蚕の王
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1950年、静岡の二俣町で一家4人が惨殺された事件をモチーフにした小説です。 逮捕された男は無実でしたが、警察から執拗な拷問をうけ嘘の供述を強要されます。 拷問を主導したのは、これまでに数々の勲章を得てきた紅林刑事。 耐えかねて自白した結果、一審および控訴審ともに死刑判決となってしまいます。 義憤にかられた山崎刑事が内部告発をし、弁護士の清瀬一郎の力を借りて最終的には逆転無罪判決となります。 容疑者を有罪にするために無理矢理ストーリーを作り上げていく手腕と執拗な暴行が恐ろしい。現代ではそこまでの暴力はないでしょうけど、いまだに自白を重視する日本の司法では同様の事がたくさん起こっているのではないでしょうか。 70年前の事件を現在生きている人達からの取材で、ここまで生々しく描写できており凄いと感じました。 引き込まれる様であっという間に読んでしまいました。 | ||||
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二俣事件の描写と作者の取材の描写が章ごとに入れ替わり、途中に前日譚としての浜松事件の描写がまるっと入るという、凝った構成。当然赤松警部(史実の紅林麻雄警部)が中心となるが、前半は吉村刑事(山崎兵八巡査がモデルと思われる)、後半は清瀬一郎弁護士もクローズアップされている。最終的に悪が裁かれる、というカタルシスに偏重することなく、作者が地元出身ということもあるのだろう、綿密な取材に基づいた重厚な読後感が松本清張の社会派小説を思わせる力作。この本のテーマは袴田事件を見てもわかるように現代へも続いており、問題提起にもなっている。自分が映画プロデューサーなら映画化したい。 | ||||
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冤罪の恐怖と悲劇です。 | ||||
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社会から隔絶されたところで蚕のように硬い繭を作り、拷問によって自白を強要、裁判官を巻き込んで“犯罪者”を作り上げる。現憲法下の警察・検察・司法で横行した自白偏重の典型“二俣事件”のリアル。 | ||||
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当時の警察組織の問題も大きいが、冤罪を疑われると逃げようがない恐怖を小説というよりドキュメントというかルポのような臨場感で描く。 このような出来事を防ぐには可視化が大きな役割なのは分かる。 当時の事件の追いかける内容としては読み応えあるが、真犯人に迫るのはやり過ぎか。 架空の事件ではないからこそ確実な証拠に基づかない限りは、間違った判断になりかねない。 それでも綿密な取材と構成によって成り立っているので読ませる内容である。 | ||||
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