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孤島の鬼



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孤島の鬼の評価: 4.48/5点 レビュー 181件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.48pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全181件 1~20 1/10ページ
No.181:
(5pt)

面白いが

乱歩の独特の世界なんだが、さすがに今の時代にこの設定は!?それを抜きにして、読むぶんには問題なし。そのうえ乱歩の日本語って言うのも参考になる。
孤島の鬼 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (創元推理文庫)より
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No.180:
(5pt)

すごい話

最初は順当な探偵ものかと思いきや、どんどん不気味で奇怪な話へと進んでいく。すごい話なので未読なら読んでみるべき
孤島の鬼 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (創元推理文庫)より
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No.179:
(4pt)

それなりに面白い

古い漢字使いでちょっと驚きました。今だと、とても差別的内容で出せない内容ですが、安くて、それなりに面白かった。
孤島の鬼 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (創元推理文庫)より
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No.178:
(5pt)

エログロを抑えた、もう一つの江戸川乱歩の世界観。

江戸川乱歩作品の中ではグロさのレベルは低めだが、心理的な恐怖心は上位にランクされると個人的には思います。

明智小五郎が登場するシリーズで感じられる、気持ちのスッキリ感を期待されている方は避けた方がイイ。
江戸川乱歩の仕掛けた精神的・心理的な恐怖を感じたければ、是非、この本を手に取って欲しい。
孤島の鬼 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (創元推理文庫)より
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No.177:
(5pt)

今僕らには羞恥も、礼儀も、拒食も、猜疑も、何にもないのだ。僕らはこの闇の世界へ生まれてきた二人きりの赤ん坊なんだ

本格推理小説のジャンルには入らない。密室殺人、衆人環視下での有りえない状況での殺人と感興を掻き立てる事件は起こるのだけれど、あまりにもトリックが雑過ぎる。他著の解説で中島河太郎が述べているが、本作は、「初期の本格短編時代と、中期の大衆長編時代との過渡期に位置するもの」で「本格物の骨格に凄惨怪奇なプロットを着せたため、サスペンスの効果が強烈であった」と。

中島も、密室殺人のトリックなどは「その説明はいささか苦しい」という見方。まったく同感。しかし、「ただそれがその後のプロットの展開の伏線として有効に働くのだから、乱歩はここでは純粋の謎解きに拘泥するつもりはなかった」と庇う。まあ一理ある。

乱歩が大好きな片輪者である一寸法師がまた出てきた。乱歩のイメージするグロや怪奇の世界、倒錯した美意識にうまくマッチングするのが一寸法師なのだろう。『一寸法師』『踊る一寸法師』などでは主役として登場させているし。

本作は、本格推理小説として評価するのは間違い。ミステリー小説、つまり、推理よりもサスペンスやスリラーに重点を置いた小説の範疇に入れるべき。あるいは、もっと大胆に、同性愛と言う異端な恋愛要素を付加した、冒険怪奇小説としてとらえるべきといえよう。乱歩はよほどベントリーの『トレント最後の事件』に触発されているのかな。

論理的な謎解きの楽しみはほぼない。おそらく読者の多くが、片輪者だけの化け物屋敷に向かう後編の部分を高く評価しているはずだ。主人公と、自分に病的な愛情を向ける同性愛者の高潔な医師とが二人で、医師の生家である人外境のような悪魔の島に向かう。そこで恐るべき片輪者の首領と戦い(医師にとっては父親)、そこに癒合双体(両手足が4本ずつある、男と女の双生児)の片割れの女に恋をし、他に捕らわれている片輪者を救出し、最後は、その島に隠されているお宝探しに出向く。井戸の中を潜り、洞穴が横に通じ、一時は満潮時に水責めに遭って死を予期する。

途中、主人公と医師は、用心に用心を重ね、麻ひもを目印代わりにして、洞穴探検を続けていた。結局は引き返すことにもなるのだが。なんと、肝心の麻ひもが何者かによって切断されていたのだ!

もはや死を覚悟したコンビは、狂気に襲われ、同性愛の医師が主人公にありったけの情欲を向けてくる。逃げる主人公。

”「今僕らには羞恥も、礼儀も、拒食も、猜疑も、何にもないのだ。僕らはこの闇の世界へ生まれてきた二人きりの赤ん坊なんだ」「箕浦君、地上の世界の習慣を忘れ、地上の羞恥を捨てて、今こそ、僕の願いを入れて、僕の愛を受けて」諸戸は再び狂乱のていとなった。驚いて逃げようとする私の足は、いつか彼のもちのような手に摑まれていた。私ははずみを食って岩の上に横ざまに倒れた。蛇はぬらぬらと私の体に這い上がってきた。私は、このえたいの知れぬけだものが、あの諸戸なのかしらと疑った。それはもはや人間と言うよりも不気味な獣類でしかなかった”

闇と死と獣性の生き地獄。乱歩の妖気に満ち満ちた文章にとことん圧倒される。

”ハッハッという犬のような呼吸、一種異様の体臭、そして、ぬめぬめと滑らかな、熱い粘膜が、私の唇を探して、蛭の様に、顔中を這いまわった”

私は、初期の乱歩の本格推理小説に価値を置く人間なので、あまり高評価はしたくない。もちろん、中期以降の、エログロナンセンス、フェティシズム、人間の異常心理や変態的嗜好、後期の怪人シリーズに代表される幻想と怪奇、冒険小説。そういった明智小五郎シリーズでも、作品の中には☆5つをつけているのもあるが。本音を言えば、本作に☆5つの評価はつけたくない。

が、この男色の変態医師・諸戸による異常性欲、怪人シリーズにも加えてよかろうであろう片輪者の首領である諸戸の父親、魔の淵や片輪者を閉じ込めた化け物屋敷という舞台設定、なによりも狂気に満ちた文章に引き込まれてしまった。この心躍る冒険怪奇小説を夢中になって読んだことを白状したい。☆5つとする。

※推理小説、ミステリー小説としては落第。あくまでも、冒険怪奇小説として楽しめる方であればお勧めいたします。人外の怪物といえるような異常人格者が登場し、8本の手足をもったり、蛙のように跳ねまわったり、体がぐにゃぐにゃした一寸法師という片輪者がこれでもかと登場し怪奇性を演出する。が、その中にも一服の清涼剤をちょろっと混ぜ、読者の興奮を掻き立てるプロット、文章の展開力。最後は余韻嫋々としたものが残る。
孤島の鬼 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (創元推理文庫)より
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No.176:
(5pt)

江戸川乱歩の良さてんこ盛り

主人公(男)に好意を寄せる天才金持ち(男)と、それを知りつつ普通にノンケの主人公が繰り広げる探偵冒険譚。
謎の孤島に、そこを牛耳る闇の一族と彼らの壮大な野望…などなど、江戸川乱歩らしさの詰まった傑作小説。一気に読めます。
孤島の鬼  江戸川乱歩ベストセレクション(7) (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 江戸川乱歩ベストセレクション(7) (角川ホラー文庫)より
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No.175:
(4pt)

愛と執着が引き起こす、予測不能の展開

大正時代を舞台に繰り広げられる緊迫のミステリー小説である。主人公の蓑浦金之助は、婚約者の木崎初代が密室で殺害されるという悲劇に見舞われる。この衝撃的な事件を契機に、物語は予想もつかない展開を見せていく。

本作の最大の見どころは、緻密に練られた謎解きのプロセスだ。特に、諸戸道雄という医学研究者が登場し、事件の真相に迫っていく様子は圧巻である。諸戸の論理的思考と鋭い洞察力は、読み進めるごとに引き込まれる要素となっている。彼の存在が物語に深みを与え、単なる殺人事件から複雑な人間ドラマへと昇華させているのだ。

物語は、初代の死の真相を追う過程で、登場人物たちの隠された欲望や葛藤を浮き彫りにしていく。特に、蓑浦と諸戸の関係性の変化は興味深い。諸戸の蓑浦への想いが明らかになるにつれ、二人の間に生まれる緊張感と信頼関係のバランスが絶妙に描かれている。

また、本作は単なるミステリーにとどまらず、当時の社会背景や人間性の闇を巧みに織り込んでいる。例えば、諸戸の医学研究に対する情熱と、それが引き起こす倫理的問題の描写は、科学の進歩と人間の尊厳の問題を鋭く問いかけている。

「孤島の鬼」を読み終えて、人間の欲望や執着が引き起こす悲劇の深さに圧倒された。同時に、真実を追求する人間の姿勢や、困難な状況下での人間関係の変化に深い感銘を受けた。江戸川乱歩の鮮やかな筆致が、複雑な人間心理と社会の闇を見事に描き出している点に感心させられた。
孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)より
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No.174:
(5pt)

壮大すぎるミステリー

大正十四年、帝都・東京・貿易商に勤める美青年・蓑浦金之助は、最愛の許嫁・木崎初代を何者かに殺されてしまう。 完全なる密室での殺人。 そんな時、昔から何故か彼に想いを寄せていたエリート医学研究者・諸戸道雄が現れる。
本屋さんで「元祖BL」というポップで売り出されていたが、そんな言葉では表現しきれない。
本格的推理小説であり本格的同性愛小説であり伝奇小説。
今では不適切と言われている言葉だが、「かたわ」である丈五郎(諸戸の育ての親)は非道な人体実験を行い結合双生児や奇形人間を製造しこの世を「かたわもの」だけにすることを目論む歪んだ思想の持ち主。
主人公の箕浦くんは自分でも認める儚げな美青年でいろいろな男性から好意を寄せられている。その1人である箕浦くんファンの探偵に助けを求めるがなんと丈五郎の仲間に殺され早々に退場。その後は丈五郎の悪事を暴きにこれまた箕浦くんファンの諸戸と共に壮大な旅に出る。
ちなみにこの小説に出てくる結合双生児の名前は「秀ちゃん」「吉ちゃん」
豊臣秀吉が指が6本ある「奇形」と言われていたことから作者はこの名前を付けたのかと推測。(わからんけど)
現代では規制がありすぎてこんな話は誰も書けないと思う。
長編だがノンストップで読める面白さ。
江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼 (光文社文庫)より
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No.173:
(5pt)

壮大すぎるミステリー。

大正十四年、帝都・東京・貿易商に勤める美青年・蓑浦金之助は、最愛の許嫁・木崎初代を何者かに殺されてしまう。 完全なる密室での殺人――。 そんな時、昔から何故か彼に想いを寄せていたエリート医学研究者・諸戸道雄が現れる。
本屋さんで「元祖BL」というポップで売り出されていましたが、そんな言葉では表現しきれない。
結合双生児や奇形人間などが出てくる、壮大すぎるミステリー。
今では不適切な表現とされるが、「かたわ」である丈五郎(諸戸の育ての親)は非道な人体実験を行い結合双生児や奇形人間を製造しこの世を「かたわもの」だけにしようと目論む歪んだ思想の持ち主。
主人公の箕浦くんは自分でも認める儚げな美青年であり様々な男性から好意を寄せられている。
婚約者を殺害された箕浦くんは真相を暴くため自分に好意を寄せている探偵に事件を依頼。しかし探偵さんは丈五郎の仲間に殺害され早々に退場。
その後、これまた自分に好意を寄せているエリート研究者、諸戸と共に丈五郎を倒す旅に出る。
ちなみにこの小説に出てくる結合双生児の名前は「秀ちゃん」「吉ちゃん」
豊臣秀吉が指が6本ある「奇形」と言われていたことから作者はこの名前を付けたのかと推測。(わからんけど)
現代では規制がありすぎてこんな話は誰も書けないと思う。
でもノンストップで読める面白さ。
ラストの二文がこれまでにないくらい泣けました。
孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)より
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No.172:
(5pt)

面白かった

江戸川乱歩はまだたくさん読んでませんが、いままで読んだ作品は気狂いの独りよがりみたいな印象を受けてましたが、この作品は今読んでも多分普通に面白いです。下手に現代の小節読むよりミステリーが好きな方にはこちらおすすめします。
孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)より
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No.171:
(5pt)

江戸川乱歩

推理小説は、名探偵が登場するのが醍醐味ですかと。謎の迷宮から脱出するのは、ハラハラドキドキ悪鬼との対決に胸を撫で下ろしますかと。
孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)より
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No.170:
(4pt)

文体を変えて綴られし告白手記は、異様な味わいがなんとも言えず良かったです。

1929年(昭和四年)から1930年(昭和五年)にかけて、雑誌『朝日』に連載された作品。
初出時の竹中英太郎の挿絵が載っています。

わくわくしながら頁をめくっていったのは、「人外境便り」から「奇妙な通信」の章にかけての、ある人物による告白手記でした。
異様なんだけれど真に迫った感触がなんとも言えず、ぞくぞくしながら読み耽ってしまいました。

舞台を紀州の一孤島に移してからのくだりは、やや長過ぎて緊張感を欠いているように感じました。
それと、竹中英太郎画伯の挿絵は、途中から絵の感じが(特に人物画が)かなり変わっていたこともあり、いまいちかなと。むしろ、話を読みながら邪魔に感じるほうが多かったのは残念です。

ラスト二行。
しみじみとした妙味がありました。合掌。
孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)より
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No.169:
(3pt)

うーん、、、。

小学生の頃に読んでいた少年探偵団シリーズを思い出して、他の作品を読んでみようと購入しました。
雰囲気は好きです。
ただやはり、話の流れに無理があるし、最後の方は詰め込んであるし、、、。
内容としては微妙かなぁ。小学生の頃だったら友達と共有して楽しめたかも。
でも気になったのなら購入して読んでみてください!!。口コミは気にせずに。
孤島の鬼  江戸川乱歩ベストセレクション(7) (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 江戸川乱歩ベストセレクション(7) (角川ホラー文庫)より
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No.168:
(4pt)

挿絵つき

江戸川乱歩の長編の最高傑作との評判です。
乱歩といえばエログロで本作は男色の要素があるとのことでしばらく本作を避けていましたが、
男色のグロはあまりないです。その変わり奇形といったグロはあります。
推理小説として期待すると物足りなさがありますが、怪奇冒険小説としては満足できました。

「孤島の鬼」は各出版社から刊行されています。
創元推理文庫の特色は初出掲載誌の挿絵つき、
ドラゴンボールの単行本のように背表紙が繋がることでしょうか。
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No.167:
(3pt)

ストーリーに無理があります(ネタバレあり)

最近江戸川乱歩の小説をまた読み返し、はまっています。子供の頃読んだ少年探偵団や怪人二十面相などは子供心にちゃちだと思っていましたが、最近彼のメインストリームの作品を読んで面白いと思っています。
ただこの作品では冒頭でヒロインと目される女性が殺され、明智小五郎を連想させる探偵も殺され、残りの膨大な残りページを読み切る自信が持てませんでした。その割にはなんとなくストーリーが展開されるので読了できましたが、取ってつけたようなエンディングなど、さすが乱歩とうならせてくれる出来ではありませんでした。
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No.166:
(5pt)

挿絵が魅力的

この創元推理文庫の乱歩シリーズは挿絵が復刻されているのが大きな特徴でしょうか。
挿絵があることで、連載時の雰囲気を感じられて、とても良いです。
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No.165:
(5pt)

福祉にいたるまで

今から50年くらいは大きなお祭りでは「見世物小屋」がかかり、奇形(使いたくないが適切な単語が思いつかない)や障害のある人(蛇女)などが働いていた。学校では見に行かないようにと指導されていた。
当時は他に生活していくための手段が無く仕方ない点もあったのだろうが、本作の黒幕は真の鬼である。
あの方たちはその後どのような末路を辿ったのか、少しでも安らぎが得られたことを祈るのみである。
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No.164:
(4pt)

ネクタイも靴下も緑って…

イーデン・フィルポッツの『赤毛のレドメイン家』は昔読んだけど、ほとんど内容は忘れていたので面白く読むことができた。「悪い奴は誰か」ということだけは強烈に覚えていたので、だいたい犯人の目星はつけながら読んだが、○○○(一応伏字にしておきます)がいたことはさっぱり忘れていた。

しかし見事に翻案に成功しているというか、変装趣味や神出鬼没な怪人の描写など、いかにも乱歩らしい作品に仕立て直されていることには感心しかない。でも、さすがに明智小五郎を登場させるのはためらわれたのか(ふさわしくないと判断したのか)本作では乗杉竜平という探偵が活躍する。

ラストの謎解き場面は、そこだけサスペンスが停滞して知的なパズラーが顔をのぞかせるという意味で、ちょっと乱歩っぽくない。本来、乱歩はこういうロジックが苦手だったと思うが、そこはさすが翻案ものだ。乱歩らしさと本格ミステリの融合によって、一連の通俗長編の中でも独自の味わいを持った作品になっていると思う。

追記
それにしても…ジャケットもシャツもネクタイも靴下も靴も、何から何まで緑色の怪人って…どうしても僕には吉本新喜劇の中條健一を思い浮かべずにはいられないのである(わかる人にはわかってもらえるでしょうか)。
孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)より
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No.163:
(4pt)

普通に面白いと思います

読む前は、ゴリテスクな怪奇ものではないかと思っていました。
いい意味で、もっと普通でした。
松本清張さんの作品を読んだような読後感です。

納得感がありました。
古臭くもありませんでした。

いいと思いました。
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No.162:
(4pt)

乱歩にとっては、翻案のほうが天職では

小学生当時から、ポプラ社のシリーズで存在は知っていたが、読むのは初めて。
 まさか『赤毛のレドメイン家』の翻案だったとは……
 それを知って、同書と合わせて読み較べることにした。
 ちなみに、連載時期は完全に『怪人二十面相』と重なっている。

 登場人物は↓のように該当しているが、プロットに建造物の間取りが密接に絡んだ『三角館の恐怖』よりも、筋立ては思いのほか自由に設定変更されている。まさに翻訳でなくて翻案。乱歩作品の中ではマイナーなものだが、物語る乱歩の才能が発揮された一冊のように感じる。

マーク・ブレンドン(刑事) --> 大江白虹(作家)
マイケル・ペンディーン(技師) --> 笹本静雄(絵本作家)
ジェニー・レドメイン(その妻) --> 笹本芳枝(その妻)
アルバート・レドメイン(レドメイン家長男) --> 夏目菊太郎(夏目家長男)
ロバート・レドメイン(三男) --> 夏目太郎(その息子)
ベンディゴ・レドメイン(次男) --> 夏目菊次郎(次男)
ジュセッペ・ドセリ(その雇用人) --> 山崎(その秘書)
ピーター・ガンズ(探偵) --> 乗杉龍平(探偵)

 『赤毛のレドメイン家』の魅力に繋がる景観の描写やいわゆる恋愛の要素は大胆に刈り込んだ分、ジェニーの魅力は芳枝には十分伝わっていないが、元の430頁から本書の276頁にコンパクトになって、反面で冗長だった展開は随分スピーディーになった。
 大江が民間人にされたことで、結果的に彼が蒙った職業上のダメージは大きく軽減したのは、必要性というよりも乱歩の優しさか?
 そして特筆すべきは、――それでツッコミ処も増えているが――レンズやガラス越しの異世界という乱歩大好物のガジェットが随所に追加されて、より乱歩作品らしくなっているということが挙げられる。

 さらに忘れてはいけないのが、そういった小物の演出だけでなく、芳枝の周囲に出現する緑衣の男の動機を周囲に誤認させ、ある登場人物の性格を変更することで、原作で極端に少なかった容疑者を増やすことに成功している。

 未だ全乱歩作品を読んだわけではないが、わたしのベスト3作品中2作が翻案である。
 正直言って、プロットは他から借りて、それに自分の特長を付け加える手法が、乱歩にはよく合っていたと思う。
 ん? これは乱歩の性質でもあるが、日本人全般の特長であり欠点ではないのか。
孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)Amazon書評・レビュー:孤島の鬼 (江戸川乱歩文庫)より
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