■スポンサードリンク
黒百合黒百合黒百合黒百合黒百合黒百合黒百合黒百合黒百合
黒百合
黒百合
黒百合
黒百合
黒百合
黒百合
黒百合
黒百合
黒百合
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
黒百合の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戦前の時代と昭和十年とを交互に混ぜながら、男女3人の少年少女を中心に、そこに登場人物を巧みに配置し、物語を展開させていきます。確かに聞いていた通り、作者の物語を作る才能を感じますが、最後の展開というかどんでん返し?の様なネタばらしは、どうにも納得がいきません。単行本P217、222あたりで、浅木氏が「ベルリンの彼女」に触れ、それが戦時中に電車の車掌になり、結果片足を失った自分の妻「おばさん」だったという展開がどうにもわからない。自分の妻に対するにしては上のページでのセリフがあまりにも不自然と感じるのは、自分だけでしょうか?このまま少年少女と六甲の別荘、芦屋あたりを舞台にした人間関係の物語にしておけば・・・と惜しまれます。聞いた所では、この作者は行き詰って創作を止め、行方が不明とのことですが、凝り過ぎてしまったのではと残念です。読ませる人なのに・・・もう少し他の作品を読んでみるつもりです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戦前の時代と昭和十年とを交互に混ぜながら、男女3人の少年少女を中心に、そこに登場人物を巧みに配置し、物語を展開させていきます。確かに聞いていた通り、作者の物語を作る才能を感じますが、最後の展開というかどんでん返し?の様なネタばらしは、どうにも納得がいきません。単行本P217、222あたりで、浅木氏が「ベルリンの彼女」に触れ、それが戦時中に電車の車掌になり、結果片足を失った自分の妻「おばさん」だったという展開がどうにもわからない。自分の妻に対するにしては上のページでのセリフがあまりにも不自然と感じるのは、自分だけでしょうか?このまま少年少女と六甲の別荘、芦屋あたりを舞台にした人間関係の物語にしておけば・・・と惜しまれます。聞いた所では、この作者は行き詰って創作を止め、行方が不明とのことですが、凝り過ぎてしまったのではと残念です。読ませる人なのに・・・もう少し他の作品を読んでみるつもりです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリーと思い購入しましたが、期待に反し純文学的な作風。逆に大いに楽しめました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
純文学とミステリーの融合で楽しめました。 瑞々しく爽やかな少年少女の淡い初恋と、複雑な人間関係によるミステリーの醍醐味が魅力です。 ノスタルジックな雰囲気も良くて、最後まで飽きずに読めました。 最後見事に騙されたクチです。 六甲山に行きたくなりました。 阪急電車や宝塚や六甲や芦屋、そういう土地の雰囲気も味わえて、主人公と一緒に旅をしたような気持ちにもなれます。 この作品ののち、作者は失明を危惧して周囲に迷惑をかけないよう失踪されたとのことで、悲しいです。とてもいい作品を残されての失踪で、読者としてもとても惜しいです。 他の作品も読みたいと思います。 先生、いい作品をありがとうございました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
静かに落ち着いて読書をするのに適した小説だと思います。レトロな感じが気に入っています。自分の小学生時代をおも出しながら、読みました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み終わった後、ある登場人物の人生について思いを馳せてしまいました。余韻の残るいい小説だと思います。途中の違和感はそういうことだったのか…と納得。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
解説者の言をパクるわけではないが、著者渾身の叙述トリック。これは気づけない。世の中は少しずつ変わっていってはいるが、人間の心理の根底にある"当たり前のこと"に邪魔をされて気づけない。 ※内容に触れます※ 思えば、女学院、ミッション系スクール、百合の紋章、宝塚、タイトルの「黒百合」。 ヒントは散りばめられているが、難しい。何よりスケープゴートが2人おり、時間軸が3つあるのが難しい。 けれど難解ではなく、推理小説を推理しながら、かつ文学として楽しみながら読めた小説はかなり久しぶりだった。 タイトル自体がトリックの種明かしでもある、という点においても素晴らしい小説だと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
阪急電鉄(小説の中では宝急)の六甲駅、芦屋川駅、夙川駅、神戸女学院、小林聖心などの名前が実名で出てきたのがとても懐かしかったのですが、特に関西の大抵の公立中学は校則で男子が丸刈りであること、神戸ではみんみん蝉は山の上にしかいない話には懐かしさが全開でした。私自身、大人になって東京へ来たときにみんみん蝉が公園で普通に鳴いていることに感激した覚えがあります。 さて、物語は夏休みに六甲にある父親の友人の別荘に一人遊びに来た十四才の進と友人の息子で夏を別荘で過ごしている同い年の一彦、二人が池の畔で出会った同い年の少女の香の三人が六甲で過ごす一夏を軸に、昔少年たちの父親がベルリンで出会った謎の多い美女とのエピソード、香の叔母が女学生だった頃の恋、の三つの話が進んでいきます。 読み進めるうちにミステリーであることを忘れ、十四才の二人の少年と一人の少女の淡い恋を描いた青春小説を読んでいるとしか思えなくなりますが、エンディングで「あっ」と声をあげて思わず前半を読み返すこととなります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これは大傑作である。滅多に出会えない納得の作品。作風は純文学的だが内容は十分すぎるほどのミステリー。私自身、殺人を犯した人物を推理する過程で、P240(何と残り4ページ!)で真相が明らかになるまでの間、それぞれの登場人物の持つ条件や描写から何人かを疑ったが、その都度、再考する必要に迫られた。具体的な内容はここに記さない方がいいだろう。その過程を、貴方にも是非、味わっていただきたい。 昭和10年と今(1952年)と昭和15年~20年の、3つの異なる時間軸で物語が進むため、それぞれの登場人物がどこでどう繋がるのかを考えながら読むことになるのだが、見事に”やられた!”である。しかも決してアンフェアではない。ミスリードが全ての推理を狂わせる。むしろ自分自身で進んでミスリードの罠に掛かりに行ったとでも言うべきか。それだけ非常によくできたプロットである。 余談であるが、作者の多島 斗志之は、本作を執筆したのちに失踪し、行方が分からないらしい。失明に近い状態だったらしく、周囲に迷惑を掛けることを怖れていたという。こんな良作を最後に残すなんて…合掌。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は神戸市に住んでいて、六甲山は登山で足繁く通っており、本作品は六甲山が舞台の小説ということで手に取った。 六甲山を舞台に、中学生の少年二人と少女一人の淡い恋物語が瑞々しい筆致で描かれ、その年代に立ち返って甘酸っぱい気分になれる青春小説。一方で、殺人事件が二件起こり、最後まで読むと、ある事柄に勘違いをしていたことに気づかされるミステリー小説でもある。 1952年の六甲山での出来事、昭和10年のベルリンでの出来事、昭和15年からのある人物の恋物語と殺人事件。時間・場所・視点が違う3つの物語がどう繋がっていくのかが焦点となっている。それぞれのパートで誰と誰とが結び付くのか、お互いの関係がわかりづらく、西暦を元号に変えて年齢を計算してみたり、家族関係を整理して考えてみる必要があった。最後まで読んで、ページを繰り直してみると、数々の伏線が盛り込まれていることや、紛らわしい人物が配置されていることがわかる。 個人的には、ミステリーとしてよりも、青春小説として、高く評価したい。特に印象に残っているのは、長峰山の下山の際に香が捻挫をして、進が香をおんぶした時の「このときの苦しく愉しい重量感、そしてどちらの汗かよく判らない背中の熱い湿り気を、私は今でも思い出すことができる」という一文。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
お見事 ミステリーが好きでいろいろ読んでいるが、なかなか納得いくミステリーに出会うのは年に1冊あるかないかです。読み始めたら一気読みで見事に騙されました。この素晴らしい作品を是非読んでください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語の語り手、寺元進は、1952年、14才の夏休みを、六甲山で過ごします。六甲山には父の友人である浅木氏の別荘があり、そこには同い年の男の子、一彦がいました。二人はすぐに仲良くなり、毎日いっしょに野山で遊んでいましたが、そんなある日、ひょうたん池で、やはり同じ14才の倉沢香に出会い、それからは3人で時間を過ごすようになります。香はとりたてて美しいというわけではありませんが、裏表のない性格で、進、一彦は二人とも香に恋心を抱くようになってしまいます。 物語は、当時の日記を含む、進の回想として進行し、その合間に、進、一彦、香、3人の親の戦時中、戦後の様子が挿入されるという形式になっています。ミステリーですから殺人事件も起こりますが、むしろ青春小説としての味わいが深い小説です。ここのところ、人間の暗部ばかりが見えるようなノンフィクションを続けて読んでいたので、一種の清涼剤のつもりで手に取った本ですが、優れた作家というのは子供の頃の思いをちゃんと覚えているもので、自分が14才だった頃を思い出したりしながら、ストーリーを楽しむことができました。 ただ、いわゆる叙述ミステリーですから、作者は当然読者を欺こうとします。私はもちろんだまされました。この本を読み終えたとき、私の好きな漫画「伊賀の影丸」の1シーン、伊賀忍者幻也斎が敵の忍者に巻物を渡しながら、「その巻物を受け取ったときから戦いは始まっている」と言い放つ印象的な場面を思い出しました。実は巻物には毒針が忍ばせてありました。この本も、手に取ってタイトルを読んだときから、戦いは始まっています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
14歳の三人の少年少女が過ごした一夏。甘酸っぱく美しい、淡い恋の物語。 しかしその裏で別の物語があった。 進と一彦、二人の父親世代まで遡った物語が進と一彦、香の物語にどう絡むのかを予想しながら読んだが、見事に外れた。 進が見たもの、聞いたもの、発見したものは読者と同じなのに、読者の衝撃とは裏腹に、進が夏の思い出の一ページとしてしか印象に残らないところが巧い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
【読む前には読まないほうがいいかも↓】 優しく落ち着きのある文体でみずみずしく、途中何度も笑いました。 登場人物がかわいいひとが多くて好印象。 14歳っていいなぁ。 阪急電鉄や当時の六甲山を想像しながらというのも楽しかったです。 スケープゴートってこういう使い方するんだなぁと関心しました。 しかしなして一彦くんだけあんなに関西弁なんだろう? 両親は東京弁なのに。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
騙されると聞いて身構えて読んだんですが、すっかりきれいに騙されてしまいました。 途中まで戦後間もない時期の瑞々しい青春小説を愉しんでいたら、まさかこんな手で来るとは! これぞ、騙される快感。ミステリーを読む面白さを堪能しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
見事に騙されました!!本書を一言でいえば、青春小説の衣をまとった叙述ミステリーということになります。 物語は3つの時代、3者の視点で、互いに関連して進行していきます。 一つは、昭和27年、父の旧い友人の浅木さんの六甲山の別荘で夏休みを過ごすことになった寺本進の視点。 ここでは、進、浅木さんの一人息子で同い年の一彦、そして、近所の裕福で豪華な別荘の持ち主の娘、倉沢香、 3人の交友、そしてほのかな愛の芽生えが描かれています。 二つ目は、昭和10年、浅木の視点で、東京電燈、宝急電鉄社長、小芝一造のベルリン視察に随行した浅木進、寺本、 そして、ベルリンで偶然知り合った相田真千子が描かれています。 三つ目は、昭和15年~昭和20年、宝急電鉄の運転手だった私?の視点で、、女学生だった倉沢日登美との淡い恋、 そして、それに反対した兄、喜久男との対決が描かれています。以下ネタバレ的な事がありますから、未読の人は注意してください!! 大阪在住の私にとって、六甲山は身近な観光地で、しかも私は、昭和25年生まれなので、 この小説で描かれている古い六甲山の様子もぎりぎり解りますし、戦時中の電鉄事情も描写されています。 宝急電鉄は、阪急電鉄ですし、小芝一造は小林一三、だということも容易に理解できます。 この小説の謎を解くカギは、あちらこちらに提示されています。宝急電鉄は宝塚電鉄の略、そうすればこれも大きなヒントです!! これ以外にも、後から再読すると、上手に伏線が張り巡らされているのがよくわかります。 推理小説としても上質の仕上がりですが、実在と思われる人物を物語に配し、物語に真実味と深みを与え、読後深い余韻を残しています。 色々考えると、後に香りが進ではなく、一彦と結婚するというのは、必然でなかったのか、という感がします・・香りはすべてを知っていた?・・・。 なお残念なことに、本書の執筆を最後に、作者の多島斗志之、失明して迷惑をかけることを危惧されて、失踪され、現在に至るも行方不明だそうです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
先に読んだ方のアドバイスで、あまりミステリだと意識せずに読みましたが、それで正解だったと思います。本当に美しく、端正な小説でした。読後には、良い小説を読んだという静かな満足感に浸れました。 夏に知り合った二人の少年と一人の少女という関係は瑞々しく、一人は関西弁の少年、一人は東京から来た標準語の少年という組み合わせもまた、少女がどちらを選ぶのだろうとはらはらさせるものがあり、引き込まれました。ドイツで出会う謎の女性というもうひとつの物語と絡まって、だれ?という疑問を持ちつつ読むのですが、結末だけを求めるような走り読みをせず、最後までゆっくりと読むことが出来ました。まさに文芸とミステリの融合ですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
’08年、「このミステリーがすごい!」国内編第7位、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第8位にランクインした、職人肌の名匠、多島斗志之が精魂をこめ、繊細な技巧を駆使した、瑞々しい情感にあふれたミステリー。 昭和27年、14才の寺元進は、東京からひとり離れて父親の旧友浅木の持つ六甲山の別荘で夏休みを過ごすことになった。そこには浅木の息子で同い年の一彦がいた。また近所の裕福な家庭の、これもまた同い年の倉沢香とも出会う。彼らは意気投合して、ハイキング、水泳、スケッチと毎日のように夏の避暑地の日々を過ごす。やがて進と一彦は香にほのかな恋心を抱くようになる。この小説のほとんどを占めるのはつたない進の日記から始まる甘酸っぱい青春物語の懐古である。 その一方で、進と一彦の父親たちが昭和10年、ナチス政権下のドイツはベルリンで出会った不思議な女性との交流と、昭和16年から20年、戦時下の神戸における鉄道員と女学生の恋と、それが原因で起こる殺人という、ふたつのエピソードが挟み込まれる。 はたしてこれら三つのパートがどう関っているのか。読者の興味は尽きない。そして時を越えた複雑な人間関係が次第に明らかになり、これまで見えていなかった風景が終盤浮かびあがる時、作者の企みが現れる仕組みになっている。 多島斗志之は、基本的には淡い文芸的な青春恋愛小説を読者に読ませながらも、思いがけないところに伏線を張り巡らせていたり、<六甲の女王>なるミスディレクションに惑わせたりするのである。 本書は超絶的なテクニックに支えられた傑作である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
異なる3つの時代のストーリーが最後の最後で一つに交錯する時、その余りの意外性に意表を突かれるが、それ以上に三人の少年少女の夏休みの描写が透き通る程に美しく、いつまでも残像が尾を引く。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
進・一彦・香の3人が過ごす戦後の避暑地での青春物語の部分、ここの描写力がすぐれているので、作品全体の質を上げているのでしょう。 銀幕のスターたちの出ていた古い秀作の邦画のような雰囲気です。 香のおばさま日登美や、六甲の女王、小芝翁…などなど、脇役たちの人物像も、時代と上流階級の人々の雰囲気を良く伝えてくれます。 この序章の部分だけでも作品が成り立つぐらい上質なものだと思います。 ドイツで出会った謎の女性は誰?と思いながら読み進め、殺人事件の犯人は…とミステリー部分では謎を持たせ、全くもって巧いです。 昭和27年の部分は、夏休みの宿題の日記をつける進の目線で描かれるので、少年らしいたどたどしさもあって、語られない部分を巧くカバーしてミスリードを誘います。 もう一つの殺人事件が起こり、謎が解けないまま、ラストに突中。 え、もうページも少ないし終わっちゃうよ〜、と思ったら実にサラリと描かれる真相。 サプライズです、やられちゃいました。 ミステリーの謎解き、ここが一番の見せ場、そこをサラリと書いて素知らぬ顔して通り過ぎようとする作者。 う〜ん、にくい! | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!