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ボトルネック
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ボトルネックの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全185件 21~40 2/10ページ
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人によって、この本の感想が全く変わってくるなぁ、と思いました。 僕の感想は… パラレルワールドに迷い込んだ主人公が、『自分の代わりに生まれた姉』と共に謎を解いていく。しかし2人は全く同じ境遇のはずなのに“思考”が全く異なる… 「この“思考”の違い(或いは“生き方”の違い)が、世界を大きく変えてしまう」ことを、とある『むごい形』で主人公は思い知らされていく。 しかし、まさにこの「“思考”の違い」こそが、このむごい話に、救いの余地をも与えてくれるのではないか、、 自分だったらこの時どう考えるか…どうするか……と自然に読みながらそう考えさせられる。(作品の中で何度も『想像力』という言葉が登場するように、作者は意図的にそうなるよう、工夫を施しているようにも思える。) そのうち、文章には無い、あらゆることを深読みしていくようになる。何故、主人公と、別世界の姉はここまで人が違うのか。〇〇は何故そんなことをしたのか、◻︎◻︎がそういう思考になるのは何故か、××の真意は本当は違うのでは、、 深掘りしていくうちに、(パラレルワールドを追体験したせいか、)物語の結末がいくらでも変えが効く感覚に陥る。 すると、『東尋坊の風』、『イチョウの木』、『兄』…文中のシンボルの見え方も幾通りにも変わっていく。 何度も読み返したくなる。読み返す度に読み方が変わる。 そんな具合で読み手への想像の余地が沢山盛り込まれている。 そんな素敵な本でした!! Big up!! | ||||
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ジュブナイル、SF、ホラー、ミステリ、様々なジャンルの要素をうまく織り交ぜた傑作小説。 作者のジュブナイルはモラトリアム真っ最中の学生が主人公で、自分を特別視しながらも自分よりも優秀な人間と触れあっていき、残酷な諦めと共にモラトリアムを終えて進んでいく……といったものが主だ。 今作でもそれを踏襲しながらも、しかしかなりショッキングが結末に向かっていく。なのに主人公の心情に共感できてしまう、これはアメリカンニューシネマのようだ。特にラストの台詞は強烈である。 そうして素直に読んでしまうと非情に苦い味わいの残りつつ、それでいて単体のお話として綺麗に完成されているのだが、一度違和感を覚えると文章の至るところに引っかかりが出来はじめ、読者固有のストーリーを読み取ることができるようになってくる。 「想像力が足りない」「思考に限界はない」 なぜ、登場人物は何度も主人公に言い聞かせていたのだろうか? 作中でも明言されていなかった謎も含めて解釈するために再読すると、この物語はさらに深みを増していく。 何度も救いを求めて文章を拾っていくうちに、いつしか最初に読んだときには感じなかった感情を思い浮かべ始め、別のストーリーを読んでる気分にすらなってくるのだ。小説一冊でループ物のADVをプレイしているかのような秀逸な読後感を与えてくれる。 最初は絶望のままに読み終えた。かつての主人公のように終わりを受け入れた。 では受け入れずに考えたら、そこにはどんなストーリーが広がっているのか? 姉であるサキはこの世の終わりであるような場所に向かいながら、落としたおやつを拾って呟く。「三秒ルール?」 三日間の地獄巡りの果てにたどり着いた答えを解釈するのに邪魔な本当のボトルネックがなんなのか、自分の中での決着がついたときのジワジワとくる爽快感はかなりのものだった。 本編中で繰り返されている鏡像関係のように、読者と物語の間で何度も乱反射して、各々の求める物語に帰着していく構造の妙が必見。 | ||||
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作者の「書く」ということに対しての熱意みたいなものが伝わってきます。内容には関係なく。 ただ、文体が、村上春樹もどき。 | ||||
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パラレルワールドでの自分探しの旅。ストーリーに引き込まれて集中してノンストップで読めました。 ラストは、絶望しているところに、しょうもないメールをもらって、ふっと笑ってしまったと解釈。イエスかノーかの二者択一ではなく、黒でも白でもないグレーの中で、新しい生き方を模索していく…ということかと。それはサキがヒューマニストでもモラリストでもなく、オプティミストという新しい方向性を出したことに、何だかんだで影響を受けた、つまりパラレルワールドに落ちた意味があった…ということかと。 ポジション思考の自分とは異なるネガティブ思考の妻は、最後はもうこれで絶望、救いがない…という。 いずれにしても、楽しめました。面白くはあるのですが、自分の人生へのインパクトがあるという訳ではなかったので、娯楽小説としては評価し星3つ。 | ||||
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本書は、主人公=リョウがあるきっかけから自分が存在する暗い世界と、存在しない明るい世界の両方を経験することになる…。 というような、パラレルワールドの体験談になっている。 発端はSFのようであり、中途の展開は恋愛が絡む青春小説のようでもあり、わずかに入った謎解きの要素はミステリのようでもあり…。 というのが私を含めた大方の読者の感想ではないだろうか? 決してつまらない「小説」ではないが、決して面白い「ミステリ」とは言い難い。 そんなとこだろうか。 文学でも音楽でもマンネリズムに染まったこの時代に、 幅広く読者に受け容れられる作品とは、こういうジャンルを超えたものなのかもしれない、 と思った。 | ||||
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「インシテミル」と同じ作者の青春小説。 文庫版の解説から、作者が学生時代に考案したプロットを元に書いたそうですが、確かに学生が考えそうな話である印象を受けました。 元々、作者の得意分野からミステリとして紹介される本書ですが、中身は完全に青春小説です。 確かにミステリのような要素はありますが、どちらかというとただの伏線とその回収程度。 青春小説は「大人が過去を振り返る話」と「子供が今を語る話」という形式があると思いますが、これは後者。しかも中高生にあるような世の中を斜に構える主人公であるため、そういう人生を送ってきた人間には共感できる部分はあるかもしれない。 話を一言で言うと「主人公がいかに絶望していくかを見る話」。 読後感はあまりよろしくない。 | ||||
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ダークSFミステリーで、初参加する来月12日の地元読書会の対象本でした。 亡き彼女の命日(作品だと正確には間際)に花を手向けた後で墜落し、彼女が生きているifの世界で目覚め、同じくifの存在の姉と共に彼女の死を防ぐべく奔走する……という内容は、 同じく亡き恋人の命日に毎年自殺現場の線路内に侵入して花を手向けていた経験がある僕としては、個人的に好む作品でした。 ラストの書き方が後味悪く感じがちであり、真相も曖昧なまま終わる点が、評判悪い作品のようですが、 僕としては『恥をかかせるだけじゃない=きちんと向き合って人間関係を構築する』未来を選ぶように感じましたし、 そもそも主人公が生きる道と死ぬ道のどちらを選ぼうとも、どちらも経験した僕としては、亡き大切な人と寄り添う形であればどちらも正しいとは思っているので、どちらでも良しという感想でした。 また、主人公が自分ではない人間=姉が側にいると彼女は死なずにすんだ。=自分が側にいたから、彼女が死んだ結果が生まれたと感じた箇所では、 僕もさんざん、同様の可能性をシミュレーションしてきた時期があったので、懐かしさを感じました。 亡くなった方からすれば、生者を呼ぶ気持ちも分かるし、それに応える気持ちも分かるし、応えずに現世に留まって大切な人の死と共に生きる気持ちも分かります。 死を如何に捉えるか?に明確な答えは存在せず、死が大切な人に与える影響の大きさが想像以上に成り得る事がある事を念頭に、突然の死が誰にも訪れる可能性がある事を忘れず、 日常の貴さと、大切な人との時間の貴さを改めて感じさせてくれたので、今作品を読めて良かったですし、 読書会までに再読して、更に考えを煮詰めたいと思えた作品でした(^-^*)/ | ||||
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可能世界と呼ばれるもう一つの世界で残酷にも自分がボトルネックなのだと自覚させられた主人公リョウですが、スーパーお助け女の姉サキだって両親のトラブルとノゾミを救った偉さと別にイチョウの木で事故った為に辰川食堂を存続させたのは偶然のもたらした幸運なのだしそんなに自分を責める必要はないです。人間の性格はそう簡単に変えられないし今のままでいいからせめてこの貴重な体験を生かし今後の人生の岐路で想像力を働かせて欲しい。 本書の登場人物、リョウ・サキ・ツユ・ハジメ・ノゾミ・フミカが全員カタカナ名前である事はそんなに深く考えなくてもいいでしょうね。他には既に今は存在しないジャスコの名称が懐かしいですね。私も物事に対し積極的とは言えないリョウの性格に近くて、スーパーお助け女サキは正直お節介焼きに思えたりしますが、でも他人の批判ばかりしていては駄目だという教訓は胸に強く響きましたね。ちょっと面倒クサいなと思える元気過ぎる女サキとも二度と会えないとなると急に寂しくなるものですね。リョウは今回の体験から何かを得て生きて行くでしょう。 | ||||
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金沢を舞台に自分がおらず夭逝したはずの姉が自分の代わりに生きる世界に迷い込んでしまった世界が舞台。 自分では姉が生きることで世界はどう変わっているのか目の当たりにして行く中で主人公が気付くものとは。 米澤作品初めてですが、斬新な世界観で面白かったです。 | ||||
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独特の切り口でした。当たり前ですが、事実を知ることは時に残酷ですね。 | ||||
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救いが一点もなかったというか もやもやするところが一切なかった | ||||
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ラノベ風のガキが喜ぶような小説だ と一蹴するのは簡単です。 しかしながら米澤穂信の小説の中でこの作品は一番の傑作だと思います。 読んでもわからない人は一生わからないでしょう | ||||
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いつのまにか物語に吸い込まれて、読んでました! 面白いですが後味が悪くも感じました | ||||
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読んでいるときは面白い。ただ読んだ後にじわじわと心を蝕んでいく本です。ホラーよりホラー 僕はこの本を「不作為による犯罪」がテーマだと思っています。正確に言うと犯罪ではないですけど。 誰しもが感じる家庭や、人間関係への不満。同時に存在する自分の能力不足や「自分は必要とされているのか?」という劣等感。 それらを昇華させるとここまで残酷な物語が描けるのかと思いました。終盤は本当に眩暈がするくらいショックだった。 自分の人生は、結局その人の主観だから、結局全て自己責任に収束してしまう。確かに主人公は悪くない。悪くないのだけれど 「本当に必要でなかった、取り除かれるべきボトルネックは誰か?」 本の中で問い続けられるその疑問は、毒にも薬にも読んだ後もずっと自分の中に残り続けます。2年前読みましたがずっと頭から離れません。 | ||||
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読み手の環境や年齢によって受け取り方が大きく変わりそうな作品。 リョウの親ほどの世代の自分には、おそらく若い世代とは違う『重さ』が感じられるのでは…と思う。 『自分より下の者を蔑む事で、自分の現状に安寧する醜さ』 『自分より上の者を妬み、相手の不幸に喜びを見出だす醜さ』 『自分の虚像を愛し、他者を愛せず自己愛に浸る醜さ』 歳を重ねるほどに増してくる、自分にも他者にも内在する『人間の醜い部分』を、押し付ける事なくしかし鮮烈に表現していると思う。 我々の世代ともなると、むしろリョウのような『あるがままを受け入れる』考え方を推奨される事が多くなり、ここに苛立ちを覚えるか否かにも、それぞれの受け取り方が表れると思う。 己と他者を比べず、まるがままを受け入れる事を生きる術としてきた主人公が、己の中にある『醜さ』に気づかされた時、果たしてこの思いを引きずったまま尚も生きていけるか…… 前半では、サキのあまりの物分かりの良さとストーリーの軽さに違和感を感じていたが、読み進むにつれ、それらを全て凌駕するほどの『重さ』『深さ』にとても考えさせてもらった。 今の年齢の自分にとっては、間違いなくとても良い作品だったと思う。 | ||||
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パラレルワールドを扱ったSF設定の青春ミステリ―。 主人公のリョウは、「自分が存在する世界」から「自分が存在せず、代わりにサキのいる世界」へと迷い込む。 ミステリ―要素としては、ノゾミの死の真相の解明があるが、一つのアイデアだけであり、単純な内容で大したものではない。 文庫本の解説を読むと、作者が長年温めてきたアイデアを満を持して作品にしたものとのこと。 自分が存在しない世界に迷い込んで、間違い探しをするという発想は面白いと感じるが、私の読解力不足なのか、作品の意図がよくわからなかった。主人公がこの体験をすることで得たものが絶望でしかなかったとしたら、凡作にすぎないと思う。 (ネタバレ) リョウがパラレルワールドで3日間を過ごし、2つの世界の「間違いさがし」をして見つけたものは、サキがいる世界の方が優れていること、自分がボトルネックであったということか。 ラストで、「失望のままに終わらせるか、絶望しながら続けるか」の二者択一を迫られたリョウは、母親からのメールを見て、「失望のままに終わらせる=自殺」を選んだということなのだろうか。 フミカや兄の存在は、どういう意味を持っているのだろうか。フミカは間接的にノゾミを死に追いやった人物、兄は主人公が蔑んでいた人物という役割しか与えられていないのであろうか。 もしも、これ以上の深い意味が込められていないとしたら、つまらない話だ。 | ||||
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入院療養中に読んだので比較的短時間で読了。面白い着想だしそれなりに納得しながら読み終えたのだが、改めて感想を書こうと思うと筆が重くなった。つまらなかったわけではなかったのに、ほめる所がすぐには浮かばないのだ。 逆に気になる点は多々あった。特に人物造形で、主人公を取り巻く人物がことごとくあざとい感じがして、ストーリーを展開させるため強引に作り上げた人物のような気がしてならなかった。ラノベ的と言うか、誇張し過ぎて現実には存在していそうにない人物ばかりだった。又小説にメッセージ性を求めるわけではないが、作者が何を表現したかったのか、よくわからない。主人公の立場で読むと(1人称だから普通そうだろう)、救いのない終わり方で、元の世界へ戻っても明るい展望は見えないので自殺するしかない、と突き放されてるようにしか読めなかった。私の読解力の問題かも知れないが、作者が自分を投影したような主人公をこんな悲観的な描き方をしては後味が悪すぎる。 まとめてみると、着想そのものは面白く評価出来るのだが、表現が拙くてそれを生かすせていない。純文学を目指したわけではないのだろうが、それにしてはエンタメ性が欠けている。総じて今一歩の残念な作品だった。 | ||||
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数ページ読んで、作者間違えて買ってしまったかと思わず表紙を見返した。 東尋坊のシーンからしてあまり同作者とは思えないくらい下手な展開だと思った。 そして、悪い予感しかしなくなったので先にネットの評価を読んだら、同じように感じてる評も多いようだった。しかもバッドエンドだということだ。 そして、サキと出会うシーン。なんだこれ? デビュー作が古典部とは思えないほど納得出来ないほどチープ。 推理要素をほんのり匂わせつつ、特に面白いこともなく進む。 真相がわかっても淡々だし、ハジメに対して悪態をつく主人公の性格の悪さだけ鼻につくだけ。 これは駄作だなと 思っていたら…… 終盤の主人公の発露。 やっと作者の意図を理解して評価が180度変わってしまった。 バッドエンドでもビターエンドでもない。シビアな世界ではあるが。 特に前半をもうちょっと丁寧に描いてくれれば、良かったのにとは思った。 この作者じゃなければもっと絶賛していたかもしれない。 | ||||
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安定の実力で、なおかつ推敲が重ねられた作品だけあって堅実な出来上がり。 ただ、この作家の取り上げるテーマは簡素だけど古風で読み手によって好き嫌いが分かれるだろう。 今作は時代考証に凝ってないので比較的読み下し易いかと思われる。 全般に毒気が強いが結果からしてオチに貢献しているので我慢出来るし、良くも悪くも作家の個性が出ている作品。 | ||||
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パラレルワールドに迷い込む。 そこでは自分が生まれてない世界であり、 代わりに亡くなった兄弟がいたり 生まれていなかった姉がいたり。 パラレルワールドの中では、元の世界では死んでいるはずの人がいて、それは主人公がうまく立ち回れなかったり、姉がうまく立ち回ってるせいであったり。そう主人公が考えてしまうのだ。 パラレルワールドが使い古された設定だし、 作者にたりないのは人物の表現力。どの人物にも全く感情移入できない。 | ||||
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