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木洩れ日に泳ぐ魚
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木洩れ日に泳ぐ魚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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かなり人を選ぶ小説だと思います。最近は、映画化された「蜜蜂と遠雷」や「夜のピクニック」のような穏やかで常識的な作品で恩田さんを知ったという方が多いと思いますが、その流れでこの作品を読むと受けつけないと思います。 不穏で緊張感のある作風はいかにも恩田さん的ですが、強いていうなら純文学に近い恋愛心理小説だと思います。 明日は別れていく男女が、からっぽになったアパートの一室で最後の一夜を過ごすところから始まります。ぽつぽつと交わされる会話から、2人がどういう関係なのか、同居を解消するのはどうしてか、その生い立ちと出会い、学生時代、そして最後の旅となった登山旅行、いったいそこで何があったのか? 何気ない会話を装いながら、お互いに疑念を抱いて探りあう中、だんだんと明らかになるある事件の真相。そして2人はこれからどうなるのか・・といったストーリーです。 事件に関しては、あくまでも推測を重ねただけの真相なので、しっかりと裏づけがあるミステリを期待する方は不満が残るでしょう。楽しく読みえ終えて最後にカタルシスがほしい方も肩透かしになりそう。 後味は重いです。恋愛というものは幻想であり、そのほとんどが不毛であるということが全編を通じて証明されているというか・・。相手を愛しているとか相手に尽くしているとか思い込んでいても、結局それは自己満足や自己欺瞞にすぎないと。 自分は思い当たるところがあって恋愛を醒めた目で見ているところがあるので、このあたりは深く共感してしまいました。 役者が舞台で呼び合うように会話する舞台劇が好きな方、恩田さんファンで、最初に挙げたような作品以外も大好きだという人は読んでみていいと思います。 | ||||
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設定っと空想に無理矢理があったり、中島みゆきの冷たい別れに出てくる歌詞が出てきたり、展開をしすぎたかな? | ||||
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二人の関係と過去の事件についてどうなっているのかと、非常に引き込まれる内容です。 ただ後出し的な内容もあり、個人的にはちょっと乗り切れませんでした。。 これが著者の作品で初めてものでした。 前半は面白かったと思いますので、他の作品を読んでみたいと思います。 | ||||
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これはもう完璧に芝居向けの設定。男女の二人芝居で、大きな道具を使わないでも十分演じるのが可能だと思った。 しかしながら、仮に舞台に上がったとしたら、途轍もなく役者の演技力に負うところが大きく、上演不可能に近い作品ではなかろうか。相当にあり得ないようなご都合主義の設定が多く、そんなのあり得んだろうと観客が引いてしまう恐れがあると思う。又、心理戦と言うかこの男女の心の動きも不自然なものがあり、客を納得させるのは至難の業だ。 私は自分でも稚拙な脚本を書くくらい芝居好きなので、こういう感想を書いてみた。こうゆう設定で書く作者も芝居好きなのではないかと思うが、どうだろう? 設定ややりたい事はわかるのだけど、現実から乖離したリアリティのない話で終わったように思う。 | ||||
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幼い頃生き別れた兄弟(男と女)が大学のサークルで偶然再開する。二人は空白の時間を埋めようと、共同生活を始めるが、恋仲に発展しまう。そんなある日、山岳ガイドの父親に会いにいく為に、二人で旅行へ出掛ける。父親は我々兄弟を認知していない為、二人は素性を隠した。しかし、ガイド(父親)と客(兄弟)という関係での山岳登山中、父親が崖から転落し亡くなる。ある晩、じっくりとその日の事を回想していく中で、下記の事が分かってくる。1.自分達が兄弟ではなく従兄弟である事、2.兄の本当の妹は不慮の事故で亡くなっている事、3.自分の子供だとガイドは気づいていた事、4.上記に気づいたガイドの妻が会いに来るのを防ぐ為に必死に呼びかけているところで崖から転落した(と予想さるる)。という様なお話です。途中までは、奇想天外な話しの展開に興味を持って読めました。最後の結果は、以外とあっさりで拍子抜けしました。 | ||||
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初めての恩田作品で新聞レビューも相当力入っていたので、読む気になりました。まず、タイトルが良いですね。詩的で私は好きです。が、このタイトルにこの内容はなんだか合わない気がしました途中無理矢理みたいに説明してましたが・・・。。最初なんだろうって好奇心ばりばりで読み始めましたが、途中の展開ではほかのレビュー通り話が転がり過ぎて(これがいいのかもですが)話盛りすぎ感があり、飛ばし読みになりました。あと、お父さんを殺す理由もつかめないし、お母さんたちがなんだか後半うまく出演しすぎで変です。兄妹がこんなふうにいっしょというのも変です。確かにジョン・アービングの小説みたいな感じのほうがぶっとんでていいです。だって小説なんだもん!あと私的にはユーミンとか夏目漱石って必要かなあって。こういうのが文中に入るのって私は嫌いなんで…すいません。書き手の苦労を知らないから言えることなんですけどね。なんでも・・・。 | ||||
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「夜のピクニック」がすごく良かったので、期待していたのですが……遠く及びませんでした。 一組のカップルが、何故、自分たちが現在の状況にあるのか、一晩語り明かします。 心理描写が巧みで、先が気になり一気に読み上げましたが、後半の展開が今一つ、結末もスッキリしませんでした。 「若ければ、その場その場の感情で、すべてをかなぐり捨てていけた。ぱっさりと関係を断ち切って立ち去ることができた。 けれど、歳をとるとそうはいかなくなってくる。妥協や打算も生まれるし、何より淋しさというものを恐れるようになる。」 というアキの心の中の苦笑には、共感できましたが……。 | ||||
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アパートの一室、2人の男女の探り合いと会話で成り立つ朗読劇のような小説。猜疑心、お互いが「相手があの男を殺した」と切り札を持っち腹のさぐり合う。緊張感のつづく会話。半分血の繋がった近しいきょうだいは恩田作品のモチーフのひとつ。誰か、いつ、どうやって、誰を殺したのか。謎解きや真実を突き詰めていくうちにお互いの化けの皮がはがれていく様はさすが。 | ||||
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登場人物が二人の、お芝居を見ているような作品です。 実際に舞台好きの著者が、脚本のつもりで書いたのではないでしょうか。 そう思って読むと、 暗いステージ上で演技する二人がふっと頭に浮かんできて、 リアル感が増しました。 別れの日を前にした二人が、 お酒を飲みながら過去を振り返るというストーリーです。 気になることがあったからそれについて話していたのに、 何故か他の恐ろしい事実を目の当たりにしてしまう。 出先で、家の鍵を閉めてきたかな??と気になったとき、 あれ、ガスがつけっぱなしだったんじゃ・・と、 いろいろ心配になることがありますよね。 そういった展開の仕方です。 この場合、急いで家に帰れば不安は消し去ることができます。 でも、本書ではあくまでも仮定を二人で言い合うだけで、 疑問を解消する手だてがないので、 ちょっとイライラしました。 白黒はっきりさせたいタイプの私には向かないストーリーだったかな、 と言う結論で☆三つです。 | ||||
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限られた空間、限られた時間、しかも登場人物は男女一組。 それなのに展開されるストーリーは幅も奥行きも深みもあり、 味わい深い作品になっている。なぜ男は死んだのか?真相を 探る会話は続く。だが、二人の会話から見えてくるのはそれ ばかりではない。会話から過去の記憶が引きずり出され意外な 事実が見えてきたとき、読み手はぎょっとさせられる。その 計算され尽くしたようなストーリーの構成にはただ圧倒させ られるばかりだ。記憶とは、なんて不思議なものなのだろうか・・・。 ラストも残りすぎるほどの余韻が残る。不思議な魅力を持った 作品だった。 | ||||
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一組の男女が、彼らの別れの晩に、酒を酌み交わしながら、過去に起こったあるできごとについて話をする、という小説。 章ごとに男女の視点が入れ替わり、夜が明けて、この物語が終わる頃に、 このできごとのひとつの可能性としての真相が浮かび上がってくる。 恩田陸の最高傑作だとは思わないけれど、序盤の盛り上げかた、クライマックスのタイミングや展開が巧いのはさすがです。 最近の恩田作品の中では終わり方も綺麗にまとまっていると言えると思いますし、初めて恩田作品を読む方にも入りやすい作品ではないでしょうか。 休日の前の夜、少し夜更かしして一晩で一気に読み、適切な価格で物語のわくわく感と読書の喜びを味わったことに満足して眠りにつける、そんな小説です。 | ||||
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