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(短編集)

遠まわりする雛



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【この小説が収録されている参考書籍】
遠まわりする雛
遠まわりする雛 (角川文庫)

遠まわりする雛の評価: 4.19/5点 レビュー 58件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.19pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全58件 21~40 2/3ページ
No.38:
(5pt)

七編どれも秀逸です。

それぞれの短編、とても完成度が高かったです。起承転結がカチッとはまっているものや、登場人物の心情の描写にスポットを当てたものなど多彩な七編でした。やはり、青春のブラックな面の描き方や、キャラクター同士の心情のぶつかり合いは、巧いなあと思わされます。
とてもおもしろかったです。
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No.37:
(5pt)

状態のよい商品を、早く確実に届けていただきました。商品状態の注記も参考になりました。

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遠まわりする雛 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠まわりする雛 (角川文庫)より
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No.36:
(5pt)

短編集

古典部シリーズ4弾目です。

今回は短編集で、伊原に会う前の話や、合宿の話など読みやすく面白かったです。
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No.35:
(5pt)

遠まわりする関係

古典部シリーズ・一年生編完結。この『遠まわりする雛』では、今までの各長編の合間に起こっていた事件を集めた短編集である。趣の異なる7つの短編から構成されており例にもれず、古典部4人の心の機微が丁寧に描かれているといえるだろう。
 本短編集で特に素晴らしいのは、『心あたりのある者は』、『手作りチョコレート事件』、そしてタイトルにもなっている『遠まわりする雛』だろう。

 『心あたりのある者は』は、奉太郎とえるが、ごく短い校内放送から、その裏で何が起こったのかをディスカッション形式で推理していくというものであるが、このシリーズの推理の中では最も素晴らしく出来が良い。日常ミステリーとしては最上の出来ではないだろうかと思うので一読をおすすめしたい。

 『手作りチョコレート事件』はバレンタインデーに古典部が遭遇する事件を描いたものであり、何だかほのぼのした題名の割にシリーズ通しても最もビターで後味の悪いものに仕上がっていると思う。この短編で特筆すべきは奉太郎の親友でもある福部里志という登場人物だろう。おそらく彼は古典部4人の中で最も複雑で、面倒な性格を有した人間である。それは前巻『グドリャフカの順番』でもその一端が垣間見えていたが、この短編ではその彼の苦悩により深く切り込んだ内容となっている。若者にありがちな青臭い悩みと一蹴してしまえばそれまでかもしれないが、学生時代を思い出してみるとあながち切って捨てられる悩みではないのではないだろうか。この話で4人各々が見せる苦々しさはこの作者の真骨頂のように感じ、個人的には非常に気に入っている短編である。

 『遠まわりする雛』は、この巻でも時系列においても最後にあたる短編であり、「生き雛祭り」の準備最中に起こった事件を描いたものである。本短編は事件自体それよりも、省エネ主義をモットーとしてきた奉太郎が自身のアイデンティティを崩壊させかねない思いをついに自覚してしまうことに重きが置かれている。二年生編への4人の微妙だが確かな関係の変化を感じさせてくれる一本である。

 本巻で1年生編が完結したので巻降順ではなく、短編と長編を時系列順に読んでみるのもまた面白いかもしれない。
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No.34:
(3pt)

遠いことを認識すること

それぞれの出来事が起きた時期も、また、書かれた時期もバラバラで、登場人物たちの間の距離感も微妙な感じがあり、これまでの作品ごとの空白を埋めるという意味でも、面白いと思う。既刊3作に比べると、一番、厳しい、あるいは残酷かもしれない。
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No.33:
(5pt)

氷菓シリーズで、今のところ一番好きです。

氷菓シリーズ(今のところ)唯一の短編集。 
本題にもなっている「遠まわりする雛」は、氷菓シリーズで私が一番好きな作品です。 
主要キャラクターに関する描写も多く、何度読んでも楽しめます。
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No.32:
(5pt)

得意な事があった事 今じゃもう忘れてるのは それを自分より 得意な誰かが居たから

前三作が長編であるのに対し、本作は前三作の間に起きたエピソードを
まとめた短編集となっており、頭の隅に、どの時期の話かを置いて
おきながら読むと分かりやすいかと。
全般的に、各エピソードを定点観測のように見れば、奉太郎の心境の変化と、
(奉太郎から見た)える、里志、摩耶花の言動や行動原理の変化が
よく分かるようにできています。
ここからは、各章ごとにレビューをしたいと思います。

『やるべきことなら手短に』
折木奉太郎と千反田えるの出会いから間もない、
「氷菓」事件の調査の前日譚。
省エネ主義という自分の信条が揺らいでいることを里志に指摘され、
それを認め、現状に対する保留であると答えた奉太郎。
帰り道の二人のやり取りを通じて、えるとの出逢いによって奉太郎が
微妙に変化し始めたことを示唆する描写が巧い。

『大罪を犯す』
直接関係のない隣のクラスで起きたトラブルの原因を探るという、
小説における「一人称を描く場合、他者の視点を放棄しなければならない」
という大原則を逆手に使ったエピソード。こんなことが起きた時、
出した刀を引っ込めるのって、まぁバツが悪いですよね。

『正体見たり』
夏休みに摩耶花の親戚の民宿を訪れた古典部の四人。
使われていない七号室に現れた幽霊は枯れ尾花かそれとも……というおはなし。
一人っ子(える)が憧れていたきょうだいという存在の『現実』を
突き付けられるという、彼女にとって少し切ない展開にはなりますが、
もっともその現実は、きょうだいを持つ者は意外とあっさり
受け入れているものなんですけどね。
アニメーションではちゃんと救いが入っているので、
原作では直接的な描写は無いものの、アニメーションが原作にかなり
忠実にできているため、もしかしたら文章による描写の無い部分に
ちゃんと救いはあったのかもしれません。

『心あたりのある者は』
奉太郎を買い被るえるに対し、今まで自分がやって来たことは偶然である。
理屈と膏薬はどこへでもつく。と言い放ち、それを証明するために、
偶然校内に流れた呼び出し放送と、現在の状況から、放送の意図と
何が起きたかの推論を組み立ててみるも、推論はきな臭い展開に……というおはなし。
本作は放送から結論にたどり着くまでの描写に目が行きがちですが、
奉太郎が自分の『無能さ』を証明しようとしたり、
結論に到達したところで当初の目的を忘れてしまうという、
ちょっと間抜けな部分を垣間見ることができます。

『あきましておめでとう』
父親の名代として荒楠神社の十文字かほへの新年の挨拶をしたり、
納屋に奉太郎とともに閉じ込められても、あらぬ誤解を避けるために
大声で助けを求めることを拒むなど、名家の娘であるえるが、
未だに日本の社会、特に田舎に強く残っている『家』という存在に
ある意味において縛られている様子が巧く、そして少し切なく描かれています。
後半からは『クドリャフカの順番』以来である里志の視線が入り、
奉太郎とえるが如何にして脱出を試み、里志と摩耶花が如何にして
意図を汲み取るかを交互に描いています。
このおはなしを成立させるには視点を移動させるしかなかったかと。

『手作りチョコレート事件』
摩耶花が里志にあげるはずだったチョコレートが盗まれた出来事を通じ、
『クドリャフカの順番』でも少しだけ見せていた、
里志の影の部分がクローズアップされるおはなし。アニメーション版では
他の三人の視点を加えることによって、ある意味においてハッピーエンドに
なっていますが、里志は答えを見つけ出すことができるのでしょうか。
ふと、脳裏にBUMP OF CHICKENの『才悩人応援歌』の歌詞が頭をよぎりました。
里志が抱いていたのは、あの歌詞のような感覚に近いのかも知れません。
それにしても他のエピソードでも、里志への想いを隠すことなく、
何度里志にはくらかされても果敢にアタックを仕掛ける摩耶花は強い子です。
自分だったら『もうダメ……』と膝を落としていることでしょう。

『遠まわりする雛』
表向きは、千反田家の地元で開催される『生き雛祭り』での顛末を描いた話ですが、
高校に進学し、一年経った奉太郎とえるの、色々な意味において
大きな変化があったことを示唆する話になっています。
子供から大人になるに従い、自分の思いだけではなく、
自分の置かれた立場や状況を考慮して動かなければならない
年齢に差し掛かっている少年と少女は、今後それを乗り越え、
オプティマイズド・ソリューションにたどり着けるのか……わたし、気になります!
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No.31:
(5pt)

より、シリーズが好きになった

朴念仁ぎみのホータローの意識が徐々に変質していく過程が実に自然で心地良い。今回はそんな登場人物たちの内面を見るための巻ですね。一応、どの短編にも推理要素はありますが、そちらはメインではなさそうです。どれも雰囲気にマッチしている「日常小話」という感じで面白いと思いましたけどね。長編の合間を埋めつつ、キャラクター同士の関係を進展させている、古典部シリーズファンなら必読の一冊かと思います。
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No.30:
(5pt)

古典部シリーズ最高傑作

表題作の遠回りの鄙が秀逸。えるの十二単のシーン、そしてその後のえるとほうたろうの会話、空気が最高。
アニメ化に期待。
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No.29:
(4pt)

シリーズの特徴の明確化

古典部シリーズは、主人公を中心とするキャラクターたちの時間軸が明確に進んでいくという意味で、シリーズのミステリー物としては明確な特徴を持っている。

本著は7編の短編集であり、各短編のミステリー要素が飛びぬけて素晴らしいという訳ではない。
しかし、一短編ごとに時間軸が進んでいることを明確に示唆するストーリーの描き方は見事なものである。

7つの短編で約1年話が進むのだが、各短編で示されるキャラクター間の位置関係の変化や心理的な変化が明確に出ている。
時間軸を明確に進めるということは、出てくるキャラクターも当然、時間に沿って成長していく。

それぞれの短編間には直接的な関連が無いにも関わらず、読み通していくとメインのキャラクター達の関係や心情の変化が透けて見えるようになっている。

本格的なミステリーとは違うだろうが、好きな人にはお勧めだと思う。
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No.28:
(5pt)

*ネタバレあり* 概算へと続く遠まわり

まず挙げるのは、「手作りチョコレート事件」。 重ねて言いますが、ネタバレを含みますので、未読の方はお控え下さい。
まずチョコレートが盗まれ、えると里志が奉太郎のもとへと訪れます。 この時点で僕は「多分彼だろうな」と心中でほくそ笑み、確定したところでふっと笑いました。 「やっぱりか、彼らしいや」 と。 しかし、犯人に関しては割と多くの方が早期の段階で気付いていたかと思います。 おそらく、奉太郎と同じように。
しかしその理由を知ったとき、笑い捨てることの出来ない何かを感じました。 客観的にひどく深刻なことや、不幸漂わせる悲歎という大層なものではありません。 しかし彼という人間が他人を多少なりとも傷付けて、遠回りして尚答えが出せないことでした。
そして表題作 「遠まわりする雛」 ここで奉太郎は予期せずして、前述した彼の心境を体験することになります。 少し読み取るのは難しいかもしれませんが、そこには確かに、今までの奉太郎には無かった新たな想いの芽生えが見えたかと思います。そしてそれは、千反田えるにも。
変わり始めた彼らの距離の概算、これからも見届けて行きたい所存です。 総じて、素晴らしい一冊でありました。
読みにくい長文、失礼致しました
遠まわりする雛 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠まわりする雛 (角川文庫)より
4044271046
No.27:
(5pt)

小気味よく、前提をあまり知らなくても読み解きやすかったです

「やるべきことは手短に」「大罪を犯す」「正体見たり」「心当たりのあるものは」「あきましておめでとう」「手作りチョコレート事件」「遠まわりする雛」と、複数の短編が合わさったものですが、基本的な登場人物は古典部のメンバーでして、内容によってあと数人登場人物が増える程度といったものです。ですから、謎解きと行ってもそんなに複雑なものではなく、読後「ああ、そうか」とクスリとするといったものです。

逆に、あんまりこれまでの古典部シリーズのように前提となることをきっちり読み込まないと分かりづらいところはなく、それぞれの短編1つだけを読むだけで、話がしっかり完結して楽しむことが出来ます。たぶん、こういう話の方が映像化(アニメ化など)するとき作りやすいんだろうなぁ…とも思いました。

あと、この短編はきっちり時系列で並んでいるので、主人公である古典部メンバーが(気づきにくいのですが)成長しているように仕掛けられているのも、興味深く読める別の側面かなぁ…とも思いましたね。
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No.26:
(4pt)

玉石混淆といったかんじの短編集

これまで三冊を読んで来た感想として、この「古典部シリーズ」はミステリー部分より、ドラマ部分に読み味があると私的には感じている。なので、以下に記す各話の短評は基本的にドラマ部分の精彩に重きを置き、ミステリーは副次的なものとしてレビューした。わかり易くするため○×形式を採用したが、これは個人によっていかようにも変化するとは思う。たとえばミステリー部分を重要視する人は、真逆の評価になる事もあるだろう。つまり、あくまでも一個人の感想ってやつです。

「やるべきことなら手短に」△
主人公でありメインの語り手である奉太郎の人物像を掘り下げる話としてはまあまあ。
後の話でも述懐されるので、けっこう重要かもしれない。
しかし、これだけ読んだら奉太郎のとった行動に全く感情移入出来ない。共感するように書かれてはいない。どちらかというと「女郎蜘蛛の会」を持ち出すというプロット成立のための話に見えてしまう。
ミステリー部分は、「女郎蜘蛛の会」という秘密クラブの設定はけっこうワクワクするが、それが活かされる事は無く、謎解きも普通。もう一つのピアノ部は論外の出来(これはあえてなんだろうけど、それにしてもヒド過ぎる)。

「大罪を犯す」×
ドラマ部分はけっこう良い。
キリスト教の七つの大罪を副次的なテーマに、それがオチに活かされている。
事件の解決後、千反田の気持ちがわかるというのも良い。
しかし、ミステリー部分の解決がヒド過ぎる。
ドラマ部分を重要視すると言った手前、評価を上げたいが、流石にこれはヒドい。
「あー、そうですか」という感慨もおきないほどに。

「正体見たり」△
ドラマ部分は学校を出るという点において、珍しい。温泉という事でエロを期待してしまったが、当然ないのであった。
ミステリーは普通。

「心あたりのある者は」◎
これは面白い。
『九マイルは遠すぎる』のオマージュだが、例外的にミステリー部分が面白い。
奉太郎と千反田との議論部分もキャラ立ちしているアドバンテージに加え、情報の出し方が巧みだ。
「古典部シリーズ」のミステリー部分としては最高傑作だと思う。

「あきましておめでとう」△
こちらは『十三号独房の問題』のオマージュ。
未読だったので元ネタも併せて読んだが、『十三号』の不可能性への挑戦に比べ、わりかしどうでも良い。
ドラマ部分も同様だ。

「手作りチョコレート事件」○
ぶっちゃけると、伊原は里志にではなく奉太郎に惚れている方がドラマ的に面白いと常々思っていたのだが(要するに三角関係ね)、ここまでやられると納得してしまう。里志にはまったく共感出来んが。
そんな里志と伊原の恋のお話。ミステリー部分はまあ普通。

「遠まわりする雛」○
今度は奉太郎と千反田のお話。
奉太郎の本心がはっきりとわかる。ツンデレぶりがわかると言い換えても良い。
ここに来てようやく一話目の「やるべきことなら手短に」の奉太郎が理解出来る気がする。
里志の回りくどい恋愛観に比べ、案外ストレートな奉太郎であった。
ミステリーはわりとどうでも良い。

短編集という事もあり、一つ一つは短い。時系列にも沿っている。
だから「古典部シリーズ」の入門として薦める事が出来そうだが、キャラクターを予習してからの方がより楽しめるだろう。だから、始めの『氷菓』から読むのがやっぱり良いのかと感じた。
遠まわりする雛 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠まわりする雛 (角川文庫)より
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No.25:
(4pt)

甘く,残酷な青春模様

『古典部シリーズ』の4作目.07年10月の単行本の文庫化でシリーズ初の短編集となっています.

全部で七編が収められた本巻は,前巻から一気に時間が巻き戻って入学式直後の春からスタート.
この『巻き戻り』について,作中でのフォローがないため,はじめのうちはいささか戸惑うものの,
過去作でのできごとが出てくるなど,徐々にこれまでの合間合間を繋ぐものであることに気づきます.

また,各編ごとに趣向を凝らしたミステリ要素が織り込まれており,こちらも楽しみどころのひとつ.
ただ,本作では青春模様の方が強く出ており,男子と女子,視点により大きく反応がわかれそうですが,
二組のペアについて,その『距離』のはかり加減,近づき加減が,甘く,そして時には残酷に描かれます.

中でも,何かにつけて周りとの関わりを避けたがる主人公に,明らかな変化が見て取れるのが面白く,
彼とはまるで反対,好奇心旺盛なお嬢様に翻弄されつつ,気がつくと彼女のことを意識している様子は,
1年間,さまざまな季節と場面が描かれたことがうまく作用し,強く惹かれるとともに印象にも残ります.

男子二人の達観しすぎた言動だったり,主人公のモットーが何度も出てくるのは少し気になりましたが,
前巻からさらに踏み込まれた4人の気持ちや関係,進級後になるであろう次巻以降が楽しみなところです.
遠まわりする雛 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠まわりする雛 (角川文庫)より
4044271046
No.24:
(1pt)

読者が求めているのはこんなほろ苦さではないです

短編集なので各篇毎に話に出来不出来があることは理解しますが、チョコレート事件は途中経過も結末もひどすぎです。
多くの読者の方は単なるミステリではなく「青春のほろ苦さ」も感じたくてこの古典部シリーズを読んでいると推察しますが、でもチョコレート事件のような「後味の悪いほろ苦さ」を望んでいる人はおそらく皆無でしょう。しかもこのチョコレート事件のことを次の生雛事件中のある重要な場面で奉太郎の述懐として持ち出したために生雛事件まで同列に悪いイメージが漂ってしまっています(生雛事件は単篇としてはよいと思うのですが、心理面においてチョコレート事件と関係を持たせてしまったためにとばっちりで残念なことになっています。作者は「短篇集」とするために各篇に相関を持たせたかったのだと思いますが不出来な作品に関連付けられる作品は本当に不幸です)
チョコレート事件がなければ評点は3か4なのですが...チョコレート事件だけはいまからでも書き直してもらえないものかと切に願います
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4044271046
No.23:
(3pt)

遠まわりされた

せっかく文化祭も終わって古典部員たちの距離も近くなっていたのに、なぜまた振り出しに戻る!と思いながら読み始めましたが、短編ごとにちゃんと季節が進んで最終的に春休みにまでなったのでまあよかったです。タイトルのとおり遠まわりした感じ。
1巻の、古典部入部から文集を作ろうと思い立つまでの空白の一カ月の間にこんなやり取りがあったんだ、へー、といった感じで今まで起こった出来事の前後の様子が描かれています。短編なので大きな問題が起こるわけでもなく、ちょっと物足りなかったので星三つ。
やっぱり今のところ3巻が一番好きです。
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4044271046
No.22:
(4pt)

事件らしい事件ではないがりっぱな推理小説

いわゆる「青春小説」を集中的に読んでいるが、このシリーズも面白い。
 学園の平凡な「事件」を推理していく脱力系主人公は魅力的だ。やや定型化されたヒロイン像を補っていると思う。
 「屈折した青春群像」になりそうでならない点がよい。
遠まわりする雛 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠まわりする雛 (角川文庫)より
4044271046
No.21:
(4pt)

バラエティー豊かな短編集

古典部シリーズの短編集。一年を通した時系列順に作品が並んでいるのでバラエティー豊かな内容になっている。個人的に好きなのは心あたりのあるものは。ハリイ・ケメルマンの九マイルは遠すぎるへのオマージュで千反田と奉太郎のやりとりが一番ミステリー色が濃いと感じた。
後は手作りチョコレート事件と遠回りする雛。特にチョコレートは読んでいて切なくなった。
このシリーズがこの先どうなるか楽しみである。
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4044271046
No.20:
(5pt)

見えてきたもの

古典部シリーズ第四作

短編集ほかの方がレビューされてますが「一年目の古典部の歩み」が凝縮され、しかも人間関係が大きく動き始める、多分シリーズのターニングポイントになるのではないかなと思います
また「遠回りする雛」「あきましておめでとう」には今後ホータローが越えなければならない壁が暗示されてるのではないかと勝手ながら推察でき、今後の展開が気になります。

早く最新作の「二人の距離の概算」が文庫になららないかなぁ
遠まわりする雛 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠まわりする雛 (角川文庫)より
4044271046
No.19:
(5pt)

再読必至です。

それぞれの謎解きや、細やかな心情の描写も素晴らしいです。
ぼくが中でも重要だと思ったのは、やはり「雛」えるの思い。
が、伏線もすごい。「大罪」のシーンとか。シリーズ完結後の評価が楽しみ。
ラストシーンの余韻はたまりません。える本当に罪な子。
ストレスなく読むことができる。単体でももちろん、素晴らしい短編集ですよ。
ボトルネックなども好きですが、やっぱり「古典部シリーズ」は特別です。
ストレートに楽しめる、近い将来間違いなく再読するであろう傑作です。
遠まわりする雛 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠まわりする雛 (角川文庫)より
4044271046

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