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ボトルネック
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ボトルネックの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全185件 1~20 1/10ページ
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読後が鬱と言うことで読んでみたが、全てが不完全。 作品としても、キャラクターも、設定も、深堀り、構成、展開、全てです。 居ないはずの姉がいて自分がいない世界、という設定はいいと思います。ただ、平行世界はいたるところでネタにされてるのでそれをどう昇華するか。結果として、ただ出しただけという印象。 主人公の生い立ちや置かれている状況を既に最悪なものを用意し、さらに恋人の子も家庭状況、現状を悪くしておく。この前設定だけで鬱要素は完成です。その内容も不倫に借金、死と捻りもなく在り来り。 そも主人公は自己認識で「全て受け入れられる」と何度も語っているが、まるで受け入れられていない。どちらかと言うと常に感傷的で、拒絶しているのに澄ましている。だから浅い。 高校生にもなった子が、何年も不倫を続ける親にうっすらでも期待しているのが不気味、その歳ならもっと現実を見ているし嫌悪を抱く。 その両親も、不倫の一番の被害者は子供だろうに、被害者(主人公)に指摘されたらキレて、何年も裏切り続けていたくせに被害者(姉)に駄々こねられたから『子供の為』に寄りを戻すとか、展開に無理がある。 あと、露骨に兄に対して嫌悪して自覚もしているのに「全て受け入れられる」は矛盾じゃないのか。 作者の中では子供は何歳だろうが無条件に親を信じていて、今までどれだけ最低な行為をしていようが取り繕えば受け入れるものだと思っているのか。 それこそ想像力が足りてないのでは。 平行世界で、何もかも姉の手柄に結び付けるのも違和感。 赤の他人のお爺さんと、どう関わっているのか、という流れが無理矢理すぎる。自分と姉が替わっているのなら他が変わっている可能性だってあるだろう。姉の手柄を増やすのための話としか思えなかった。 恋人のことも、その死因も深堀りできるはずのところはまるでしない。 死因となった子について「殺そうと思ったわけじゃないだろう」で終わらせるのは異常。実際、平行世界では死んでるのにそれで見逃すのはおかしすぎる。 最後、主人公が姉と自分とを比べて絶望したところで見計らったように元の世界へ戻される。飛ばされた理由は特に無し、強いて言うなら主人公を鬱にしたかったからとしか。謎に恋人の台詞が出るがその深堀りもなし。 兄への嫌悪も主人公を鬱にするための情報でしかなかった。 (この作者は、ほか作品でも『兄』を貶したがるのでその一環でもあるのだろうと思う) 総論として、やりたい事を結論ありきで書いた作品かと。 | ||||
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読めば読むほど重い。 | ||||
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すごく子供っぽい内容だと思った、読んでいてもとくに身に詰まるようなことがないからだ、それは実のところ、主人公の置かれている状況が大したことではないからだと思う。 学生時代、学校で悩んでいたことが、大人になると大したことではなかったと思うのと同じで、結局学生という殻の中での狭い世界で悩み苦しんでいるだけに過ぎないからだ、 確かに恋する女の死は悲しい、けれどもまだ十五、六歳の子供だ、これからいやというほどの出会いがある、苦しい家庭環境も、そこから抜け出して生活してみれば変わるものだ、これから先いくらでも人生が変わるチャンスが待っているかもしれないのだ、そんな実は大した問題ではないにも関わらず、この物語の上では必要以上に深刻に捉え、その上で主人公を半ば悲劇へと誘おうとする、そういう意味では罪深い小説ともいえる。 | ||||
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素敵な作品でした。ありえない出来事のはずなのに、丁寧な風景描写と心情描写が作品の現実感を下支えしているせいか、違和感なく物語に引き込まれました。 最後もまた素敵です。あれだけ短い文章の中で、スリップしたこと今の彼とを結びつけました。途切れたセリフや送り主不明のメールなど、はっきり書ききらないからこその奥行きも面白かったです。 彼がつらく、苦しい道を歩んでいると思いたい。そう思わないと、私自身もこの苦しい世界で生きていけないから。 | ||||
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※ネタバレを含みます 最後のメール、おおよそは母からだと想像つけさせますが、主人公の呼び方が奇妙な点からサキがもう帰ってくるなよというメッセージを送った可能性もあり、中々面白い想像もさせてくれる 難しくも深い作品でした | ||||
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米澤穂信、大好き❤ 「満願」とか「儚い羊たちの祝宴」とか背筋が凍るミステリーをたくさん書いてこられたけど‥。この小説は違うこわさ。主人公には生まれなかった自分の姉がいたんだけど、その姉の生きている世界にトリップするお話。パラレルワールド的な。主人公は冷めてて何でもそつなくこなしていくタイプ。熱い人間や一生懸命な人間をちょっと馬鹿にする性格。そんな主人公がこちらの世界に来てみると、あれ、こちらの世界のほうが何か全てが上手く回っている‥人間関係も何もかも。僕のいないこの世界は何だかとっても上手く回っている。あれ、僕っていらない人間なんじゃ‥。というめちゃくちゃこわい話。ある意味1番恐怖だよね。 | ||||
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ラノベというより、ノベルゲームのような作品で面白かったです 色々解釈可能な事も含めて、サキがあれほど頑張れていたのは「生きていて嬉しかった」の一言に尽きるのでは 本当のボトルネックは「死んでしまう事」で 生きている限りは、いくらでも未来は変わるよ、という作者のちょっと恥ずかしそうなエールかな、と解釈しました (世の中そう単純じゃないよね、という恥ずかしさのオブラートに包みすぎて分かりにくい所がこの作者らしいですね) | ||||
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救いのなさが最高です。全体的にラノベっぽさがあってちょっときついところもあったが、ずどんと胸に来ました。 | ||||
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ボトルネック 主人公の嵯峨野リョウがタムスリップ?して、同級生のフミカが極端に死についてこだわりが有り、 「同級生の 諏訪ノゾミに睡眠薬を飲ませ、通学途中に事故に合わせて、死亡に至らせる」事が 解かる。 | ||||
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何よりも「比べること」の残酷さ。 もしも、自分が生まれていなかったら。その代わり、自分のいるべき場所に別の人物がいたら、 世界はどう変わっていたのだろう。 そんな、知りたくもないもしもを突きつけられた。 | ||||
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誰にも感情移入できない 不快な登場人物ばかり 町の描写だけやたら詳細で人間の方の描写が浅すぎて何の読み応えもない 主人公目線だからかも知れませんがこの作者さん、どれ読んでもこんな感じですね 金に換えられない大事なものを持つ老女に「死んじゃえ」と一足飛びに過剰な悪意を持てるヒロイン それに同意できる主人公 主人公男子は要するに「居ない者」として生きてきたわけですね じゃ東尋坊を選んでも現実は何も変化しないでしょう、今までどおり 飛ぶなり失踪するなり勝手にすれば良いんじゃないですかね | ||||
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時をかける少女的なタイムパラドクス物かと思ったら、パラレルワールド的な唯一無二な物語でビックリしました。暗く重い作品ですが、能天気にタイムリープを繰り返すよりも好きです。 | ||||
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実際の作中の室生犀星の石碑の内容は「ふるさと」ではないと知り、これは作者が敢えて作品に合わせて変えた伏線なんだと思いました。 つまり、主人公のリョウの最適解は、家族、ノゾミ、サキを思い出してしまうつらい地元・金沢を出ること。 あと、最初に読んだ時、姉のサキがいる世界は、本当にリョウが行ったパラレルワールドだと思いました。あれから数年、また違う解釈があるかもと思っています。 兄は最初に生まれたから「ハジメ(始)」、リョウはもう子どもは充分だから「リョウ(了、終わり)」。月足らずで生まれたから「サキ(先)」。 生まれて名前づけの段階では、サキもリョウもスタートラインは変わらなかったと思います。 それなのにリョウが思うように安直な名付けをする両親が、サキなんて名前はつけないと思う。何故なら、両親は子どもの数的に2人で充分だと思っていたのは、どの世界でも変わらないはずです。女の子なら「リョウコ(了)」で良かったのでは。 サキの名前の由来は、リョウより先に生まれたから「サキ(先)」、そして「未来(先、未来)」だと個人的には思いました。リョウの周りの人達が、彼女のいる世界では先があり未来があるから。 でもそんな由来の名付けなんて、両親はできない。だからこそ、この世界はリョウの想像、妄想、そして死者(ハジメ、ノゾミ)の毒の世界なのだと感じました。 リョウは元の世界では無敵だった。夢の世界でやり過ごせたから。 ノゾミは夢の剣で死んだ。リョウは最後、自分がいないことで生まれた理想的な世界という、ある意味現実的に見えるけれど、あくまで現実ではない夢の剣で死にそうになっている。 流されて生きてきて、別世界では自分の立ち位置に自分はなれないヒーローがいるんだから、きついですよね。 サキのいる世界はみんな幸せで、希望がある世界。世界のボトルネックは自分だと絶望する主人公。 でも、リョウの世界だからこそ幸せな人もいると思う。イチョウの木を守り切れたおばあさんとか何かしらの形で。 サキの世界だって、フミカの悪意を防いだのはリョウの世界の出来事があったから。 ツユの「イチョウを思い出して」はこのことかな。リョウも結末を変えられるんです。 ノゾミは死にたかったわけじゃなく、悪意を受けた不慮の事故死。だから、ノゾミは死にたいリョウを呪っている。 リョウは最後それに気づいたけど、生を望んで生きてきたわけじゃなく、生死を選ぶ決定的な理由づけがないからそもそも選べない。 サキの言葉、川守という子どもの言葉やツユからの電話は、死者のリョウへの愛と、リョウの中にある生への執着や理性だと感じました。 最後の彼の選択は初めて読了した時から分からない。 「恥をかかせるだけなら、二度と帰ってこなくていい」という母親のメール。 リョウがどう受け取ったかは分からない。 自殺を選んだなら安易な気もする。しかし、それだけ苦しんでもいる…。 でも、体裁重んじる母親が、あのタイミングで連絡なんてしてこないと思う。だって、もう月曜日ですよ!今更感ある。 怒りながらかけられた着信履歴がすごいことになってるのが普通で、更に数日間帰ってこない息子に「まさか事故か?」ぐらいは思うでしょ、嫌いでも。 あれもツユ(サキ)の電話(死者の良心、愛)と対称的な、ツユ、ノゾミ、ハジメという死者が吹き込む毒だと思う。 ボトルネックは何だったのか? 正直ダブル不倫するような両親もそうだと思う。 つらい思い出しかない地元も。 リョウくん、そんなの捨てちゃえばいい。 ボトルネックは君じゃないよ、と語りかけたくなります。 児童養護施設の方が彼は幸せに暮らせると思う。 生きててほしい、が、どうかなぁ。 どちらにも解釈できる含みがあるのがすごい。 | ||||
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自己肯定感が低い人間には、この主人公の気持ちがまるで自分のことのようにわかります。最後にはやっぱり自分なんかいなければ良かったと思う。でも、さっきまでバッドエンドかと思ってたけど最後の結末はわからないんですよね。レビューを見てたら明るい解釈?もありました。結局、この話を悲劇にするか否かは自分が「想像して」辿り着くしかないんだと、船のオールを渡された気分になれました。 | ||||
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鬱屈とした青春ミステリの金字塔であり、米澤穂信氏の作家性の魅力が詰まった随一の作品という位置付けを下すに値する名作である。自分の代わりに姉が生まれていた世界が、自分のいた世界に較べて滞りなく幸福に成立しているその様相を一つ一つ拾い上げていく。 無邪気ゆえに徹底した自己の存在否定の醜悪さも然ることながら、他者への働き掛けを行わない道を選び続けた彼に対する贖罪として発露するけして避けようのない現実が並び立てられていく話運びは大変素晴らしい!屈折した鈍色の思春期の心に水泡のごとく浮かび上がる『自分なんて産まれてこなければ良かったのかもしれない』という青き絶望を緩やかに肯定して、『死んじゃえ』とその背中を押す物語は劇薬ながらも、否、劇薬だからこそ燦然とした魅力を放つ作品として成立している。喪った恋人に対する恋心の正体が語られる場面が白眉で、間違い探しの果てに待つ真相は筆舌し難い切れ味を帯びており、はい、最高なんですね。それは失望のまま終わらせるか、絶望しながら続けるかの二者択一。 | ||||
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後味が悪いと言うか、胸糞悪い小説です。暗いしハッピーな気分にはなりません。 でも読者の期待に答え、どうなるの?どうなるの?そうきたの・・・・とワクワクと衝撃を与えてくれる小説です。 胸糞悪い系大好きなら読んで損はないです。 彼の本はこの作品が入り口でしたが、そこからずっと米澤さんのファンです | ||||
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感想)いわゆる「パラレルワールド」もの。高校生の嵯峨野リョウは事故死した恋人諏訪ノゾミを弔うため、事故現場の東尋坊を訪れ、強風でパラレルワールドの金沢市に飛ばされる。そこで本当は居るはずのない姉・サキに出会うが・・・・・。何事にも積極的になれないリョウと、正反対に常に前向きで想像力豊かなサキの姉弟?が繰り広げるおかしくも、なぜかもの悲しいお話。 | ||||
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環境や繊細さ、不運は人生のアクセント。人の魂は生まれながらに普遍なのか。ありきたりの人生、あるべき結末。それはとても自然だ。 | ||||
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高校一年生のぼく、嵯峨野リョウは2年前に墜落死した恋人の追悼のために、現場の海崖に訪れたが、自身も同じく墜落してしまう。しかし、生きていると気付いたら、そこはぼくが「存在していない」世界だった。 ミステリーに定評のある筆者なので、その点を期待して読んでいたら、純粋なミステリーではありませんでした。 ぼくが、「姉」の助けを借りながら、元いた世界へ戻ろうとするうちに、恋人の死の真相を知ったり、最後は自身の存在について葛藤する少し残酷な青春物語。 | ||||
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どこかのページでサキが言った「リョウは虚無主義に見えて理想主義だ」という言葉、それに尽きるとおもう。何があったって何も感じないぜ、だから自分は何もせず受け入れるんだぜと、そんな厨2っぽい自分を愛していたリョウだけど、実際は楽な方に流されて生きたいだけ。 辛い事に立ち向かっていける兄に嫉妬しているが、それを隠すために嘲笑している、プライドの高いただの若い少年だと思った。 結局は最後、母親からのメールに対し、「罪を決めてもらった」なんて捉えたいように捉え、死という楽な道に流された。 最初から最後まで成長しようとしない救いようのない男性の話だったなぁと思った。 けど、そういう人結構いるんじゃないかな、リョウは極端だけど。私もそういうところある。 だから、きちんと想像して困難に対処して、生きることにやりがいを感じながら前向きに生きていきたいと、この本を読んでおもった。 | ||||
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