夜歩く

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夜歩くの評価:

4.27/5点 レビュー 44件。 A ランク

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平均点4.27pt

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全47件 41〜47 3/3ページ
No.7
(5pt)

汝、夜歩くなかれ

  夢遊病のため夜歩く美女、二人の佝僂男、そして旧幕時代の百姓一揆を淵源とする因縁話……。
  こうした、いかにも横溝調草双紙といった意匠が施された本作ですが、その根幹に
  あるトリックは《顔のない死体》とクリスティが某作で物議を醸したアレです。
  クリスティの某作は、純粋に犯人当て小説として見た場合、「意外な犯人」ではありながらも、
  それを読者にも特定できるのに十分な手掛かりを提示しているというフェアさが保障されていました。
  しかしその反面、作中の犯人のある「行為」に不自然さが拭いがたくあり、
  心理的必然性という観点では、瑕があるといううらみが残りました。
  (のちに、真犯人は他にいた、という衝撃的な説も出されました)
  その点、本作の犯人は、作中現実において、クリスティの犯人と同じ
  「行為」をしていますが、不自然さはなく、改善がなされています。
  ただその分、フェアさでは一歩後退したともいえるのですが、探偵小説家による一人称の
  語りという形式がとられている以上、完全にアンフェアとは言い切れないと思います。
金田一耕助探偵小説選夜歩く (1957年) Amazon書評・レビュー: 金田一耕助探偵小説選夜歩く (1957年)より
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No.6
(5pt)

フェアさよりも、犯人の心理的必然性

  夢遊病のため夜歩く美女、二人の佝僂男、そして旧幕時代の百姓一揆を淵源とする因縁話……。
  こうした、いかにも横溝調草双紙といった意匠が施された本作ですが、その根幹に
  あるトリックは《顔のない死体》とクリスティが某作で物議を醸したアレです。
  クリスティの某作は、純粋に犯人当て小説として見た場合、「意外な犯人」ではありながらも、
  それを読者にも特定できるのに十分な手掛かりを提示しているというフェアさが保障されていました。
  しかしその反面、作中の犯人のある「行為」に不自然さが拭いがたくあり、
  心理的必然性という観点では、瑕があるといううらみが残りました。
  (のちに、真犯人は他にいた、という衝撃的な説も出されました)
  その点、本作の犯人は、作中現実において、クリスティの犯人と同じ
  「行為」をしていますが、不自然さはなく、改善がなされています。
  ただその分、フェアさでは一歩後退したともいえるのですが、探偵小説家による一人称の
  語りという形式がとられている以上、完全にアンフェアとは言い切れないと思います。
夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304075
No.5
(3pt)

アンフェア!推理小説の限界を越えた失敗作

作者の代表的傑作である前2作(『本陣殺人事件』と『獄門島』)の本格推理と、次作品であり「読み物」という視点から見た作者の最高傑作『八つ墓村』の面白さとを兼ね備えた、横溝作品のNo1になりえた作品、それが本書である。
本書のテーマは「顔のない死体」で、江戸川乱歩が名作ベスト1に推奨したイーデン・フィルポッツの『赤毛のレドメイン家』、エラリー・クイーンの『エジプト十字架の秘密』と、本書の前年に高木彬光が発表した『刺青殺人事件』に挑戦したものだろう。
(とくに『刺青殺人事件』と同じ構想を考えていたところ、先を越されてしまったため本書のデッサンが狂ったということが、旧版の解説に記されている。)
また、本書の中で用いられた「小さな密室」トリックは、おそらく横溝作品中、最高のトリックではないかと思う。
しかし残念なことに、本書は本格推理としてはアンフェアな作品である。本書には随所に虚偽の記載が盛り込まれているのである。
作者は解決篇に至って、これまでの文章に虚偽の記載をしても構わない理由を説明しているが、しかし、前もってそれを知らされていない読者は、それまでの記載がすべて正しい情報を与えてくれているものと信じて推理を巡らすのだから、これでは真相に到達するはずがない。
おそらく作者は「顔のない死体」のテーマと同時に、クリスティーの『アクロイド殺し』の「叙述のトリック」にも挑戦したのだろうが、結局は虚偽の記載のない「叙述のトリック」を用いた『アクロイド殺し』がいかに優れた作品であるかを、逆に証明しているのである。
夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304075
No.4
(4pt)

首なし死体

 もともとは1948-49年に執筆されたもの。いくつもの版があるが、この角川文庫版がいちばんオーソドックスにつくられているだろう。
 カーの『夜歩く』をモチーフに、夢遊病や首なし死体など、いかにもという道具立てで楽しませてくれる。近接して書かれた『八つ墓村』『犬神家の一族』へとつながるモチーフも多く、ファンにはたまらない一冊だろう。
 トリックも巧みで読み応えがある。
夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304075
No.3
(4pt)

首をちょんぎる

真珠郎と同じく首をちょんぎって犯行をくらます話。 余談だが横溝作品では戦後GHQの介入により田や畑を持っているより山林を持っていた方が得をした話が多い。本作の古神家とか悪魔の手毬唄の仁礼家とかは山林で金持ちになった。
夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304075
No.2
(5pt)

純粋な金田一モノではないかも知れませんが

未映画化・金田一氏の登場が少ないからか読む順番的につい後回しにされてしまうのかもしれないが、間違いなく著者の作中Aランクの作品です。(かつてのあとがきにもファン投票では常にベスト5にランクされていると書かれていたと思います)詳しい内容にこそ触れられませんが、佝傴の新進画家蜂屋が足を撃たれ、古賀八千代令嬢のもとに顔無し佝傴の写真と共に「われ汝と結婚せん」との奇妙な手紙が来た事により古賀家を舞台に首無し殺人事件が発生します・・・。首無し殺人・夢遊病・佝傴、金田一の登場場面の少なさ等、他の代表長編に比べると派手さには欠けるでしょうが、シンプルな登場人物、舞台設定の割りに複線の張り方が非常に巧妙であらためて流石と唸らされます。何よりラスト一行にこめられた哀しみ・心の慟哭は他作の追随を許さず、本作を傑作、心に残る作品としてくれます。
夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304075
No.1
(5pt)

探偵小説の中の探偵小説

奇怪な人々に惑わされ、恐ろしい企みの中に巻き込まれる三文作家。さながら探偵小説の主人公のごとく彼は謎解きを始めるのだが・・・。
夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304075