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黒い海 船は突然、深海へ消えた



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【この小説が収録されている参考書籍】
黒い海 船は突然、深海へ消えた

黒い海 船は突然、深海へ消えたの評価: 4.43/5点 レビュー 112件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.43pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全112件 101~112 6/6ページ
No.12:
(5pt)

真摯な取材

真摯に取材されていることが感じられる文章で、人々の語った内容・思いが記されている点が大変興味深かったです。
黒い海 船は突然、深海へ消えたAmazon書評・レビュー:黒い海 船は突然、深海へ消えたより
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No.11:
(4pt)

力作

執念とも言える綿密な取材で、問題に迫った本。著者の筆力は大したものだ。
と書いた上で、気になる点をコメントしておく。喜多さんの発言のところ(114ページ)。「運輸安全委員会の調査官に、元船員はなれなかった」は、嘘である。実態は半数以上が元船員で、当時の次席調査官の西村さんも、元船員だ。こういう簡単なところで、間違っていると、他のところの信憑性が怪しくなる。発言の裏取りが甘いところがあるのではないか?
 しかし、事故の関係者が納得しない報告書は、成功したとは言えない。報告書の信頼性の精度を高めるためには、アメリカのNTSB のような、再調査制度を導入すべきだ。アメリカでは、調査は決して終わりにならず、全て継続しているとされる。事故の関係者は何年経っても、自説をぶつけてチャレンジできる。NTSBは、修正すべきところがあれば、平気で修正する。棄却する場合でも現在の委員会のメンバーが、理由は文書で説明する。日本では、このような制度がないために、過去の調査官に意見を聞けば、多くの人が守秘義務を理由に沈黙する。説明がなければ疑惑を呼ぶ。制度の改良が必要な時期だと、当レビューアーは思う。
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No.10:
(5pt)

多くの方に読んで欲しい本です、心から

30日から読み始めた本書、大晦日に一気に読み進めました。元々、Slownewsで連載が始まったのを読み始めたのですが、数回で読むのを休んでいました。この度、この連載が書籍化されて手に入れて読みました。

このタイミングで読むことができて本当に良かったです。多くのことを知ることができましたし、先日亡くなられた渡辺京二さんが長年伴走してきた石牟礼道子さんの詩が出てきたり、読むタイミングとして個人的に拍子が合っている感じがしました。

引用
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野崎はのちに「泥の中に咲く一輪の華、万句の励ましより希望の小さな光の方がリアルでした」と私に明かしている。

人の話を深く聞くことの意味についても野崎は語った。「石牟礼作品から野崎さんが受け取ったものは何ですか」という私の問いに答えてのことだ。
「話を聞く行為って大事なんだろうな。ダイレクトに主張するのではなくて、聞くことで相手をかえって癒せるなって。励ましを寄越すというのじゃなくて、黙って聞いてくれるだけでいいのかなって。そこの意味合いが、石牟礼道子の話の中に(見える)。あれは、うんと(患者家族らの声を)聞いて書いたからあの大作になるんだろうけど、あの過程に石牟礼道子の『聞く』という行為がすごくあるんだろうな」
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主人公たる酢屋商店の野崎さんは青山学院大学経営学部へ進学。漁業という家業を継ぐことにはなっていたものの、好きな小説や哲学書を読みふけって、高等遊民のように自由に暮らしたいと思っていたそうです。
またジャズ喫茶によく通い、今の新宿アルタ裏の地下にあった「ビザール」がお気に入りで当時から愛煙家でその店で煙草を吸い、ジャズを聴き、本を読んできたそうです。だからなのかカミュに出てくるシーシュポスの神話の話なども出てきます。

この事件、および東日本大震災を経験しての野崎さんの言葉にはなんとも言えない重みがあります。とは言え、何かを声高に非難せず、黒とも白とも判別できないことに居続ける。
これをネガティヴケイパビリティと言わずにないをいうのかと思うほど圧倒されます。

2022年の終わりにこの本に出会えて本当に良かったです。

そして振り返ると偶然とは思えない形で引き寄せられて本書を書くに至った伊澤さんに心からの感謝を。

「伊澤理江(いざわ・りえ)
1979年生まれ。英国ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。英国の新聞社、PR会社などを経て、フリージャーナリストに。調査報道グループ「フロントラインプレス」所属。これまでに「20年前の『想定外』 東海村JCO臨界事故の教訓は生かされたのか」「連載・子育て困難社会 母親たちの現実」をYahoo!ニュース特集で発表するなど、主にウェブメディアでルポやノンフィクションを執筆してきた。TOKYO FMの調査報道番組「TOKYO SLOW NEWS」の企画も担当。東京都市大学メディア情報学部「メディアの最前線」、東洋大学経営学部「ソーシャルビジネス実習講義」等で教壇にも立つ。本書が初の単著となる。」

ぜひ、読んでください!
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No.9:
(5pt)

読み応えのあるノンフィクション

大変読み応えのある作品でした。綿密にリサーチされた内容と描写に著者の深い思いを感じ取れました。硬派なノンフィクション、久々に読んでよかったと感じる作品。
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No.8:
(3pt)

The item was good as described by the seller.

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No.7:
(5pt)

久しぶりに出会った本格的なノンフィンション作品

冒頭の沈没時の描写は圧巻。関係者へのヒアリングや報告書の再点検及び海外事例との比較など執念深い取材が行われていて、久しぶりに出会った本格的なノンフィクション作品と感じた。
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No.6:
(5pt)

非常に読みやすいがじっくり考えさせられる闇

取材中の関係者含む情景描写がまたリアルさを一層引き出し、まるで自分も一緒になってこの「黒い海」の真実への追求をしているような感じまでしてしまう。一気に完読。
ノンフィクション自体をあまり読まない方へもぜひお勧めしたい。
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No.5:
(5pt)

消化不良が約束されたテーマ

2008年、千葉県犬吠埼東方350kmの洋上で福島県いわき市、小名浜港所属の巻き網漁船・第58寿和丸が暫しの休息のため、漁の手を止めアンカーを降ろして停船中、突然転覆・沈没し、乗組員17人が犠牲になる海難事故が起こった。生存者はわずかに3人。彼らは「船体に衝撃を二度受けてわずか1~2分のうちに転覆、投げ出された海面は大量の重油で黒く染まっていた」と証言するも、後に事故原因を調査した国土交通省の運輸安全委員会は「二度の衝撃は波によるもの。船から漏れ出た油も一斗缶程度」という、先の証言をまるで無視した報告書をまとめて幕引きした…。
 う~む、いかにも陰謀論の匂いがぷんぷん。まるで(未だに戦闘機による撃墜説が消えない)1985年の御巣鷹山・日航機墜落事故みたいな話ではないか。現場は海上。時あたかも、環太平洋合同軍事演習も控えていた。となれば、潜水艦に衝突したのでは、という想定も浮かんでくるわけだ。大体船舶というものは、仮に転覆したところで、そう簡単に沈没しない。それが船員の逃げ出す間もなく沈没したなら、船体破損に伴う急な浸水が起きたと考えざるを得ないが、さて真相は? これが本書の大筋である。
 潜水艦当て逃げ説は事故当時から囁かれていたようで、相当に無理筋に見える日航機撃墜説とは違って、こちらの蓋然性は高い。事故調査の関係者に緘口令が敷かれ、生存者の証言は悉く無視された挙句に、自沈事故であったことを前提にその条件に合うような原因が後付けで創作されたとしか思えない事故調査報告書が、こともあろうに東日本大震災後間もない混乱期に公開された。皆の関心が集まらないタイミングをこれ幸いに…?
 著者は多くの関係者や有識者に取材し、「事故の真相」に確信を深めていくのだが、追及もそこまで。船体自体を調査できればともかく、そもそも沈没船は5,800mの深海に消えている。事故発生地点が明らかでも、船は真っ直ぐに沈むわけではない。よりによって強力な海流・黒潮の通り道でもある。沈没した船体がどこまで運ばれたか、砂の中から1本の針を探すような作業になるだろう。現場の深度でも船体の大きさでも、あのタイタニック号の捜索と比べて桁違いの難度。本書では、沈没船の捜索が結局行われなかったことを批判的に述べているものの、まぁ無理だ。まして軍隊が絡むとすれば、政治的・外交的にも厄介極まりない。その意味で本書は労作ではあっても、予め消化不良となることが約束されたテーマと言ったら酷だろうか。それでも、潜水艦と洋上船舶との間の事故が決して少なくないことを具体例とともに示したり(本書219頁)、第58寿和丸の生存者が体験した「二度の衝撃」がどんな場合に起こり得るかを海上自衛隊OBの言として紹介したり(227頁)と、左派論壇などに兎角ありがちな単なる思い込みに陥ることなく、常に仮説と検証を心掛ける姿勢は素晴らしい。
 最後に本書を読んで特に印象深かった事柄に触れておこう。運輸安全委員会の調査官が沈没船の船主相手に放ったという、海難事故調査の優先順位の話。「1番は旅客の事故です。2番は商船です。3番目に漁船の事故がきます」(96頁)。漁師とは元々危険な職業で、操業中に事故に遭うのも自己責任のうちらしい。同じ人命を思えば差別的で身も蓋もないが、平素意識はしないまでも、自分も似たようなものだと省みてドキッとした。例えば、22年4月に起きた知床遊覧船沈没事故を本書の事故と並べたら、どんな心象を抱くことか。そんな自戒も込めて一読を薦めたい。
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No.4:
(5pt)

圧倒的な迫力で謎に迫る

ほとんど誰も記憶してない漁船の事故に、こんな裏があったのかと驚きの連続です。あっという間に読了。素晴らしい作品です。
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No.3:
(5pt)

一読の価値アリ。

興味深く読みました。
関係者への取材も丁寧で当時のことが克明に分かり、筆者が事件に真摯に向き合っていて好感が持てます。
本来、運輸安全委員会が調査で行うべきことを筆者が時を超えて行っているような気がします。
今の時代ならこの本が多くの人の目に止まって話題になることによって、さらなる検証が進むかもしれません。そうなることを願っています。
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No.2:
(5pt)

事故調査の在り方を考えさせられる

本書を読むまで、この事故のことを知らず、報告書の概略にも目を通してみました。
残された証拠や証言から、事故原因を検証することが運輸安全委員会の役割だと思っていましたが、幾つもの推論を繋いだだけの、結論ありきとも取れる内容でした。
これがまかり通るようでは、事故防止の役にも立たず、何のための調査なのか。プロセスや情報公開の考え方を見直し、同種の海難で人命が失われないことを切に願います。
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No.1:
(5pt)

出色のノンフィクション!

一気読み。すごい話が埋もれているもんだな。作者の取材力・筆力もすごい。
同じ時期に同じ講談社からノンフィクション「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(森功著)も出たが、遜色ない。というか、どちらかというと、読む前から内容の想像できた「国商」よりも、いい意味で驚きと新鮮さがあった。2022年、年末の大収穫!
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