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おれたちの歌をうたえ
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おれたちの歌をうたえの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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初めて読む作家である。 何かの書評で読んでみようと思った。 読み進めるについて、これはいったいどんなジャンルのミステリーなんだろうと不思議な感覚にとらわれた。 主要な舞台は1977年の長野県上田市と令和元年の松本市。 1977年に起こったある事件が、現代につながってくる。 1977年の事件は青春小説のようでもあり、スティーブン・キングの少年時代回顧譚のようでもある。 令和元年のそれは一転して、暗号解明の本格推理ものめいてくる。 しかも、途中からそこに、その中間にあたる平成11年の東京での話がからまってくる。 警察小説のようでもあるし、全体を通してハードボイル風でもあり社会派ミステリー的でもある。 一歩間違えば、ごった煮すぎて収拾がつかなくなりそうな要素を、しかし最後には見事におさめてしまう。 本そのものから作家の熱量が迸っている。 もちろん、かなり無理筋の展開もあるにはあるが、大した手腕である。 1冊を読んだだけなのに、3冊読んだほどの疲れを感じたが、心地よい疲れである。 | ||||
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ミステリーと言うには無理がある、そういうつもりで読むとガッカリする。またスリラーと評することにもかなり疑問を感じる。何故なら、ある程度どんな終幕になるのか見えてしまっているから。 しかし、これは文芸とは言える、かなり高い評価を与えられる。 最後の方をもう少ししっかりと描けていればと残念であるけど、作者も力尽きたのかもしれませんな。 | ||||
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圧巻の物語が誕生した。 「生病老苦」は仏教の四苦だが、その「生きること」の苦しみを描き切り、且つその「生」と表裏一体の輝きを見事に表現した傑作である。 なお、大筋とは全く関係ない「小説なんざ好きにほめて勝手にくさして、銭のぶんだけ楽しみゃいいんだ」というとある作中人物のセリフと、呉勝浩氏の当時のブログから悪意のない遊び心を感じた。個人的には、前作「スワン」が第162回直木賞候補作になりつつも早々と落選したときに、東野圭吾氏の存在しない選考会に対して「この方たちは、読み取れなかったのだな」と失望を覚えたことを思い起こした。 | ||||
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迅速な対応で梱包もきれいでした。まだ、読んでいないけど楽しみです。また、お願いします。 | ||||
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書店店頭でずいぶんと書店の人たちの絶賛コメントが並んでいたので読んでみましたが、これは最後まで読むのがつらかった。誇大広告と思わざるをえませんでした。なにしろ登場人物たちの心情、言動にひとつも納得できないし、ミステリーも意味不明。こういう読者を裏切る本の売り方は控えたほうがいいのではないかと思いました。 | ||||
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元刑事の河辺のもとに、ある日かかってきた電話。友が遺した暗号。謎を追ううちに40年前に起きた悲劇の真相が明らかになる…。いろいろと気になる点が多い。まず、隠し財産が在ると信じるに足る理由が希薄。こんな状態の人の戯言を誰が信じるの?暗号の解釈が飛躍しすぎ。説明を聞いても、ちっとも「なるほどね~」とならない。コーショーの言動。すぐバレるだろ。欣太の行動。知恵も力もあるなら、わざわざ河辺に関わる必要ないだろ。最後に芝田が告げた真相。どういうつもりで命がけの行動してたの?あと登場人物は分かっていることを読者に明かさずに引っ張ってミステリーとするのは反則だと思う。 | ||||
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令和元年11月。四阿山の中腹に宿泊し、「上田」近辺を散策することになりましたが、台風19号によって千曲川が氾濫したその後の光景を目のあたりにしました。少し遠方から見た「別所線」の崩落した橋の眺めは、今回の読書の舞台へとつながっています。 「おれたちの歌をうたえ」(呉 勝浩 文藝春秋)を読み終えました。令和元年11月に読んだ「スワン」については、「流された多くの犠牲者の「血」が見えてこない以上、この物語はロジックの整ったパズラーのようなファンタジー」に見えると私は書きました。 今回もまた、令和元年。ワケありの元刑事であり、現在はデリヘル嬢の運転手・河辺は、地元のヤクザ・茂田の呼び出しによって、高速を飛ばして長野県松本市の安アパートへと辿り着きます。そこには、河辺のかつての友人・佐登志がしなびた姿のまま仰向けになって死に絶えています。何故、河辺は茂田から呼び出しを受け、ここまで来ることになったのか?どんな理由から、佐登志が死ぬことになったのか?或いは、殺されたのか?時間軸は、令和から昭和、平成の時代へと遡り、舞台は、松本、菅平、長野へ。そして、東京へとある間隔を置いて変転していきます。はじまりは昭和五十一年の日本、ローカル。(その中では、「ライオン・ブルー」で描かれた血潮を流れる「故郷」への思いであったり、簡単には抜け出すことができない時代の「閉塞感」もまた描かれています。) 昭和の時代に五人の少年たちに起きたいくつかの事件が多くの罪を振り撒きながら、「平成」、「令和」へと継承され、「昭和」を埋め合わせたはずの「平成」が、実はそうならないまま「令和」へと引き継がれ、何も埋められることなく物語がラストへと重層的に爆進していきます。退屈か、熱か?心のままに生きることは、いつの世も許されることはないのか? 「ライオン・ブルー」が呉勝浩の「血の収穫」に思えた私ですが、今回は「黄金」(ジョン・ヒューストン)なのかと思わされたりもしましたが、それは全然異なっていました(笑)。私の見立てなどその程度のものです。 繰り返し語られる文学としての「暗号」。若者たちに囚われを生み出す二つの「事件」。荷風、ヴェルレーヌ、中原中也、太宰が引用され、「龍」と「青春の殺人者」とあの頃の私たちに最も影響を与えた刑事ドラマと「天才一家」の物語がこのスリラー、パズラー、ミステリの中夥しい数の巨大なコマのようにぶんまわります。そして、その時代の遥か向こうに見える「革命的世界」の空虚さ。 スリラーであるが故、これ以上そのコンテンツを語れない私にとって、何点か「どうかな?」と思えるような疑問を感じながらも、北方謙三、志水辰夫への熱狂を思い出しながらこの物語を読み終えたとき、何故か矢作俊彦の「マイク・ハマーへ伝言」の中で繰り返されるテーマでもある「闘牛の額のような愚劣さ」へと辿り着くことになりました。 結局そこに帰着するのか。力作だと思います。 | ||||
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