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集結: P分署捜査班
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集結: P分署捜査班の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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い | ||||
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本作品、レビュー3点台なので期待せず読み始めました。が!良い意味で期待を裏切る名作でした。原作も素晴らしいとは思いますが、訳者も素晴らしい。海外小説を読んでいて感じる言葉の違和感がまったくない。特に人物描写が素晴らしかったです。 刑事もの好きでヨーロッパ、北欧の作品を主に色々読んでいますが近年稀に見る名作に出会いレビューしました。まだ原作者の本は三冊しか日本で販売されてないようですが、すべて購入しました! | ||||
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イタリアのRaiTVで人気ドラマになっている。それをチラッと観て面白そうだったので本作を読んだ。 先ず、ドラマをチラッとでも観ているから当然登場人物はドラマの俳優を想像しながら読みだした。街の景色しかり。特に街中や海岸の情景はドラマに助けられた。ナポリのバッソ(底辺の居住区)の光景なんて知らないからね。 そういう逆から入った自分には充分面白い刑事小説。公証人婦人殺害犯人は始めの方で「鎧戸を閉め切って」って発言で直ぐにピンときたけど、そこに至る理由は最後までわからなかったし、自殺を偽装した連続殺人とそれを独りで追う副署長、犯人らしき神父、監禁かと思わせてパパ活少女。色々盛りだくさんで飽きないで一気に読んだ。 ただ翻訳はイタリア語原作を英語に訳したのを又日本語にしているのかな?イタリア語から日本語に翻訳したとは思えない部分が結構ある。それから無駄な句読点が多いよ。 とはいえ、原作やドラマはどんどん先に進んでいるのでどんな形でも日本語翻訳が続いて欲しいな。 モンタルバーノみたいな人気ドラマでも日本では最後まで放送されなかったし、無理かな?イタリア物の推理小説が大好きなんだよね。イタリア語でなら購入できるけど、そこまでして読むかどうかは考え中(笑) | ||||
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私は作者の作品は初読だが、作者には「P(ピッツォファルコーネ)分署捜査班」シリーズというものがあって本作はその第一作の由(冒頭にエド・マクベイン等への献辞がある)。イタリア警察小説も初めて読んだ。本作では主人公のロヤコーノ警部が上司との確執に依って閉鎖の危機にあるP分署へと異動させられ、そこで各分署の"鼻つまみ"である捜査メンバーを「集結」して、事件に当たる様を描いており、シリーズ第一作に相応しい。きっと個性派揃いのメンバーが「集結」するであろうし、この辺は「87分署」シリーズを意識していると思うが、街を擬人化する程のキザさは無い。ただし、ある男性のある女性に対する殺意及びある女性が監禁されている事を示唆したブロック体の章を冒頭付近に挿入するという趣向を加えている。これらがメインの事件となるのであろう。 第一の印象は、シリーズの初作という事由もあるだろうが、北欧ミステリ風に刑事達のプライベートに踏み込んでいる点である(実際は踏み込み過ぎで物語の進行を妨げている、あるいは本作を「愛の物語」に仕立てあげようとしている)。そして、殺されたのはプレイボーイの公証人フェスタの資産家兼篤志家の妻だった。これは描写から、上述した挿入章の前者の結果だろうと自然に思うし(読者にしか分らないが)、そうだとすれば「犯人=フェスタ」となるが、これでは単純過ぎる上に、犯行時、フェスタは愛人のルッソ(この割り出し方も安直)と一緒に居た事が判明する。一方、監禁された(らしい)女性に対しては、後でフェイクだった事が判明する(酷過ぎる)。この後も幾つかの挿入章が出て来るが、その挿入基準が一定でない無い点も本作の進行を妨げている上に作者の未熟さを感じる。この挿入章の曖昧性と刑事達のプライベートへの踏み込み過ぎで捜査は一向に進まないし、犯人候補も浮かび上がらない。最終40頁になった辺りで、急に警察小説らしくなるが、ここでも犯人の動機は「隠れた愛」で、読者に犯人を当てられる筈がない。また、刑事を含め登場する女性を「美人か否か」で区別する記述が多い点も、イタリアらしいと言えばそれまでだが、気になった。 シリーズの初作という気負いもあるだろうが、警察小説と言うよりは「愛の物語」という体裁の駄作。二作目の世評が高い(実はその二作目を読む準備として本作を手に採った)ので、その第二作に期待したい。 | ||||
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イタリア版87分署シリーズということですが、エド・マクベインの詩的というか、装飾過剰ともいえる文体ではないので、警察官の群像劇といった程度の類似かと思います。 いささかキャラクターが類型的であったり、女性を魅力的と表現する際のイメージが画一的だったりとマイナス面もあります。 でも、分かりやすいキャラクターが登場し、短い章立て手スピーディに展開するストーリーなので、エンターテイメントとしては十分に面白いと思います。 無人島にもっていく1冊にはならないかもしれませんが、値段分は面白く読めるという意味では、まさしく87分署シリーズの再来といえなくもないかもしれません。 | ||||
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翻訳が少ないイタリアの刑事物であるが、本書は最初の謝辞がエド・マクベインに捧げられているように、『87分署』の衣鉢を継ぐ人間くさい刑事たちの物語となっている。 邦訳は「P分署捜査班集結」となっているが、イタリア語の原題の意味は端的に「ピッツォファルコーネのろくでなしたち」(英訳では“The Bastards of Pizzofalcone”)となっていて、4人の問題刑事たちが寄せ集められた警察署の物語だとわかる。 ちなみに、ナポリのピッツォファルコーネという地名はサンタルチア港や卵城の近くの自然公園の名前である。ナポリを訪れたことがある人はわかるように、この付近はナポリ湾に面しベスビオ火山を正面に望む抜群に風光明媚な地区(まさに「ナポリを見て死ね」である。西伊豆から駿河湾と富士山を望む絶景を想起されたい)がある一方、少し街中に行けばトレド通りの繁華街やその裏町が広がる地区でもある。 シリーズ第1作の本書では、高級住宅地区のマンションで公証人夫人がスノードームで殴られて殺された殺人事件を軸に、美少女の監禁疑惑や自殺を装った連続殺人といった事件が並行して進行し、その間に刑事たちの悩み多い私生活が織り交ぜられる。語りのテンポが非常によく、イタリアらしい軽妙洒脱さや色気も感じられる。今後も翻訳が予定されているとのことで期待したい。特に、4人の刑事の中でも主人公クラスのロヤコーノ警部については、作品中にたびたび言及されている「クロコダイル事件」が扱われる前著を翻訳してもらいたい。 | ||||
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1970年代にはアメリカの87分署やスウエーデンのマルチンベックシリーズなどの警察署シリーズを愛読し、最近では、特捜部Qシリーズを楽しんできた。今回、イタリアのP分署シリーズが始まった。個性的な面々が集まるまでを描いたシリーズ第一作「集結」は、軽妙で期待にそぐわぬできばえである。作者が影響を受けたという「87分署」シリーズと同じような警察署の日常を淡々と描くシリーズが始まる予感がする。 | ||||
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エド・マクベインの87分署シリーズを思わせるとあっては捨て置けないとさっそく購入。評判にたがわず、警察小説のツボを押さえて高評価できる。ただし、このタイプのミステリは積み重ねが大事。次作の刊行は決まっているようだが、その後もよろしくお願いしますよ! | ||||
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ミステリー・警察小説としては、本作はつまらないですが、シリーズ初編として個性あるこのメンツがこれから何を見せてくれるかには大いに期待できます!次も読みます。 | ||||
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刑事小説の金字塔として今も燦然と輝き続けるエド・マクベインの87分署シリーズは、後世の作家に影響を与えるものと想像しているが、本書により日本デビューしたイタリア人作家マウリツィオ・デ・ジョバンニはシリーズの開始にあたって、最初にマクベインへの謝辞を捧げている。 本書はイタリアはナポリを舞台にして現代の87分署とも言うべきものを意図した新しい作家による新しい警察シリーズである。実は87分署シリーズは、1956年でぼく自身と同じ誕生年となる。マクベインと直にお会いできた幸運により当時の新作『ララバイ』と『ダウンタウン』にサインを頂きお話させて頂いたのは早川書房の社屋でのことだった。なので、こういう動機だけで本シリーズにぼくはやはり入れ込む。 もちろん本シリーズは、ニューヨークをモデルとした架空の巨大都市アイソラとは全く異なるナポリに展開する。しかし、人種の坩堝、国家経済の中心地、風光明媚な観光都市といった個性を持つこの都市は、物語を展開させるには十分な条件を満たしているようだし、警察小説のシリーズ展開にはうってつけの街であるように見える。 また集団小説という中で87分署のスティーヴ・キャレラ的主人公刑事を添えたのも、またその風貌がどこかキャレラに似ていることにも、なんとなく87分署愛を感じさせてくれ、嬉しいことこの上ない。 改めて落ちこぼれ刑事ばかりを集めたP分署の捜査活動再スタートという珍しい展開の中で、刑事たちは分散して二つの事件に当たる。二つの事件のミステリー性という面白さは未だ成熟を迎えていないようにぼくには思えたが、今回は刑事たちそれぞれの個性表現に重きを置くということに徹しているようで、事件の縦軸としたら刑事たち個々の物語を横軸と見ることができるので、その分、人間的には厚みのあるシリーズになり得ると期待感が高まる。 昨年同時期に『パリ警視庁迷宮捜査班』というこれまたパリを舞台にした新しい刑事チームが発足してこちらも個性的な刑事たちを配したシリーズとして楽しみなので、今この時期に世界中でチームワークと個人たちの活躍を描くハイテンポなエンターテインメントがシリーズ化されている様子は日本の片隅から眺めていても、警察小説好きには浮き浮きする気分である。 そんな新警察シリーズ、間を置かずどんどん翻訳されることを願ってやまない。刑事たちとナポリへの愛情が高まるには、スウェーデンのマルティン・ベック・シリーズのように、少なくとも10作は読ませて頂きたいように思う。 | ||||
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強面ノワール「七つの墓碑」、ロッコ・スキャヴォーネ初登場の「汚れた雪」に続く2020イタリアン・スリラー「集結 P分署捜査班」(マウリツィオ・デ・ジョバンニ 東京創元社)を読みました。 のっけから作者は、「謝辞」をエド・マクベインに捧げています。 舞台はイタリア、ナポリ。最も治安の悪いピッツォファルコーネ署へ「もめ事」の絶えない4人の「ろくでなし」刑事たちが集結します。前捜査班の大半が汚職で逮捕され、人員補充のためかき集められた4人は、暴力、発砲、スピード狂、そして<反社会的勢力>との噂のあるはみ出し者たちです(笑) 主人公の筆頭は、ロヤコーノ警部。「東洋人」と揶揄される風貌は、間違いなく"キャレラ"(笑)。彼は、スピード狂の巡査と共に女性資産家殺しの犯人を捜します。それが今回のメイン・ストーリーにあたりますが、他にもいくつかの事件が起こり、それらがカットバックして描かれていきます。スノードーム。聖女。身を投げる老婆。懲りない罪人たち。そう、ご存知「87分署シリーズ」のように。また、作者はそれぞれのキャラクターの苦い過去、現実、恋愛、また副署長ピザネッリの境遇も含めアイソラの刑事たち同様、等身大の人生、苦難を或る意味軽妙に、味わい深く描いてくれています。 2019/5月に読んだ「パリ警視庁迷宮捜査班」(ソフィー・エナフ)もまた、エド・マクベインの<To-be>として期待できるシリーズになると思っていましたが、翻訳が途切れたようですね。比較すると事件のスケールにおいては、今回の「集結」のほうが小ぶりでドメスティックな印象があって、特にメイン・ストーリーのパズラー部分に関しては、特筆すべき出来ではありませんでした(笑) 少し評価が高すぎるかもしれません。理由は、副署長・ピザネッリとその友人神父との切れのあるエピソードにウットリしたこと。そしてロヤコーノ警部を挟んで、ラウラ女性検事補、トラットリア女性店主・レティツィアの火花散るこれからの恋愛劇を期待して、シリーズの翻訳が少しでも続いてほしいという私の願望が表れています。 エド・マクベインの作品もまた、すべてが傑作ではなかった。でも、継続は力だと思います。ボンジョルノ。 (吉野仁さんの解説は、投稿後にゆっくりと読ませていただきます) | ||||
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