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OUT
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【この小説が収録されている参考書籍】
OUTの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全223件 161~180 9/12ページ
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深夜の弁当工場で働くいずれも人生に絶望したような4人の主婦たちが、「死体解体」を行うこととなって・・・自分に背を向けた社会。うまくいかない家庭生活。そうした現実を象徴する、どこまでも日常的なものを淡々と作り続ける牢獄のような深夜のコンビニ弁当工場。主婦たちは、自らを縛る現実という名の牢獄からの「自由」を得ようと必死になってもがく。閉塞感にとらわれた一見平凡な彼女たちが探し出した出口は、血と脂肪の油にまみれた死体解体というおぞましい非現実の世界だった。多くの人が感じる日常の閉塞感、そしてそこから逃れるために探しているさまざまなきっかけ。本書では、多くの人が願ってやまないものでありながら実行できない「日常からのエグゾダス」が犯罪という極端な形で描かれていますが、これはままならない現実に疲れた多くの人が無意識に抱く願望のあらわれではないでしょうか。個人的には、佐竹がでてくる前までの方が、背筋が寒くなるようなリアルな恐怖を感じました。特別の人ではなく、「普通の人の闇」を最後まで描ききった方がよかったかな、と思います。コンビニ弁当と死体解体の奇妙な共通点が頭に残る作品でした。食欲がなくなるのでダイエットに最適かな(笑)。 | ||||
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深夜の弁当工場で働くいずれも人生に絶望したような4人の主婦たちが、「死体解体」を行うこととなって・・・ 自分に背を向けた社会。うまくいかない家庭生活。そうした現実を象徴する、どこまでも日常的なものを淡々と作り続ける牢獄のような深夜のコンビニ弁当工場。 主婦たちは、自らを縛る現実という名の牢獄からの「自由」を得ようと必死になってもがく。 閉塞感にとらわれた一見平凡な彼女たちが探し出した出口は、血と脂肪の油にまみれた死体解体というおぞましい非現実の世界だった。 多くの人が感じる日常の閉塞感、そしてそこから逃れるために探しているさまざまなきっかけ。本書では、多くの人が願ってやまないものでありながら実行できない「日常からのエグゾダス」が犯罪という極端な形で描かれていますが、これはままならない現実に疲れた多くの人が無意識に抱く願望のあらわれではないでしょうか。 個人的には、佐竹がでてくる前までの方が、背筋が寒くなるようなリアルな恐怖を感じました。特別の人ではなく、「普通の人の闇」を最後まで描ききった方がよかったかな、と思います。 コンビニ弁当と死体解体の奇妙な共通点が頭に残る作品でした。食欲がなくなるのでダイエットに最適かな(笑)。 | ||||
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危険なかんじの本です。はらはらする筋書きや、なまなましい場面のせいだけではありません。強烈な世界観に揺さぶられ、読み終わったとき、世界がちょっと違って見えるような気がするのです。 読むまでは、主人公が主婦というので、桐野夏生の本にしては平和そうだと思っていたのですが、まったくそんなことはありませんでした。この本のなかでは、平穏とか日常というのは、人間を消耗させていく、きつい日々を、自分をごまかし、惰性に頼ってやりすごすことでしかありません。犯罪者や警察を主人公にした本には平凡な家庭という逃げ場があるけれど、この本にはそれはないのです。 三人称なんだけど、場面によって中心になる登場人物が変わり、それぞれの登場人物から見た世界が描かれる、独特の書きかたも、この作品の世界観を作っていると思います。みんな同じひとつの現実を見ているようでいて、それが微妙にずれている。不確かでゆがんだ、それぞれの現実。みんなが、自分がいちばん大事だ、自分がいちばん可哀想だ、自分がいちばんましな人間だと思っていて、他人から見たら一目瞭然でも、自分に都合の悪いことには目をつむっている。 だけどその、きれいごとの欠片もない殺伐とした風景が、浅ましくて滑稽な姿が、読んでいるうちに嫌じゃなくなってくるのです。いとおしく、まぶしく、すがすがしく感じられてくるのです。嫌悪感もあるのだけど、その強欲さに、自分勝手さに、生命力に、気がついたら憧れさえ抱いているのです。 この本はやばいです。覚悟のうえなら、おすすめします。 | ||||
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久しぶりに引き込まれて止まらなくなる小説に出会った感じです。映画版は見ていないのですが、主役四人の女優さんを知っていたので登場人物の顔に自然と置き換えられてとてもリアルに読めました。ドキドキ・ハラハラ、意外な結末、ドラマ、映画を見ないで読むことをお勧めします! | ||||
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前評判が高いものはガッカリすることが多いのですが、これは期待通り最後まできっちり面白かったです。この作家の作品を全部読んでいるわけではないのですが、なぜかこの作品に限り、あちこちに新鮮さを感じました。まず主人公はじめ中心となる女性達の描写がすごい。いわゆる中の下、もしくは下流の生活を余儀なくされる女性達の、焦燥と妥協と諦めの混じった日常を、ミステリでこんなにリアルに描いているのは初めて読みました。ここがリアルだからこそ、彼女達が起こしてしまう犯罪への説得力も出てくるわけですが、ある意味犯罪よりこの日常の方が怖かったです。そしてクライマックスも意外というか,新鮮というか、「ええ!?そうくるの?」って感じでした。異常といえば異常なんですが、妙に説得力があっておかしいのを通り越して快感でした。個人的に主人公がとてもかっこよかったです。只者じゃないオバサンでした。 | ||||
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弁当、これが効いてますね。リアルな、あまりにも通俗な、現実の小箱。弁当に詰められた白飯、肉片。その向こうに浮き上がる、夢と現の愛憎。だれもが心の奥底に抱いている記憶の海を、コンビ二の袋に収まった弁当の重みみたいに、レンジでチンすれば蘇る過去みたいに、つんと、粘膜に結像させる桐野夏生。バラバラの死体より恐ろしい、結ばれた男と女より熱い、そんな何かが体現される一遍です。お勧めします。 | ||||
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前評判が高いものはガッカリすることが多いのですが、これは期待通り最後まできっちり面白かったです。 この作家の作品を全部読んでいるわけではないのですが、なぜかこの作品に限り、あちこちに新鮮さを感じました。 まず主人公はじめ中心となる女性達の描写がすごい。いわゆる中の下、もしくは下流の生活を余儀なくされる女性達の、焦燥と妥協と諦めの混じった日常を、ミステリでこんなにリアルに描いているのは初めて読みました。 ここがリアルだからこそ、彼女達が起こしてしまう犯罪への説得力も出てくるわけですが、ある意味犯罪よりこの日常の方が怖かったです。 そしてクライマックスも意外というか,新鮮というか、「ええ!?そうくるの?」って感じでした。異常といえば異常なんですが、妙に説得力があっておかしいのを通り越して快感でした。 個人的に主人公がとてもかっこよかったです。只者じゃないオバサンでした。 | ||||
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弁当、これが効いてますね。 リアルな、あまりにも通俗な、現実の小箱。 弁当に詰められた白飯、肉片。 その向こうに浮き上がる、夢と現の愛憎。 だれもが心の奥底に抱いている記憶の海を、 コンビ二の袋に収まった弁当の重みみたいに、 レンジでチンすれば蘇る過去みたいに、 つんと、粘膜に結像させる桐野夏生。 バラバラの死体より恐ろしい、結ばれた男と女より熱い、 そんな何かが体現される一遍です。 お勧めします。 | ||||
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この作品はミステリーというよりは、長い年月における主婦という職種(?)に対する不満、怒り、憎悪、そしてわずかな喜びと不確かな幸せ。そんな主人公の日常の中にもたらされた大事件をきっかけに、主人公である彼女は本来の自分の姿に目覚め、そして今までの自分との決別を決断するにいたる。読んでいて、涙がとめどなく流れてきて、切なくて主人公が哀れなのか、それとも主人公に対して羨ましいと思ってる自分が哀れなのか、区別がつかなくなってしまった。悲しい結末ではあるが、主人公は決して後悔しない道を選ぶ。面白い、傑作、私は爽快であった。 | ||||
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98年度版 このミス 1位 1997文春ベスト10 2位 文春二十世紀傑作ミステリーベスト10 国内部門 18位 日本推理作家協会賞 エドガー賞最優秀長編賞にノミネート 作者のブレークのきっかけとなった代表作。 パート仲間の殺した夫をバラバラにした4人を描くクライムノベル。 それぞれが様々な家庭事情をかかえており、その「閉塞感」からの「OUT」を描ききったのが本作品であり、ミステリーという枠組みを超えた傑作である。 特に、終盤の息もつかせぬ展開は、これまでに類を見ないものであり、作者にしか描けないすばらしいものである。 | ||||
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98年度版 このミス 1位 1997文春ベスト10 2位 文春二十世紀傑作ミステリーベスト10 国内部門 18位 日本推理作家協会賞 エドガー賞最優秀長編賞にノミネート 作者のブレークのきっかけとなった代表作。 パート仲間の殺した夫をバラバラにした4人を描くクライムノベル。 それぞれが様々な家庭事情をかかえており、その「閉塞感」からの「OUT」を描ききったのが本作品であり、ミステリーという枠組みを超えた傑作である。 特に、終盤の息もつかせぬ展開は、これまでに類を見ないものであり、作者にしか描けないすばらしいものである。 | ||||
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98年度版 このミス 1位1997文春ベスト10 2位文春二十世紀傑作ミステリーベスト10 国内部門 18位日本推理作家協会賞エドガー賞最優秀長編賞にノミネート作者のブレークのきっかけとなった代表作。パート仲間の殺した夫をバラバラにした4人を描くクライムノベル。それぞれが様々な家庭事情をかかえており、その「閉塞感」からの「OUT」を描ききったのが本作品であり、ミステリーという枠組みを超えた傑作である。特に、終盤の息もつかせぬ展開は、これまでに類を見ないものであり、作者にしか描けないすばらしいものである。 | ||||
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出てくる人物全てがいきいきしてて、とても親近感をもって読みやすいミステリーでした。「ああこんな人いるよなあ」「いそうだなあ」って感じで、そのせいで、夫を殺して、パート仲間で遺体をバラバラにして捨てるっていう特異な状況が、すんなりと受け入れられてしまいます。別に異常な精神状態じゃなくてもできてしまうんだなあ。 | ||||
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出てくる人物全てがいきいきしてて、とても親近感をもって読みやすい ミステリーでした。 「ああこんな人いるよなあ」「いそうだなあ」って感じで、 そのせいで、夫を殺して、パート仲間で遺体をバラバラにして捨てるっていう特異な状況が、すんなりと受け入れられてしまいます。 別に異常な精神状態じゃなくてもできてしまうんだなあ。 | ||||
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何度読み返しても面白いので好きです。雅子と佐竹の一夜限りの悲恋?に泣きました。分かり合えたと思った次の瞬間には別れだなんて哀しすぎる。犯罪者とはいえ、登場人物達の鬱屈には共感できるものがあるので捕まって終わり、みたいな陳腐なラストでないのが良かったです。雅子の死体解体は自分の出世を閉ざした男社会への無言の復讐に見えました。でなきゃあんな凄いことできません・・私にも無理。不謹慎ながらあの後どうかうまく逃げてほしい、と思いました。主人公と自分がダブって見える稀有な小説です。でも自分だけ楽をしていた弥生には同情できず。自分が殺したなら処理も自分でやるべきだろうに。私はこういう女が嫌いです。 | ||||
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何度読み返しても面白いので好きです。 雅子と佐竹の一夜限りの悲恋?に泣きました。 分かり合えたと思った次の瞬間には別れだなんて哀しすぎる。 犯罪者とはいえ、登場人物達の鬱屈には共感できるものがあるので 捕まって終わり、みたいな陳腐なラストでないのが良かったです。 雅子の死体解体は自分の出世を閉ざした男社会への無言の復讐に 見えました。でなきゃあんな凄いことできません・・私にも無理。 不謹慎ながらあの後どうかうまく逃げてほしい、と思いました。 主人公と自分がダブって見える稀有な小説です。 でも自分だけ楽をしていた弥生には同情できず。 自分が殺したなら処理も自分でやるべきだろうに。 私はこういう女が嫌いです。 | ||||
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主人公の雅子が強烈な印象を残します。一言で言うと、地味な、コワい中年女性。でもいわゆるオバサンではなく、そこそこ綺麗な人なのですが、甘い柔らかいものをすべて削ぎ落としたような、硬質で無表情な女性。長い間勤めた会社に失望し、追い出されるように退職して、その痛みを家族と分かち合うこともできず、家族のなかでも孤独。雅子の心は行き場をなくして、殻の中に閉じこもったまま。絶望と鬱憤と、誰に向けるものとも分からない静かな凶暴な怒り。夜勤の弁当工場の同僚である弥生が女とギャンブルに狂った夫を絞殺してしまったことを知ったとき、雅子は迷い無く動き出す。いきなり死体を解体することを少しもためらわない雅子の言動が、とてもリアルに感じられました。もう社会に何も期待していない雅子にとっては、自分が庇ってやりたいと思う人間を庇うために、犯罪に手を染めることが自然だった。まるでそれが自分自身に対する義務のように。この肝の据わった中年女性が、最初の犯罪をきっかけにだんだん深い闇に近づいていき、ついに最も深い闇に出会う。彼女は一体何を求めていたのか。スピード感のある展開に引き込まれて一気に読んでしまいますが、読後は重~いものが残ります。 | ||||
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主人公の雅子が強烈な印象を残します。 一言で言うと、地味な、コワい中年女性。 でもいわゆるオバサンではなく、そこそこ綺麗な人なのですが、 甘い柔らかいものをすべて削ぎ落としたような、硬質で無表情な女性。 長い間勤めた会社に失望し、追い出されるように退職して、 その痛みを家族と分かち合うこともできず、家族のなかでも孤独。 雅子の心は行き場をなくして、殻の中に閉じこもったまま。 絶望と鬱憤と、誰に向けるものとも分からない静かな凶暴な怒り。 夜勤の弁当工場の同僚である弥生が女とギャンブルに狂った夫を 絞殺してしまったことを知ったとき、雅子は迷い無く動き出す。 いきなり死体を解体することを少しもためらわない雅子の 言動が、とてもリアルに感じられました。 もう社会に何も期待していない雅子にとっては、 自分が庇ってやりたいと思う人間を庇うために、 犯罪に手を染めることが自然だった。 まるでそれが自分自身に対する義務のように。 この肝の据わった中年女性が、最初の犯罪をきっかけに だんだん深い闇に近づいていき、ついに最も深い闇に出会う。 彼女は一体何を求めていたのか。 スピード感のある展開に引き込まれて一気に読んでしまいますが、 読後は重~いものが残ります。 | ||||
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上下巻いっきに読んでしまいました。とても面白かった。映画やドラマを見ていなかったので、すんなりと入っていけました。読み終わったあとは、映画を見てみたくなりました。ラストもけっこう好きです。個人的に家庭に縛られない女性が好きなので・・・(笑) | ||||
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上下巻いっきに読んでしまいました。とても面白かった。映画やドラマを見ていなかったので、すんなりと入っていけました。読み終わったあとは、映画を見てみたくなりました。ラストもけっこう好きです。個人的に家庭に縛られない女性が好きなので・・・(笑) | ||||
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