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匣の中の失楽
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匣の中の失楽の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 41~49 3/3ページ
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眩暈を呼び起こす作品。 メタメタメタの連続であり、その幻想的パワーは伊達じゃない。 しかし、登場人物に魅力がイマイチであり、肝心の謎解きはあれれな感じ。 ドグラ・マグラには及ばないだろうか。21歳でこれを書いたのは凄まじいと素直に思いますけどね。 ただ、これなら舞城王太郎の九十九十九や麻耶ユタカの夏と冬のソナタ、小川勝己の眩暈を愛して夢を見よなどのほうが数段面白いと思う。 | ||||
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ミステリー界の4大奇書のひとつであるらしい作品です。今までに見たことの無いようなタイプの本で、展開が複雑です。突っ込みどころがあるらしいですが、自分にはそれすらも分かりませんでした。物語の結論があるのかすらも分かりませんでしたが、なかなか楽しめました。 | ||||
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「虚無」ほど登場人物は軽薄ではありません。小説としては一気読み系の面白さはあると思いますが、やっぱりこれを「黒い水脈」とは思えないなあ。 事件が起きた場面は、世間と隔絶された場所ぢゃああるまいし、ウラもとらずに推理に酔うことを主目的とした登場人物どもには辟易します。まあこれも「虚無」ほどの辟易さはありませんが。「虚無」の登場人物どもはホントにサイテー。 もし、こういう系統が現在の"本格推理小説"なんだとしたら、そんなもんさっさと滅びてほしいです。たわ言並べてまくって最後に出てきた推理がファイナルアンサーしかも証拠無しって。そんなんでokなんだったら何でもアリじゃん。こーゆー荒唐無稽さを吹っ飛ばすパワーは、この小説には残念ながら無いですね。同じことやってて読後に眩暈を誘う「黒死館」が凄い理由が分かってんのかな、作者は。 まあ、読むんだったらこっちです。「虚無」は読む必要なし。存在意義すら無し。あれは駄作。「ドグラ」と「黒死館」は当然必読。凄まじさで云えば「殺戮に至る病」の方が遥かに上だ。 | ||||
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なんとも評価の難しい本だ。突っ込み所は沢山あるし、結論から言ってしまえば、完成度は非常に低い。はっきりいって失敗作だ。しかし、これは単なる失敗作ではない。愛すべき失敗作である。この小説全体に仕掛けられた、実験的な構成(ネタバレになるので割合)、そして、脱線しまくりの、これでもかといわんばかりの推理合戦。確かに好き嫌いわかれる作品ではある。しかし、この脱線しがちなバカっぽい推理合戦を、楽しめるようになったら、あなたはひとまわり大きくなれるかも。ようするに、バカミスとして読むといいかもしれない。また、青春小説としてみても一級品であり、読み終わったあとの切なさは、そんじょそこらの恋愛小説なんかよりはるかに優る。一度、読んでおくべき作品といえよう。これを若干20代前半で書き上げた竹本健治は、やはり凄い才能を持っている。 | ||||
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著者若干21歳にしてトンデモない作品を書き上げたものである。同じく21歳の若さで処女作「翼ある闇」を書いた麻耶雄嵩とは格段の才能の違いを見せつける。現代物理や四柱推命の知識など、物語を逸脱してしまうウンチクの数々はそれだけでも面白いし、二転三転する推理合戦も読む者をして心地よい幻惑に誘い込む。何よりも素晴らしいのはその物語構造。これがポスト・モダンの現代にまさにピタッとはまる読後感を与えてくれる。日本の現代文学が混迷している現在、「ミステリー」という、文学界では「傍流」のジャンルからこのような作が出ていたとは皮肉である。ちなみにこの作へのオマージュである乾くるみの「匣の中」は遠くこの「聖典」には及ばない。 | ||||
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生涯ベスト1の作品。僕の読書生活のイデアで、今も本を読み続けているのは、もう一度この作品を読んだ時の体験を味わいたいからだと言っても過言ではないです(なんて書く時はたいてい言い過ぎてますが)。 ストーリーを説明するのは難しい(と言うか意味がない)作品で、大学のサークル内で起こった殺人事件を、サークルのメンバーが調査したり議論したりするという本格ミステリ的なストーリーですが、通常の意味でのミステリ的な解決には主眼はないです。この作品の凄さは全篇に満ちている空気感で、それは言葉で表すのは難しいけど、あえて言うなら現実崩壊感となるでしょうか。読み進めていくと僕たちが確固たると思っている「現実」が実はとても曖昧で、すぐにでも壊れてしまうものなんじゃないか、さらにはいや最初から「現実」なんてものは存在しないんじゃないかという風に感じられて、強烈な眩暈感があります。京極夏彦の作品から受ける感覚に少し近いんですが、京極夏彦があくまでロジカルに現実崩壊感を導き出すのに対して、竹本健治はその文章の力で、感覚的、生理的な部分で実崩壊感を突きつけてきます。この感覚は「竹本印」と言っていいくらいに独特で、かつ竹本作品には(濃い薄いはあっても)普遍的に存在するものだと思います。この感覚を味わったことで、ものすごく深いところで世界観が変ったように感じます(それが良いのかはまた別ですが)。 この眩暈感は体験しないとわからないので、未読の方はぜひ御一読を。またこの作品が気に入った人は他作品も読んでみてください。同じような匂いのある作品としては、京極夏彦「魍魎の匣」、津原泰水「ペニス」、山口雅也「奇偶」、グレッグ・イーガン「祈りの海」などがあります。 | ||||
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まずこれを読んだあとで「虚無への供物」を読んだが、そもそも「虚無への供物」の系譜を引き得たとはっきりと言えるのはこの作品くらいではないか。この作品が多くの書き手たちの新たな系譜=標的となって、「アンチ=本格ミステリ」の水脈が生まれたことを今や誰も否定できない。作者の言葉に反して、「ウロボロスの偽書」もこの「破格な処女作」の「呪縛」を解き放てなかった。 | ||||
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中井英夫の『虚無への供物』(1964年)小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』(1935年)夢野久作の『ドグラ・マグラ』(1935年)…は埴谷雄高によって〝黒い水脈〟とされる日本探偵小説の嚆矢だ。その世紀の『三大奇書』の後裔として、この『匣の中の失楽』(1978年)は発表された。 その講談社版ではインド学研究者の松山俊太郎の解説が付された(これもスゴイけどw)…。 ところが!然るに! 今回の双葉文庫版では、な、なんと、「綾辻行人との対談、また秘蔵の創作ノートも同時収録」(100P超!)だそう…こりゃ買うでしょ!(≧∇≦)~~* | ||||
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著者のデビュー作にして最高傑作の呼び声が高い。「虚無への供物」(中井英夫)の系譜をひく。であるからには当然、併せ読むべきである。 | ||||
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