には、古臭さを感じることもあったが、内容的には、当時の興奮を思い出させてもらえるものであった。 うん、名作は時を超越するものです! 現代のSFも確かに面白いが、なにか飛びぬけたものを感じさせてくれるものがないような気がする(勉強不足なだけかな)。 しばらく、氏の著作を一通り読み直してみようかな、と感じさせてくれた本書であった。 | ||||
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世界各地で見つかる「古代文字」 火星の運河の跡と言われるものも古代文字の一つである。 この古代文字は人間の言葉とは文法構造が全く違うもので、 解き明かせば「神の存在」の証拠となる。 何が書いてあるかはあまり重要ではない 神は人間を操る邪悪な存在として描かれる。 ニーチェが「神は死んだ」といったのは絶妙な、カモフラージュ。 神の教えを広める者達は邪悪な神の手先。 | ||||
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世界各地で見つかる「古代文字」 火星の運河の跡と言われるものも古代文字の一つである。 この古代文字は人間の言葉とは文法構造が全く違うもので、 解き明かせば「神の存在」の証拠となる。 何が書いてあるかはあまり重要ではない 神は人間を操る邪悪な存在として描かれる。 ニーチェが「神は死んだ」といったのは絶妙な、カモフラージュ。 神の教えを広める者達は邪悪な神の手先。 | ||||
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「神もの」は数あれど、その中でも出色の作品だと思います。一体何回読んだかわかりません。昔の作品がどんどん電子化されることを願います。 | ||||
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本書は、これから始まる大いなる戦いの「壮大なプロローグ」という印象を与える。 SF的な「仕掛け」は何かというと、実はそれほど多くない。古代の遺跡や、世界的な敵対勢力なども、アクセントとしてはそれほど珍しくはない。しかし、物ではなく言語や文字という文化や思考をキーとしているのが斬新で魅力的だ。コンピュータを利用して見えないものの存在にアプローチするという手段が繰り返し語られることで、対象を間接的に浮き彫りにする「仕掛け」が功を奏していると思う。 かなり昔の作品で、最近読んだと言う事実が非常に遅くて、本書をデビュー作として活躍している作家には申し訳ない気持ちだ。直接の関係はないとされるが「神三部作」と言われている残りの作品もぜひ読みたいと思った。 そうか、続編もあるんですね。これはますます楽しみ。 | ||||
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