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黒百合
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黒百合の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 1~20 1/2ページ
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戦前の時代と昭和十年とを交互に混ぜながら、男女3人の少年少女を中心に、そこに登場人物を巧みに配置し、物語を展開させていきます。確かに聞いていた通り、作者の物語を作る才能を感じますが、最後の展開というかどんでん返し?の様なネタばらしは、どうにも納得がいきません。単行本P217、222あたりで、浅木氏が「ベルリンの彼女」に触れ、それが戦時中に電車の車掌になり、結果片足を失った自分の妻「おばさん」だったという展開がどうにもわからない。自分の妻に対するにしては上のページでのセリフがあまりにも不自然と感じるのは、自分だけでしょうか?このまま少年少女と六甲の別荘、芦屋あたりを舞台にした人間関係の物語にしておけば・・・と惜しまれます。聞いた所では、この作者は行き詰って創作を止め、行方が不明とのことですが、凝り過ぎてしまったのではと残念です。読ませる人なのに・・・もう少し他の作品を読んでみるつもりです。 | ||||
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戦前の時代と昭和十年とを交互に混ぜながら、男女3人の少年少女を中心に、そこに登場人物を巧みに配置し、物語を展開させていきます。確かに聞いていた通り、作者の物語を作る才能を感じますが、最後の展開というかどんでん返し?の様なネタばらしは、どうにも納得がいきません。単行本P217、222あたりで、浅木氏が「ベルリンの彼女」に触れ、それが戦時中に電車の車掌になり、結果片足を失った自分の妻「おばさん」だったという展開がどうにもわからない。自分の妻に対するにしては上のページでのセリフがあまりにも不自然と感じるのは、自分だけでしょうか?このまま少年少女と六甲の別荘、芦屋あたりを舞台にした人間関係の物語にしておけば・・・と惜しまれます。聞いた所では、この作者は行き詰って創作を止め、行方が不明とのことですが、凝り過ぎてしまったのではと残念です。読ませる人なのに・・・もう少し他の作品を読んでみるつもりです。 | ||||
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ミステリーと思い購入しましたが、期待に反し純文学的な作風。逆に大いに楽しめました。 | ||||
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純文学とミステリーの融合で楽しめました。 瑞々しく爽やかな少年少女の淡い初恋と、複雑な人間関係によるミステリーの醍醐味が魅力です。 ノスタルジックな雰囲気も良くて、最後まで飽きずに読めました。 最後見事に騙されたクチです。 六甲山に行きたくなりました。 阪急電車や宝塚や六甲や芦屋、そういう土地の雰囲気も味わえて、主人公と一緒に旅をしたような気持ちにもなれます。 この作品ののち、作者は失明を危惧して周囲に迷惑をかけないよう失踪されたとのことで、悲しいです。とてもいい作品を残されての失踪で、読者としてもとても惜しいです。 他の作品も読みたいと思います。 先生、いい作品をありがとうございました。 | ||||
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静かに落ち着いて読書をするのに適した小説だと思います。レトロな感じが気に入っています。自分の小学生時代をおも出しながら、読みました。 | ||||
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読み終わった後、ある登場人物の人生について思いを馳せてしまいました。余韻の残るいい小説だと思います。途中の違和感はそういうことだったのか…と納得。 | ||||
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本の帯に【騙される率100%】と記載があり、意外な結末を期待して購入。その先入観のせいで注意深く読み進めて行くのだけれど、淡々と進んでいくだけ。同時にジワジワと騙されていく。時代が飛ぶし、登場人物を整理していかないと最後の種明かしで意味がわからなくなります。 ここからネタバレ注意…誰か教えてください。 マチコと日登美は同じ六甲に住んでいることはお互いに知っていたのでしょうかね? | ||||
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解説者の言をパクるわけではないが、著者渾身の叙述トリック。これは気づけない。世の中は少しずつ変わっていってはいるが、人間の心理の根底にある"当たり前のこと"に邪魔をされて気づけない。 ※内容に触れます※ 思えば、女学院、ミッション系スクール、百合の紋章、宝塚、タイトルの「黒百合」。 ヒントは散りばめられているが、難しい。何よりスケープゴートが2人おり、時間軸が3つあるのが難しい。 けれど難解ではなく、推理小説を推理しながら、かつ文学として楽しみながら読めた小説はかなり久しぶりだった。 タイトル自体がトリックの種明かしでもある、という点においても素晴らしい小説だと思う。 | ||||
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阪急電鉄(小説の中では宝急)の六甲駅、芦屋川駅、夙川駅、神戸女学院、小林聖心などの名前が実名で出てきたのがとても懐かしかったのですが、特に関西の大抵の公立中学は校則で男子が丸刈りであること、神戸ではみんみん蝉は山の上にしかいない話には懐かしさが全開でした。私自身、大人になって東京へ来たときにみんみん蝉が公園で普通に鳴いていることに感激した覚えがあります。 さて、物語は夏休みに六甲にある父親の友人の別荘に一人遊びに来た十四才の進と友人の息子で夏を別荘で過ごしている同い年の一彦、二人が池の畔で出会った同い年の少女の香の三人が六甲で過ごす一夏を軸に、昔少年たちの父親がベルリンで出会った謎の多い美女とのエピソード、香の叔母が女学生だった頃の恋、の三つの話が進んでいきます。 読み進めるうちにミステリーであることを忘れ、十四才の二人の少年と一人の少女の淡い恋を描いた青春小説を読んでいるとしか思えなくなりますが、エンディングで「あっ」と声をあげて思わず前半を読み返すこととなります。 | ||||
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これは大傑作である。滅多に出会えない納得の作品。作風は純文学的だが内容は十分すぎるほどのミステリー。私自身、殺人を犯した人物を推理する過程で、P240(何と残り4ページ!)で真相が明らかになるまでの間、それぞれの登場人物の持つ条件や描写から何人かを疑ったが、その都度、再考する必要に迫られた。具体的な内容はここに記さない方がいいだろう。その過程を、貴方にも是非、味わっていただきたい。 昭和10年と今(1952年)と昭和15年~20年の、3つの異なる時間軸で物語が進むため、それぞれの登場人物がどこでどう繋がるのかを考えながら読むことになるのだが、見事に”やられた!”である。しかも決してアンフェアではない。ミスリードが全ての推理を狂わせる。むしろ自分自身で進んでミスリードの罠に掛かりに行ったとでも言うべきか。それだけ非常によくできたプロットである。 余談であるが、作者の多島 斗志之は、本作を執筆したのちに失踪し、行方が分からないらしい。失明に近い状態だったらしく、周囲に迷惑を掛けることを怖れていたという。こんな良作を最後に残すなんて…合掌。 | ||||
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私は神戸市に住んでいて、六甲山は登山で足繁く通っており、本作品は六甲山が舞台の小説ということで手に取った。 六甲山を舞台に、中学生の少年二人と少女一人の淡い恋物語が瑞々しい筆致で描かれ、その年代に立ち返って甘酸っぱい気分になれる青春小説。一方で、殺人事件が二件起こり、最後まで読むと、ある事柄に勘違いをしていたことに気づかされるミステリー小説でもある。 1952年の六甲山での出来事、昭和10年のベルリンでの出来事、昭和15年からのある人物の恋物語と殺人事件。時間・場所・視点が違う3つの物語がどう繋がっていくのかが焦点となっている。それぞれのパートで誰と誰とが結び付くのか、お互いの関係がわかりづらく、西暦を元号に変えて年齢を計算してみたり、家族関係を整理して考えてみる必要があった。最後まで読んで、ページを繰り直してみると、数々の伏線が盛り込まれていることや、紛らわしい人物が配置されていることがわかる。 個人的には、ミステリーとしてよりも、青春小説として、高く評価したい。特に印象に残っているのは、長峰山の下山の際に香が捻挫をして、進が香をおんぶした時の「このときの苦しく愉しい重量感、そしてどちらの汗かよく判らない背中の熱い湿り気を、私は今でも思い出すことができる」という一文。 | ||||
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最初から、登場人物、時間経緯などを十分読みこなし、どうなるのか、登場人物がどのように関わりあうのか、じっくりと読み進んだが、最後の最後が平凡であり、たいへん期待していたのに、残念であった。 ミステリーとしての要素もほとんどなく、単なる回顧小説になっています。 | ||||
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レビューが良かったので前情報なしで読みました。本自体は短いのでさらっと読め、まるで純文学を読んだかのような読後感。ミステリー要素がいまいち分からず、他サイトでネタバレを読んで納得。構成が素晴らしいのと狡猾に伏線がはってあるので自分が気づかなかっただけでした。ただ、それを踏まえた上で考えても読者をミスリードさせるためだけの伏線、人物が多すぎる気がした。後からじわじわくるタイプのミステリー小説といった感じ。絶対に読み返したくなります。よほど注意深い人なら初読でも気づけるかも?個人的には結末で素直に驚けるミステリーが好みなので、ミステリー玄人向けの作品のような気がします。 | ||||
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レビューが良かったのでほとんど前情報なしで読みました。本自体は短いのでさらっと読め、純文学を読んだかのような読後感。ミステリー要素がいまいち分からず、他サイトでネタバレを読んで納得。その構成は素晴らしいと思うけれど、読者をミスリードさせるためだけの複線、登場人物が多すぎる気がした。後からじわじわくるタイプのミステリー小説。読み返したくなります。よほど注意深い人なら初読でも気づけるかも?個人的には結末で素直に驚けるミステリーが好みなので星3つです。ミステリー玄人向けの作品のような気がします。 | ||||
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お見事 ミステリーが好きでいろいろ読んでいるが、なかなか納得いくミステリーに出会うのは年に1冊あるかないかです。読み始めたら一気読みで見事に騙されました。この素晴らしい作品を是非読んでください。 | ||||
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物語の語り手、寺元進は、1952年、14才の夏休みを、六甲山で過ごします。六甲山には父の友人である浅木氏の別荘があり、そこには同い年の男の子、一彦がいました。二人はすぐに仲良くなり、毎日いっしょに野山で遊んでいましたが、そんなある日、ひょうたん池で、やはり同じ14才の倉沢香に出会い、それからは3人で時間を過ごすようになります。香はとりたてて美しいというわけではありませんが、裏表のない性格で、進、一彦は二人とも香に恋心を抱くようになってしまいます。 物語は、当時の日記を含む、進の回想として進行し、その合間に、進、一彦、香、3人の親の戦時中、戦後の様子が挿入されるという形式になっています。ミステリーですから殺人事件も起こりますが、むしろ青春小説としての味わいが深い小説です。ここのところ、人間の暗部ばかりが見えるようなノンフィクションを続けて読んでいたので、一種の清涼剤のつもりで手に取った本ですが、優れた作家というのは子供の頃の思いをちゃんと覚えているもので、自分が14才だった頃を思い出したりしながら、ストーリーを楽しむことができました。 ただ、いわゆる叙述ミステリーですから、作者は当然読者を欺こうとします。私はもちろんだまされました。この本を読み終えたとき、私の好きな漫画「伊賀の影丸」の1シーン、伊賀忍者幻也斎が敵の忍者に巻物を渡しながら、「その巻物を受け取ったときから戦いは始まっている」と言い放つ印象的な場面を思い出しました。実は巻物には毒針が忍ばせてありました。この本も、手に取ってタイトルを読んだときから、戦いは始まっています。 | ||||
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14歳の三人の少年少女が過ごした一夏。甘酸っぱく美しい、淡い恋の物語。 しかしその裏で別の物語があった。 進と一彦、二人の父親世代まで遡った物語が進と一彦、香の物語にどう絡むのかを予想しながら読んだが、見事に外れた。 進が見たもの、聞いたもの、発見したものは読者と同じなのに、読者の衝撃とは裏腹に、進が夏の思い出の一ページとしてしか印象に残らないところが巧い。 | ||||
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【読む前には読まないほうがいいかも↓】 優しく落ち着きのある文体でみずみずしく、途中何度も笑いました。 登場人物がかわいいひとが多くて好印象。 14歳っていいなぁ。 阪急電鉄や当時の六甲山を想像しながらというのも楽しかったです。 スケープゴートってこういう使い方するんだなぁと関心しました。 しかしなして一彦くんだけあんなに関西弁なんだろう? 両親は東京弁なのに。 | ||||
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騙されると聞いて身構えて読んだんですが、すっかりきれいに騙されてしまいました。 途中まで戦後間もない時期の瑞々しい青春小説を愉しんでいたら、まさかこんな手で来るとは! これぞ、騙される快感。ミステリーを読む面白さを堪能しました。 | ||||
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見事に騙されました!!本書を一言でいえば、青春小説の衣をまとった叙述ミステリーということになります。 物語は3つの時代、3者の視点で、互いに関連して進行していきます。 一つは、昭和27年、父の旧い友人の浅木さんの六甲山の別荘で夏休みを過ごすことになった寺本進の視点。 ここでは、進、浅木さんの一人息子で同い年の一彦、そして、近所の裕福で豪華な別荘の持ち主の娘、倉沢香、 3人の交友、そしてほのかな愛の芽生えが描かれています。 二つ目は、昭和10年、浅木の視点で、東京電燈、宝急電鉄社長、小芝一造のベルリン視察に随行した浅木進、寺本、 そして、ベルリンで偶然知り合った相田真千子が描かれています。 三つ目は、昭和15年~昭和20年、宝急電鉄の運転手だった私?の視点で、、女学生だった倉沢日登美との淡い恋、 そして、それに反対した兄、喜久男との対決が描かれています。以下ネタバレ的な事がありますから、未読の人は注意してください!! 大阪在住の私にとって、六甲山は身近な観光地で、しかも私は、昭和25年生まれなので、 この小説で描かれている古い六甲山の様子もぎりぎり解りますし、戦時中の電鉄事情も描写されています。 宝急電鉄は、阪急電鉄ですし、小芝一造は小林一三、だということも容易に理解できます。 この小説の謎を解くカギは、あちらこちらに提示されています。宝急電鉄は宝塚電鉄の略、そうすればこれも大きなヒントです!! これ以外にも、後から再読すると、上手に伏線が張り巡らされているのがよくわかります。 推理小説としても上質の仕上がりですが、実在と思われる人物を物語に配し、物語に真実味と深みを与え、読後深い余韻を残しています。 色々考えると、後に香りが進ではなく、一彦と結婚するというのは、必然でなかったのか、という感がします・・香りはすべてを知っていた?・・・。 なお残念なことに、本書の執筆を最後に、作者の多島斗志之、失明して迷惑をかけることを危惧されて、失踪され、現在に至るも行方不明だそうです! | ||||
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