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水の眠り灰の夢
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水の眠り灰の夢の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 1~20 1/2ページ
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桐野夏生著書の中で一番じゃないだろうか?設定された時代は主人公のような人って大勢いたんだろうけど、ヒーロー物と同類のエネルギッシュさというかヘコタレなさは爽快。最後の後日談でスッキリして終われる。 | ||||
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扱っている内容、真相部分はとてつもなく重たいものがあります。 爆弾魔(確かこれは現実では未解決事件)は真相部分が出てきますが この部分はフィクションです。 ただし、そこに関わる事実を一つずつ見ていくと とてつもなく重たいものになってくるんですよね。 そのつながりとして、今回村野が犯行の嫌疑がかけられてくる 女子高生殺人事件が出てきますが… トップ屋という仕事上どうしても忌み嫌われるがゆえに ある警察官にとことん目の敵にされます。 理不尽な暴行を最初に受けるんですからね… そしてあげくに彼を犯罪者に実質仕立てようとしましたし… ただしやがて彼もそんな業種には疑いを覚えたようで… 個人的に事件を追いかけていくのです。 読みやすい作品でした。 | ||||
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ミロシリーズで一番最後にこの作品を読んでいろんな謎が解けた気になりました。 またダークを読み返してみました。 | ||||
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桐野夏生さんが大好きで、すべての作品を持っています。この作品は、もう何十回と読んでいますが飽きることがありません。登場人物の心理描写や、時代の風景が想像できて本当に楽しいです。 読んでいてハラハラドキドキページをめくる指が止まりません。登場人物の心の機微が繊細に表現されていて大好きな作品です。桐野夏生さんの作品は登場人物の置かれている状況が頭に浮かんでくるので、読み手の心が鷲掴みにされます。 初めて読まれる方にもオススメの作品です。 グーっと引き込まれます。 | ||||
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一様、ミロの出生を知る事もあるけども、 それは付属であって、 あくまで父の視線の、リズムテンポの良いミステリー推理小説! で、 たまに、桐野節の心理描写にゾクゾクもする。 最後の50ページ~100ぐらいは一気に読んだ! | ||||
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1960年代の物語。 トップ屋 村野善三は、地下鉄の爆破事件に遭遇。 その犯人は 草加次郎かもしれなかった。 村野は、その犯人らしき人物とすれ違って、 バイタリスの匂いを感じた。 遠山をトップとして、村野、後藤など 勢いがあった。 この村野と言うオトコの造形がすばらしくいい。 実に 芯がある。戦争で 両親と妹を亡くした。 トップ屋としての矜持があり、 調査屋として力量を発揮していた。 草加次郎とは?迷宮入りになった 愉快犯。 その時代背景が 浮き彫りになっている。 様々なタイプのオトコたちが いる。 後藤の雰囲気は スマートで、おしゃれ。 こだわりをもっていた。 市川という刑事も堂に入った刑事だ。 敵に回すと怖い存在であることがよくわかるが ちゃんと 村野を認めているのが すばらしい。 早重という存在が 不安定で、なんとも言えず 方向性が定まらないのが、この物語をおもしろくしている。 後藤を思いながらも、村野さえも射程に入れている。 タキという存在が、村野の立ち場を悪くするが、 それを受け止めながら 切り抜けていこうとする 村野の意地が なんとも 頼もしい。 がんばれ。村善。 | ||||
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前回の東京オリンピックの直前の東京周辺を舞台とした小説である。草加次郎事件を取り扱った小説ま珍しい。東京オリンピックを前にした国の繁栄。道路や競技施設の整備が突貫工事で進められていた。夜の酒場や風俗産業もさかんで、出入りする学生もあった。怪しい人物も入り込み好色客とそのための商材確保で設けだそうと知恵を絞っていた。週刊誌文化は大きくなりトップ屋と呼ぶ花型ライターが活躍していた。一方町の小さな工場はオリンピックとは縁のない低迷ずる処が多かった。若者文化と、親たちの考え方は衝突が多く、老人の孤独、家庭からはみ出した事件が書かれる。 草加次郎という人物は有名歌手、有名スターを脅したり、爆発する手紙を送ったり時代の雰囲気に冷や水をかけた。金銭を要求しても受け取るわけではなく真意はよくわからない。犯行は突然止んだ。作者は犯人が亡くなったという説をあげているが、動機と事件が一致している感じはしなかった。事件の中での警察官の書き方は好意的ではない。必死で捜査しても犯人の痕跡はつかめず、目星をつけた容疑者も、見当が外れる。有能で若い警察官は登場しなかった。社会のあちこちにある、落差や、時代変化による生活の不安定さは良く再現されていて、現在との共通点が多いと思った。 | ||||
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週刊誌の記者で、いわゆるトップ屋の村野が連続爆弾魔・草加次郎事件を追いながら、女子高生殺害事件の容疑者にされてしまう。 薬や売春、家庭内暴力など、様々な要素が絡み合いながら、内容が濃いミステリ小説に仕上がっていた。村野のツテを生かした取材力や行動力で、少しずつ事実が明らかになっていく展開や、1960年代という時代背景もしっかり描かれていて読み応えがあった。 後藤や遠山といった仲間たちとの熱い絆という感じではないが、同じ時代を生きる同志としての仲間意識をもちつつも、村野の一匹狼の雰囲気も好きだった。 | ||||
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草加次郎、アイビールック、バイタリス、懐かしさについ読み込むが、桐野作品の中では、いまいち。 | ||||
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近くに大型の書店しかなく、大型らしく輸入本や珍しい本の取り揃えはあるんですが、こういった文庫系は取り寄せがほとんど。中古本屋でも値段の割には状態がよくなかったので、今回は値段の割には非常にいい状態で中も綺麗でよかったです。村野ミロシリーズを通しで読みたかったのと、え?そうだったんだ。。。と思う内容でした。次に続くローズガーデンにもちょっと戸惑う内容でしたが、水の眠り~と読んでいて尚だったので、手に入れられてよかったです。 | ||||
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ミロの養父である村野が週刊誌のトップ屋だったころの事件. 連続爆破魔と少女の殺人事件を追ううちに2つの事件が収束する. なんというか,いかにも昭和の香りのするハードボイルドである. 仕事にかける熱っぽさや男同士の(友情とは異なる)連帯感, 毎晩のようにスナックやバーに出かけてはハシゴといった行動, また,高級住宅街で繰り広げられる乱痴気パーティと下町の工場労働者という対比という社会背景など ちょっとステレオタイプに思えるような光景である. やけ酒を飲んで女を抱く,という男性心理を 女性視点を交えることなくあっさり描いているあたりにさりげない筆力を感じる. ストーリー的には,桐野作品としてはミステリーの文法に忠実な意外性重視の内容である. 異常な性癖の精神世界に入り込みすぎていなくて読みやすいが, ちょっと出来すぎた真相という印象もなきにしもあらず. | ||||
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時代背景はオリンピック1年前の東京。世間を騒がせた爆弾魔「草加次郎」や女子高生殺人事件を題材に、40年前のトップ屋 の姿を描いている。おそらく筆者名を隠してこの文章を読んでもまずこれが桐野の作品だとは思わないであろう。ある意味 平坦すぎる文章、いつもの鋭さも深さもない。筋書きも凡庸だ。ただ、これは本当にあった話ではないかと思わせる文章力 は流石ではあるが。 | ||||
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正義の為でもなく 崇高なジャーナリズム精神の為でもなく 己が好奇心の赴くままに 己を守り抜くために 真実を追窮しようとする男たちの暑苦しいまでの高揚を 時代の疾走感と共にぎゅうぎゅうと押し込めたお話 ***** 戦後犯罪史上に残る未解決事件、「草加次郎事件」がモチーフ。 当時「トップ屋」と呼ばれた雑誌記者たちが 高度経済成長期の日本社会の闇の中を、熱気の中を、駆け抜ける。 酔狂と混乱とエネルギーと腐敗と希望と失望がそこかしこで交差する。 草加次郎事件と女子高生殺人を軸としたミステリーだが、 ミステリーとしての面白味よりも 団塊世代が今なお焦がれる、あの時代の臭いと手触りが凄い。 桐野さんはもう少し後の世代の人であるはずだから、 その精緻な取材力・調査力には心底脱帽する。 そして全篇に溢れる熱さと息苦しさを 清閑な筆致で上手にコントロールしていて、心地がよい。 面白いか、面白くないか。 金になるか、金にならないか。 利権が絡めば、簡単に折れるし巻かれるし翻す。 そこに正義や崇高な志はない。 ただし、手間を惜しまず、足を使って、仁義は守る。 携帯やネットが無い時代の、記者たちの心意気にやられます。 惜しむらくは、謎解きが解説的になっていたこと、かな。 −これまでの洗い直しをしてるのさ。 なぜですか。 気に入らないからさ。 −自分のためだけに仕事がしたい。 しかし、あなたの仕事を引き受けることはあるかもしれません。 ただし、僕が気に入れば、です。 | ||||
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翌年東京オリンピックを控えた昭和38年の東京は、道路の拡張、ビルの建設ラッシュ、高速道路の建設と大きく変貌を遂げようとしていた。 社会も人も明日に向かう明るさを内包していたが、いつの世もそれとは逆に鬱屈した者は弾け、小さな夢を持った者は散らされて行く。 爆弾狂の草加次郎、吉永小百合脅迫事件、週刊誌のトップ屋軍団、六本木族、ハイミナール、深夜喫茶、大物右翼・・・・。 当事、私は小学生であの時代の熱気や臭気を大人として判る術はなかったが、さり気なく入ってくる描写(日劇ビルでは「シベールの日曜日」の垂れ幕が掛かっていたや、曲がビーチ・ボーイズからアストロノーツの「太陽の彼方」に変り、等)に妙な懐かしさを覚える。 桐野は私と同じくらいの年齢なのに、この辺りのリアル感が堪らない。ただ、黒澤の「天国と地獄」について、この夏のヒットと書いているが、公開は3月だったし、身代金は500万円ではなく、3,000万円であるが・・・。 最初タイトルを見たとき、2つあって中途半端だなと思ったが、読了後もう一度見ると、味わいのある事に気付いた。実際の「草加次郎」事件は未解決だが、本書はフィクションの世界で限りなく実態に迫っており、読み応えがある。 江戸川乱歩賞受賞作「顔に降りかかる雨」のミロが、ラスト赤ちゃんで登場するのが心憎いので、星五つ進呈。 | ||||
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15年ほど前の作品ですが時代設定は昭和38年ということで(今から50年近く前)活気のある出版業界、若者の陰パワー漂う新宿裏風景やアイビールックの流行など今はないエネルギッシュな時代の空気を感じて新鮮でした。 覚せい剤と若者、とか、警察とジャーナリズム、とか、父権と女性の対立、とか 色々と対立要素が出てくるけど、主人公の週刊誌トップ屋である「村善」は基本的に弱者側の見方だ。正義漢だから、というのではなく単に好奇心で突き動かされている感じが良く出ている。 また桐野作品だから当然ですが、登場人物の心理描写が繊細。リアル。 時代や状況だけでなく人物それぞれの個性が複雑に反射してストーリーがうねり 展開が二転三転するので、引き込まれて感情移入しすぎて辛くなる…。 「村善」(しかし野暮ったい呼び名w)みたいなキャラクターは、今はいないな。 結局、たくさんの伏線に気付きながらも結末まで展開が目まぐるしく真相不明のまま 後半に行けば行くほどスピード感が増して、長編なのに全く飽きなかった。 読後感は重いながら最後に明るい兆しもあり爽やか(?)。 大人のハードボイルドだった。 | ||||
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15年ほど前の作品ですが時代設定は昭和38年ということで(今から50年近く前)活気のある出版業界、若者の陰パワー漂う新宿裏風景やアイビールックの流行など今はないエネルギッシュな時代の空気を感じて新鮮でした。覚せい剤と若者、とか、警察とジャーナリズム、とか、父権と女性の対立、とか色々と対立要素が出てくるけど、主人公の週刊誌トップ屋である「村善」は基本的に弱者側の見方だ。正義漢だから、というのではなく単に好奇心で突き動かされている感じが良く出ている。また桐野作品だから当然ですが、登場人物の心理描写が繊細。リアル。時代や状況だけでなく人物それぞれの個性が複雑に反射してストーリーがうねり展開が二転三転するので、引き込まれて感情移入しすぎて辛くなる…。「村善」(しかし野暮ったい呼び名w)みたいなキャラクターは、今はいないな。結局、たくさんの伏線に気付きながらも結末まで展開が目まぐるしく真相不明のまま後半に行けば行くほどスピード感が増して、長編なのに全く飽きなかった。読後感は重いながら最後に明るい兆しもあり爽やか(?)。大人のハードボイルドだった。 | ||||
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探偵・村野ミロ シリーズの番外編とのことでしたが、ほかの桐野作品と同様の読み応えがありました。 村野善三が「トップ屋」として週刊誌のネタ集めに奔走しているなか、たまたま出くわした「草加次郎事件」。実際にあったこの事件を軸に、戦後、新聞社系週刊誌が主流だったころに、次々と出版社系週刊誌が創刊されていった時代を描いている。 もちろんそれだけでなく、いろいろな要素が織り交ぜられている。 少女タキの悲壮な運命。 親友でもあり仕事での同志でもあった後藤との関係。 村善のなかに芽生えた、ミロの母親・早重へのときめき。 ミロ シリーズを読んだことがない人でも楽しめる、まったく新しい物語。1960年代の日本社会や、新しく取り入れられたアイビールックなどに代表される若者文化、新宿歌舞伎町の世界から右翼極道の社会まで、数々の取材と調査のうえにできあがった桐野夏生の傑作。 | ||||
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桐野夏生の作品は、時代とともに読んできた。 だから、この作品を最初に読んだのは、ずいぶん昔の気がする。 たまたま人に貸していたものを、その人の本棚で見つけ、借りて(?)きてまた読んだ。 このところの桐野の作品が、女性を主人公に、あるいは物語の中心にして進むものが大半を占めていることを考えると 本作品は、非常にオトコの匂いのする、ハードボイルドな印象のあるものになったいる 初期のミロのシリーズもそうだけど、その硬派なイメージから、私は桐野夏生という作者を、てっきり男の人と思っていたくらい 何というかな、ただ硬派、ハードボイルドというより、もっとオトコの心情に入った部分があって これを女性が書いているとわかったときは結構驚いた。 いろんなものがまだ未解決のまま、最終的にはどこか突き放したような終わり方の作品です。 でも、そこがいい、な。 人の怖さを底流に、1960年頃の成長の前の日本の原風景に、オトコの孤独感に人生の節目のようなものを感じながらしっかりとしたタッチのドラマになっています。 | ||||
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桐野夏生の作品は、時代とともに読んできた。 だから、この作品を最初に読んだのは、ずいぶん昔の気がする。 たまたま人に貸していたものを、その人の本棚で見つけ、借りて(?)きてまた読んだ。 このところの桐野の作品が、女性を主人公に、あるいは物語の中心にして進むものが大半を占めていることを考えると 本作品は、非常にオトコの匂いのする、ハードボイルドな印象のあるものになったいる 初期のミロのシリーズもそうだけど、その硬派なイメージから、私は桐野夏生という作者を、てっきり男の人と思っていたくらい 何というかな、ただ硬派、ハードボイルドというより、もっとオトコの心情に入った部分があって これを女性が書いているとわかったときは結構驚いた。 いろんなものがまだ未解決のまま、最終的にはどこか突き放したような終わり方の作品です。 でも、そこがいい、な。 人の怖さを底流に、1960年頃の成長の前の日本の原風景に、オトコの孤独感に人生の節目のようなものを感じながらしっかりとしたタッチのドラマになっています。 | ||||
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ミロシリーズと言っても、こちらはミロの義理の父である村野善三の若い時代、ミロの母との出逢いやミロの本当の父である後藤の話なども書かれています。 出版されたのは1995年(文庫は1998年)で前記のミロシリーズ2作目の「天使に見捨てられた夜」の後に書かれています。 しかし、私はあえて後に回しました。 ミロの方が気になってしまったので(^^;) なので、これを読めば、母が亡くなった後のミロと善三の関係がハッキリするのかと思っていたのですが、善三が調査屋を始めた頃まで(まだミロの母と結婚する前です)しか書かれていないので分かりませんでした。 文庫化にあたり削除された部分もあるそうなのですが・・・。 善三はミロとは血の繋がりが無いけれども、その調べる過程なんかは親子みたいだと思いました。 ちょっと人生を捨てたところがある感じも似てるのではないでしょうか? たぶん、この本を先に読んでから「ダーク」を読んだら、善三の変わりようにショックを受けてしまったんじゃないかなと思います。 この本の後に善三が早重とどうなって結婚に至ったのかも知りたいものです。 早苗視点の話もあったら、また違った善三やミロ、後藤が出てくるんじゃないでしょうか。 | ||||
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