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北緯43度のコールドケース
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北緯43度のコールドケースの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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乱歩賞受賞作を読むのは久しぶりです。読後感は良かったです。ドラマ化されたら、主人公の沢村は誰が適役か、詩織や片桐はとか、思うほどに登場人物が魅力的に息遣いていました。中盤以降、面白さが加速します。 監査面談の、主人公の沢村の対応が爽快で、終盤の犯人との対峙がスリリングでした。 確かに警察小説としては、新味はありませんが、誘拐の謎はなかなかのもので、同じ主人公の続編が読みたくなりました。個人的には、警察小説の佳作だと思いました。 | ||||
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江戸川乱歩賞受賞作だそうだ。公募の文学賞では巻末に選考委員の選評を載せていることがままあるが、本書もその一つ。私は新刊を買うと先ず解説なり選評を読んでしまう質で、これが結構面白いのだ。有り体に云うと、本作の評価は受賞作の割りに芳しくない。 “特に序盤、書き方がちょっと読者に不親切すぎて首を傾げたくなった…“ (綾辻行人) “いいお話しだし、メインの誘拐は納得がいくし、面白い。なのに、読後感が「うわあ」。これ、作者が詰め込みすぎているからだ。” (新井素子) “心理描写、情景描写も濃かで、ディテールに関しては申し分がない。だが、惜しむらくは小説としての体裁が整えられていない。“ (京極夏彦) “候補作中最も興味深い謎を提示していながら、同時に最も読みにくい作品でもありました。それは小説としての拙さに由来するものです。“ (月村了衛) “候補作中、一番小説が下手でした。” (貫井徳郎) 散々である。 実際に読了してみて、改めて納得。「なるほど、そうだよなぁ」。出版に際してある程度改稿はしているはずで、それでもこれか。 まず、主人公のプロフィールが読んでいて分かりづらい。冒頭部分は何度か行きつ戻りつしてしまった。 詰め込み過ぎというのも、その通り。主題となる幼女誘拐、そして数年後の死体遺棄事件に加え、少女売春グループ摘発とリンチ傷害致死事件、主人公の大学院在籍時に起きた恋人の自殺、家族の心のすれ違いと親の認知症問題、主人公の迷いと転職の誘い…、それほど長くもない物語のなかにこれらがテンコ盛りなのだ。勿論それらが全く無駄なエピソードというわけではなく、事件の真相解明のヒントになったり、捜査・尋問のテクニツクに活かされたりの展開に繋げてあるのだが、まぁもっと要領よく料理して欲しいな。 とは云うものの、メインのストーリー自体はとても楽しめた。主人公の周りを固めるキャラも悪くないし、とことん嫌な奴とか、サイコパスな犯罪者なんてのも出ないから、読後感もすっきり。女刑事ものというと、乃南アサの『刑事 音無貴子』シリーズが真っ先に思い浮かぶが、あんな感じで上手く転がせばシリーズ化もできるんじゃないか。次作に期待したいものである。 | ||||
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私はキンドルで読んでいる。 一、主人公 38歳の美人女性独身警部補沢村依理子。東京有名大学の卒業で、大学院で経営組織科学を選考し博士号を取るが、リーマンショック時代に就活に失敗して北海道に戻り、コンビニアルバイトを経て、30歳で警察官になったノンキャリア。愛読書はヴェーバーで、 クラシックを聴く。警察学校→交番勤務→道警本部総務課→同刑事企画課→中南署刑事一課を経て創成署生活安全課防犯係長。女性2人、男性1人の部下をもつ。 二、事件 2013年におきた3歳の島崎陽菜ちゃん誘拐事件。犯人の男は身代金受け取りに失敗し、ホームから落ち事故死。陽菜ちゃんの行方不明。 2018年、最近殺害されたらしい陽菜ちゃんの死体が倉庫で発見される。沢村も捜査に加わるが未解決に終わる。 2019年、捜査資料を何者かが雑誌社に送り、漏洩犯の疑いをかけられた沢村が、未解決誘拐事件、殺人事件の再捜査を始める。 三、私的感想 ◯全体として、大変面白い。一気に最後まで読める。主人公の迷えるキャラクターも悪くない。 ◯選評の当たっているところが多い。「誘拐事件の構図に新味」、「メインの誘拐は納得がいくし、面白い」・・・同感だが、現代ものにしては大胆な。 ◯「作者が詰め込みすぎている」・・まあ、そうですが、これでもかこれでもかという感じで楽しいです。 ◯「心理描写、情景描写も豊か」「人物の肉付けはうまい」・・その通りですが、どの人物も過去の傷、または現在の問題を抱えていて、なかなか大変です。 ◯ミステリーとしての謎の魅力については、どの審査員も誉めている。同感。 ◯警察小説、捜査小説としてのディテールについては誉めているのが多数派、けなしているのが少数派。私は多数派につきたい。 ◯小説の技巧については、「一番下手」等の酷評が並んでいるが、刊行された本にそういう感じはなかった。刊行までにかなり手直しされたのかな。 ◯極私的感想としては、ラストのクライマックスで大女性ミステリー作家の乱歩賞次点傑作のようなムードになってきて、これはすごいと感動しかかったのだが、着地点はちょっと違っていた。 | ||||
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