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球形の季節
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球形の季節の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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前半は楽しい学園生活の中の1コマともいえる出来事が描かれているだけだったのに、後半はページをめくる度に背筋がゾクゾクと寒くなりました。それまで心地よかった部屋の冷房を途中で止めてしまったくらい。人の弱さや醜さ、危うさや狡いところ。いろんなものがこの話から読み取れました。本当に恐いのは、霊でもなくモンスターでもなく、宇宙人でもなく、今隣りにいるその人なのかもしれない…。恩田先生の作品は、これまで20作程読ませていただきましたが、ある意味ここまで人間に対する恐怖を味あわせて頂いた作品はありませんでした。 | ||||
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いかにも、現実的。学校という組織の中で生きて、変わらない日常を送る。何かを期待しても、何が変わるというわけでもない。ただ淡々と過ぎていく。その中で、一つの行事のようなものとして何かがあれば楽しさになる。その、逆というわけか。 2つの男子校と2つの女子校が並ぶ東北の田舎町、谷津。その4校の生徒が集結して谷津を探る「地歴研」のメンバーが、ある噂を探り始める。そして予告されたように、その噂は実行され一人の女生徒が失踪した。 恩田陸らしさ、が出ている。じっくりじんわりと自分のペースに持って行くというのは変わらない。それほど特異な設定でもないのに、ゾクゾクするような展開が続いていく。テンポは速くないのに先が気になって仕方ない。 淡々すぎるのかどうだか分からないが、要となるポイントというものはない。だからといってストーリーの構成がダラダラしているわけではない。多数いる登場人物のそれぞれの存在は色濃く見えてこないしこれと言った主人公というものも存在しない。それは『六番目の小夜子』も同じかもしれない。ただ、噂にかき回されて行く様が恐くて、空虚感も煽る。 元々退屈すぎるから噂というものもあるんだろう。何か面白いことを求めたら、何か考えることで人はいくらでもその流れについていける。何かがないと日常はつまらないし、何かが合ってこそ日常は存在するということか。所詮流行りなんてその時限りだというのに、それでも熱中してしまうという心理は、退屈さをそのままに表しているんじゃないか。それが、本書の核心だろうか。 恩田陸が谷津という場所を個としてその中身を広げている。恐くても、それは日常が退屈すぎるから余計恐く見えるのかも知れない。一つの出来事が、それだけでは片づけられないようなどこか別の場所の力を感じてしまう、非常に不思議な要素を持った小説ではある。ただ「地歴研」の存在にしてしまうだけでなく、設定の妙が上手に出ている。だからこそ、読者も退屈しない。飽きずに読み通すことが出来るのか。 結論をやや濁して綺麗にまとめたラストが好きだ。ただやはり登場人物が多すぎて絡み合ってくるのは分かるんだが曖昧にしか分からなくなっているのは残念。ミステリーというよりは、せっかくページを多く割いている心理をじっくり読んでいけば、恩田陸の意図が見えてくるだろうか。 | ||||
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懐かしい感じのするお話で、地方の街の様子が浮かんでくる。なにかあるときって、読んでいても、違和感を感じないで、すんなり読めました。楽しく読めるいい本だと思います。東北の旅でもしてみようかなと思ってしまいました。モデルの街はどこなんでしょうかね? | ||||
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東北地方の中核都市が舞台。そこの4つの高校で、奇妙なうわさが広まる。その噂どおり、姿を消す少女。彼女は、どこに。そして、この噂の発信源は、を高校生達が追いかけます。続いて流れる次の噂、そして現われたものは、高校生たちの運命は・・。ホラーともミステリーとも読めて楽しめる1冊です。筋も、噂を追いかけていく様子、そして謎や不思議と興味深いこと満載で、引き込まれるものでした。が、それ以上に、登場する高校生たち、霊感の強い女の子、地に足が着いた女の子、不思議な男の子、の多彩な考え方が、面白さの中核をなしているような本でした。あの頃、自分は何を見て、何を考えていたのだろう?と昔を懐かしめる1冊でもありました。 | ||||
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東北の田舎町を舞台に展開するこの話は、読んでいるうちにこの非常に奇妙な世界に引き込まれるような感覚を覚える。それはおそらく学園部分の描写のリアルさと、様々な場面にあるファンタジーっぽさの二面性に起因するのだろう。私はこの俗に言う「陸ワールド」に引き込まれ、最後まで一気に通して読んでしまった。非常に中毒性が高い本である。読む時には十分に時間をとっておくことをオススメする。 | ||||
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恩田さんの作品5冊目読了今まで読んだ中でこの作品が最高の作品です。恩田さんといえばストーリーの展開で読者を恐怖の淵に連れて行く事には定評がありますが、いまいち結末が面白くなく主題がはっきりしない場合が多いのですが、この作品は今までの恐怖感を保ったまま、現代社会を象徴するような主題を持っています。じわじわとした恐怖を味わいながら最後は感動できる作品です。最後の章の「わたしはずっとここにいるよ」は目頭が熱くなりました。あなたも「みのり」と一緒に谷津の町を彷徨ってみてはいかがでしょうか?お勧めの一冊です。 | ||||
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「噂が本当になる」そんなところから物語りは始まる。帰郷率9割の不思議な東北の町。ホラー小説をうたっているけれど、ファンタジー小説のように感じました。この感覚が陸ワールドなんだなと思います。(そうそう、読んでみないとわからないのよ) | ||||
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恩田さん、1冊読み始めると暫く恩田週間になってしまうのでちょっと困ります(苦笑)。怖くない人は全然怖くないのだろうけど、個人的「怖いツボ」にはまる作品でした。SFだとか、何かが見えるだとかにはあまり興味がないのですが(“石の中から”・・・とか、“窓の向こうに”は「ひい!」だったけれども)、「噂の底にある悪意」というのにひどく興味があり。かつ恐ろしさを感じるのです。ニュースソースを知らないまま噂を広めていく人々。その最初のきっかけにある悪意。噂というウィルスを移され、広めていく人々は、どこかでそれが悪意/ウィルスであるのを知っているのではないかと思います。何か起これば罪悪感を感じるほどに、その悪意に罹るのを望み、広めたいと思う。その心理が怖い。そして、私自身にもそんな時期があり、今でも、そのウィルスを作り・広めてみたいという気持ちが何処かにあるということに気付かずにはおれない。その闇が自分のものでもあると知る人は、これが怖くないなら、何が怖いと言えるんでしょう。 | ||||
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ホラーの枠でくくられているようですが、これは、SFだと思って、私は読みました。だって、ありそうなことだもの。ただ単に、人の心の恐怖を形にして描き出して見せるのとは違う。今目の前に見えている現実以外に、あるかもしれないもうひとつの世界。ただ、想像のなかにあるだけだと、誰が言い切れるだろう、、、 | ||||
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『エンドウさんという子が宇宙人に連れていかれるんだって・・』東北の谷津と言う街で、噂が次々と本当になる。谷津で生まれ育ち、高校生となったみのり。彼女の周りでその夏起こった出来事は、ただの偶然ではなかった。閉鎖感の有る町や学校を舞台に繰り広げられるホラーだが、其処には恩田陸さんの作品にいつも見られる爽やかさがある。実は私は今までこれは青春小説だと思っていた。ホラーの要素も強いが、細かい登場人物の心理描写に惹かれる。私たちは成長すると、自分の居場所に不安や疑問を抱くようになる。だけど「あそこ」に行ってしまったらどうなるのだろう?谷津だからこそ「あそこ」に行ける。それは一体どんな場所なのか。彼等は行ってしまうのか、帰ってくるのか?読んでからのお楽しみ!読後の感慨はなんとも言い難い。 | ||||
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高校生という微妙な時期・・・迷いや不安や周りと同じという物足りなさや・・・誰かが背中を押してくれたら・・・そんな中で噂が立ち、女の子が消える。誰にでもこんな時期があって、うなずけるのでは?という作品でした。ホラーとは言えませんが、不思議な雰囲気が漂います。また、「場所」が大きな意味を持っている気がします。 | ||||
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ホラーというよりも、ファンタジーのような作品。多感な高校生の時期に抱く感情を細やかに描いており、「そういえばこんなことも思っていたな」と懐かしくなります。 読んでいるうちに街のイメージが浮かび上がってくるような描写も秀逸です。 | ||||
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