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老いた男
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老いた男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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主人公は60代男性。スーパー老人がすごいです。 年齢感じさせない大活躍します。ちょっと前ならハリソン・フォードで映画もつくって欲しい。 アメリカ映画にある過去を背負った設定、突然の襲撃、追跡、逃避行、逆襲と盛りだくさん。 州だけでなく、国境を超えた結末は荒唐無稽だが、これもありかな。 | ||||
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なかなか面白かった 米国のスパイものとしてはこんなものだと思う | ||||
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★犬関連のネタバレ★ 主人公は二頭の大型犬を飼っている。犬たちは最後まで無事です。 レビューを覗くとひたすら逃げて逃げのびる主人公らしかったので「逃げのびるなら読むか」と安心して購読。 ハラハラの展開だけれど生きのびるとわかっていたのでゆったりと楽しめた。 老いたゆえに老練な男の賢さたくましさが読みどころ。 | ||||
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本当に、こんなことが 有ったのかもしれないけれど、遠く離れた 日本では、夢物語、まるで アクション映画を観ているようで、読み終えたら、すぐに 忘れてしまいます。 何年か後には、また新鮮な気持ちで、読み直せます~♪ | ||||
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外国の本は今まで何回か手にしましたが、あまり馴染めず、途中でやめてました。 この本はとても読み易く、一気に読み切りました。 老いていながら、頭はキレ、先を読む力、体力、知識力に脱帽。 ハラハラする展開に、私もこんな老人になりたいと思いながら読破。 トマスペリーのファンになりました。 | ||||
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今日、初めてこの著者のサスペンスを読んだ(公立図書館から借用)。 前期高齢者になった私(レビュアー)にとって、還暦の主人公というのは身につまされる設定で、些か格闘技を嗜み、ピアノも好き(下手の横好き以下ではあるが)な私は、たちまちストーリーに没入した。 凡庸なサラリーマンOBである私に情報工作員の世界は無縁だが、この作品の主人公がいつも非常時を想定し、周到な準備をしている詳細な記述は、単なる楽しみとして消費するサスペンス小説に留まらず、私たち日本の読者にとっても自分と家族の身を守るのに大変役に立つと感じた。 日本は世界で最も治安がいいという。 それが本当かどうか、外国に住んだことのない私にはわからないが、本当なのだろう。 日本人は通勤電車で居眠りできる呑気な人ばかりだから、バスや電車でたった一人の変質者(頭がおかしいだけで、格闘ではまず素人)が爆弾やマシンガンでも日本刀でもない、短い刃物1本振り回しただけで、烏合の衆のパニックになって逃げ惑う。 私自身、子供時代から中年まで、断続的に伝統武道を複数、延べ12年修行した経験があるが、昨日2021/11/1、東京で起きた京王線刺傷事件(70代の男性が電車内で若い男に刃物で刺され、意識不明の重体、ほか16人が負傷 )をニュースでみて、自分がその被害者だったらどう応戦したか、いや、そもそも有効に応戦できただろうかと自問した。 こんな場面では、長めのアルミ合金製特殊警棒がかなり有効だが(勿論、それを使いこなすには相応の訓練が必要)、今どきは警棒を携行するだけで違法で、自分が警察に捕まってしまうので持ち歩くこともできない。 一般人が路上や公共交通機関で移動するとき持ち歩いて罪に問われず、違和感がないものとしては、折り畳み式でない長い傘が刃物への防戦には最適と考える。 ただ、折り畳みでない傘は晴天のとき持ち歩くのは妙である。 折り畳み傘は携行には便利だが護身には殆ど役に立たない(それでも、手ぶらよりはいいが)。 そして、傘を武器にするにも、やはり剣道や杖術などの訓練が必要だ。 とはいえ、技術がなくてもただ傘を振り回すだけでもないよりは遥かにいいので、通り魔が心配な人には、軽い安物ビニール傘の携行をお勧めする。 まあ、外出時に通り魔に襲われるなどという非常事態は、宝くじに当たるよりは確率は高いにしても一生に一度あるかないかだから、そこまでする意味があるかどうかは人それぞれの考え次第だ。 私は、勿論護身術肯定派だ。 なぜなら自分だけなら兎も角、身を守る能力ゼロの女子供(家内や孫)が同行していれば、私が通り魔から守らなくてはならないからだ。 この小説に描かれているアメリカのありふれた小都市の街路、住宅地の治安の悪さは、大袈裟な作り話でなく現実であろう。 これでは、アメリカの一般家庭に護身のための銃が必要になるのもしょうがない。 英米サスペンスに填まったのは、一昨年のマイクル・コナリー以来だ。 トマス・ペリーの旧作を検索して、かなり以前から邦訳が何冊か出ていることがわかり、その何冊か図書館に予約した。 図書館で見つけた本(特に小説類)は、特別面白かったら借りた本は拾い読みだけしてすぐ返却し、自腹で購入してじっくり読んで書棚に収め、1~2年に1回くらいの頻度で読み返す、という読書スタイルを私はしている。 文学作品(ラブコメだろうがシリアス文学だろうが)は、読み手次第で好著にもなれば駄作にもなり得る。 そこが小説と、学術書や実用書との最大の違いだ。 とはいえ、フィクションであってもある程度は客観的に必要な水準というものはある。 この本は、その意味でもかなりいい出来だと私は感じた。 具体的にはストーリーの起承転結がはっきりし、登場する機材や自動車、(著者にとって&日本の読者にとって)異国・異教徒の生活習慣などについての状況説明が過不足なく、登場人物それぞれの性格や心情が理解できる。 そして、アメリカ情報当局の闇と、いまどきの国際情勢:リビアを中心とした中東/イスラム世界のカオスがリアルである。 中東に要らざる手を出してリビアを滅茶苦茶にした「A級戦犯」がアメリカ自身であることについては、勿論、著者は一言も触れない。 本書を読んでいて、人気劇画「ゴルゴ13」の小説版を読んでいるような気分になった。 勿論、翻訳者の力量も大きい。 小説としての不満点は小さいながら二つある。 1)ヒロインの過去(10代のとき自宅に侵入した強盗犯を射殺し、逃亡者となったこと)が最後に明らかにされたが、どう考えても正当行為で犯罪にならない。不自然過ぎる。 2)短いエピローグで、死地を脱して北米に帰還した主人公とヒロインとの再会が描かれていない。これも不自然。再会を果たしたのか、これから会いに行くのか、良く言えば読者に想像の余地(余韻)を残したエンディングと言えるかも知れない。 いずれにしても、本編の出来のよさに比べて上記2点はそれほどの瑕疵でもない。 もし本書の続編が予定されているとすれば、そこでこの二つの疑問点は解消されるだろうし、ヒロインと家族との30年ぶりの再会もアリだろう。 さて、この作品の後、著者の新作(邦訳)は、出ていないのだろうか。 もしかすると翻訳はまだでも、英米ではペーパーバックで新作が出ているのかもしれない。 それならペーパーバックをとりよせて読んでみようか、という気になる。 覚束ない外国語読解力(私)であっても、好きな著者の作品なら原書でも案外読めるものだ。 【2021/11/3追記】 ・・・と、思いついていまAmazon comを検索してみたら、今月、これから出版される予定の新作があった。 以下、書肆情報を米国アマゾンから引用する。ご参考まで。 The Left-Handed Twin: A Jane Whitefield Novel by Thomas Perry | Nov 16, 2021 Hardcover $22.95($25.95)Pre-order Price Guarantee. This title will be released on November 16, 2021. ここで気が付いてAmazon.jpに戻り、洋書検索をすると: The Left-handed Twin: A Jane Whitefield Novel 英語版 | 「Jane Whitefield」全9巻中の9巻 | Thomas Perryハードカバー ¥3,263 「予約商品の価格保証」対象商品。 配送料無料 この本の出版予定日は2021年11月16日です。 [以下はAmazon.jpの書肆情報から引用した内容紹介] Rescue artist Jane Whitefield leads a deadly crime syndicate on a wild chase through the Northeast Jane Whitefield helps people disappear. Fearing for their lives, fleeing dangerous situations, her clients come to her when they need to vanish completely—to assume a new identity and establish a new life somewhere they won’t be found. And when people are desperate enough to need her services, they come to the old house in rural western New York where Jane was raised to begin their escape.It’s there that, one spring night, Jane finds a young woman fresh from LA with a whole lot of trouble behind her. After she cheated on her boyfriend, he dragged her to the home of the offending man and made her watch as he killed him. She testified against the boyfriend, but a bribed jury acquitted him, and now he’s free and trying to find and kill her.Jane agrees to help, and it soon becomes clear that outsmarting the murderous boyfriend is not beyond Jane’s skills. But the boyfriend has some new friends: members of a Russian organized crime brotherhood. When they learn that Sara is traveling with a tall, dark-haired woman who disappears people, the Russians become increasingly interested in helping the boyfriend find the duo. They’ve heard rumors that such a woman existed—and believe that, if forcibly extracted, the knowledge she has of past clients could be worth millions. Thus begins a bloodthirsty chase that winds through the cities of the northeast before finally plunging into Maine’s Hundred Mile Wilderness. But in a pursuit where nothing can be trusted, one thing is certain: only one party—Jane or her pursuers—will emerge alive. (Amazon.comとAmazon.jpの情報は以上) この新作は、逃がし屋という裏稼業を営んでいる女性が主人公のようだ。「老いた男 」も名を変え職業を変え30年以上の逃亡生活を送るが、新作もそれに通じるストーリーで面白そうだ。 Amazon.jpで買うと為替レートを考えてもだいぶ割高になるが、Amazon.comだとアメリカからの送料がかかるから差は縮まる。仮に送料が$10とするとAmazon.jpと実質同等になる。逆転するかも知れない。航空便でも何日かかかるから、Amazon.jpから取り寄せたほうが数日早く手にはいる可能性が高い。 送料と実際の到着時期を調べて、比較するといい。 なお、同じ洋書がAmazon.ukやAmazon.deで、違う値段で売っていることがある。 勿論、送料もそれぞれ違う。 なお、Amazon.deで売っているアメリカンサスペンスはドイツ語版のことがあるので、ドイツ語が読めない人は困る。 逆にドイツ語版を買おうとAmazon.deを検索したら英語版しかないこともあるので、海外の通販書店から本を買うときは何語で書かれているか、発注ボタンを押す前によく確かめる必要がある。 ハードカバーは高いし書棚の場所をとるので、買うのはいずれペーパーバックが出てからでいいかも知れない。 但し、高齢読者はいつ出るかわからないペーパーバックや、出るとしても数年後になる邦訳を待っている時間がもったいないから、いまハードカバーを買って原書で読んでおくのも手だ。 | ||||
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辻褄が合わないところが多く、作家でなくても考えつきそうな展開に思えます。まあそうだろうと思える内容の文章に対し、いちいち補足して説明してしまうので、深みがありません。特に途中からのロマンスがあり得ないとしか思えず、読むのをやめました。 | ||||
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60歳が「老いた男」というには抵抗があるが、人間味がありぐいぐい引き込まれる。3回読み返したがその都度満足している。アメリカ全土を逃げながら旅をするというスリルがあり、次に読むときはアメリカの地図を見ながら読もうと思う。 | ||||
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久しぶりに面白く一気に読み終わった コロナ蟄居には最適の一冊 | ||||
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トマスペリーは好きな作家なので、今回も購読。こんな元気な初老に自分もなりたいですね。 | ||||
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40代でもオールドマンと呼ばれることが珍しくない白人社会においてもそこは小説、60歳の主人公の卓越した戦闘能力と現役の特殊部隊員さながらの観察力で生き残る展開は冗長で、亭主と離婚した中年女性とのロマンスもどきのストーリーもかったるく刺客に追われる緊迫感もなし。 35年も経って合衆国政府から命を狙われるというのもなんだかなぁですが、最初から最後までぬるま湯に浸っているかのような緩い展開。 元特殊部隊員や情報機関員が主人公であっても、マーク・グルー二ー、スティーブン・ハンター、クリス・ライアンやリー・チャイルドが描く世界とはなんとも異なる読後感。 つまらない、という訳ではないのですが他の作品を読んでみようという気にはなりません。 | ||||
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まるで映画並みの活躍ぶりです。一方でゴーン容疑者逃亡で主役を演じた老いた元特殊部隊員、前歴は小説と同じながら、果たして小説の内容と同様なことができるのか、あっさりと米国への帰国途上で摑まり、牢獄へ。そして早晩、日本へ護送。やはり現実は、そうとはいかないようです。 | ||||
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ラストの飄々とした姿はエンディングとしては好みのものだけど、全体的になんともリアリティがなくて・・・いや、元工作員なんだから、そもそも、リアリティを求めちゃいけないんだけど、それならそれで、グレーマン的に突飛もない設定にしてもらった方が楽しめる。途中のラブロマンス風のところも気に食わない。女性の連れがいる男の方が目立ちにくいという理由で利用している体であるけど。それでもどっちつかずでなんだかなと。もうすぐ還暦ですが、これを読んでも元気にはならんですww そう言えば、”Old man"って呼びかけを「大将」って翻訳していた映画があったねえ・・・あの頃のコネリーは32,3歳ってところだったんだがww | ||||
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横領したと思われたお金を返しても、当局が諦めなかった時点でリビアまで敵を処分しに行くのは見えてるよね。戦闘、サバイバルシーンもリアリティに欠ける。星3までです。 | ||||
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書店で手に取り、即買い。面白く読みました。ストーリーは皆さん書かれているので省きますが、命を狙われても逃げきるし、金銭投資にも優れ、一瞬たりとも気を許さず、オールドマンどころかスーパーマンです。犬が相棒の本は間違いなく楽しいが、この一年、自粛の日々が続きましたが、年の瀬にすっきりとした本に出会いました。 | ||||
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とてもおもしろかった。 …まず思ったのが、主人公の男性を60歳で「Old Man」としたところ。 文中でも若者に限らず中年男からも高齢者扱いされている。日本なら「おじさん」でしょう、孫世代でなければ。年齢と中身のギャップを引き立てるためにこのタイトルにしたのか。 解説によると「Old」は「老練な知恵を備えた」等々、多義的な用途があるそうだが。 とにかくこの男はすごい。頭の回転が速い、体力もある。 自分も長年専門職の立場で勤めたので「経験知」という言葉が好きだし、どんな分野においても存在するので一目置いているのだが、ここではそれが存分に描かれている。別著者のボッシュやリーチャーのよう。 中高年による、中高年のための、中高年を元気づける書物だ。中高年をなめるな!といった…。 中盤くらいまでは35年間も逃亡逃亡の生活を送っていて何て不幸な人なんだろうと思ったが、読了後はこれがこの男の性(さが)、得意分野でこうやって生きることが実は合っているのだろうとも思えた。 若い工作員の密かなバックアップはよかった。尊敬と友情の思いが芽生えたのだろう。 そして、男は単純な自己中、女は男が思いたいようにさせておいて実は計略が、というところも上手に突いていると感じた。 ちょっと気に障るのは(ボッシュもだが)男は60代なのに女は40代というところ。年、離れすぎだろう!女はそれ以降はダメなのか⁉(「そうだ!」という声が聞こえてきそうだが)これも男性作家と男性読者の自分勝手で自己中なところだ。どうしようもないな。―――中高年の女性読者より | ||||
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濡れ衣を着せられ政府を敵に回し、パソコン検索歴やメールの閲覧、顔認証、過去にさかのぼっての銀行口座歴などハイテクを駆使した監視と殺人実行部隊の派遣により追跡されるが、何度も身分を変え、危険を察知したったひとりで戦い続ける主人公は60歳の「老人」。 そして、この手の小説で途中で必ず登場する女性は「初対面の『犯罪者』になぜかすぐに手を貸す美人」なのだが、この女性の訳アリ具合がまた想像を超えるところが秀逸です。 さらに脅されながら主人公を追う男性とのプロフェッショナルとしての矜持と友情にも似た特別な感情が最後に「タイマン勝負」になるのだろうな、と思わせておいてのはぐらかしかたも巧みでした。 | ||||
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欲しかった本を買ったついでに、この本を購入した。読み始めたら、止まらなくなり、一気に読了。テンポが良く、当たりでした。 | ||||
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2018年の「アベルvsホイト」以来になりますが、トマス・ペリーの新しい翻訳「老いた男 "The Old Man"」(トマス・ペリー 早川書房)を読み終えました。 35年前、元工作員・ダン・チェイスは、ある任務途中に行方をくらませ、妻・アンナを失いながら、二匹の犬たちとニューイングランドの北部で紛れもない<隠遁生活>を送っています。しかしながら、その生活は何者かの襲撃によって破られ、敵を倒しながらもその家を脱出することを余儀なくされてしまいます。二匹の犬たちを連れての逃亡。以降、彼は逃亡先毎にその名前を変えながら、シカゴ、南カリフォルニアへと、時に追跡者をまき、戦い、殺し、逃亡し続けます。何故、彼はただひたすらまるで<逃げる>ことが人生の目的でもあるかの如く逃げまくるのか?そして、逃げおおせることができるのだろうか?いつものように、これ以上逃げ行くスリラーのストーリーを追うことはできません(笑)読む前は「ホップスコッチ」(ブライアン・ガーフィールド)のような物語なのかと思っていましたが、異なりました。 特筆すべきは、他の二人の登場人物の存在にあります。もう一人の工作員・ジュリアン、そのインサートされる人生と役割は不可思議ですね。そこには、「アラノン」(アルコール依存症者・家族)の<回復のための12ステップ>の持つ「霊性」が、そこはかとなく反映されているような気がします。傷つけた人たちを探して、その埋め合わせをするというステップがジュリアンという存在を置くことで、主人公・ダンをも際立たせています。 もう一人は、ダン(ピーターでもいい)のルームメイト・ゾーイの存在にあります。彼女の過去と現在が或る<文学性>を帯びてこの逃亡劇をユニークな物語に仕立てていると言ってもいい。それは、とてもパセティックな<反転>を伴いながら、私はパット・コンロイの「潮流の王者」を想起して、心が震えました。一つの劇的な体験は人生を覆い尽くし、通常とは異なる生き方へと直結するという或る種の感動に満たされることにもなりました。 そして、最初に書くべきかもしれませんが、いくつかのアクション・シーンもまたとてもシャープでエキサイティングだったと思います。 もし不満があるとすれば、「老いたとは言っても、七フィートにまで成長したガラガラヘビを老いたと言うのと同じようなものなのだ」と表現される「老いた男」ダンのその用意周到で、クレバーで、スーパーなところかもしれません。 多くの経験を積んだ「静かなる男」たち(ボッシュのように「ヴェトナム戦争」の只中にいて帰還した男たち)をただの「老いた男」と呼ぶことはできない。 | ||||
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