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ボトルネック
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ボトルネックの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全113件 1~20 1/6ページ
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読めば読むほど重い。 | ||||
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素敵な作品でした。ありえない出来事のはずなのに、丁寧な風景描写と心情描写が作品の現実感を下支えしているせいか、違和感なく物語に引き込まれました。 最後もまた素敵です。あれだけ短い文章の中で、スリップしたこと今の彼とを結びつけました。途切れたセリフや送り主不明のメールなど、はっきり書ききらないからこその奥行きも面白かったです。 彼がつらく、苦しい道を歩んでいると思いたい。そう思わないと、私自身もこの苦しい世界で生きていけないから。 | ||||
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※ネタバレを含みます 最後のメール、おおよそは母からだと想像つけさせますが、主人公の呼び方が奇妙な点からサキがもう帰ってくるなよというメッセージを送った可能性もあり、中々面白い想像もさせてくれる 難しくも深い作品でした | ||||
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米澤穂信、大好き❤ 「満願」とか「儚い羊たちの祝宴」とか背筋が凍るミステリーをたくさん書いてこられたけど‥。この小説は違うこわさ。主人公には生まれなかった自分の姉がいたんだけど、その姉の生きている世界にトリップするお話。パラレルワールド的な。主人公は冷めてて何でもそつなくこなしていくタイプ。熱い人間や一生懸命な人間をちょっと馬鹿にする性格。そんな主人公がこちらの世界に来てみると、あれ、こちらの世界のほうが何か全てが上手く回っている‥人間関係も何もかも。僕のいないこの世界は何だかとっても上手く回っている。あれ、僕っていらない人間なんじゃ‥。というめちゃくちゃこわい話。ある意味1番恐怖だよね。 | ||||
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ラノベというより、ノベルゲームのような作品で面白かったです 色々解釈可能な事も含めて、サキがあれほど頑張れていたのは「生きていて嬉しかった」の一言に尽きるのでは 本当のボトルネックは「死んでしまう事」で 生きている限りは、いくらでも未来は変わるよ、という作者のちょっと恥ずかしそうなエールかな、と解釈しました (世の中そう単純じゃないよね、という恥ずかしさのオブラートに包みすぎて分かりにくい所がこの作者らしいですね) | ||||
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救いのなさが最高です。全体的にラノベっぽさがあってちょっときついところもあったが、ずどんと胸に来ました。 | ||||
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ボトルネック 主人公の嵯峨野リョウがタムスリップ?して、同級生のフミカが極端に死についてこだわりが有り、 「同級生の 諏訪ノゾミに睡眠薬を飲ませ、通学途中に事故に合わせて、死亡に至らせる」事が 解かる。 | ||||
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時をかける少女的なタイムパラドクス物かと思ったら、パラレルワールド的な唯一無二な物語でビックリしました。暗く重い作品ですが、能天気にタイムリープを繰り返すよりも好きです。 | ||||
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実際の作中の室生犀星の石碑の内容は「ふるさと」ではないと知り、これは作者が敢えて作品に合わせて変えた伏線なんだと思いました。 つまり、主人公のリョウの最適解は、家族、ノゾミ、サキを思い出してしまうつらい地元・金沢を出ること。 あと、最初に読んだ時、姉のサキがいる世界は、本当にリョウが行ったパラレルワールドだと思いました。あれから数年、また違う解釈があるかもと思っています。 兄は最初に生まれたから「ハジメ(始)」、リョウはもう子どもは充分だから「リョウ(了、終わり)」。月足らずで生まれたから「サキ(先)」。 生まれて名前づけの段階では、サキもリョウもスタートラインは変わらなかったと思います。 それなのにリョウが思うように安直な名付けをする両親が、サキなんて名前はつけないと思う。何故なら、両親は子どもの数的に2人で充分だと思っていたのは、どの世界でも変わらないはずです。女の子なら「リョウコ(了)」で良かったのでは。 サキの名前の由来は、リョウより先に生まれたから「サキ(先)」、そして「未来(先、未来)」だと個人的には思いました。リョウの周りの人達が、彼女のいる世界では先があり未来があるから。 でもそんな由来の名付けなんて、両親はできない。だからこそ、この世界はリョウの想像、妄想、そして死者(ハジメ、ノゾミ)の毒の世界なのだと感じました。 リョウは元の世界では無敵だった。夢の世界でやり過ごせたから。 ノゾミは夢の剣で死んだ。リョウは最後、自分がいないことで生まれた理想的な世界という、ある意味現実的に見えるけれど、あくまで現実ではない夢の剣で死にそうになっている。 流されて生きてきて、別世界では自分の立ち位置に自分はなれないヒーローがいるんだから、きついですよね。 サキのいる世界はみんな幸せで、希望がある世界。世界のボトルネックは自分だと絶望する主人公。 でも、リョウの世界だからこそ幸せな人もいると思う。イチョウの木を守り切れたおばあさんとか何かしらの形で。 サキの世界だって、フミカの悪意を防いだのはリョウの世界の出来事があったから。 ツユの「イチョウを思い出して」はこのことかな。リョウも結末を変えられるんです。 ノゾミは死にたかったわけじゃなく、悪意を受けた不慮の事故死。だから、ノゾミは死にたいリョウを呪っている。 リョウは最後それに気づいたけど、生を望んで生きてきたわけじゃなく、生死を選ぶ決定的な理由づけがないからそもそも選べない。 サキの言葉、川守という子どもの言葉やツユからの電話は、死者のリョウへの愛と、リョウの中にある生への執着や理性だと感じました。 最後の彼の選択は初めて読了した時から分からない。 「恥をかかせるだけなら、二度と帰ってこなくていい」という母親のメール。 リョウがどう受け取ったかは分からない。 自殺を選んだなら安易な気もする。しかし、それだけ苦しんでもいる…。 でも、体裁重んじる母親が、あのタイミングで連絡なんてしてこないと思う。だって、もう月曜日ですよ!今更感ある。 怒りながらかけられた着信履歴がすごいことになってるのが普通で、更に数日間帰ってこない息子に「まさか事故か?」ぐらいは思うでしょ、嫌いでも。 あれもツユ(サキ)の電話(死者の良心、愛)と対称的な、ツユ、ノゾミ、ハジメという死者が吹き込む毒だと思う。 ボトルネックは何だったのか? 正直ダブル不倫するような両親もそうだと思う。 つらい思い出しかない地元も。 リョウくん、そんなの捨てちゃえばいい。 ボトルネックは君じゃないよ、と語りかけたくなります。 児童養護施設の方が彼は幸せに暮らせると思う。 生きててほしい、が、どうかなぁ。 どちらにも解釈できる含みがあるのがすごい。 | ||||
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自己肯定感が低い人間には、この主人公の気持ちがまるで自分のことのようにわかります。最後にはやっぱり自分なんかいなければ良かったと思う。でも、さっきまでバッドエンドかと思ってたけど最後の結末はわからないんですよね。レビューを見てたら明るい解釈?もありました。結局、この話を悲劇にするか否かは自分が「想像して」辿り着くしかないんだと、船のオールを渡された気分になれました。 | ||||
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鬱屈とした青春ミステリの金字塔であり、米澤穂信氏の作家性の魅力が詰まった随一の作品という位置付けを下すに値する名作である。自分の代わりに姉が生まれていた世界が、自分のいた世界に較べて滞りなく幸福に成立しているその様相を一つ一つ拾い上げていく。 無邪気ゆえに徹底した自己の存在否定の醜悪さも然ることながら、他者への働き掛けを行わない道を選び続けた彼に対する贖罪として発露するけして避けようのない現実が並び立てられていく話運びは大変素晴らしい!屈折した鈍色の思春期の心に水泡のごとく浮かび上がる『自分なんて産まれてこなければ良かったのかもしれない』という青き絶望を緩やかに肯定して、『死んじゃえ』とその背中を押す物語は劇薬ながらも、否、劇薬だからこそ燦然とした魅力を放つ作品として成立している。喪った恋人に対する恋心の正体が語られる場面が白眉で、間違い探しの果てに待つ真相は筆舌し難い切れ味を帯びており、はい、最高なんですね。それは失望のまま終わらせるか、絶望しながら続けるかの二者択一。 | ||||
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後味が悪いと言うか、胸糞悪い小説です。暗いしハッピーな気分にはなりません。 でも読者の期待に答え、どうなるの?どうなるの?そうきたの・・・・とワクワクと衝撃を与えてくれる小説です。 胸糞悪い系大好きなら読んで損はないです。 彼の本はこの作品が入り口でしたが、そこからずっと米澤さんのファンです | ||||
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感想)いわゆる「パラレルワールド」もの。高校生の嵯峨野リョウは事故死した恋人諏訪ノゾミを弔うため、事故現場の東尋坊を訪れ、強風でパラレルワールドの金沢市に飛ばされる。そこで本当は居るはずのない姉・サキに出会うが・・・・・。何事にも積極的になれないリョウと、正反対に常に前向きで想像力豊かなサキの姉弟?が繰り広げるおかしくも、なぜかもの悲しいお話。 | ||||
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環境や繊細さ、不運は人生のアクセント。人の魂は生まれながらに普遍なのか。ありきたりの人生、あるべき結末。それはとても自然だ。 | ||||
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どこかのページでサキが言った「リョウは虚無主義に見えて理想主義だ」という言葉、それに尽きるとおもう。何があったって何も感じないぜ、だから自分は何もせず受け入れるんだぜと、そんな厨2っぽい自分を愛していたリョウだけど、実際は楽な方に流されて生きたいだけ。 辛い事に立ち向かっていける兄に嫉妬しているが、それを隠すために嘲笑している、プライドの高いただの若い少年だと思った。 結局は最後、母親からのメールに対し、「罪を決めてもらった」なんて捉えたいように捉え、死という楽な道に流された。 最初から最後まで成長しようとしない救いようのない男性の話だったなぁと思った。 けど、そういう人結構いるんじゃないかな、リョウは極端だけど。私もそういうところある。 だから、きちんと想像して困難に対処して、生きることにやりがいを感じながら前向きに生きていきたいと、この本を読んでおもった。 | ||||
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人によって、この本の感想が全く変わってくるなぁ、と思いました。 僕の感想は… パラレルワールドに迷い込んだ主人公が、『自分の代わりに生まれた姉』と共に謎を解いていく。しかし2人は全く同じ境遇のはずなのに“思考”が全く異なる… 「この“思考”の違い(或いは“生き方”の違い)が、世界を大きく変えてしまう」ことを、とある『むごい形』で主人公は思い知らされていく。 しかし、まさにこの「“思考”の違い」こそが、このむごい話に、救いの余地をも与えてくれるのではないか、、 自分だったらこの時どう考えるか…どうするか……と自然に読みながらそう考えさせられる。(作品の中で何度も『想像力』という言葉が登場するように、作者は意図的にそうなるよう、工夫を施しているようにも思える。) そのうち、文章には無い、あらゆることを深読みしていくようになる。何故、主人公と、別世界の姉はここまで人が違うのか。〇〇は何故そんなことをしたのか、◻︎◻︎がそういう思考になるのは何故か、××の真意は本当は違うのでは、、 深掘りしていくうちに、(パラレルワールドを追体験したせいか、)物語の結末がいくらでも変えが効く感覚に陥る。 すると、『東尋坊の風』、『イチョウの木』、『兄』…文中のシンボルの見え方も幾通りにも変わっていく。 何度も読み返したくなる。読み返す度に読み方が変わる。 そんな具合で読み手への想像の余地が沢山盛り込まれている。 そんな素敵な本でした!! Big up!! | ||||
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ジュブナイル、SF、ホラー、ミステリ、様々なジャンルの要素をうまく織り交ぜた傑作小説。 作者のジュブナイルはモラトリアム真っ最中の学生が主人公で、自分を特別視しながらも自分よりも優秀な人間と触れあっていき、残酷な諦めと共にモラトリアムを終えて進んでいく……といったものが主だ。 今作でもそれを踏襲しながらも、しかしかなりショッキングが結末に向かっていく。なのに主人公の心情に共感できてしまう、これはアメリカンニューシネマのようだ。特にラストの台詞は強烈である。 そうして素直に読んでしまうと非情に苦い味わいの残りつつ、それでいて単体のお話として綺麗に完成されているのだが、一度違和感を覚えると文章の至るところに引っかかりが出来はじめ、読者固有のストーリーを読み取ることができるようになってくる。 「想像力が足りない」「思考に限界はない」 なぜ、登場人物は何度も主人公に言い聞かせていたのだろうか? 作中でも明言されていなかった謎も含めて解釈するために再読すると、この物語はさらに深みを増していく。 何度も救いを求めて文章を拾っていくうちに、いつしか最初に読んだときには感じなかった感情を思い浮かべ始め、別のストーリーを読んでる気分にすらなってくるのだ。小説一冊でループ物のADVをプレイしているかのような秀逸な読後感を与えてくれる。 最初は絶望のままに読み終えた。かつての主人公のように終わりを受け入れた。 では受け入れずに考えたら、そこにはどんなストーリーが広がっているのか? 姉であるサキはこの世の終わりであるような場所に向かいながら、落としたおやつを拾って呟く。「三秒ルール?」 三日間の地獄巡りの果てにたどり着いた答えを解釈するのに邪魔な本当のボトルネックがなんなのか、自分の中での決着がついたときのジワジワとくる爽快感はかなりのものだった。 本編中で繰り返されている鏡像関係のように、読者と物語の間で何度も乱反射して、各々の求める物語に帰着していく構造の妙が必見。 | ||||
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ダークSFミステリーで、初参加する来月12日の地元読書会の対象本でした。 亡き彼女の命日(作品だと正確には間際)に花を手向けた後で墜落し、彼女が生きているifの世界で目覚め、同じくifの存在の姉と共に彼女の死を防ぐべく奔走する……という内容は、 同じく亡き恋人の命日に毎年自殺現場の線路内に侵入して花を手向けていた経験がある僕としては、個人的に好む作品でした。 ラストの書き方が後味悪く感じがちであり、真相も曖昧なまま終わる点が、評判悪い作品のようですが、 僕としては『恥をかかせるだけじゃない=きちんと向き合って人間関係を構築する』未来を選ぶように感じましたし、 そもそも主人公が生きる道と死ぬ道のどちらを選ぼうとも、どちらも経験した僕としては、亡き大切な人と寄り添う形であればどちらも正しいとは思っているので、どちらでも良しという感想でした。 また、主人公が自分ではない人間=姉が側にいると彼女は死なずにすんだ。=自分が側にいたから、彼女が死んだ結果が生まれたと感じた箇所では、 僕もさんざん、同様の可能性をシミュレーションしてきた時期があったので、懐かしさを感じました。 亡くなった方からすれば、生者を呼ぶ気持ちも分かるし、それに応える気持ちも分かるし、応えずに現世に留まって大切な人の死と共に生きる気持ちも分かります。 死を如何に捉えるか?に明確な答えは存在せず、死が大切な人に与える影響の大きさが想像以上に成り得る事がある事を念頭に、突然の死が誰にも訪れる可能性がある事を忘れず、 日常の貴さと、大切な人との時間の貴さを改めて感じさせてくれたので、今作品を読めて良かったですし、 読書会までに再読して、更に考えを煮詰めたいと思えた作品でした(^-^*)/ | ||||
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可能世界と呼ばれるもう一つの世界で残酷にも自分がボトルネックなのだと自覚させられた主人公リョウですが、スーパーお助け女の姉サキだって両親のトラブルとノゾミを救った偉さと別にイチョウの木で事故った為に辰川食堂を存続させたのは偶然のもたらした幸運なのだしそんなに自分を責める必要はないです。人間の性格はそう簡単に変えられないし今のままでいいからせめてこの貴重な体験を生かし今後の人生の岐路で想像力を働かせて欲しい。 本書の登場人物、リョウ・サキ・ツユ・ハジメ・ノゾミ・フミカが全員カタカナ名前である事はそんなに深く考えなくてもいいでしょうね。他には既に今は存在しないジャスコの名称が懐かしいですね。私も物事に対し積極的とは言えないリョウの性格に近くて、スーパーお助け女サキは正直お節介焼きに思えたりしますが、でも他人の批判ばかりしていては駄目だという教訓は胸に強く響きましたね。ちょっと面倒クサいなと思える元気過ぎる女サキとも二度と会えないとなると急に寂しくなるものですね。リョウは今回の体験から何かを得て生きて行くでしょう。 | ||||
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金沢を舞台に自分がおらず夭逝したはずの姉が自分の代わりに生きる世界に迷い込んでしまった世界が舞台。 自分では姉が生きることで世界はどう変わっているのか目の当たりにして行く中で主人公が気付くものとは。 米澤作品初めてですが、斬新な世界観で面白かったです。 | ||||
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