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騙し絵の檻
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騙し絵の檻の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.73pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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初めの状況場面をよく記憶しておけばよかったなあ・・・?! | ||||
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全く知らない作品でしたが、ここでの高評価に惹かれ読んでみることに。 読後感としては犯人当ての側面からみると高水準の作品であることは間違いないです。容疑者はかつての主人公と一緒に会社役員を勤めていた知己のメンバーに限られているのに、犯人の予想もつきませんでした。ある意味、視点の転換のようなものが必要。真犯人が分かってしまえば「そういうことか」と納得もできますし、着想は見事。 ただ、そのラストに向かうまでの過程は、私には読んでいてもあまり面白くありませんでした。 まず主人公にあまり魅力を感じない。 展開的に容疑者にあたる過去の友人知人を1人ずつ訪問し当時の状況をヒヤリングする場面と、回想場面ばかりで飽きてくる。 その回想も16年前だからなのか敢えてなのかボンヤリとした印象で描かれていて前後関係が分かりにくい。ラストの真犯人暴露の際も「えー、あれ、そうだったっけ?それいつのこと?あ、あったあった」と前のページを繰って確認した(苦笑)。 その一読するだけでは当時の状況が把握しずらいせいで、考える余地を与えず視点の転換ができにくくなっている点も否めない(敢えてでしょうけど)。 過去の経緯が正確に頭に入っていれば(まあ私が入ってなかっただけですが)犯人を当てることも読む人によっては可能かもしれないし、仮に当てられなくても「ああ、騙された!」と衝撃度はもっともっと大きかったはず。人ははっきり見えていたのに気づけなかったことに悔しがるものだから。 どちらかというと玄人受けする作品かもと思い★4つにしました。 | ||||
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何度も読み返しています、ここまで読み返した本に最近では久々に出会えました。 まずオープニング、過去と現在が同じ場所で交差します。この手法が鮮やかです。 時間軸を操るタランテーノの映画を見ているようです。 しかもちゃんと読めば過去と現在がごっちゃになることはありません。 さらにここで主人公の性格の違いも見えてきます。 この辺りが後々の話に大きく関わってくるのです。 オープニングで多くのことを説明している割に 刑務所に入った後の描写がありません。 (入ってすぐの話はあるのですが) 想像ですが、そこまで書いてしまうと陰惨すぎたり暴力描写が多すぎるので 作者が避けたのでしょう。 その分、なにがあったかは主人公の性格の変化で理解できるようになっています。 ラストの犯人が判明した所では、見事にだまされてしまいました。 ただ、作者も推理小説を書きなれていない頃だったためか 犯人に至った推理の説明がサラッとしすぎているように感じます。 一度読んだだけでは、どこに伏線があったのか判りにくいです。 読み返せばもちろん判りますが そもそも伏線に気づかせる気がない、そんな部分もあるように感じます。 そんな訳なので犯人を当てるのは至難の業ですが ぜひ読んで欲しい一冊です。 惜しいのは、この作者の他の作品が3冊ほどしか翻訳されていないこと。 これは本当に残念です。 | ||||
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まずなにより、作中で場面が変わっているのに行続きである、そして過去のシーンへ行くときに1行空白をあけるだけ、という点がめちゃくちゃ不可解。翻訳者の力不足だろうか?そして肝心の物語だが、すごく暗い。十数年、誰かにはめられて無実の罪で刑務所にいた男が主人公なのだから、明るくハッピーにいこうぜ!とは言わないが、地の文も描写も会話も展開も恐ろしく暗く、そしてここが一番大事なことだが、超退屈。なんだか外国のミステリって、ラスト以外はすべて退屈、という本ばかりではないか?(フロスト警部シリーズは除く)ラストの犯人指摘シーンでも、別に驚かないし、感心もしないし、そこまで推理できるのなら序盤と中盤の懊悩はなんなんだよ!という感じ。読み終わって、とても疲れました。この作品が40ページくらいの短編なら、15倍は面白くなったと思う。これがベスト1に輝いた作品というのなら、外国の作品はしばらく読まないでおこう…。 | ||||
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本格ミステリベスト10にてゼロ年代本格ミステリの一位に選ばれていたので期待して読みましたが、結果はタイトルの通り。 まず本格としてのくくりは、人それぞれですが、本作はかなり緩めです。 殺人の状況も、主人公が監獄に入れられていたことの怒りとか不満とかをダラダラとした筆致で述べる間に、ダラダラと描かれるので、きれいに整えられません。 物語も「'A.現在のメインプロット」「'B.被害者が殺された当日」「'C.逮捕されて尋問されている時」「'D.監獄での出来事」が入れ替わり立ち代わり述べられ、非常に入り乱れています。 そのため殺人状況の設定も甘く、最後に犯人が分かっても、「へー」といった感じで盛り上がりに欠けます。 また主人公がかなり嫌味ったらしく、同じ会社の人間(容疑者)に迫るので、読んでいて愉快ではありませんでした。 尋問する時も「今回は監獄式でビビらせてやるか」とかなんとか独白しており、はっきり言ってかっこよくない。 しかも、相手に反論されると「俺は16年間も監獄にいたんだぞ」とか言って同情を買おうとする。 そんなのいきなり現れて仕事の邪魔される側からすれば知ったこっちゃないって感じでしょう(その一言で容易く折れる容疑者側も人形みたいで作り物めいたキャラクター)。 そして最後は、今までは「俺は正義の復讐をするんだから俺の行動は全て容認されるんだ」式で、色々な人に失礼な尋問を繰り返した挙句、 会社の人間たちの(犯人じゃなく、推理の内容にも関係ない)プライベートな事柄を推理披露の場でドヤ顔で暴露 (主人公がしつこく自宅に押しかけて、捜査のためだと言うから仕方なく、内緒ということで話してくれたことも平気で)した後に、 とってつけたように犯人の名前を言って終わり。 多分主人公が冤罪を食らった(誰も助けなかった)のは、こいつに人望がなかったからじゃね? と思えてしまいました。 | ||||
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幼なじみのアリソンに誘惑され、一度限りの過ちを犯してしまったビル・ホルト。 しかし、ホルトがアリソンの前から立ち去ってすぐ、彼女は何者かに殺害される。 さらにその二週間後、アリソンを監視していた私立探偵が殺される事件が発生。 そしてホルトは、二人を殺した疑いで逮捕され、無実の罪で投獄されてしまう。 ――それから16年後、仮釈放されたホルトは、事件当時の記録を手がかりに、 女性新聞記者・ジャンの助けを借り、真犯人を捜し始める。容疑者はかつて のホルトの仕事仲間であり、家族だった〈グレイストーン〉社の役員たち――。 過去の殺人(1970年)と現在の再捜査(86年) が、交互に描かれていくカット・バックの構成。 再調査パートは、事件関係者への尋問と証言内容の検討が大部分を占めており、 ハードボイルド的な“復讐物語”――という見かけに反し、真相究明の手続きには、 あくまで本格の手法が用いられているのが印象的です。 そして、解決編では、容疑者がことごとく消去され、犯人たり得る人物が 一人もいなくなる――という事態に陥るのですが、そこからの反転が圧巻。 最終的に判明するのは、通常あり得ない犯行の構図なのですが、張り巡らされた 伏線によって説得力が付与され、作者の狙い――事件のプライオリティを読者に 誤認させ、ダミーの動機を想定させる――を実現しているのがきわめて秀逸です。 ガチンコのフーダニットとして、紛れもなく一級品というべきでしょう。 | ||||
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この結末は全く予想できませんでした。 ある程度ミステリーを読み慣れてくると、最初の数ページで、犯人の推測がつくのですが、 この本は、そんなことがありません。 読みながら一緒に推理をして、ひょっとしてまさか・・・、などと考えるのですが、その 予想を遙かに超越したラストが待ち受けています。 全体的にどろどろした話なのですが、最後の最後はスカッとさわやかな終わり方です。 種明かしの部分は何度読み直しても痛快です。 あまりミステリーを読まない人には勧められませんが、好きな人は是非読んでほしい一冊です。 | ||||
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伝統的なフーダニットを、現実世界に違和感なく溶け込ませており、後半の濃密な推理展開に圧巻。どんでん返しも充分に堪能できました。 探偵小説に言われがちな、現実性に乏しいという作品世界ではなく、主人公がなぜそこまで犯人探しに必死にならねばならないのか、という状況もきちんとされ、うまい具合に現代に本格世界を構築されております。 ラストのセリフにニンマリ。 | ||||
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「読者への挑戦!」とか言って、手がかりを全て描き出し「さあ犯人はだれ!?」とかやるのがあるけど、これは小説自体がそういうつくりになっています。 冤罪で15年も刑に服した主人公。自分の手で真犯人を見つけたい。容疑者は6人。すべてかつての友人たち。自分を陥れたのは誰? 主人公とともに「誰が」「なぜ」とドキドキしながら読み進められ、「知恵をしぼって推理する」楽しみを存分に味わえます。 奇をてらったキャラや殺人やトリックや叙述や何やら出てこなくても、面白いミステリーは書ける!という見本のよう。 解説に法月倫太郎氏も書いてあるけど、正しく犯人を指摘するのはかなり難しいです。(ていうかきっとムリ!)でもおもしろいよ〜 | ||||
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なんか期待してたのに、訳し方が下手なのか、あらすじを読んでるみたいに感じたのは、私だけでしょうか? プロットがと言う前に、文章にしらけてしまいました。 | ||||
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推理小説が好きである。読者に推理の材料をすべて提供しているのでなければ推理小説とはいえないと思っている。推理小説は少ない。「やられた」と思わされる推理小説は希少だ。 これはそんな数少ない推理小説であり、しかもきちんと人間が描かれている見事な作品である。結末を読む前に何度も今まで読んだ部分を読み返して犯人は誰なのかを考えることができる。 考えてあらかたのことを見通せたとしてもなお、結末を読むと思いもよらなかった細部が明らかになり、その見事さにしばし呆然としてしまう。 最後に、これはとても大切なことだけれど、重苦しすぎたり、陰惨だったり、読後にやりきれなさが残ったりということがなく、品のあるところもすばらしいと思う。 | ||||
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