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ボトルネック
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ボトルネックの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全185件 81~100 5/10ページ
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米澤作品の最高峰。本好きとして色々と読んできたが、これ以上に深く濃くダークな世界は、現代文学に類を見ない。 ネタばれになるので、まだお読みでない方は以下をご注意願いたいが、自己否定が本作のテーマである。これほどの重いテーマを、よくぞ青春小説に乗せ、ミステリのプラットホームで描き切ったなと感服する。その卓越した筆致には、最高の賞賛を送りたい。 | ||||
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まず、登場人物がみんな中学生離れした会話を繰り広げます。例えるなら、気取った大学生のような会話です。 内容は可も無く不可も無くといった感じで、読む人を選ぶような内容ではないので万人に勧められるものだと感じます。 ただ、終わり方がどうにも投げっぱなしな感が否めない感じになっているのと、どうにもライトノベルを読んでいるような感じの文体でしたので、そういった物があまり好きで無い方は購入を考えたほうがいいかな、と思いました。 | ||||
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思春期ってのは、感情が定まらない時期です。 世界の傍観者という態度で、、無感動・無関心で自分自身を守る。 そんな少年リョウが、ある事件をトリガーとして、平行世界に飛び込み、 自分がいない別世界の可能性を知る物語。 平行世界側の別の可能性として、彼の姉サキが登場します。彼女は元の世界にはいません。 そして、姉の影響か、自身がいない影響か、平行世界の方は色々と上手く回っていて、 リョウは、自分が世界にとってネガティブな存在であった事を思い知ります。 そして彼はどんどん厭世的になっていきます。 自分自身を卑下し、痛めつけ、他人に嫉妬する。 思春期によくある思考に陥ってしまうわけです。 この流れは非常に陰鬱で、読んでいて非常に疲れます。 そして、そのまま結末へと向かいます。 結末への道筋は、強引にな上、筋としても突拍子なくて弱かった。 思春期の感傷を描きながらも、パラレルワールドミステリーも描くとなると、 互いに打ち消し合ってしまい、ボヤけてしまうのかもしれません。 もっとやりようがあったかな。 | ||||
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「それは緑色の目をした怪物で、人の心を餌食とし、弄ぶのです。」 自分が生まれ、姉が生まれなかった世界。姉が生まれ、自分が生まれなかった世界。 自分ではなく彼女が生まれていたら・・・という輝かしい世界を、主人公はこれでもか、と見せつけられる。 墓参り中に兄の死の知らせが入るという冒頭で、物語の根幹、主人公の性質を表現しているのは見事である。 本書におけるホームズ役は姉であるサキだが、主人公にはワトスンほどの推理力が無い(作中の言葉を借りるならば、「想像力」) 最初は少し鈍い奴だな、程度の小さな傷がラストまでにこれほど広がろうとは、まさに想像もできなかった。 押し寄せる苦痛、困難をただただ「受け入れるのは得意」とやり過ごしてきた主人公に、最後の結末は必然と言えるかもしれない。 彼は結局、グリーンアイド・モンスターから逃れることはできなかったのだろう。 重く深い読了感に反し、本編は軽快なタッチで綴られているため読みにくいということは無い。 古典部シリーズの様な温かい作品の作者とは思えないほど、本作は冷たく容赦のない展開を読者に突きつける。 千反田や折木にさえ中途半端でご都合主義的な幸運を与えない米澤氏である。本作の主人公に向けられる一撃、一撃には目を離せなかった。 | ||||
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あちらの世界で、主人公は、戸籍もないのに、ほかのまちで生きていこうとしたんだ。こちらの世界では、戸籍があるんだから、ピースオブケーク、ほかのまちに行っても余裕で生きていける。ババアなんか関係ない。がんばれ。日本はそれほど窮屈じゃないはず。 | ||||
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2012/2に初めて読んだときは「平成版人間失格」というキャッチフレーズが浮かんで、ああ残酷だなぁ、、、でもサキみたいな姉がいたらそれはそれでいいなぁ、、、なんてスルーしてしまった。 2012/10に再読した際にいろいろ書評サイトを見て絶句。ラストの携帯での会話の伏線を拾えたらいいなと思い、再読直後にもう1回読み直し。以下、自分なりの解釈。 ★グリーンアイド・モンスターの正体はフミカ リョウはノゾミからの呪い、あるいは罰だと思い込んでいるが、グリーンアイド・モンスターの正体はフミカだと思いたい。 『あの娘が本当に望んでいるのは何?』 携帯前半の会話。『性根がぐにゃんぐにゃんに歪んでる』『ひとの傷口を記録するのが趣味』のフミカが、最大級の傷を負ったリョウが失望の挙句に死を選ぶことを見たがっている。ノゾミでもフミカでもなく、敢えて『あの娘』としているのは読者に解釈が任されているということ。サキはこの時ノゾミがリョウの死を望む理由ではなく、フミカの罠についてリョウに警鐘を鳴らしているのではないか。 ★携帯が鳴ったことはフミカの演出ではない この携帯での会話自体、更にリョウを精神的に追い込むための演出と見る向きも多いようだが、あっちの世界でサキはリョウの携帯番号を『一文字ずつ自分のケータイに登録』している。リョウが元の世界に去った後、サキは想像力を働かせて、元の世界に戻ったリョウを何とか救おうとしたのではないか。事実『鎖を跨ぎ越そうとした』リョウは、携帯での会話の後は『二者択一』のラインまで戻っている。 ★サキの世界は死後の世界 リョウが実際に会話できた人からこういう解釈している人が多いが、自分もそう思う。 ★『イチョウを思い出して』 携帯最後の会話。ここは未だに自分の中でもピンと来ていない。うどん屋の主人を救えない/サキの怪我の要因にもなっていたが、なければないでノゾミが交通事故の脅威に晒される。ボトルネックと思われる要因を1つ除去しても、別のボトルネックができるだけだから除去に意味はないと言いたかったのか。。。それとも、サキにすべてを話したことで、結果的にリョウはサキの世界でノゾミの救出に寄与している。その象徴としての『イチョウを思い出して』なのか。。。 最後のメッセージである『イチョウを思い出して』の意味が理解できていないので、リョウが最終的に死を選ぶかどうかが分からない。しばらくしたらまた読んでみたくなる、と思う。 | ||||
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本屋で物凄くプッシュされていたので買ってみました。 かなり後悔しています。 いつ面白くなるかと我慢して読んでいたら、最後まで面白くならなかったという気分です。 悪い点から先に挙げます。 お話自体がまずありきたりな感じで、舞台装置、テーマなどに既視感がつねにつきまといます。 パラレルワールドに飛ぶという設定が、たぶん一番面白いところだと思うのですが、 その原因や因果関係など特に説明されません。 ただ飛んだだけ、という感じ。 パラレルワールド、という設定自体が物珍しかったころならこれでも許されると思いますが、 いい加減ありふれてきた最近ではこれにもうひと押しないと、私は魅力を感じられません。 ミステリ要素もあるのですが、正直首をかしげたくなるようなものです。 というか、これをミステリと言うなら小説は全部ミステリになってしまいませんか? 詳しく書きませんが、テレビのちょっとしたクイズ番組のような謎解きに思えます。 いえ、テレビでならいいんです。それに、そういう形式のミステリが存在することも否定しません。 ただ、NO.1ミステリという売られ方をしていたのでギャップが大きく、凄くがっかりです。 まだ普通の青春小説だと思って買えば、ショックは少なかったと思う。 青春小説として読むと、サキというキャラクターと主人公のやり取りにややイライラします。 先をぼかして、結論を後回しにするようなセリフ運びが多いんです。 「これは後で話す」とか、「今は言えない」とか。 こういうセリフって現実でも不愉快じゃないでしょうか? 小説の中で連発されると困惑します。 それでも最後にびっくりするような結論か、どんでん返しがあるのならまあ許せるのですがそれはなく。 ただ水増しして伸ばしただけといった印象です。 おそらく作家の中ではすでに結論が全部見えていて、 それをちょっとずつ読者にあらわにしていく…という制作手法を取ったのでしょうが、 読者からすると小出しにされまくっているようにしか思えません。 悪い点ばかり挙げてしまいましたので、良い点を。 まず、文章は非常に巧みです。セリフは置いといて、文章でつっかえるようなところは全くありません。 それから伏線や要素はきちんとまんべんなく展開され、綺麗に回収されます(その結論自体の魅力はともかくとして) これは当たり前のようですが、凄く難しいことだと思います。綿密な設計をされたことがよくわかります。 そういった基礎力はとても高い作家さんだと思いました。 ただ、それでも最初に挙げたデメリットが大きすぎます。 正直、この作家の本はもう定価で買うことはないでしょう。 新潮文庫の売り方にも嫌悪感を覚えました。 誇大広告は結局自らの首を絞めると思うんですけどね…。 文章の基礎力が高いことは素晴らしいのですが、発想やオリジナリティが追い付いていない作家はどうなのでしょうか。 発想だけで勝負していて、文章力のない作家がやたらと叩かれているのを良く見ますが、私はどちらも同罪だと思います。 双方の良いところを持ち合わせたような方が現れることを読者としては期待します。 | ||||
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現在(2012.08.23)店頭では "このミステリーがすごい!2010年版1位"だの "プロが認めた"だの記載された帯付きで販売されていますが、これはほぼ詐欺です。 この作品が2010年に認められたように読み取れますが、そのような事実はありません。 そのような売り方しかできない作品です…内容は推して知るべし… | ||||
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いままであまり小説は読まなかったのですが、古典部シリーズにはまり他の作品も読んで見ようと軽い気持ちで読み始めましたが、 読んでいくうちに引き込まれていき2日足らずで読めました。 あまり気持ちのいい内容ではありませんでしたが、それは噂で耳にしていたので、そのことより読者に色々考えさせてくれる感慨深い作品だと思いました。万人受けはしないと言われていますが残念ながらその通りではあると思います。 しかし、古典部シリーズの主人公に不快感をえたりしないなら能力はともかくゆるい性格なので同じように感情移入しやすい作品だと思います。個人的にはすごく気に入ったので★5つとしました。 | ||||
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もの凄い作品です。 内容としては青春×パラレルワールドで主人公の少年の繊細な心が丁寧に描かれています。 これを読んだ後、自分の存在について考えさせられました。 自分という存在が周りにどんな影響を与えているのか、それともいなくてもいても変わらないのか? ラストは本当に衝撃的です。 全体的に暗い物語ですが読んでいて妙な疾走感があり重苦しいということはないです。 | ||||
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台詞が登場人物に全く合っていないので感情移入しづらいです。 とっても不自然です | ||||
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ライトでダークで後味の悪さがのこる、米澤作品の王道を行ってると思います。(もちろん褒め言葉ですよ!) 米澤作品はどれもそうですが分量は少なく文体はライト。 この時点ですでにライトさがあわないという人がいるでしょうが、おそらくその方には米澤作品は どれもあわない(インシテミルあたりはいいかもしれないけれど)のでお勧めできません。 また、古典部や小市民シリーズが好きという人で暗めのラストが嫌いな方にもお勧めできません。 (私はむしろ古典部や小市民はあまり合わなかったので…) 私はダークだったり救いのないような話が好きなのでとても楽しく読めました。 なぜパラレルワールドに行ってしまったのかの部分は消化不良のような感じでしたが その他の部分は伏線と回収の応酬で退屈せず読めました。 太宰治の『人間失格』とかが好きな人にはお勧めできる話です。 | ||||
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あまりにも、キツい話しだった 自分が生まれた世界と、自分もし生まれてこなかった世界でこんなにも残酷とも言える差があるものかと 主人公が3日間を終えて現実に戻って来たとき、完全にダメだと思った 家庭が崩壊した主人公の世界で生まれてこなかった姉が、その世界では全く同じ立場にいながら、自分とは正反対の性格だった 自分の世界では失ったもの、それが自分がいない世界では失われていなかった。自分が生まれずに、変わりに姉が生まれていれば、全ては良い方向に進んだんだというあまりにも残酷な内容だ その世界というのは正直、主人公の妄想の世界だと思った 主人公はもう生きたくなかった。それでも主人公がその世界から戻って来たとき、絶望しながらでも進むか、失望して終わらせるかで迷うことができた しかし、ラストの母からのメール… 内容は是非自分の目で確かめてほしい | ||||
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テンポよく爽快に進んで行くストーリー。結末よりも、その過程を楽しく読める本です。 米澤さんの作品独特の寂れた雰囲気でパラレル世界を読み進め、少しおかしな登場人物に振り回されたりしながら主人公は自分の結論に至ります 青春度120%の作品。超おすすめです! | ||||
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高評価と帯に乗せられて読んでしまったのだけども・・・内容は完全にラノベ。 (登場人物のネーミングもかなり”キテ”いる) しかも内容的にはそれらに比してもかなり薄い方だと思う。 逆に言えばその分読みやすく、あっという間に読了する。 初っ端、嫌世感全開の主人公にまずひっかかかる。 所謂、むせ返るような中二病。そしてこれが物語の縦軸となる。 主人公はなぜかパラレルワールドに飛ばされ、自分の存在しなかったもう一つの世界を体験する。 結果、彼の心中にある「中二病」は補強され、大いに肯定される。 つまりはそういう話。 妙に含みを待たせている物語の結末もあざとい。 これは「毒」などではない。 あまりにも自己憐憫で自己陶酔な「甘い毒」だ。 そしてこの話を物語るのに「パラレルワールド」という大仕掛けは果たして必要だったのか。 自販機で買えるジュースを買うために農園とジュース工場全部を買い取ってみせるようなバランスの悪さがある。 ショートショートならなんとか許せる内容だが、 それ以上のボリュームも感想も得られなかった。 | ||||
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「犬はどこだ」「さよなら妖精」を読み、米澤穂信という名を忘れかけた頃にたまたま「米菓」を読み、「ボトルネック」にたどり着きました。古典部シリーズのような甘い青春ミステリーを予想していたので、結末にショックを受けたのは事実です。サクサクと読み進める文体だっただけに、なおさら。ただ他の方のレビューを読んで、違う感じを抱いたのは事実です。そんなに悲惨な話、でしょうか? 話としては、パラレルワールドの中で、姉・サキと自分との対比によって、自分が世界にとって無益というよりは有害な存在だと気がついて・・・と話は進んでいくのですが、そこでひっかかりました。サキが交通事故に巻き込まれたおかげでイチョウは切られ、食堂の爺さんが助かった。それは事実だろうが、事故にあわなかった主人公は悪いのか? 恋人だと思っていたノゾミは主人公を模倣しているだけだった。サキを模倣すれば確かに明るい生活を送っていたかもしれないけど、それは主人公の責任か? 両親の夫婦喧嘩〜家庭内離婚状態に歯止めをかけられなかったのは、主人公が悪いのか? ノゾミが突き落とされて死んだとしても、それを止められなかった、そこまで彼女とその友達を理解していなかったのは主人公のどうしようもない手落ちなのか?? 主人公が母親からのメールを受け取り、悲惨な結末を選ぶ、という想像をする人が大多数だから、悲惨な話、となるのでしょうが、私はそうは思いません。あえて言うなら、ふざけんなよっ、って立ち上がる話だと思ってます。頭を使えば、ほんのちょっとのことで世界は変わる。そう考えて主人公は新しい人生観を変えて生きたのではないのでしょうか? パラレルワールドへ主人公を飛ばしたのがノゾミで、罰を与えたかったのだとしたら、それは主人公に与えるのは自分勝手すぎる。自分が持ってないモノを大切に思ってないから、と言って、少なくとも「救って」もらったはずなのですから。だから私は「気付いて欲しかった」のだと思いたい。気付いた上で、新しい人生を送って欲しい。そう思って飛ばしたのだ、と考えます。 あ、どっちにしろ、ミステリーではないなw | ||||
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この作品の核は、intimacyです。 そして、それは人が他の人に自分を映し、また他の人が自分を映していることを「鏡像」として理解するあとさきに理由を持っています。 極言すると、姉と弟との間の親密さ、しかも安心して相手に自分をゆだねる類の親密さが、一切を解いて行きます。 『氷菓』にもそのような姉・弟関係があったような気がします。 | ||||
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多感な高校生主人公に、パラレルワールドと言う設定で「自分が居ない方がマシな世界」を叩き付けると言うえぐい位に残酷な長編小説。 主人公は明るい性格ではないし、内容も重いし、結末も救いがないので読む人を選ぶ作品だと思います。 他の方々のレビューを見ても好きと嫌いにはっきり分かれている印象。 個人的にも好きなのですが、万人にお勧めは出来ません。 米澤穂信さん初読、という方も他の本から入った方が… 穂信さん著の「さよなら妖精」や「犬はどこだ」などを読まれた方で、 青春の痛みを書いてこその米澤穂信!・容赦ないバッドエンドも全然OK!と言った感想を持った方は、この本もぜひご一読を。 「古典部シリーズ」や「小市民シリーズ」が好き、と言う方にはお勧めし難いような… 上記2シリーズのようなはっきりとしたミステリではない気がします。 ミステリ系のランキングで1位になったらしいですが、そんなにミステリメインだったかなあ…? ともあれ、良作だと思います。 青春―と言うか、自尊心を損なわれる事が命よりも重い、生き辛い時期の痛みを書いた良作です。 シンプルに笑ったり泣いたり謎を解いたりするだけが小説ではないと思います。 | ||||
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家に帰ると、生まれる前に亡くなったはずの姉を名乗る人物、そしてぼくが存在しない世界・・・。 二人で始まった、元の世界への手がかり巡りと「まちがい探し」。 次第に彼は、「真のまちがい」に気づいてく・・・。 SFチックながらわかりやすいストーリー展開と軽快で親しみやすい文章でサクサク読み進められる。 話自体もいくつか仕掛けが用意されており、面白い。 しかし終盤、軽快なミステリー調の物語は、厭世的な文学者の如く重く辛辣な運命を主人公に突きつける。 こんなにも残酷で、しかも救いようのない結末の物語を、オレは知らない。 全てを受け入れ、「何でもない」存在であり己を隠して生きてきた者ですら受け入れがたい世界。 しかし、この残酷な描写こそが、著者の表現。 それは、押し殺すことのできない著者の内なる心の悲鳴か、はたまた痛切なメッセージか。 耳(目?)が痛ーーーい。。 もちっとあがいて生きてもいいかな。。 しかし、芦原温泉駅のあの子供は何者だったのかなー。。 | ||||
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はっきり言ってずっと昔からよくある『中2病小説』。「誰も自分のこと、分かってくれないんだ」「僕は何の役にも立たない、どうしようもない人間なんだ」「僕なんか居ない方が世界はうまくいくんだよ」、そんな甘えた自己主張が最後まで目白押し。確かに、そういうのが好きな人たちが世の中に大勢いることは分かります(エヴァやビデオガールなど)。でも僕には、「そんなウジウジ悩んでる暇があったら働け!」という感想しか浮かんできません。もっと、太宰治や西村賢太のように自己戯画化が図られていれば、僕にも楽しく読めるのですが、これではまだまだ青臭いと言わざるを得ません。 | ||||
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