■スポンサードリンク
OUT
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
OUTの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全223件 121~140 7/12ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一気に最後まで読みました。 佐竹がジワジワと4人を追い詰めていくさま、見事です。 佐竹と雅子の対決、もう壮絶でした。 脳裏に焼きついてなかなか離れませんでした。 描写が生々しいので血とかダメな方は心の準備が必要かもしれません。 二人にしかわからない心理、 私には最後まで理解が難しかったけど 衝撃だったという意味では実に心に残る作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
雅子が社会や常識や家庭からアウトしていったように 作家桐野夏生にとっても、出世作、ブレイクなどの言葉では 説明しきれない「OUT」としかいいようのない転換点が 本作だったと思います。 ラストについては、読者が期待するような結末に向けて落と し込むという、ミステリそのもの(あるいは乱歩賞作家として の作法)へのOUTを宣言したのではないかと思います。 その、読者をも突き放すような決意は「柔らかな頬」でさらに 大議論を呼び起こし、その後の作品でも常に挑戦的な仕掛けを 試みています。 本作品は、そんな作家としての獣道に入っていくような決意が 伺えるような高濃度の物語としての魅力があります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
雅子が社会や常識や家庭からアウトしていったように 作家桐野夏生にとっても、出世作、ブレイクなどの言葉では 説明しきれない「OUT」としかいいようのない転換点が 本作だったと思います。 ラストについては、読者が期待するような結末に向けて落と し込むという、ミステリそのもの(あるいは乱歩賞作家として の作法)へのOUTを宣言したのではないかと思います。 その、読者をも突き放すような決意は「柔らかな頬」でさらに 大議論を呼び起こし、その後の作品でも常に挑戦的な仕掛けを 試みています。 本作品は、そんな作家としての獣道に入っていくような決意が 伺えるような高濃度の物語としての魅力があります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東京郊外の弁当工場に勤める4人の女たち、来る日も来る日も続く工場と家を往復する鬱屈した毎日。季節は初夏、次第に増していく湿度とともに女たちの鬱屈したエネルギーが一気にOUTしたときに、何が起きたのか。グロさ、心の闇、鬱屈した女たちの心象風景、殺伐とした弁当工場の描写が冴える。桐野氏の筆が上手く、難しくないのでどんどん読める小説。桐野氏のもつハードボイルドな感触が半分くらい入っている。この小説に出てくる上海ホステス「安捺」(脇役なのだが)の生き方は後の桐野氏の小説「グロテスク」の脇役「美君」と非常に通じるところがある。桐野氏が賞をとった小説なので、桐野ファンなら絶対おすすめだし、桐野氏の小説を読んだことがない人も世界に入りやすい小説。作品全体に通じる初夏の湿度を味わって欲しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
非常に面白かった。 なんといっても主人公雅子の際立ったキャラクターに目を奪われる。 平凡で満たされない生活を送っている彼女に突如のハプニング。 彼女の冷静で緻密な性格がこのハプニングの中でフル回転し始める。 そのあたりが恐ろしくもなぜか頼もしく感じられた。 生き残ったメンバーの後の人生・破滅とかいったものも一切感じさせない、女達の恐ろしいたくましさ。 主人公雅子の比類ないキャラクターがストーリーをぐいぐいと引っ張って行くところに、強い魅力を感じる。 面白い、非常に面白い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
非常に面白かった。 なんといっても主人公雅子の際立ったキャラクターに目を奪われる。 平凡で満たされない生活を送っている彼女に突如のハプニング。 彼女の冷静で緻密な性格がこのハプニングの中でフル回転し始める。 そのあたりが恐ろしくもなぜか頼もしく感じられた。 生き残ったメンバーの後の人生・破滅とかいったものも一切感じさせない、女達の恐ろしいたくましさ。 主人公雅子の比類ないキャラクターがストーリーをぐいぐいと引っ張って行くところに、強い魅力を感じる。 面白い、非常に面白い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上巻では季節は夏、逸脱行動をしながらも妙な期待感と精神の高ぶりを見せていた主人公たちが、下巻の冬、一気にそれぞれの破滅へと転がり落ちていく。上巻での初夏の妙な高揚感から、この下巻の、抜き差しならない破滅とつめたい「冬」という季節。桐野氏はこの小説内で、季節と温度の描写と登場人物の心象を絶妙にシンクロさせている。上巻を読んだなら、下巻は一気に読めると思う。終わり方はハードボイルド。 この文庫版の終わりに解説が載っており、発売当時の1997年にはなかった「下流社会の女の生き方の小説」という解説が展開されている。それもなるほどと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
描かれている人間の描写がすごい、の一言。「これはミステリーだ」とか「これはサスペンスだ」という括りで語れない。人間の本質を表す道具として筆者は文字を使い、出来上がったのがこの作品であったのだと思う。奇抜なトリックを使わずとも、充分にミステリーであってサスペンスに溢れる作品。 負の力で引き寄せられてしまう怖さ。それが自分の欲望、しかも具体的でない欲望によるもので引き寄せられ、戻れなくなる。誰もが負の部分を持っていて、普段折り合いをつけて生きている。事実、登場人物である4人のパート主婦たちも、モヤモヤした欲望と現実の間で生きてきたにも関わらず、突如崩れていく。その描き方にとても説得力がある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
描かれている人間の描写がすごい、の一言。「これはミステリーだ」とか「これはサスペンスだ」という括りで語れない。人間の本質を表す道具として筆者は文字を使い、出来上がったのがこの作品であったのだと思う。奇抜なトリックを使わずとも、充分にミステリーであってサスペンスに溢れる作品。 負の力で引き寄せられてしまう怖さ。それが自分の欲望、しかも具体的でない欲望によるもので引き寄せられ、戻れなくなる。誰もが負の部分を持っていて、普段折り合いをつけて生きている。事実、登場人物である4人のパート主婦たちも、モヤモヤした欲望と現実の間で生きてきたにも関わらず、突如崩れていく。その描き方にとても説得力がある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
わたしは普段こんなに通俗的な作品は読まない。だから綿密な取材に裏打ちされたリアリティーにまず引き込まれ尊敬の念を抱いた。このリアリティーはヒロインと佐竹との相互関係に置いて破綻していると見る方もおられるだろうが、わたしはまったくそれを認めなかった。小説には必要不可欠なロマンへの出口であり、題名に込められた重要なテーマが必然的に約束する動力の源であると思える。 その意味でこの作品は構造的な破綻がどこにもない見事なできばえだと心から賛辞を送りたい。この小説は遠い未来にかけて末永く読み継がれていくことだろう。思想とは最も遠いところにあると考えられる残酷な日常の中に崇高な哲学が確かに存在することを見事な文章力で彫塑した日本文学の誇りとなる作品にいつまでも鳴り止まぬ拍手を送りたい。特に作中の暗喩の構成力は芸術そのものであった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ドラマ化されたこの作品。ドラマは暗そうだったので見ませんでした。 原作は本当に面白い! 最近でた「リアルワールド」とおなじく、4人の女の人が出てきます。 それぞれ抱えている物はちがうけど、けど「それぞれの抱えている事情」というところで、共通する部分。 ストーリーだけで読むだけでもハラハラわくわく!ですが、 それぞれの心情が描かれているので、その人たちの心情をあてはめながら読むのも深い味わいを感じます。 事件だけのお話じゃないのが、とってもいいです。 最後はちょっぴり切なくなってしまいました。 雅子派なのかな?! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ドラマ化されたこの作品。ドラマは暗そうだったので見ませんでした。 原作は本当に面白い! 最近でた「リアルワールド」とおなじく、4人の女の人が出てきます。 それぞれ抱えている物はちがうけど、けど「それぞれの抱えている事情」というところで、共通する部分。 ストーリーだけで読むだけでもハラハラわくわく!ですが、 それぞれの心情が描かれているので、その人たちの心情をあてはめながら読むのも深い味わいを感じます。 事件だけのお話じゃないのが、とってもいいです。 最後はちょっぴり切なくなってしまいました。 雅子派なのかな?! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何でこの作品が直木賞を取れなかったのか、謎である。 重度のノワール。経済的にも社会的にも精神的にも外れてしまった女性たちが深夜の弁当工場で働く。仲間のひとりが夫を殺してしまう。それを手伝う主婦達。 自分がしたことの動機の解明。行き交い、交錯する登場人物たち。誰が味方であり、誰が敵かもわからない。展開はサスペンスあふれるものになっていて、ページをめくる手がとまらない。 人物たちがリアルで怖い。十万で人をばらばらにしちゃうんだけど、そこにいたるまでの描写がやたらリアルで、すごすぎます、この作品。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何でこの作品が直木賞を取れなかったのか、謎である。 重度のノワール。経済的にも社会的にも精神的にも外れてしまった女性たちが深夜の弁当工場で働く。仲間のひとりが夫を殺してしまう。それを手伝う主婦達。 自分がしたことの動機の解明。行き交い、交錯する登場人物たち。誰が味方であり、誰が敵かもわからない。展開はサスペンスあふれるものになっていて、ページをめくる手がとまらない。 人物たちがリアルで怖い。十万で人をばらばらにしちゃうんだけど、そこにいたるまでの描写がやたらリアルで、すごすぎます、この作品。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
犯罪に手を染めることで、とめどなく転げ落ちてゆく人々を描いた作品である。 上下巻に及ぶ長編小説であって登場人物も多いが、それぞれ深い人物造詣ではっきりとした個性に色づけされている。 中盤までは物語りは、本筋と枝葉が並列で進行されるが、終盤にそれらがすべて線で結ばれるような絶妙な構成である。 最後の一線を越えることで、死に対して鈍化してゆく感性と、むき出しになる自己保全への執着心が、理性を欠いた人間の本質的な陰の部分を突いており、単にミステリ小説としての粋を超えている。 以降、著者は犯罪者の中に人の本質を探るような作品をつづけて発表しているが、この作品はそのさきがけであり、より独自色の強い作品の執筆活動への転機となった作品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
犯罪に手を染めることで、とめどなく転げ落ちてゆく人々を描いた作品である。 上下巻に及ぶ長編小説であって登場人物も多いが、それぞれ深い人物造詣ではっきりとした個性に色づけされている。 中盤までは物語りは、本筋と枝葉が並列で進行されるが、終盤にそれらがすべて線で結ばれるような絶妙な構成である。 最後の一線を越えることで、死に対して鈍化してゆく感性と、むき出しになる自己保全への執着心が、理性を欠いた人間の本質的な陰の部分を突いており、単にミステリ小説としての粋を超えている。 以降、著者は犯罪者の中に人の本質を探るような作品をつづけて発表しているが、この作品はそのさきがけであり、より独自色の強い作品の執筆活動への転機となった作品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自信を持っておすすめします!「社会派」ミステリーにありがちな、薄っぺらい人物描写・軽薄な社会批評など、全くありません。本書の面白さは解説。評論などで言われているような日本社会に対する批評性ではありません。そうではなく、単純な娯楽性の高さにあるのだと思います。では、その娯楽性はどこから来るのか。リアリティーの高さ、とくに人物描写のすばらしさにあると思います。登場人物・場面設定など、すべて身の回りにいる、ないし私自身が当てはまるような錯覚すら覚えます。以前は金融機関に勤めていたのにあえて条件の悪い弁当工場の夜勤をする者寝たきりの母と娘の世話に疲れきって、自分は年だから他にもっといい仕事があるわけはない、とあきらめている者ローン地獄にはまっているのに全く無自覚な者世界と夫は自分のために尽くしてくれると勘違いしている者また、そんな妻の面倒を見ることもできない者金貸し・ホステス・出稼ぎの男・・・あえて言うなら、倒錯した性癖の佐竹だけが、現実に存在しがたいキャラクターでしょうか。ただ、その佐竹が現実に舞い降りてきたらどうなるのか?現実をちょっとずらすと、こんなに面白い世界になる。小説の醍醐味が味わえる作品です。☆5つ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自信を持っておすすめします! 「社会派」ミステリーにありがちな、薄っぺらい人物描写・軽薄な社会批評など、全くありません。 本書の面白さは解説。評論などで言われているような日本社会に対する批評性ではありません。 そうではなく、単純な娯楽性の高さにあるのだと思います。 では、その娯楽性はどこから来るのか。 リアリティーの高さ、とくに人物描写のすばらしさにあると思います。 登場人物・場面設定など、すべて身の回りにいる、ないし私自身が当てはまるような錯覚すら覚えます。 以前は金融機関に勤めていたのにあえて条件の悪い弁当工場の夜勤をする者 寝たきりの母と娘の世話に疲れきって、自分は年だから他にもっといい仕事があるわけはない、とあきらめている者 ローン地獄にはまっているのに全く無自覚な者 世界と夫は自分のために尽くしてくれると勘違いしている者 また、そんな妻の面倒を見ることもできない者 金貸し・ホステス・出稼ぎの男・・・ あえて言うなら、倒錯した性癖の佐竹だけが、現実に存在しがたいキャラクターでしょうか。 ただ、その佐竹が現実に舞い降りてきたらどうなるのか? 現実をちょっとずらすと、こんなに面白い世界になる。小説の醍醐味が味わえる作品です。 ☆5つ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野夏生の人間に対する洞察力に圧倒されました。サスペンスとして引き込まれる作品でありながら、登場人物の絶妙な設定!中流家庭だと思い込んで生きる私たち日本人のリアルな姿が描かれています!英語版も出たと聞いていますが、きっと日本映画をみるより、outを読むことが現代の日本を知ることができるtoolであると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野夏生の人間に対する洞察力に圧倒されました。サスペンスとして引き込まれる作品でありながら、登場人物の絶妙な設定!中流家庭だと思い込んで生きる私たち日本人のリアルな姿が描かれています! 英語版も出たと聞いていますが、きっと日本映画をみるより、outを読むことが現代の日本を知ることができるtoolであると思う。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!