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孤島の鬼



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孤島の鬼の評価: 7.71/10点 レビュー 7件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.71pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全7件 1~7 1/1ページ
No.7:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

これぞまさに「乱歩ワールド」

江戸川乱歩の長編でも最高傑作と名高い評価を得ており、実際彼が最もやりたい放題やった、まさに乱歩の魅力がぎっしり詰まった一作だと思います。
ストーリーは大まかに二部構成になっており、前半は密室殺人と衆人環視の元の殺人という二つの不可能犯罪から大胆なトリックと意外な犯人が導き出される本格推理で、後半はその事件の裏に潜む黒幕との対決のために財宝の眠る島に向かうという冒険小説のような構成となっており、全体を通した流れを見ると荒唐無稽なのに加え、かなりあっちへ行ったりこっちへ行ったりの支離滅裂なストーリーなのですが、物語の面白さゆえにそれも魅力だと割り切れてしまえます。

全編を通して奇形やら同性愛やらタブー視されそうな題材の目白押しで、そりゃ戦中は検閲にひっかかるし、今は今でこんな話絶対無理だなぁという内容で、おそらく乱歩御大はこの時が一番作家として幸せだったんでしょうね。
物語後半の奇形人間がたくさん住んでいる島で、同性愛者の友人といろんな意味でハラハラドキドキの冒険宝探しという、少年の心を持った大人の読み物といった内容は、絶対に子供には見せられないような小説を書く一方で、後に児童文学でも日本を代表する作家となった江戸川乱歩という作家をまさに象徴している作品であると感じました。


マリオネットK
UIU36MHZ
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

孤島の鬼の感想

思えば私がミステリーと出会ったのは、小学生の時分に読み尽くした『少年探偵シリーズ』で、乱歩の作品を読むのはそれ以来で実に30年近く経っていたが、読み進めるうちに特有の空気感みたいなものを思い出しました。連載されていたのが昭和初期ということなので、現代の価値観で作風や題材を云々出来ませんが、私自身、その現代の価値観で夢中になって読めたというところに素晴らしさがあると思います。いろいろな要素を詰め込んでおり、人物、舞台、ジャンルもスライドさせながら話は進んでいきますが、小綺麗にまとまらずギリギリを突いていくような展開も、やはり時代と照らし合わせてみると意味深い作品ですね。

カミーテル
MCFS6K6O
No.5:
(6pt)

乱歩の名作

ダイナミックな展開にページが進みました。

わたろう
0BCEGGR4
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

残念な作品

様々出してくる奇怪な道具立ては楽しい。だがその扱いは児戯に類する。執筆は30代と思われるのだが、高校生が書いたような腰の据わらない脆弱な文章・凡庸な連載マンガのごとき緩い展開。「あれほど恐ろしいものに遭ったことはない」という見世物口上の過度な多用。この時代(昭和5年)に猟奇なビジョンを展開しようとする心意気は讃えたい。だが、文章家としての剛毅さに欠け、本来、暗黒の美学を生むような可能性を有しつつも、残念ながら結局こけおどしに終わった。

ムンディ
F3AMP4NO
No.3:
(6pt)

孤島の鬼の感想

初読了の江戸川乱歩長編。前半は2種類の密室殺人、後半は冒険活劇。猟奇的な真相と切ないラストシーンが印象に残る。

水生
89I2I7TQ
No.2:
(10pt)

ミステリ史上最高傑作。


▼以下、ネタバレ感想

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鬼崎まなつぅ
3QC7T257
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

乱歩の世界、ここに極まれり

明智小五郎の登場しない長編であり、殺人は起こるが、半分も読み進まないうちにあまりにもあっさりトリックが解明されてしまうので、多少拍子抜けするところはある。もちろんそのトリックは意外性をついたものではあるが、それは単なる「つき出し」に過ぎない。この作品の真の恐ろしさは読み進めていくごとに読者を引きずり込む、「闇」「狂気」「タブー」など、見てはいけないものへの恐怖と、それ以上にその見てはいけないものを見たいという歪んだ興味をどうしようもないほどに揺り動かされてしまう乱歩の筆力にある。
乱歩が故郷の三重を訪ねて交流した地元の風俗研究者に聞いて構想を得たと言われているが、「明智小五郎」「推理小説」の枠に縛られることなく、全く自由にのびのびと書きたいように書きまくっている。ある意味最も乱歩らしい作品である。なので好き嫌いは必ずありますが、乱歩の世界を感じたい方には必読の書。

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