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匣の中の失楽
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匣の中の失楽の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 1~20 1/3ページ
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三大奇書に次ぐ奇書とはその通りで、だんだん訳が分からなくなる。 また知識のひけらかしが多く非常に読みづらい。 読み安さで順位を付けるなら、虚無への供物、本作、黒死館殺人事件、ドグラ・マグラ。 | ||||
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最近黒死館殺人事件を読んで面白かったんで、虚無への供物を飛ばして、奇書と言う人もいるらしい本作を読んでみた。読んだ感想としては、奇書といわれるほどではない、オーソドックスなミステリーだと思った。一気に読んでしまうくらい面白かったが、さすがに半世紀近くも経つと出てくるペダンチックな知識も随分色褪せてしまって、ミステリーとしては古臭い平凡な内容に思えた。個人的には黒死館の方が魔術とか音楽とか古典といったクラシックでオカルトな知識をふんだんに使ってるから、それがかえって時代を経ても色褪せない面白さになってると思う。本作の方は量子力学とか初歩の現代科学の知識で同じことをしようとしてるから、半世紀たってしまうとかえって、登場人物達が無意味に古臭い知識をひけらかす浅はかな人になってしまって、その部分は話も冗長で読んでてつまらなかった。しかしその浅はかさも、登場人物たちの調子にのった大学生らしさの演出になってるから意味はあると思う。 しかし読んだ当初はそういう印象が強かったが、第五章の真相説明が明らかにフェイクなんで、本当の真相は何かを考えていたが、そうして作者が仕掛けた叙述トリックに気づくほどじわじわ面白さが増してきた。たとえば、第一章までが〇〇〇が作者の実名小説「いかにして密室はつくられたか」で、第三章で起きた事件で〇〇〇が死んだから、✕✕✕が第二章から続きを書いたものが本作だと自分は読み取った。つまりワトソン捜しのワトソン(叙述者)は✕✕✕。他にも第四章で窓の側で倉野が死んでいたのならそんなはずがないことを、△△△△は証言している、等。他にも読み返しているといろいろ発見があって、それを発見するたびに違う真相が見えてきて飽きがない。今でも色褪せない名作だと思う。 | ||||
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中井英夫の虚無への供物のオマージュ作品かと?作品の中の現実と小説が入り乱れて、何がなんだかよく分からなくなってしまう。 謎解きのペダントリーには凄いものがあるが、もう一度読み直してみたい気持ちにはなりませんでした。 | ||||
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冒頭、賭け碁のくだりで読む気が失せました。 よりによって碁とは…渋すぎませんか。 | ||||
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本書を読むなら講談社版ではなく、双葉文庫版を薦める。 本編の後に100ページ以上の付録があり、読後の余韻に浸りながら、より深く鑑賞できるからだ。 付録には ・作者と綾辻行人との対談 ・作品論集 ・作者の創作ノート が含まれる。 特に作品ノートは必見! | ||||
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まず、古本とはいえこの金額はありがたい限りという作品。大手チェーン店ではなかなか見る事が出来ずオンラインストアでも在庫なし。 また利用させて頂きたい。 | ||||
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作中作『いかにして密室はつくられたか』の存在で奇数章と偶数章、どちらが、現実でどちらが虚構なのか、読者は判別することが難しくなる。 ミステリーとして明らかに奇数章の方が、整合性が取れていて、納得のいく解決も用意されている。と、なると偶数章こそ出来の悪い創作であり、奇数章こそ現実なのだと、結論づけたくなる。 しかし、その明らかさが逆に引っ掛かる。作品のキーワードのひとつが「さかしま」であることを考慮すると、ミステリー小説として出来が良いからこそ、奇数章の方がまさに創作、虚構なのではないかと勘繰ってしまう。 作品のもう一つのキーワードは「不連続線」である。この小説を不連続なものにしているのは言わずもがな作中作「密室はいかにしてつくられたか」である。 根戸の独白によると密室とは膜を張ることによって、自他を分けた人間そのものであり、実のところは誰しもが密室の中で生きており、「匣の中の失落」を味わい続けているのだ、となる。 「不連続線を越える」という言葉も出てくる。それは自分という密室の中から外へ出ることだろうと推測できる。 不連続線を越えることを目指し、それに成功した者は本小説において誰であっただろうか。 死によって現実、虚構合わせたすべての出来事を操った、のかもしれない曳野。あるいは「匣の中の失落」すべてを創作として捉え直した場合の、作者ナイルズこの2人だろう。 曳野=ナイルズ。そう捉えることもできる。濃霧で辺りを覆われた場面である、冒頭と末尾の文が同一であることはそれを示唆しているともいえる。 個人という密室から抜け出して霧の世界へと滲み出し、漂っていったのは、はたして誰で、あるいは何で、あったのか? | ||||
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何か懐かしい香りを感じながら長い読書の旅を終えました。それはこれまでずっと親しんできたミステリ小説のそこかしこから匂い立ったものです。多くの作者がこの書に影響を受けたことを知りました。そしてこの書もまた。 もっと早く読んでおくべきでした。 | ||||
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何度もレビューしてほしいとメールが来るので書きますが、掲載不要です。この本は持っていて、写真に帯がついていたので、帯目当てで注文しました。販売する出展者の記述に、帯についての言及がないのに注意すべきでした。帯なしの本が届き、がっかりしました。その後、この本の写真が、ヤフオクの出展品の写真を転用したものだとわかり、すぐさまヤフオクで買い直しましたので、今では帯付きの本が手元にあります。amazonでは、写真はイメージ映像で、売り物の写真じゃないんですね。こちらの確認不足なので、返品はしませんが、今後はamazonで古本を買う時は、写真を信じないようにします。 | ||||
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難解だけど、3大奇書と言う割にはドグラマグラのような怪奇趣味につうづる面白さはない。 学生向けの推理小説を、難解にしただけの感じ、再読する気にはなれない。 | ||||
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『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』のいわゆる三大奇書は、ミステリファンのみならず本好きならぜひ挑んでみたい高峰である。僕としては先の2冊はけっこうキツかったけれど、『虚無への供物』は面白かった。そこで第四の奇書と呼ばれる本書『匣(はこ)の中の失楽』にも挑戦してみることにした。 一言でいえば、メタ過ぎてアンチになっている、という類のミステリである。先達の三作の中では『虚無への供物』の作風に近いので、それなりに面白く読むことはできた。が、中盤あたりで、ははあんこういうパターンか、と趣向が読めるので、正直ダレてしまうところがあるのも否めない。 物語とは関係ないけれど、僕にはひとつ心に残るくだりがあった。それは、登場人物のひとりが寝る前に一服する場面。「横たわっている筈の軀が、硬直した恰好のまま、奈落の底にもんどりうって失墜してゆく。(中略)ほんの二、三分の我慢なのだが、やはりたまらない時間だった」(P318)などと描写が秀逸である。僕も就寝前の煙草という悪癖がやめられないので、この感覚はよくわかる。 と、どうでもいい感想を書いているようだが、少しでも具体的・本質的なことを書くと、どどっとネタバレに傾斜してしまいそうである。それにしても、作者がこれを20歳そこそこで書き上げたのはすごい。ノベルス版の刊行にあたってかなり修正もされているようだが、とにかくこの仕事量には頭が下がる。ある意味、若さという情熱の所産かもしれない。 | ||||
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友人の薦めでこの本に出逢ってから早四半世紀が経過したが、その妖しい魔術のような魅力は未だに僕を捉えて放さない。章ごとに入れ替わる作中作のワナに絡めとられた己にはっと気づいた時には、もはや中断することもできず、そのままずるずるとさらなる深みへと嵌まりこんで行ってしまう。密室の謎をはじめ様々に散りばめられた雑学的知識の数々にも心地よく魅了される。一度読み始めると長丁場になるので、纏まった時間が取れるときに腰を据えて読みたい一冊。 | ||||
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作中作を鍵に虚実を行き来するという展開から難しくて読みづらい本というイメージを勝手にもっていたのですが、読みやすい文章です。 暗合、作中作、推理合戦といった要素も楽しくじっくり楽しんで読むことができました。 ぼんやり作中人物の推理や作品について考えたり、他の読者の考察や感想を読んだりするのを楽しみました。 世評通りの傑作だと思います。 他の方のレビューにもありますが、解説やおまけが充実しているので購入するならノベルスよりこちらが良いと思います。 | ||||
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竹本氏の70年代後半に発表された日本ミステリー史上に残る奇書とされるアンチミステリー大作。 綾辻氏が裏表紙で新本格の原点で傑作と推薦しているが、確かにこの時期にここまで人物描写と物語を記号化して、推理合戦のみで構成された作品は革新的だと言えるが、竹本氏の作品は他にもいくつか読んでいるが、蘊蓄は凄いが、ミステリー的なトリックはあまり大したことないし、最後は虚構と現実の境界をはぐらかしてお茶を濁す感じだが、本作もそんな感じ。 密室連続殺人のトリックは特に大したこともないし、圧倒的な蘊蓄に圧倒されるがストーリーとしてはあまり面白くない。 結果、まあ意欲作ではあるが、あまり小説としては面白くないというどうにも反応に困ってしまう作品だ。 正直、そんな大した作品でもないだろうと言うのが感想だ。 | ||||
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以前ノベルスで読んで手放してしまったので新装版ということもあり文庫を買いました。 以下この文庫新装版の付録です。 ・匳(こばこ)の中の失楽というサイドストーリー(短編) ・竹本健治氏本人による新装版あとがき ・講談社文庫初版に収められていた松山俊太郎氏の解説 ・乾くるみ氏による解説 中でも松山俊太郎氏の解説は凄いの一言。 内容に関して今更どうこう言うつもりはありません。 これだけの付録があって文庫のコンパクトさで読めてしまいます。 ノベルスより高い? ファンならこれ一択ですね。 | ||||
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「虚無への供物」「黒死館殺人事件」「ドグラ・マグラ」に並び称される「匣の中の失楽」の新装版。 双葉文庫版が手元にありますが、 新装版の刊行ということで(再度)購入いたしました。 新装版販売という、名作が朽ちることなく紡がれている喜びを噛み締めています。 文庫という形式を考慮すると、些か高価な気もしなくはありませんが、 文庫形式でサイドストーリーも収めていることを鑑みると、 費用対効果・作品評価のどちらをとっても、文句なしの☆5評価とさせていただきます。 | ||||
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かなりの時間をかけて読了。面白くてハマると一気に読んでしまうタイプなのですが……。凄い作品だとは思います。現実と作中作品である小説との境界線が分からなくなって翻弄されるカンジは段々心地よくなってすら来ました。これにイライラしてしまう方は楽しめないと思います。 ただ、殺人の動機や殺人が起きた際の登場人物の言動に違和感が拭えず(友人の死に対してゲーム感覚過ぎだろっ!)結果雰囲気で読み通したカンジです。一回読んで辻褄合わせて理解しようなんて事は、まあ無理でしょう。 | ||||
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講談社ノベルス版が書店で1296円で買えるのに、本来安価で提供すべき文庫版がそれより高いってどういうこと? | ||||
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小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』、夢野久作の『ドグラ・マグラ』、中井英夫の『虚無への供物』に連なる国産本格ミステリーの問題作ということで、かなり前から本棚に置き、いつかはと思いつつ、年明けにようやく手に取り、つっかえながらやっと通読できた。本編だけで文庫646頁。複雑な構成をもった不思議な風味の長編小説といったところか。 登場するのは、ミステリー好きの若者12人。物語は序章と終章を除けば、全部で5章あり、それぞれが一種の入れ子構造になっていて、ミステリーの中に作中ミステリーが入り込み、合わせ鏡のような向こう側に別の作中ミステリーが侵入してくる、といった仕掛け。12人のうち4人が死んだ、という展開のようだったが、死んだはずの人物が次の章では死んでおらずに仲間たちと推理の知恵比べをしたりしていて、話の流れを追うのも大変だった。 もっとも、密室、アリバイ、暗号、犯罪動機の解明など、推理小説の大抵の要素が混在しており、部分々々は面白く読めはした。しかし、むかし赤鉛筆で線を引きながら推理小説を読み進み、エラリー・クイーン等の諸作のおしまい近くによく出てくる「読者への挑戦」に応戦して探偵役のなぞ解きの前に犯人などを割り出す(まれに当たった)という楽しみ方はできないまま。『黒死館』も『ドグラ・マグラ』もむかし読み始めて中途でギブアップした覚えがあり(『供物』は面白く読んだ)、今回も通読はできたものの、何やかやで☆は三つどまり。 | ||||
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ミステリー仲間が失踪・殺人と1人1人欠けていく. 残ったメンバーは推理合戦を繰り広げるが・・・. 失踪事件と密室殺人. 動機や密室トリック,入れ替わりや心理トリック,果てには五行や分子まで さまざまな形での推理が繰り広げられる. これをリアリティの欠如ととるか,古今東西の多様なミステリー作品からのサンプリングととるかで この作品の評価は変わるのだろうが,いずれにしても少々退屈な小説である. その一番の理由は他のレビューワーも書いている通り, 本の残りの分量から言って真相ではないとわかりきった推理を延々と読まされるのが苦痛だということに尽きる. 長々と語ってはすぐに否定される,というパターンの繰り返しなのもよくない. いくつの推理が残って最後に真相が明かされる,とか緊張感を保てる構成になっていればもっと楽しめたと思うのだが. それでも,この種の作品としては,それほど冗長さを感じない程度には雰囲気があるし, きちんと真相も明かされている. 奇をてらいすぎて放り出してしまったような後追い作品よりはよい. | ||||
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