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(短編集)
症例A
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症例Aの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全58件 1~20 1/3ページ
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久々に紙の本を買いました。 色んな分野のお話がてんこ盛りで、飽きずに読破しました。 しばらくしたら、また読みたくなると思います。 | ||||
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登場人物が魅力的過ぎ、不思議な余韻が残る小説です。 | ||||
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古本屋の80円均一コーナーでまとめて何冊か買った本の中の一冊。 特に期待もせずに読み始めたが最初から怪しい雰囲気が漂っておりミステリーとして楽しめた。 自分は難しい学問は苦手だがこの本のおかげで精神病に興味を持つことが出来た。 登場人物も魅力的で物語の世界にどっぷりハマる事ができ非常に満足している。 | ||||
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ずっと以前に人から勧められながらも、心のどこかで「(当時流行っていた)精神疾患をネタにしたサイコサスペンスでしょ?」という先入観に邪魔され手を出さずにいました。それほど2000年代初頭のネット黎明期にはなんちゃってメンヘラ本やら、とうの当事者側も薬やら病名やらを事細かにプロフィールに羅列するという、精神神経疾患を一種の「ステータス」として扱うような眉をひそめざるをえない状況が、一部界隈にあったと記憶しております。 この度ふとしたきっかけで手にしました。印象はとにかく「誠実である」ということでした。 登場人物も去ることながら、作者である多島氏の筆致からも精神疾患(者)を奇異なものとして扱わない、慎重に、丁寧に、誤解を与えないよう、罹患者に至るまでの背景を含め誠実に描いています。 物語を通してのテーマはまさに「虚実の境」だと思います。 新たな病院に赴任した精神科医・榊と担当患者の亜左美、都博物館の歴史上に突如湧いてきた重要文化財の贋作疑惑というストーリーが並列進行していきますが、院内エピソードは病としての嘘あるいは作話となっており、博物館エピソードは国家による隠蔽という名の嘘(疑惑)という、双方がある種のメタファー的に描かれています。しかしながら前者は「精神病患者の作話」として虚を前提に扱われ、後者は「あり得ない話」として実を前提に扱われてしまうという現実。嘘もつき方、つく人間の社会的立場によって事実にも妄想にも扱われるという危険な社会通念がそこにはあります。 もしもこの物語に登場する患者の訴えがすべて「真実」だとしたら、、、恐ろしい事です。 榊は最後に亜左美を担当医として治療する決心をしますが、同時に広瀬由紀を支えていくことも決心します。この決心は言わずもがな苦難の道。約束を反故にすることはすなわち「嘘」となります。彼は事実を事実として成立できるのか?はたまた現実を前に嘘をついてしまうのか。 もっとも印象に残ったのが岐戸医師の以下のセリフ。 「(略)そもそも、<統合>そのものが治療の目的じゃありません。患者の苦痛を取り除いて、支障なく生活できるようにする、これが目的であって、統合というのは、そのための手段の一つにすぎないと思うんです。完全には統合できていなくても、生きてゆくことに支障を感じなければ、それでいいんじゃないか、と。」 医学モデルから生活モデルへの変遷が描かれているようです。刊行は2000年とのことですが奇しくも翌年にはWHOによりICFという概念が採択される運びとなりました。 | ||||
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精神科医の榊は美貌の十七歳の少女・亜左美を患者として持つことになった。亜左美は敏感に周囲の人間関係を読み取り、治療スタッフの心理をズタズタに振りまわす。榊は「境界例」との疑いを強め、厳しい姿勢で対処しようと決めた。しかし、女性臨床心理士である広瀬は「解離性同一性障害(DID)」の可能性を指摘し、榊と対立する。正常と異常の境界とは、〈治す〉ということとはどういうことなのか? 七年の歳月をかけて、かつてない繊細さで描き出す、魂たちのささやき。 | ||||
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精神科病棟に勤務している医師ですが、作者は精神科特有の病名や用語の定義をよく理解して執筆されています。 また、精神科医師やスタッフがどのように考えているか、それに対する患者の思いもよく表現されれています。 全く別個に考古学の話が平行して進み、後半で結びつきます。歴史好きにはたまらない展開と思います。 | ||||
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精神分裂病の説明かわかりやすい。また多重人格症との違い、患者に入り込まなければ対応しなければならない大変さが 良く伝わった来ました。最後はサスペンスかと思われる展開があの面白かったです。 精神分裂病"デボラの日記"よりは理解しやすかったです。 | ||||
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教科書や参考書の説明は、何度繰り返し読んでもピンと来ませんでしたが、 この小説のおかげで、納得できました。 ネタバレになっちゃいますけど、確かにもう少し博物館の秘密を 知りたかったなと思いました。 ありがとうございます。 | ||||
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10数年前に出版された小説なので、既に多くのレビューがあります。 ストーリーの展開に疑問を感じられた方もいらっしゃるようです。 私としては、多重人格という難解なテーマについて著者がよくもここまで丹念に調べあげたと感嘆しました。 精神科医というのは、患者の一言一言を、これほど敏感に捉えているものなのか?(私自身、長年お世話になっています) 私が大学生の頃は、フロイトやユングなど精神分析をかなり絶対視していたのですが、 現在の医療界では、ほとんど重きを置かれていないという記載にもかなり驚きました。 境界例の患者に振り回される医師の現実は、このようなものか? 現場での医師と臨床心理士の関係も興味深かったです。 ともかく、この小説を読み通して、多重人格の真実に迫ることができたと思っています。 | ||||
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普段、小説は読まないのですが、解離性障害の入門書の中に本書が言及されていたため購入しました。 小説としての読み方ではないのですが、自分の内にある解離性を理解するため大変役立ちました。 本書の最後に参考文献が掲載されていますが、本書を書くにあたって、本当によく研究されていることに驚かされました。 小説の結論は・・・私はこれで良かったように感じています。 | ||||
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結末に関する感想が多いのですが、そこに対するレビューが偏っている気がしたので投稿します。 私はあの結末は、考え得る中で最も誠実なものだと思います。主人公が彼女達を担おうと考えるか否かは、彼の最後の行動から予想は出来るかと思います。しかし実際にそうなるかどうかの判断は、患者である彼女達自身やその家族に委ねられるものでしょう。 この小説がモラトリアムにある主人公の意思と決断の物語であるとすれば(ここに関しては完全に私個人の主観ですが)、彼はもう結論を出して行動しました。そしてその段階で物語は終了します。それ以外のタイミングでのエンディングは相応しくないのではないかと考えます。 多くの不安要素を残したままの、決して大団円ではない結末。その解決されていない状態でのエンディングこそ、今精神疾患に苦しむ方々や参考となった文献の筆者達、そして物語の登場人物達に対して最も誠実な終わりだったのではないかと思います。 | ||||
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高校生の頃、友達に借りて授業中に読んだ本。 とても面白くて1日中読んでいた。また、人の内面世界へ興味を持たせる初めての本だった。 社会人になり、ストレスやプレッシャーを感じることが多くなって あらためて読んでみた。 そういえば精神病の話だけじゃなくてちょっとしたミステリも入ってたんだな、とか 高校生の頃同年代として亜沙美に感じた感情とか、 本そのものの面白さと、自分が高校生時代に呼んだ思い出が、混じりあって思い起こされた。 いろいろ、少し、楽になった。 | ||||
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精神科に勤めていましたが、そうそう!ということもあり、よく調べられているなぁと感心しました。 何度読み返しても面白いです。同じような作品の発表がないか調べてみましたが、著者が失踪されているとのことで、 とても残念です。 | ||||
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すごい作品だと思いました。 長編でしたが、夢中になって読みました。 買って良かったと思います。 | ||||
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とても描写がリアルでどんどん作品の世界に 吸い込まれていく感じでした。 精神医学の知識が全くなくても、 本文中で分かりやすく解説されているので問題なく読めます。 これから精神医学についで勉強しようと思ってる方は、 入門書とまではいかないにしても、 入り口的な意味合いで読んでみるといいと思います。 本文中で引用されている参考文献(巻末に一覧あり)にも 大変興味を持ちました。 | ||||
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多重人格。この病気は、解離性障害という名称を得た今も、本当に病気なのか、ある種の詐病ではないかという疑惑を抱えたまま患者数が増大している。 日本には長らく存在しなかったが、小説等で紹介されるようになってから、発生するようになった。 これを欧米と日本との生活習慣の違いによると説明する方法もあるのだが、しかし詐病だと考えるともっとすっきり説明できるという点も、事実である。 多島斗志之は、この病気、あるいは現象を、無理に説明しようとせず、わからないものはわからないままに小説に描いた。 わからないことをわからないまま描くことは、とても勇気が必要であり、多くの作家は、こじつけでも安易な結論を提示する傾向がある。そこをぐっと踏みとどまった地点が読みどころである。 同時に贋作問題も描かれており、これがどの程度本題とリンクするのか、同時に描く意味があるのか、意見も多々あるように見える。 が、本物と見分けのつかない物なら、それは本物と呼んで良いのではないかという発想と、あくまでオリジナルはオリジナルであるという解釈とが、病気を「事実か事実でないか」にこだわらず曖昧なまま「患者が苦しくなくなればそれで良い」と治療していく精神医学への強烈な疑問提示になっていることも確かなのである。 | ||||
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興味深く、最後まで一気に読みきりました。 よくあるサイコホラーでもなく、単なる推理小説でもなく、ほどよく 織り交ぜられた佳作と思います。 初めに出てくる「精神分析」の評価が面白く、小説に引き込まれました。 登場人物の過去が次第に明らかにされる手法は見事と思います。 また、サイコな人間だから…というようなありきたりの小説でもありません。 こういう着想があっても、なかなか他の人には書ききれない内容でした。 この手の小説では、アメリカのシリアルキラーものしか興味が 続きませんでしたが、この小説はリアルな現実を感じさせます。 一言で言えば、「買い」です。 ただ、最後が知りきれトンボで物足りなく、☆は4つにしました。 | ||||
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「境界性人格障害」「解離性同一性障害(多重人格)」この類の本を探すと医学見地に立った書籍になるか、サイコサスペンスになるか、患者の日記本になってしまうのがおちだが、本書籍はエキセントリックな要素はないのに一気に読破できる「ノンフィクション」として成立している。著者プロフィールを見る限りでは精神医療に携わった経験はないようだが、現場にいる者の苦悩や葛藤描写も非常に的確で驚く。 「小説」として純粋にストーリーが楽しめ、読後は病状に対する知識もついていたという一石二鳥な書籍だ。 | ||||
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読み終えて、しばし脱力。今まで、サイコ系のものを色々と読んできたがこの本は、リアルであり 自分がそういう類のものを色眼鏡で見ていた感を感じた。先入観を持って読むと、手痛い目にあう。医師自身の精神が壊れて行くこともありえるという。自分用に薬を処方するということも。現実の精神科医の世界とは、こういうものなのだろうと想像した。ストーリーは、精神医療と古美術の贋作疑惑とが交差してこの全く相通ずるもののなさそうな2つが一体何処で繋がるのかが気になりながら読み進む。精神医学にも、色々な分類があり精神科医である主人公の榊の、精神分析に対しての反感は読んでいて、難しいことはわからずとも”成る程”と思わせる部分もある。そして、多重人格。この部分は、精神医学でもかなりの捏造疑惑がありそれを受け入れる主人公のくだりは読み応えがある。その話を冷静に、分かり易く語る岐戸医師の話は、特筆すべきシーン。正直、最初は難解な専門用語が続き小難しい感が否めないがこの岐戸医師が登場する辺りからは、ぐいぐいと引き込まれて行き読むスピードに拍車がかかってくる。最後の展開が、賛否両論あれど精神科医として10年のキャリアを持つ主人公の榊が多重人格というある意味キワモノを、受け入れて行く過程が面白い。この本で、精神医療という世界の大変さを少しだけでも読者に伝えることが出来たなら、作者の意図は成功していると思う。たくさんの精神病の病名。言葉は難しくとも、漢字で大抵の意味は想像がつく。こんなにたくさんあるのに、驚きを感じた。しかし、後書きにもあるように巻末に列挙された膨大な資料文献。これに全部目を通して書き終えたのだと想像すると作者に、脱帽する。サイコ系のミステリーをたくさん読んでいる人に薦めたい1冊だ。 | ||||
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多重人格を絡めた精神疾患の少女にまつわるストーリーと古美術品の贋作にからんだミステリーをテーマとした作品.2つのストーリーが平行して進み,最後に統合して結末を迎えるが・・・実際のところ,贋作の話は蛇足気味で,多重人格のストーリーの方が圧倒的に読み応えがある.多重人格を扱ったノンフィクションは多いが,本作品では多重人格に対する精神科医の懐疑的な見方から始まる.サイコでミステリアスな病気という興味本位な取り上げ方ではなくイーブンな目線からこの病気にテーマとした姿勢に好感が持てる.何より,言葉や仕草からいろいろな情報を読み取っていく精神科医の姿が非常にリアルで関心した.こういうシーンをわざとらしくなく表現するのはなかなか難しいものである.作者は精神科医ではないようだが,精神科医の書いたノンフィクションと比べても遜色ない出来と言える. | ||||
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