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(短編集)
遠まわりする雛
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遠まわりする雛の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全58件 41~58 3/3ページ
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「古典部」シリーズの短編物。 各話の時系列はバラバラに展開され、3作目の続編ではない。(3作目あとの話もあるが) 「古典部」をミステリーと分類するなら、短編1つ1つの「謎」や「解決編」は物足りないように感じる。 ただし、心情描写に関しては各人物にスポットが当てられ、人物に対する愛着がある人にとっては非常におもしろいのでは? | ||||
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古典部シリーズ第4作は1年生の出会いから、翌年の春までのエピソードを綴った短編集です.ひとつひとつのストーリはよくできていて「日常の謎」ミステリとして楽しめますし、伊坂と福部、折木と千反田の関係の変化もよく描けていました.しかし、どうしても納得できないのは「チョコレート事件」で無関係の人間を犯人に仕立て、それでよしとしているところです.このお話は伊坂と福部の恋愛に関する内容で、それに巻き込まれた折木、千反田は難しい立場なのはわかりますが、どんでん返しが面白ければ主人公の探偵を詐欺師にしてもかまわないというのは納得できません。こんな嘘はすぐばれるでしょうし、そのとき、千反田はどう思うでしょうか?この作品が非常に後味が悪かったため、その次の「遠回りする雛」の2人の関係が酷く嘘くさく思えました.作者はミステリ作家になりたいようですが、「インシテミル」もそうでしたが、小手先のトリックに溺れて、ストーリの論理性をきちんと構築できる力が欠けています.キャラメインのラノベ作家である自覚を忘れてはいけません. | ||||
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古典部シリーズ第4弾。 前回の『クドリャフカの順番』では文化祭が舞台でしたが、今回は高校生活の時間の流れを一部遡りつつ、古典部メンバーの1年間の出来事を青春真っ盛りで描写しています。 入学間もない4月、夏休みの温泉合宿、お正月、バレンタイン、そして2年生になる直前の春休みなどなど。 今までの作品中一番青春小説の色が濃くなっているため、物語は登場人物の人間ドラマに重きがおかれ、ミステリー要素はだいぶ落ちていますが、古典部シリーズのファンだったら間違いなく楽しめます。 逆に当たり前のことですが、米澤穂信さんの本をまったく読んだことがないという人は、いきなりこれに手を出さず『氷菓』から読みましょう。順番に読んでいけば、いかにこの短編集がぜいたくな1冊かわかるでしょう。 | ||||
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そのことにつきあえるほどに、既に発表された連作で登場人物4名の性格設定が熟してきました。 そうなると、たとえばポワロの短編集ではそこまでは楽しめない、作品世界の中での内輪ネタで小話が成り立ちます。 ですから、発表順に読んできてください。 | ||||
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古典部の4人の恋が少しずつ動きだしたのはニヤリとしてしまったが、ストーリー的にはどれもあまりに他愛もないことばかりで、短い分だけ深みも無しという内容がこれまでと比べて残念だった。最後に登場する表題作『遠まわりする雛』がかなりよかったので、結果☆3だけど、この話がなければ☆2だろう。 次回作は長編で4人の恋を描きつつ、ホータローの姉の登場機会も増やした作品を期待しています。 | ||||
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2007年に出た単行本の文庫化。 「古典部」シリーズの第4弾。7編を収める短編集。 いずれも小ぶりな日常の謎である。小ぶりなのも日常なのもかまわないのだけれど、ミステリとしての驚きがないのは不満であり致命的。どうということもない謎ばかりで、なんだかなあ。 主役二人の恋はゆっくりと進歩しつつあるようだ。 タイトルの不思議さには惹かれたが、読んでみるとまったくガッカリ。 | ||||
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米澤穂信氏の著作を読むのは、これが二冊目だ。一冊目は、『ボトルネック』。『ボトルネック』は、SF的な要素が濃かった印象だったが、本書では、その要素はだいぶ薄かった。 『ボトルネック』から受けた印象と重なった部分もある。米澤氏は兄弟・姉妹に対して、否定的なイメージを抱いているのではないか、という印象だ(「正体みたり」参照のこと)。 「あとがき」によれば、〈シリーズ四作目〉である、という。そんなこととはつゆしらず、私は本書を手に取ったわけだが、本書収録の「正体見たり」に本書未収録の〈『氷菓』事件〉なるものが、ちらと顔のぞかせている。そして、この件は千反田とかかわりが深かった。解決後、千反田は俺たちに感謝し、その労をねぎらうため、温泉合宿を計画したのだ。 とある。いったい、〈『氷菓』事件〉て何? これこそが、〈古典部〉シリーズ第一作なのだそうで、さりげなく自作を宣伝するとは、いやはや、米澤氏もしたたかだ。千反田じゃないけれども、それって、なんですか? 私、気になります! 気になる、と言えば、気になることはまだある。冒頭に置かれた一篇「やるべきことなら手短に」に、しかし、一通の手紙で目論見が狂った。インドはベナレスから届いた手紙。「古典部に入りなさい」。そしてほんのわずかな不運と読み違いのため、俺はいま、その指示通りに古典部に籍を置いている。 とある。インド? ベナレス? 「ほんのわずかな不運と読み違い」? いったい、なにがなにやら……。あるいは、シリーズはじめから読めば、疑問は氷解するのだろうか? 最後に収録された「遠まわりする雛」の終盤で、折木奉太郎はある一つの、心裡における謎、その真相に思い当たる。私はこの時点では、真相にたどりつけなかったのだが、「あとがき」を読み、あるいは、そういうことだったのかもしれない、と推定することはできた。「あとがき」に米澤氏は書いている。「物語においても、一度固定された時間が動き出し、構築された関係性が変化することは苦手でした」、と。私のなかで、どのような論理の飛躍が行われたのか、どうも、うまく、説明できないのであるが、私はこの米澤氏の一文から、あるいは、と思いついたのだ。思いついたのではあるが、その一言は、あえて言わない。 | ||||
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米澤の「古典部」シリーズ短編集。7編を収録。 これまで出ている古典部シリーズのエピソードの(時期的な)間をうめるような話でもって構成されていて、全体的に提示される謎はゆるめである。導き出される答え(というか解釈か)もゆるい感じ。 トリックとか、そういうのを狙った著作ではないのは明白なので、そういう話を読みたい人には向かない。一方で、古典部シリーズをこれまで読んできて、その雰囲気に浸りたい人にはうってつけ。そういう位置づけでしょうかね。少なくとも古典部シリーズを発表順に読んでから読んだ方が良いことは確か。 個人的には、まあ楽しく読めたので良しとしましょう。 | ||||
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古典部員の一年を描いた短編集. 文化祭をクライマックスとしていた前作までとは異なり, 古典部員4人の季節ごとのイベントが描かれている. ミステリー色は薄く,前作での青春の苦悩を掘り下げるでもなく, 古典部員4人の2組のカップルの進展がテーマをになっている. 気持ちのゆらぎや感情の再確認がいつもの「日常の謎」に交えて ちょっとした風景の中に描かれている. 内容的にはまあまあではあるが,大の大人が読むにはちと青臭いかw | ||||
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「古典部シリーズ」第四弾!!! エントロピーは増大する なにもせず留まるには、踏ん張る力が必要ではないのか 主人公は努力して省エネに徹している 信念など持たず、だらだら生きる方が楽だろう 主人公は好きな子ができたが、省エネの信条に反するので告白できない 信条について悩むのは全然省エネではない また、別の主要キャラは執着しないことを信念にしている その為、相思相愛の子と付き合うことをしない 今回は信条に反して恋愛をするかがテーマか シリーズのターニングポイントとなる作品かも 今回は信念に反して、恋愛をするかどうかがテーマか | ||||
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古典部シリーズ第四弾。 短編集です。最初はこれは前作以下かと心配しつつ読み始めましたが、読み進めるうちに目を開かされました。謎解きを通して四人の心情が明かされ、変化し、気づいていく。遠回りしながらもこうしてお互いを理解していくこの過程こそ、普遍的な青春小説そのものだと。 『遠回りする雛』、よかったです。その光景が目に浮かんでくるようです。 ごくありきたりの学園ものにはしてほしくない。他の作家さんの高校を舞台にした小説とは趣を異にしている古典部シリーズだから、少し変化しつつある彼らの心情が今後どうなるのか、気になります。 | ||||
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この作品は、入部から翌年春までの、古典部の部員たちが遭遇するちょっとした ミステリアスなできごとを描いている。謎解は相変わらず面白いが、古典部部員 たちの描写もとても興味深かった。印象に残ったのは、「あきましておめでとう」と 「手作りチョコレート事件」だ。「あきましておめでとう」では、奉太郎と千反田が 納屋に閉じ込められてしまう。彼らはどういう方法でそこから出ようとするのか? その方法には思わず笑ってしまった。奉太郎と里志の厚い友情も垣間見えて、面白 かった。「手作りチョコレート事件」では、消えたチョコの行方をめぐっての、里志と 伊原の微妙な関係が見えてくる。この二人、どうなるのだろう?奉太郎と千反田の 関係も気になる・・・。そして、今後の古典部は?次回作に大いに期待したい。 | ||||
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「野生時代」誌に掲載していた短編を、書き下ろし1作加えた短編集。 掲載当時は実際の話、「心あたりのある者は」以外は私が作者に対する期待値を下回ったものだった。 では何故この短編集に満点をつけるのか。 理由の1つに、ごく個人的な趣味なのだが私は"短編集"という形式がすごく好きだ、というものがある。 あとは、本作品が雑誌掲載の順ではなく、時順列で並び替えられていたこと。これは初めて作者の作品を読む人に対してのサーヴィスなのかもしれないが。 で、最も良かった点は、幾つか未読の作品が私のストライクゾーンだったこと。特に書き下ろし表題作「遠まわりする雛」。 *** 今気づいたんだが、<古典部>シリーズの半分くらいはホワイダニットだったんだなぁ。ハウでもなく、フーでもなく。 青春というか、高校生(活)の機微をこう書く小説家はあまり居ない・・・と思う。所謂日常の謎モノで、事件の動機を詰めていくとこういう風に書けるものか、と。 私、<古典部>シリーズの続編が気になります。 | ||||
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米澤穂信という作家は、その語り口の綺麗さが気にいっています。絵画でいうと、水彩画の趣を感じます。 さて、今回の短編集です。古典部シリーズ最新作ということになります。 推理のおもしろさは逸品です。 読み終わって感じるのは、これまで淡い色彩の人物画だったものが、濃い色彩に変わってきている、ということです。 特に、千反田える。ずいぶんはっきりとした「女」を感じさせるようになりました。 さりげなく、2度、折木奉太郎に告白したりしています。 これは諸刃の剣です。 これまで寝転がって気楽に読めるシリーズだったものが、重苦しくなるのでは、という一抹の危惧を覚えるのです。 | ||||
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今まで、キャラクターが記号として良く動いていたシリーズだったが、 この作品でキャラクターの感情面がようやく理解できる作りになって来た。 これを良いと捉えるか、悪いと捉えるかは個人差が出てくるように思う。 個人的には、こちらの方が好みで、シリーズを通しての印象がとても上がった。 ミステリーの内容としては、米澤穂信、上手くなったなぁと実感させられる内容。 1巻に比べて、短編のミステリーの切れ味が格段に上がっているし。 何より安定感が出ている。やはり、彼の真骨頂は、破綻の無いロジックだろう。 中でも『心当たりのある者は』は、ミステリマニアならついついニヤリと してしまう事請け合い。 ハリィ・ケメルマンの名作『九マイルは遠すぎる』のインスパイアなのだ。 この短編は、推理作家協会賞候補になったらしいが、もしかしたら、元ネタがある のがマイナスとして響いてしまったのかもしれない。 そして、表題作でもある『遠まわりする雛』のラストには、ついついニヤリとさせられてしまう。 大作ではないが、シリーズを追ってきた人、ミステリファンは 始終ニヤニヤさせられてしまう幸せな気分にさせられる作品だろう。 | ||||
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〈古典部〉シリーズ初の短篇集。 前三作の前後にあった出来事を書いた短篇が7篇、時系列順に収録されています。 (「初詣」「バレンタイン」など季節ネタも多数) 期間としては、奉太郎が神山高校に入学し、約1ヵ月が経過した2000年4月末から、 新年度を目前に控えた春休みにあたる2001年4月初旬頃まで。 要するに、彼らの〈高1時代〉に相当します。 収録された短篇は、単体でも十分楽しめますが、1年の流れのなかで奉太郎の語りに寄り添って読み進めていくことで、 “省エネ”主義を掲げる彼の心境がどのように変化していったのか、トレースできる仕組みになっています。 ところで、本作を読んで私が一番に感じたのは「千反田える、キャラが立ったなあ〜」というものでした。 それは何も今回、奉太郎と千反田えるの対話劇になるシチュエーションが多かったことや、 衣装の七変化で楽しませてくれる(最も、イラストはないのですが)といった表面的なことだけが理由ではありません。 千反田えるは、豪農・千反田家の一人娘という立場のため将来、共同体の中で責任ある役割を担うことが宿命づけられています。 しかし本作における彼女は、そのことを所与のものとして受け入れた上で、自分に実現可能な未来を見据えようとします。 つまり、古典部員の中で、彼女がある意味もっとも〈大人〉だったということが今回明らかにされるというわけです。 そうしたことから、今までやや平板に感じられた彼女のキャラに本作で奥行きが出たように感じられました。 これまでの千反田えるには、“省エネ探偵”である奉太郎に推理をする動機と免罪符を与える牽引車的役割が割り振られていました。 奉太郎にしても、当初は自分のペースを乱す存在として、千反田を敬遠していたのですが……。 近い将来、奉太郎が自分から誰かのために推理をするような日が訪れるのかもしれません。 ともあれ、古典部2年目の活動が楽しみです。 | ||||
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「日常の謎」+「安楽椅子探偵」が骨子ながら 舞台を共学高校に置き、 ライトノベルの装いを纏うことにより アクティブな展開を造ることに成功している 「古典部シリーズ」第四弾。 現在まで出版されている長編三作の 時間的な合間を埋める七篇の短編を収録。 短編であるが故の、キレのある推理に シリーズ中、ミステリーとしては最も面白く読めた。 後半、人間関係が正統的な学園モノさながら動き出すが それが今後吉と出るか、凶と出るか・・・。 楽しみなので必ず買いますが。 | ||||
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古典部シリーズ最新作は、日常の謎が詰まった短編集。 どれも良作ですが、中でも推理作家協会賞候補に選ばれた「心当たりのある者は」は、ある短いセンテンスから、よくもそれだけの推理を膨らませられるものだと感心させられる意欲作です。 ところで、ヒロインである千反田えるは、自らの好奇心から抱いた疑問を、常々どういう想いで主人公に託しているのだろう、また、超人的な推理力でそれを解決してしまう主人公をどう捉えているのだろう、ということが短編を読んでいくうちに気になりだしたのですが、その答えの一端も最後に垣間見ることができました。 色んな意味で次回作が楽しみなシリーズです。 | ||||
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