■スポンサードリンク


キャプテン・フューチャー最初の事件



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

キャプテン・フューチャー最初の事件の評価: 3.46/5点 レビュー 24件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.46pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1~14 1/1ページ
No.14:
(4pt)

表紙絵が鶴田謙二だったので購入、しかし電子版の方を。

東京創元社版の野田昌宏翻訳全集の表紙絵を集めた画集「FUTURE」を思い出して購入した。
震災の年だから10年前になるのかな。
読んでみるとリブートというより、原作の近代化改修のように思える。
火星人、金星人などが各惑星の環境に合わせた遺伝子改変で成り立っているところとか。
コメットは二代目になるのか。
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.13:
(4pt)

伝説の再開

伝説的なスペースオペラの再構築的な作品です。エドモント・ハミルトン氏の執筆していた時代より、宇宙に関する情報が多く成った時代の宇宙冒険ヒーローの誕生が期待以上に楽しめました。
今後のカーティス・ニュートンとカート・ニュートンの二人のキャプテンフューチャーの相違が楽しみです。
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.12:
(5pt)

子供の頃見ていたアニメが懐かしくて

子供の頃にアニメを見ていて懐かしくて購入しました。彼がキャプテンフューチャーと呼ばれた訳、初めての事件。オットーや生きている脳サイモンが現代の科学でイメージしやすく書かれています
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.11:
(4pt)

いい

続きが楽しみ
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.10:
(4pt)

続編が待ち遠しい!

懐かしいスペオペのリブートですが、作者のオリジナルへの深い愛が良くわかります。
中学〜高校生の頃、野田元帥の名翻訳を夢中で読んだのを思い出しました。ともすれば現代からすれば荒唐無稽に思われがちな原典の世界観やキャラクターを上手にアップデートしていますが、それがしっかりスペオペになっているのが素晴らしく、この続編が待ち遠しいのは、自分だけではないと思います。
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.9:
(4pt)

これはこれで、いいと思う❗

学生時代に夢中になって読んだシリーズの新作が出ていたことをAmazonで初めて知り、即購入しました。
元のシリーズは、本格SFが誕生する直前に粗製乱造された、いわゆるスペースオペラと呼ばれる宇宙冒険活劇ものの代表作で、今からすると突っ込みどころ満載の無邪気なお話ばかりです。それに比べると本作は、SF作品として実にちゃんと出来ていると思います。でも……んー、やっぱオリジナルの方が、めっちゃ楽しかったんだよなあ……なんつ-か、良く出来すぎてるというか……確かにフューチャーメンの始まりの物語って、聞いただけでワクワクしちゃうんだけど、んー、なんか違うって感じ。昔からのゴジラファンが、シンゴジラを観て、んー、なんか違う、ってなっちゃうのと似た感じ。ってわかりづらいか?……でも、キャプテン・フューチャーを現代人が読んでも納得出来るような形でよみがえらせた作者の手腕には拍手を贈りたい❗これはこれで、いいと思います。もちろんハミルトンの方が好きだけど……ゴメン。
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.8:
(5pt)

21世紀のスペースオペラ

面白かった。
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.7:
(5pt)

これこそ読みたかったリブート版です!

原典は小中学生の頃ハヤカワ文庫SF版で全巻そろえ、S-Fマガジン臨時増刊キャプテン・フューチャー・ハンドブックも持っています。東映アニメ版も好きです。コメット号はかっこいいし広川太一郎のキャプテンの声がかっこいい。ジョオンもかわいい!オープニング主題歌が大好きで繰り返し聴きました。
翻訳者野田昌宏氏による続編1本がありましたが、その後続編は無く寂しい限りでした。しかしついに正統な新作が出ました!これはちゃんと原典を尊重した待望のリブート版になっています。
原典はさすがに古臭さが否めません。原子力を裸火で使ったり、木星本体にジャングルがあって原住民が住んでいたり。光速もあっさり超えますし。そういう古典的芸風として読めばそれはそれで味がありますが、やはり現代的な形で読みたい欲求がありました。そのあたりアニメ版はアップデートしていましたが舞台が太陽系中心から銀河系規模になっていたりかなり改変されています。
しかしこれはより原典に沿った太陽系中心の設定ながら現代科学に齟齬が無いように非常にうまく現代化されています。宇宙戦艦ヤマトがリメイク版の「2199」で、オリジナルの設定を尊重しつつ巧妙に現代化・矛盾解消を図った手法に通じるものがあります。これこそ現代において読みがいのある新作です。
キャラクターは性格が現代的に少し複雑に改変されていますが深みが増して私はこちらのほうが好みです。それに何より懐かしいキャラクターに再会できた喜びがあります。
ストーリーはカーティス・ニュートン最初の事件として、ヴィクター・コルボを取り上げるのは必然でしょう。
今後の続刊をワクワクしながら待望しています!これをベースに再アニメ化されるといいなぁ!
夢が広がります。
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.6:
(5pt)

まずは好発進を祝して!

どうも原作のハミルトンのプロットやハヤカワ版の野田大元帥訳版との比較批評に終始されてしまいがちですが、ここ10年ほどの邦訳含めた話題皆無だった事を思うと、リブート版復活は大躍進!NEOペリーローダンと同じくこの新章の物語の船出に期待したい
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.5:
(4pt)

待ってました!

キャプテン・フューチャー(CF)シリーズの魅力というのは、あの古めかしさだと思います。なのでパロディや摸作(パスティーシュ)ならともかく、CFの新作はあり得ないだろうと思っていましたが、アレン・スティールの新作が読めるとは。まずは作者と版元に感謝を。
 さっそくに読みました。スティールはあらたなCFの世界を創りあげていますね。かなりの力技で。そりゃオリジナルのCFシリーズのファン(もちろん私もそのひとりですが)からすれば、ものたりないところや不満はあるでしょうが、私は充分に楽しめました。
「訳者あとがき」にありますが米国では一冊に長編4編を収録したCF全集が刊行中です。その第三巻にCFファンのチャック・ジュゼグという人が序文を書いていて、CFの短編はハミルトン名義で七編発表されているが、うち六編は夫人のリイ・ブラケットによって書かれたものだとあります。スティールはそのことを踏まえ、彼女もCFファミリーの一員だとの敬意を込めて、惑星間フェリーの船名を〈リィ・ブラケット〉号にしたのじゃないかな……そんなことを考えてしましました。
 なにより上手いのは、敵役としてヴィクター・コルボと〈火星の魔術師〉ウル・クォルンを登場させたこと。
スペース・オペラとプロレスには魅力的な悪役(ヒール)が必要なのです。私はウル・クォルンに、かつての悪役レスラー、〈インドの狂える猛虎〉タイガー・ジェッド・シンを思い浮かべました。
 ヴィクター・コルボとウル・クォルンのつながりは、オリジナル版CFのファンなら周知のはず。スティールは、「皆さんはコルボとクォルンとの関係をご存知でしょう、でもこの段階ではフューチャーメンもジョオンもそのことをなにも知らないのですよ、教えてあげたいですね」などとニヤニヤしながら書いたのじゃないかなぁ。作者自身も楽しみながら執筆した作品に思います。

 私は長くSFを読んでいますが、最近の作品はお話がしち面倒で、辛気臭くて難解なもばかりで読む気がしなかったのですが、この本だけは別。わかりやすいし、むちゃくちゃおもしろい。明るく楽しく激しい宇宙活劇、CFシリーズが帰って来たのです。いくつか伏線も張られているようだし、ぜひ続編も訳していただきたい。そしてできることなら、口絵は無理としても、白黒の挿絵を何点か入れてもらえないものだろうか。本書にそれが入っていれば★5だったのですが。
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.4:
(4pt)

広い世代に受け入れられて欲しいけれど・・・

作者は1958年生まれ、11歳の時に読んだ『月世界の無法者』がキャプテン・フューチャーとの出会いだったそうですが、評者は13歳の時に読んだハヤカワSF文庫の『太陽系7つの秘宝』からの付き合いになります。
 当時まだ100円台後半が多かった創元から200円台前半が多かったハヤカワに手を伸ばし始めた頃(新刊の話です。古書店に出回るのはかなり経ってから?)、出会った作品は今でも忘れられません。
 鮮やかなオレンジ色の表紙、水野良太郎氏の味のあるイラスト、誤植が気になるコメット号の図解、野田さんらしい気風の良い翻訳、そしてインサイドオブキャプテン・フューチャーの惑星案内。
 “SFの黄金期”は“いつ”なのかという質問に、歴史的年代ではなく、12歳と答えた作家がいたという話を覚えていますが、まさにその年頃に読んだ作品がその人の読書歴を左右しているような気がします。

 今回のリブート版は評者にとって数十年ぶりのシリーズになります。(鶴謙氏のファンなので創元の全集も揃えましたが積読のまま。実は長編の一部と短編のほとんどは未読。)
 冒頭、月に多くの住人がいるという設定にちょっと違和感。まだまだ未熟な若者である筈の主人公を、いきなり両親の敵であるコルボの元に向かわせて警備陣の不信を招く展開に、この調子で大丈夫なのかなとちょっと不安になりましたが、そこから後は基本的に問題なし。細かい点を評価するときりがないのですが、さすがに満を持しての挑戦。この話も出てくる。あの話も出てくる。原典に対する十分な理解とリスペクトがベースにあるので安心して読むことができます。中村融氏の翻訳も野田節とまでは行きませんが、よく雰囲気を再現していると思います。

 ただ、読み終わった後に以下のことを考えてしまいました。
 一つは、リブートの在り方。原典は80年程前のスペオペ。太陽系の各惑星に文明化された原住民がいるという設定でしたが、それを、遺伝子操作された植民者が各惑星等に入植して300年という設定に置き換え、また、宇宙航路のシステム等もアップデートしていますが、その手法でどこまでつじつま合わせができるかということ。昔のシリーズに戻ったつもりで読んでいると時々新しい設定に出合います。
 本作は、太陽系を股にかけたヒーローの冒険を、スチーム・パンクではなく未来小説の形で描こうとしています。この手法がどこまで通用するのか?作者の手腕に注目です。

 二つ目は、ハミルトンの才能を越えることができるかどうか?キャプテン・フューチャーの魅力は、通俗冒険小説の魅力と宇宙・異世界冒険譚の魅力が上手に組み合わさっていることで、しかもそれが連作形式で続いていたことでしょう。もしかしたら作者一人の力ではないかもしれませんが、今後、魅力的なアイデアをどこまで提供し続けることができるか?大作家に対する挑戦を見守りたいと思います。

 そして、これこそ大きなお世話だと思いますが、このシリーズを年少の読者たちがどう受け入れるかです?今回の出版はどう考えても年少の読者向けのものとは思えません。できるならば今の子供たちにも、昔の自分が味わったような興奮を感じてほしいけれど、読者層が高年齢層ばかりだと寂しいですね。
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.3:
(5pt)

千両役者、復活!

有名作品のリライトは、ふつう読まない。一度ホームズの贋作でひどい代物を読んでしまったので。
でも、ハードな宇宙SFの書き手がフューチャーを現代SFとして復活させるというのだ。
読まざるを得ないではないか。

最初は「いい加減な物を書いたら承知しねえぞ」と身構えていたが、あっという間に物語に引き込まれた。
これは名高いヒーローの名前を借りただけの模倣作ではない。
新生キャプテン・フューチャーと呼ぶにふさわしい力作だ。
フューチャーの持つシンプルで力強い魅力はそのままに、現代科学の知識を取り入れて再生してくれた。
原作で今一つ素性のわからなかったオットーが、代替ボディとして開発されたという解釈には舌を巻く。
九惑星すべてに現地人が住んでいるというおおらかな設定は、遺伝子を操作したホモ・コスモスというアイデアに昇華した。見事である。

カーティスの行動にも説得力がある。復讐から普遍的な正義の行動へと移行する過程に無理が無い。
フューチャーと呼ばれるのが恥ずかしいという部分もいい。もう、すべてがいい。
ウル・クォルンとヌララの登場に小躍りした。
イイクとオーグが二人と出会うシーンは、好きというより愛おしい。
スリリングで完璧なプロットに感動したあと、カーティスの最後のセリフにダメ押しされて、涙腺が崩壊した。

そうとも、ファンは君を待っていたのだ、キャプテン。
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.2:
(4pt)

原作とは全然違いますがとても楽しめました。誤訳が多いのが残念です

数カ月前にペーパーバックで読んで面白かったので、日本語版も購入しました。
ハミルトン原作の設定を一部踏襲しながらも、時代背景と人物設定が大幅に変更されてほぼ別作品になっていますが、”並行宇宙にいる別のキャプテン・フューチャー”だとでも思えば、楽しく読めました。
ハミルトン版のオリジナル作品を読んでいない人でも問題なく普通に読めますし、内面描写がハミルトン版よりも多くてキャラクターがよりに身近に感じられます。

若者時代のカート(原文ではほぼ”Curt"。ハミルトン版も同じくほぼ”Curt"。)は、孤児の境遇のせいでちょっとナイーブなところがある青年です。スぺオペのヒーローというよりは、冒険小説の主人公みたいな感じがしました。また、原文どおり忠実にカートという表記の方が、ハミルトン=野田訳版カーティスと違うということが、名前からもわかって良いと思います。
原作のサイモンは生身の体から解放されて科学的合理性を重んじカーティスの身の安全をいつも気にかけていますが、本書ではカートを危地に追い込むほどに感情的なところがあります。
オットーは兄貴分みたいな存在で、少しクールで思慮深いところや、シニカルなユーモアのセンスもあります。
オットーとグラッグの会話は掛け合い漫才的なものではありませんが、スティールはグラッグを生真面目なロボット風で、感情を表さない声質という設定なので、原文のイメージ通りだと思います。
グラッグとイイクの出会いはなかなか心温まるお話ですし、グラッグがイイクと遊んでいる様子もほのぼのとします。個人的にはこの生真面目ロボット風のグラッグも好きです。

ジョオンとエズラがカートと初めて出会ってから信頼するようになるプロセスもいいですね。カートと同じ年くらい(か数歳年上)のジョオンは、原作よりもずっと自立的で気が強いしっかり者でカートを導く役割になってますし、エズラの方はコミカルなシーンがいくつか出てきて結構笑えます。

原作で使われているカートの指輪と不可視化装置(ファントムジェネレーター)がかなりバージョンアップされて活躍します。

翻訳に関していえば、兄貴分のオットーがカートに話しかける時と、カートが父親がわりのサイモンに話しかける時(の一部)の口調が、どちらも「です・ます」調の丁寧語になってますが、家族同様に暮らしてきた間柄ですから、もっとフランクな口調でも良いのではないかと思いました。
個人的な好みの問題として、罵り言葉が「ばかたれども」とか「アホンダラ」とか汚いのが気になります。どうしてオットーが河内弁で罵らなければならないんでしょうか?もっとスマートな言葉を使って欲しい。

続編「Captain Future in Love」がペーパーバックで発売されてます。これも読みましたが、本作以上にハミルトン版とは全然違って、テロリストと戦うハードボイルドの主人公風です。ストーリー自体にちょっと残念なところがありますが(特に回想部分がトンデモ話だった...)、これは4連作の第1話なので、クォルンが登場すると思われる第2話以降で盛り返してくれるだろうと期待しています。第2話がなかなか出版されないので、4連作完結後に文庫化されるとしてもかなり先のことでしょう。

[追記]第2話「Captain Future: The Guns of Pluto」(ペーパーバック版)が4月29日に発売されていました。これもすぐに読みましたが、カートたちがクォルンに手玉に取られてやられっぱなしです。でも、仕組まれた陰謀の罠にはまっていくスリリングな展開が第1話よりもはるかに面白いです。ワープして到達する(はずの)デネブ星系が舞台になる第3話も期待したいです。

[追記]英文とはニュアンスや意味が違う訳文が多かったので、英文と照合しながら読むと、誤訳・意味が異なる意訳・変な日本語など、問題のある訳文が多数あります。
なかでもラストの重要な文章「だが、ひょっとしたら、自分がやりたかったのはこれかもしれない。」は非常に残念な誤訳です。
原文は”but perhaps this was what he was meant to do.”。文庫版の訳文は受動態を見落としているので(または故意に意訳した?)、”he meant to do”(~したいと思った)の訳文になってます。
英文の” was meant to do”は「~だと定められていた」という意味なので、直訳すれば、「だが、これが彼がする(なる)ように定められたことなのかもしれない」。つまり、「だが、これ(”キャプテン・フュチャー”として人々が求めているヒーローになること)が彼に定められた道(運命)なのかもしれない」という意味だと思います。
カートが自分の運命を悟ったラストの重要な言葉なのに、それを誤訳するとは本当に驚きです。内容自体は星5つですが、問題の多い翻訳のために星1つマイナスしました。
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X
No.1:
(4pt)

アップデートされたレトロSF

エドモンド・ハミルトンが1940年代に書いたスペース・オペラ・シリーズを、アレン・スティールがリブートした2017年の小説。
ハミルトンの作品だと、短編や『虚空の遺産』は好きなのですが、キャプテン・フューチャーは古さもあって合わずに、読みかけた全集を投げてしまっていました。
それでも『火星の皇帝』など印象に残る短編をいくつも書いているスティールが好きなので読んでみた本書は、見事に細部を現代的にした、「レトロな」宇宙活劇でした。
書かれた時代としては本書より前ですが、ニュー・スペース・オペラと紹介されたストロスやマクラウドなどと比べると、ストーリーや設定、登場人物のキャラクターはシンプルでわかりやすく、
善と悪、ヒーローとヴィランの戦いがメインとなる物語に、ロマンスをほんの少しという感じです。
SFとしての驚きなどはありませんが、肩の凝らないヒーローの誕生譚が読みたいときにはオススメです。
キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)より
448863723X

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!