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OUT
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【この小説が収録されている参考書籍】
OUTの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全223件 181~200 10/12ページ
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本棚にこの「OUT上・下」が加わってからひと月近く経っていた。最近エッセイや短編ばかり読んでいたし、この作品を読むには読者側もかなりのエネルギーが要るだろうと勝手に推測していたからだ。時間も気力もたっぷりと、準備万端、憑かれたように一気に読み進んだ。ここに登場する人物たちは、皆それぞれ様々な事からOUTしており鉛のような物ものを心の奥底に抱えている。バラバラ殺人という事件をきっかけに、それらが耐え切れずにどろどろと溢れ出していく。見てはいけないものを見てしまったという後悔と、妙な爽快感を抱きつつ不思議な感覚にとらわれる。全体をとおして明るい描写は殆ど無い。廃墟と化した工場、息の詰まりそうな古い汚れたアパート、新築なのにちっとも暖かさや明るさの感じられない家、等々。どんどん気が滅入っていくかもしれない。けれど、そんな暗さの中にあっても彼女等の、というか、すべての女性が持っている天性の楽天的な明るさやしたたかさみたいなものが感じられる。是非、最後まで目をそらさずに読んで欲しい、そういう作品である。 | ||||
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本棚にこの「OUT上・下」が加わってからひと月近く経っていた。最近、短編やエッセイばかり読んでいたし、この作品を読むにはきっと読者側もかなりエネルギーが要るだろうと勝手に推測していた。だから時間と気力がたっぷり出来た時に一気に読んだ。それこそ憑かれたように読み進んだ。 登場人物たちは皆、様々な事柄からOUTしていてその中でもがき苦しんでいる。そこからなんとしてでも抜け出したい、と切に願う人々である。それがたまたまバラバラ殺人という事件をきっかけにいろんな形で露呈していく。たとえ非日常的なきっかけであれ、登場人物たち(特に彼女等)の心の底に沈殿している鬱蒼とした闇の部分や、飢餓感には深く共鳴できた。 全体をとおして明るい描写は至って少ない。廃墟と化した工場や、息の詰まりそうな古くて汚れた木造アパート、新築なのにちっとも暖かさや明るさの感じられない主人公の家、等々。人によっては全くやりきれない、という感を抱くかもしれない。けれども最後の最後までめげずに読んで欲しい、そういう作品である。 | ||||
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「柔らかの頬」があまりにも面白くないので、途中で読み始めたこの「OUT」の方にどっぷり引き込まれ、2日で読み終わってしまいました、、他の方のレビューで「和製シドニーシェルダン」と書いてあったけれど、まさにそういう感じ。物語の状況に引き込まれ、読んでいる最中はなんだか、私まで借金に困ったり、警察に後ろめたかったりしている気分になり、気分がなんとなく落ち着きませんでしたね(私だけ?)確かにものすごい吸引力でした。これが面白かった、ということなのかもしれませんが。ただ、私は普段の生活に疲れているせいか、比較的ミステリーに「達成感」や「爽快感」を求めるタイプなので(つまり物語を読んで卑屈な気持ちになったりしたくない)この貧窮にあえいだ人物の多い話には疲れました。特に、邦子や弥生には腹が立ちました。一方、雅子の日本人の主婦にしては珍しい不屈の精神には驚き、頼もしさを感じましたが。映画化されたらしいですが、息をつかせぬ緊迫感はまさに映画向きの話だとは思います。こういう緊迫感が好きな人にはおすすめ。 | ||||
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「柔らかの頬」があまりにも面白くないので、途中で読み始めたこの「OUT」の方にどっぷり引き込まれ、2日で読み終わってしまいました、、 他の方のレビューで「和製シドニーシェルダン」と書いてあったけれど、まさにそういう感じ。 物語の状況に引き込まれ、読んでいる最中はなんだか、私まで借金に困ったり、警察に後ろめたかったりしている気分になり、気分がなんとなく落ち着きませんでしたね(私だけ?) 確かにものすごい吸引力でした。これが面白かった、ということなのかもしれませんが。 ただ、私は普段の生活に疲れているせいか、比較的ミステリーに「達成感」や「爽快感」を求めるタイプなので(つまり物語を読んで卑屈な気持ちになったりしたくない)この貧窮にあえいだ人物の多い話には疲れました。特に、邦子や弥生には腹が立ちました。 一方、雅子の日本人の主婦にしては珍しい不屈の精神には驚き、頼もしさを感じましたが。 映画化されたらしいですが、息をつかせぬ緊迫感はまさに映画向きの話だとは思います。 こういう緊迫感が好きな人にはおすすめ。 | ||||
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深夜の弁当工場で働くパートの女たちが、ちょっとしたきっかけでバラバラ殺人に関わり、坂道を転がり落ちるように社会からアウトしていく。ある者はなし崩し的に、ある者は主体的に。ミステリ作家・桐野夏生さんの代表作の一つ。本書の登場人物は男社会からはじきだされた女だったり、ヤクザだったり、ブラジル人だったりと、皆、現代日本社会においてアウトサイダー的な性格をもつ存在である。彼女/彼らにとって、社会は信頼やロマンを感じられる対象ではない。そこから何をもぎとるか、それだけが問題である。社会の底辺に生きる人間、この社会の内部で他人から承認されたり自己実現したりする望みなどない人間が、いとも簡単に脱社会化していく様は、読み手に圧倒的なリアリティを感じさせる。それは著者の透徹した社会認識のなせるわざだろう。多重債務者の犯罪、中国人ピッキング集団の暗躍、多発する架空請求事件、ヤクザ経済の肥大…、現代日本社会では、社会に貢献するよう個人に動機付けするシステムが確実に機能不全に陥っている。これから日本を覆うであろう、もしくは既に覆いつつある混沌を、本書は異様な精確さで描き出している。凄まじい傑作。 | ||||
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深夜の弁当工場で働くパートの女たちが、ちょっとしたきっかけでバラバラ殺人に関わり、坂道を転がり落ちるように社会からアウトしていく。ある者はなし崩し的に、ある者は主体的に。ミステリ作家・桐野夏生さんの代表作の一つ。 本書の登場人物は男社会からはじきだされた女だったり、ヤクザだったり、ブラジル人だったりと、皆、現代日本社会においてアウトサイダー的な性格をもつ存在である。彼女/彼らにとって、社会は信頼やロマンを感じられる対象ではない。そこから何をもぎとるか、それだけが問題である。社会の底辺に生きる人間、この社会の内部で他人から承認されたり自己実現したりする望みなどない人間が、いとも簡単に脱社会化していく様は、読み手に圧倒的なリアリティを感じさせる。それは著者の透徹した社会認識のなせるわざだろう。 多重債務者の犯罪、中国人ピッキング集団の暗躍、多発する架空請求事件、ヤクザ経済の肥大…、現代日本社会では、社会に貢献するよう個人に動機付けするシステムが確実に機能不全に陥っている。これから日本を覆うであろう、もしくは既に覆いつつある混沌を、本書は異様な精確さで描き出している。凄まじい傑作。 | ||||
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主人公の女性に魅力がある。決してキラキラ輝くものではないけれど、奥深い強い光。登場人物がそれぞれに日常生活からアウトしている。誰でもが陥りそうな小さな穴や掛け違えたボタンの積み重ねで歯車が狂い、落ちて、アウトして最後には皆が1つの線に重なってゆく。それぞれに人物設定がよくできていて、読み応え十分です。話のテンポはとてもよく、次から次へとページをめくってしまいました。あえて難を言うとしたら、後半にもっとジリジリと恐怖が味わえたら良かったかなあ~。読んで損はなし!!お勧めします。 | ||||
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主人公の女性に魅力がある。決してキラキラ輝くものではないけれど、奥深い強い光。 登場人物がそれぞれに日常生活からアウトしている。誰でもが陥りそうな小さな穴や掛け違えたボタンの積み重ねで歯車が狂い、落ちて、アウトして最後には皆が1つの線に重なってゆく。 それぞれに人物設定がよくできていて、読み応え十分です。 話のテンポはとてもよく、次から次へとページをめくってしまいました。 あえて難を言うとしたら、後半にもっとジリジリと恐怖が味わえたら良かったかなあ~。読んで損はなし!!お勧めします。 | ||||
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桐野夏生さんの代表作であり、私が最も好きな作品。 下巻にかけて失速してしまうが、この上巻は息を呑む場面が多々ある。 この緊張感が何とも言えない。 荒ぶる女の心、私は男だが、桐野さんの作品スタイルは大好きだ。 | ||||
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桐野夏生さんの代表作であり、私が最も好きな作品。下巻にかけて失速してしまうが、この上巻は息を呑む場面が多々ある。この緊張感が何とも言えない。荒ぶる女の心、私は男だが、桐野さんの作品スタイルは大好きだ。 | ||||
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上巻ではカジノ経営者である佐竹が被疑者と疑われるが、証拠不十分で釈放となった。下巻はその佐竹のストーリーでもある。 警察の手を追い払った主婦4人。しかし、ミリオン消費者センターの十文字という男が事件に疑問を抱き、主婦のうちの一人の城之内邦子に歩み寄る。そして切り出したのは、「仕事」としての死体処理だった。一方佐竹も、真相を探り始める。上巻もだが、結果的に主人公の香取雅子を中心とした心理サスペンスに仕上がっている。 追う佐竹と得たいの知れないなにかに追われる雅子たち。それは十文字だちも同じだった。あくまでもこれはミステリーとは呼べないだろう。分類は前にも書いたとおり心理サスペンス。色んな視点から繰り出されるストーリーにおもしろみがあり、心理描写もなかなか巧い。よってストーリーは更に深みを増してゆく。 最初はしっかりとした隠蔽工作という意図が不確かに存在していた。しかし今度は違う。あくまでも金を受け取って、である。そして思わぬ人物を解体したことから事態は急速な展開を迎えていく。最終的には佐竹の復讐か、雅子の意地か、になってくる訳だ。その2人の目的はなにかと壮絶なものがある。ただなんとなくなどという曖昧なものではなく、やらなければならない、と2人は思っている。思いっきり犯罪とか関係ない世界。そして結末へ。いくら何でも強引じゃないか、と思ってみるのだが。やや、淋しい気配もしたが、流石に犯罪者の2人に感情移入などはできなかった。そこがこの小説の惜しいところ。 あくまでもこれはエンターテインメントである。と俺は思う。ミステリーとは言い難く、分野はやはり心理サスペンスだろう。直木賞最終候補まで行きつつとれなかったのは、佐竹がでてからが駄目だそうだ。しかし、佐竹が居なければ発展性がなかったのではないか、と。終わりが微妙とはいえ、本書を一読することをお薦めする。 | ||||
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桐野夏生はこの「OUT」を読まないと語れないと知人が言っていただけあって読んでみるとそれなりの価値はある。何にしても奇抜な発想と構成力はなかなか。 弁当工場のパート主婦弥生は、日々の鬱憤からとんだはずみで夫を殺してしまう。呆然と立ちつくした弥生は、同じ弁当工場で働く雅子に話し、死体処理をすることになる。同じく口実をつけながら2人のパート主婦が死体処理に加わった。 4人の主婦の日常からのアウト。それなりにテンポも安定しているのだが、読み始めるとページをめくる手が止まらない。今年では伊坂幸太郎の「オーデュボンの祈り」並だっただろうか。昨日から読み始め、そんなこんなで早くも上巻を読了。死体処理というのはそう簡単にはいかない。実際そうなのだが、展開の運び方が面白い。4人が分裂もし始め、警察には見つかり。 ストーリーの構成はよく考えられていると思う。ミステリーと言うよりは心理サスペンスのほうが分野としてはあっているだろうか。下巻も大いに期待できると思わせた。 | ||||
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桐野夏生はこの「OUT」を読まないと語れないと知人が言っていただけあって読んでみるとそれなりの価値はある。何にしても奇抜な発想と構成力はなかなか。 弁当工場のパート主婦弥生は、日々の鬱憤からとんだはずみで夫を殺してしまう。呆然と立ちつくした弥生は、同じ弁当工場で働く雅子に話し、死体処理をすることになる。同じく口実をつけながら2人のパート主婦が死体処理に加わった。 4人の主婦の日常からのアウト。それなりにテンポも安定しているのだが、読み始めるとページをめくる手が止まらない。今年では伊坂幸太郎の「オーデュボンの祈り」並だっただろうか。昨日から読み始め、そんなこんなで早くも上巻を読了。死体処理というのはそう簡単にはいかない。実際そうなのだが、展開の運び方が面白い。4人が分裂もし始め、警察には見つかり。 ストーリーの構成はよく考えられていると思う。ミステリーと言うよりは心理サスペンスのほうが分野としてはあっているだろうか。下巻も大いに期待できると思わせた。 | ||||
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一気に読んでしまった。大変面白い。 弁当工場の夜勤の主婦たちが主人公なのだが、工場内の勤務の様子等、実に丹念に書かれており、作者の取材力(とても空想や、とおりいっぺんの取材では書けない。)に感心する。 主婦たちの犯罪におもわず引きずり込まれてしまう。 | ||||
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一気に読んでしまった。いわゆる「下層階級」の人たちを実に詳細に描写している。作者の取材力には敬服する。ただ、上巻でのスピード感やスリル、想像を超える展開にくらべるとラストは少し弱いかもしれない。それにしても作品全体の出来はすばらしいと思う。平凡な4人の主婦や「女衒」の佐竹が「毀れていく」さまは読んでいて大変面白い。 | ||||
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一気に読んでしまった。いわゆる「下層階級」の人たちを実に詳細に描写している。作者の取材力には敬服する。ただ、上巻でのスピード感やスリル、想像を超える展開にくらべるとラストは少し弱いかもしれない。それにしても作品全体の出来はすばらしいと思う。平凡な4人の主婦や「女衒」の佐竹が「毀れていく」さまは読んでいて大変面白い。 | ||||
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ハードカバーの発売当時から話題になっており、それまで桐野夏生さんは読んだことはなかったのですが、読み始めると一気に読ませてくれる傑作です。弁当工場で働く四人の主婦。それぞれの性格描写がとてもリアルで、男性の僕も感情移入してしまいました。その主婦達に絡んでくる男達の描写もすごく存在感があります。複雑に、そして巧妙に張り巡らされた伏線。読み進んでいくにつれて、ハラハラドキドキしてきます。ラスト、主人公の女性が精神的にも肉体的にも解き放たれる場面では本当に安堵のため息が出てしまいました。とにかく、読み始めると一気に読める作品です。桐野さんの作品は、本作以来、全て読みましたが、間違いなく僕のベスト1です。 | ||||
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ハードカバーの発売当時から話題になっており、 それまで桐野夏生さんは読んだことはなかったのですが、 読み始めると一気に読ませてくれる傑作です。 弁当工場で働く四人の主婦。 それぞれの性格描写がとてもリアルで、男性の僕も感情移入して しまいました。その主婦達に絡んでくる男達の描写もすごく存在感 があります。 複雑に、そして巧妙に張り巡らされた伏線。 読み進んでいくにつれて、ハラハラドキドキしてきます。 ラスト、主人公の女性が精神的にも肉体的にも解き放たれる場面では 本当に安堵のため息が出てしまいました。 とにかく、読み始めると一気に読める作品です。 桐野さんの作品は、本作以来、全て読みましたが、間違いなく僕の ベスト1です。 | ||||
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ドラマをきっかけに読みましたが、途中でなかなか読むのをやめられず、寝不足に陥りました。完全犯罪の難しさ。またスピード感あふれるストーリー展開は、一昔前に大流行したシドニー・シェルダンを髣髴させます。ちなみに、ドラマや映画とはだいぶストーリーが違いますが、個人的にはこの本が一番しっくりくるというか、納得のいく展開になっていますので、ドラマ・映画を見てまだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。 | ||||
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ドラマをきっかけに読みましたが、途中でなかなか読むのをやめられず、寝不足に陥りました。 完全犯罪の難しさ。またスピード感あふれるストーリー展開は、一昔前に大流行したシドニー・シェルダンを髣髴させます。 ちなみに、ドラマや映画とはだいぶストーリーが違いますが、個人的にはこの本が一番しっくりくるというか、納得のいく展開になっていますので、ドラマ・映画を見てまだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。 | ||||
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