キャプテン・フューチャー最初の事件

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評判

キャプテン・フューチャー最初の事件の評価:

3.46/5点 レビュー 24件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.46pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 1〜20 1/2ページ
No.25
(4pt)

原作とは全然違いますがとても楽しめました。誤訳が多いのが残念です

ペーパーバックで読んで面白かったので、日本語版も購入しました。
ハミルトン原作の設定を一部踏襲しながらも、時代背景と人物設定が大幅に変更されてほぼ別作品になっていますが、”並行宇宙にいる別のキャプテン・フューチャー”だとでも思えば、楽しく読めました。
ハミルトン版のオリジナル作品を読んでいない人でも問題なく普通に読めますし、内面描写がハミルトン版よりも多くてキャラクターがよりに身近に感じられます。

若者時代のカート(スティール版もハミルトン版も原文ではほとんど”Curt")は、孤児の境遇のせいでちょっとナイーブなところがある青年です。スぺオペのヒーローというよりは、冒険小説の主人公みたいな感じがしました。また、原文どおり忠実にカートという表記の方が、ハミルトン=野田訳版カーティスと違うということが、名前からもわかって良いと思います。
原作のサイモンは生身の体から解放されて科学的合理性を重んじカーティスの身の安全をいつも気にかけていますが、本書ではカートを危地に追い込むほどに感情的なところがあります。
オットーは兄貴分みたいな存在で、少しクールで思慮深いところや、シニカルなユーモアのセンスもあります。
オットーとグラッグの会話は掛け合い漫才的なものではありませんが、スティールはグラッグを生真面目なロボット風で、感情を表さない声質という設定なので、原文のイメージ通りだと思います。
グラッグとイイクの出会いはなかなか心温まるお話ですし、グラッグがイイクと遊んでいる様子もほのぼのとします。個人的にはこの生真面目ロボット風のグラッグも好きです。

ジョオンとエズラがカートと初めて出会ってから信頼するようになるプロセスもいいですね。カートと同じ年くらい(か数歳年上)のジョオンは、原作よりもずっと自立的で気が強いしっかり者でカートを導く役割になってますし、エズラの方はコミカルなシーンがいくつか出てきて結構笑えます。

原作で使われているカートの指輪と不可視化装置(ファントムジェネレーター)がかなりバージョンアップされて活躍します。

本書の続編『The Return of Ul Quorn』(全4巻)が刊行されており、2021年9月に最終巻が発売されて完結しました。4巻全てペーパーバックで読みましたが、本作以上にハミルトン版とは違ったキャラクター設定になり、テロリストと戦うハードボイルドの主人公風です。でも、カーティスみたいに超人的なヒーローではなくて、ちょっと頼りない。
「最初の事件」から数年後、デネブ人の碑文を解読したクォルンが冥王星に仕掛けた罠にカートたちが嵌り、コメットを奪取され拘束されたカートは、クォルンと共に1500光年彼方のデネブ星系へワープ。そこでデネブ人の歴史が明らかになり、異星人の破壊兵器を連れて太陽系へ帰還したクォルンをカートとフュチャーメンに太陽系警備隊(Solar Guard)が共同作戦を展開します。
ハミルトン風のスケール感や科学的なアイデアは少ないですが、ストーリーは結構面白かったです。特に最終巻は本書に近いスペオペ的雰囲気があります。そのうち創元社から日本語訳の文庫版が出るのではないかと思います。

本書の問題点について。英文とはニュアンスや意味が違う訳文が多かったので、英文と照合しながら読むと、誤訳・意味が異なる意訳・変な日本語などが少なくありません。
まず個人的な好みの問題として、罵り言葉が「ばかたれども」とか「アホンダラ」とか汚いのが気になります。どうしてオットーが河内弁で罵らなければならないんでしょうか?もっとスマートな言葉を使って欲しい。

多々ある誤訳のなかでも、特にラストの重要な文章「だが、ひょっとしたら、自分がやりたかったのはこれかもしれない」は非常に残念な誤訳です。
原文は”but perhaps this was what he was meant to do.”。文庫版の訳文は受動態を見落としているので(または故意に意訳した?)、”he meant to do”(~したいと思った)の訳文になってます。
英文の” was meant to do”は「~だと定められていた」という意味なので、直訳すれば、「だが、これが彼がする(なる)ように定められたことなのかもしれない」。つまり、「だが、これ(”キャプテン・フュチャー”として人々が求めているヒーローになること)が彼に定められた道(運命)なのかもしれない」という意味になります。
カートが自分の運命を悟ったラストの重要な言葉なのに、それを誤訳するとは本当に驚きです。内容自体は星5つですが、問題の多い翻訳のために星1つマイナスしました。
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No.24
(2pt)

ぽっと出の世間知らずがトッポイ振る舞いをする退屈な物語

期待はしたのだけど…月面育ちで一般常識を知らん子供が一人気を吐く(あまり有能でない)姉ちゃんに引きずられて事件解決に奔走するけど読者を引きつける魅力も爽快感もないままだらだらと話しが進むだけ。アンドロイドやロボット、「生きている脳」が全員無能であることを痛感するだけの退屈な物語。もうちょっとヒロイズムというのを見せてほしかった。続刊も長いこと出てないしこのまま歴史に埋もれていくのだろう。
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No.23
(4pt)

表紙絵が鶴田謙二だったので購入、しかし電子版の方を。

東京創元社版の野田昌宏翻訳全集の表紙絵を集めた画集「FUTURE」を思い出して購入した。
震災の年だから10年前になるのかな。
読んでみるとリブートというより、原作の近代化改修のように思える。
火星人、金星人などが各惑星の環境に合わせた遺伝子改変で成り立っているところとか。
コメットは二代目になるのか。
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No.22
(3pt)

個性を主張する翻訳者を念頭に・・(原作や 元ネタは大好きなので歯痒い)

私事ですが、チョイスした海外物の多くが何故かこの翻訳者。  多分、この分野に造詣が深く編集者受けや、出版社人脈も太いとは思うのだが、翻訳業界も深刻な人材不足でこの人によく当たってしまうのは或いは当然なのかも、、と想像。サスペンスやホラー、本格SFなどで当たると、その訳文が 日本語の文体ではあるのだが、読み易さに配慮されず、 て・に・を・は のチョイスや単語の配置が奇妙。一行で「ハタ?」と停滞し解読し直さねばならない羽目に突き当たった場面は数しれず・・要は推敲せず、直訳したままなのであろう。
 この作品に関しては、スペースオペラ独特のスピード感やチープさ、会話の多さに助けられ テンポで読めたので有る程度の大まかな理解で先に進められた。(作品自体の評価は満点。)
翻訳者の世代交代を強く早く望みたい。 
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No.21
(4pt)

伝説の再開

伝説的なスペースオペラの再構築的な作品です。エドモント・ハミルトン氏の執筆していた時代より、宇宙に関する情報が多く成った時代の宇宙冒険ヒーローの誕生が期待以上に楽しめました。
今後のカーティス・ニュートンとカート・ニュートンの二人のキャプテンフューチャーの相違が楽しみです。
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No.20
(5pt)

子供の頃見ていたアニメが懐かしくて

子供の頃にアニメを見ていて懐かしくて購入しました。彼がキャプテンフューチャーと呼ばれた訳、初めての事件。オットーや生きている脳サイモンが現代の科学でイメージしやすく書かれています
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No.19
(2pt)

荒唐無稽こそがキャプテン・フューチャーの一番の魅力だと思うのですが

それなりに読めなくはないですが、ワクワク感が足りないです。キャプテン・フューチャーは、荒唐無稽こそが一番の魅力であって、科学的裏付けは二の次で十分です。個人的には、宇宙にはエーテルが満ち溢れ、別の物理法則が支配しているパラレルワールド的/ファンタジー的な設定の方が楽しめると思います。いくら科学的とは言え、ドラエモンじゃあるまいし、サイモン博士がプロペラで移動するのにはガックリ。また、中扉に掲載されているコメット号のイラストも、カッコよさが皆無で、「何じゃコリャ~」です。「SFは絵だね~」とおっしゃっていた野田宇宙大元帥が見たらお嘆きになると思います。
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No.18
(4pt)

いい

続きが楽しみ
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No.17
(4pt)

続編が待ち遠しい!

懐かしいスペオペのリブートですが、作者のオリジナルへの深い愛が良くわかります。
中学〜高校生の頃、野田元帥の名翻訳を夢中で読んだのを思い出しました。ともすれば現代からすれば荒唐無稽に思われがちな原典の世界観やキャラクターを上手にアップデートしていますが、それがしっかりスペオペになっているのが素晴らしく、この続編が待ち遠しいのは、自分だけではないと思います。
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No.16
(2pt)

これは、新キャプテンフューチャーなのか?

私は今56歳、キャプテンフューチャーには小学生の時に出会い今も思い出に残る作品です。
今回、新キャプテンフューチャーとして新作が出ると聞いて手に取りました、私は
ハミルトン氏の原文を読んでいません(読めません)ので野田昌宏元帥訳を基準に述べさせて
もらう事になります。
そしてこの新キャプテンフューチャーを読んだ感想ですが

きつい言い方をすればキャプテンフューチャーの劣化コピーと言う印象、読んでいて雰囲気は
キャプテンフューチャーっぽい感じもあるのですが、どなたかも書いてありましたがドキドキ、ワクワク感が
足りない、これは科学的考証も大事ですがキャプテンフューチャーはスペースオペラ、
SF(Science Fiction)ではなくSF(Space Fantasy)なのだからもっとおおらかでいいと思う。

それ以上に問題なのはキャラクター特にキャプテンとサイモン、この二人のキャラクターがどうかと思う、
キャプテンのキャラクターは今風なのだが本来は太陽系最高の科学者の一人なのに、いくら最初の事件で
若い時のエピソードだとしても、これではただ単に優秀な学生程度のイメージしかない、さらに性格も、
敵の私邸で敵の用意した部屋で自身の秘密をペラペラと喋るなんて迂闊すぎるだろと、若いというのを
考慮しても、もう少し思慮深くあっていいと思う、あと物語の中でカーティスが「キャプテンフューチャー」
を名乗ることになった経緯も、しょうがなくって言うイメージでこれもどうかと思う。

サイモンにいたっては今の姿(生きている脳)になって煩わしい肉体から解き放たれて純粋に思考に
没頭出来ると、どちらかといえば肯定していたはずなのに今作では肉体に未練たらたらだし。
細かい所だが個人的には、せめて親愛を込めてカーティスを呼ぶときは「坊や」と呼んで欲しかったが
それさえも一回もなかった。

あと、これは全編を通して気になったのが「カーティス」ではなく「カート」と言う表現になっていたのが
とても違和感を覚えた。

個人的には続刊が出たとしても、おそらく手に取ることは無いだろうと思う

訂正:他の方から指摘がありました
>せめて親愛を込めてカーティスを呼ぶときは「坊や」と呼んで欲しかったがそれさえも一回もなかった。

確認したら何回かは確かに「坊や」と呼んでいたので訂正させていただきます。
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No.15
(4pt)

これはこれで、いいと思う❗

学生時代に夢中になって読んだシリーズの新作が出ていたことをAmazonで初めて知り、即購入しました。
元のシリーズは、本格SFが誕生する直前に粗製乱造された、いわゆるスペースオペラと呼ばれる宇宙冒険活劇ものの代表作で、今からすると突っ込みどころ満載の無邪気なお話ばかりです。それに比べると本作は、SF作品として実にちゃんと出来ていると思います。でも……んー、やっぱオリジナルの方が、めっちゃ楽しかったんだよなあ……なんつ-か、良く出来すぎてるというか……確かにフューチャーメンの始まりの物語って、聞いただけでワクワクしちゃうんだけど、んー、なんか違うって感じ。昔からのゴジラファンが、シンゴジラを観て、んー、なんか違う、ってなっちゃうのと似た感じ。ってわかりづらいか?……でも、キャプテン・フューチャーを現代人が読んでも納得出来るような形でよみがえらせた作者の手腕には拍手を贈りたい❗これはこれで、いいと思います。もちろんハミルトンの方が好きだけど……ゴメン。
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No.14
(5pt)

21世紀のスペースオペラ

面白かった。
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No.13
(5pt)

これこそ読みたかったリブート版です!

原典は小中学生の頃ハヤカワ文庫SF版で全巻そろえ、S-Fマガジン臨時増刊キャプテン・フューチャー・ハンドブックも持っています。東映アニメ版も好きです。コメット号はかっこいいし広川太一郎のキャプテンの声がかっこいい。ジョオンもかわいい!オープニング主題歌が大好きで繰り返し聴きました。
翻訳者野田昌宏氏による続編1本がありましたが、その後続編は無く寂しい限りでした。しかしついに正統な新作が出ました!これはちゃんと原典を尊重した待望のリブート版になっています。
原典はさすがに古臭さが否めません。原子力を裸火で使ったり、木星本体にジャングルがあって原住民が住んでいたり。光速もあっさり超えますし。そういう古典的芸風として読めばそれはそれで味がありますが、やはり現代的な形で読みたい欲求がありました。そのあたりアニメ版はアップデートしていましたが舞台が太陽系中心から銀河系規模になっていたりかなり改変されています。
しかしこれはより原典に沿った太陽系中心の設定ながら現代科学に齟齬が無いように非常にうまく現代化されています。宇宙戦艦ヤマトがリメイク版の「2199」で、オリジナルの設定を尊重しつつ巧妙に現代化・矛盾解消を図った手法に通じるものがあります。これこそ現代において読みがいのある新作です。
キャラクターは性格が現代的に少し複雑に改変されていますが深みが増して私はこちらのほうが好みです。それに何より懐かしいキャラクターに再会できた喜びがあります。
ストーリーはカーティス・ニュートン最初の事件として、ヴィクター・コルボを取り上げるのは必然でしょう。
今後の続刊をワクワクしながら待望しています!これをベースに再アニメ化されるといいなぁ!
夢が広がります。
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No.12
(5pt)

まずは好発進を祝して!

どうも原作のハミルトンのプロットやハヤカワ版の野田大元帥訳版との比較批評に終始されてしまいがちですが、ここ10年ほどの邦訳含めた話題皆無だった事を思うと、リブート版復活は大躍進!NEOペリーローダンと同じくこの新章の物語の船出に期待したい
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No.11
(4pt)

待ってました!

キャプテン・フューチャー(CF)シリーズの魅力というのは、あの古めかしさだと思います。なのでパロディや摸作(パスティーシュ)ならともかく、CFの新作はあり得ないだろうと思っていましたが、アレン・スティールの新作が読めるとは。まずは作者と版元に感謝を。
 さっそくに読みました。スティールはあらたなCFの世界を創りあげていますね。かなりの力技で。そりゃオリジナルのCFシリーズのファン(もちろん私もそのひとりですが)からすれば、ものたりないところや不満はあるでしょうが、私は充分に楽しめました。
「訳者あとがき」にありますが米国では一冊に長編4編を収録したCF全集が刊行中です。その第三巻にCFファンのチャック・ジュゼグという人が序文を書いていて、CFの短編はハミルトン名義で七編発表されているが、うち六編は夫人のリイ・ブラケットによって書かれたものだとあります。スティールはそのことを踏まえ、彼女もCFファミリーの一員だとの敬意を込めて、惑星間フェリーの船名を〈リィ・ブラケット〉号にしたのじゃないかな……そんなことを考えてしましました。
 なにより上手いのは、敵役としてヴィクター・コルボと〈火星の魔術師〉ウル・クォルンを登場させたこと。
スペース・オペラとプロレスには魅力的な悪役(ヒール)が必要なのです。私はウル・クォルンに、かつての悪役レスラー、〈インドの狂える猛虎〉タイガー・ジェッド・シンを思い浮かべました。
 ヴィクター・コルボとウル・クォルンのつながりは、オリジナル版CFのファンなら周知のはず。スティールは、「皆さんはコルボとクォルンとの関係をご存知でしょう、でもこの段階ではフューチャーメンもジョオンもそのことをなにも知らないのですよ、教えてあげたいですね」などとニヤニヤしながら書いたのじゃないかなぁ。作者自身も楽しみながら執筆した作品に思います。

 私は長くSFを読んでいますが、最近の作品はお話がしち面倒で、辛気臭くて難解なもばかりで読む気がしなかったのですが、この本だけは別。わかりやすいし、むちゃくちゃおもしろい。明るく楽しく激しい宇宙活劇、CFシリーズが帰って来たのです。いくつか伏線も張られているようだし、ぜひ続編も訳していただきたい。そしてできることなら、口絵は無理としても、白黒の挿絵を何点か入れてもらえないものだろうか。本書にそれが入っていれば★5だったのですが。
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No.10
(4pt)

広い世代に受け入れられて欲しいけれど・・・

作者は1958年生まれ、11歳の時に読んだ『月世界の無法者』がキャプテン・フューチャーとの出会いだったそうですが、評者は13歳の時に読んだハヤカワSF文庫の『太陽系7つの秘宝』からの付き合いになります。
 当時まだ100円台後半が多かった創元から200円台前半が多かったハヤカワに手を伸ばし始めた頃(新刊の話です。古書店に出回るのはかなり経ってから?)、出会った作品は今でも忘れられません。
 鮮やかなオレンジ色の表紙、水野良太郎氏の味のあるイラスト、誤植が気になるコメット号の図解、野田さんらしい気風の良い翻訳、そしてインサイドオブキャプテン・フューチャーの惑星案内。
 “SFの黄金期”は“いつ”なのかという質問に、歴史的年代ではなく、12歳と答えた作家がいたという話を覚えていますが、まさにその年頃に読んだ作品がその人の読書歴を左右しているような気がします。

 今回のリブート版は評者にとって数十年ぶりのシリーズになります。(鶴謙氏のファンなので創元の全集も揃えましたが積読のまま。実は長編の一部と短編のほとんどは未読。)
 冒頭、月に多くの住人がいるという設定にちょっと違和感。まだまだ未熟な若者である筈の主人公を、いきなり両親の敵であるコルボの元に向かわせて警備陣の不信を招く展開に、この調子で大丈夫なのかなとちょっと不安になりましたが、そこから後は基本的に問題なし。細かい点を評価するときりがないのですが、さすがに満を持しての挑戦。この話も出てくる。あの話も出てくる。原典に対する十分な理解とリスペクトがベースにあるので安心して読むことができます。中村融氏の翻訳も野田節とまでは行きませんが、よく雰囲気を再現していると思います。

 ただ、読み終わった後に以下のことを考えてしまいました。
 一つは、リブートの在り方。原典は80年程前のスペオペ。太陽系の各惑星に文明化された原住民がいるという設定でしたが、それを、遺伝子操作された植民者が各惑星等に入植して300年という設定に置き換え、また、宇宙航路のシステム等もアップデートしていますが、その手法でどこまでつじつま合わせができるかということ。昔のシリーズに戻ったつもりで読んでいると時々新しい設定に出合います。
 本作は、太陽系を股にかけたヒーローの冒険を、スチーム・パンクではなく未来小説の形で描こうとしています。この手法がどこまで通用するのか?作者の手腕に注目です。

 二つ目は、ハミルトンの才能を越えることができるかどうか?キャプテン・フューチャーの魅力は、通俗冒険小説の魅力と宇宙・異世界冒険譚の魅力が上手に組み合わさっていることで、しかもそれが連作形式で続いていたことでしょう。もしかしたら作者一人の力ではないかもしれませんが、今後、魅力的なアイデアをどこまで提供し続けることができるか?大作家に対する挑戦を見守りたいと思います。

 そして、これこそ大きなお世話だと思いますが、このシリーズを年少の読者たちがどう受け入れるかです?今回の出版はどう考えても年少の読者向けのものとは思えません。できるならば今の子供たちにも、昔の自分が味わったような興奮を感じてほしいけれど、読者層が高年齢層ばかりだと寂しいですね。
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No.9
(1pt)

ハミルトン/野田大元帥とは完全に別物。人物だけが昔の名前

先ず鼻につくのが「カーティス」(野田訳)が「カート」になっている事。野田大元帥のエッセイに、「オットーやグラッグが原文ではキャプンと呼ぶがこれをどう日本語にするのか迷った」というものがあったが・・・・若いころからSFに入れ込んだ訳者であれば、このような事は知っている筈。野田訳にはそれ那類の工夫があったはずだ。だから名調子と言われた。どなたかの評にオットーとグラッグは単に悪口を言っているだけ、とあった。野田大元帥節と訳語を期待するほうが野暮なのか?少なくとも大昔、野田訳にて育った者からすれば、「カーティス」ではなく「カート」だけで読む気が半分以上失せてしまう。グラッグとオットーのやりとりにも野田大元帥役には愛情が感じられたが今回は無味乾燥。続編が出ても読む気がしない。
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No.8
(5pt)

千両役者、復活!

有名作品のリライトは、ふつう読まない。一度ホームズの贋作でひどい代物を読んでしまったので。
でも、ハードな宇宙SFの書き手がフューチャーを現代SFとして復活させるというのだ。
読まざるを得ないではないか。

最初は「いい加減な物を書いたら承知しねえぞ」と身構えていたが、あっという間に物語に引き込まれた。
これは名高いヒーローの名前を借りただけの模倣作ではない。
新生キャプテン・フューチャーと呼ぶにふさわしい力作だ。
フューチャーの持つシンプルで力強い魅力はそのままに、現代科学の知識を取り入れて再生してくれた。
原作で今一つ素性のわからなかったオットーが、代替ボディとして開発されたという解釈には舌を巻く。
九惑星すべてに現地人が住んでいるというおおらかな設定は、遺伝子を操作したホモ・コスモスというアイデアに昇華した。見事である。

カーティスの行動にも説得力がある。復讐から普遍的な正義の行動へと移行する過程に無理が無い。
フューチャーと呼ばれるのが恥ずかしいという部分もいい。もう、すべてがいい。
ウル・クォルンとヌララの登場に小躍りした。
イイクとオーグが二人と出会うシーンは、好きというより愛おしい。
スリリングで完璧なプロットに感動したあと、カーティスの最後のセリフにダメ押しされて、涙腺が崩壊した。

そうとも、ファンは君を待っていたのだ、キャプテン。
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No.7
(2pt)

ワクワク感、テンポ感に乏しく、キャラの魅力もいま一つでした

ハヤカワ文庫の翻訳が次々と出ていた小学~中学生の頃、むさぼるように読んだ。徐々にクラークやアシモフなどの作品に移っていったが、私にとってSF体験の原点である。月日が経ち、本書の訳者あとがきでも触れられているハフナー・プレスの原書復刻版を取り寄せ、野田昌宏氏の翻訳と比べながら読んだりもした。

そんなシリーズなので、どのような形でリブートされているのか期待と不安を持ちながら読み進めたが、残念ながら、いまひとつと思わざるを得ない出来だった。

金星人や火星人などの存在や輪の形をしたビームが飛ぶ銃といった荒唐無稽な原作の設定、また「キャプテン・フューチャー」という名前の由来など、細かい点を筋道立てて構築しているこだわりは見事だ。しかし肝心のストーリーに、どうにもワクワク感が足りず、テンポ感にも乏しい。ハミルトンのような作風に徹したわけでもなく(もちろんそれでは今の読者には受け入れられないだろうが)、逆に人物や舞台を借りたシリアスな読ませる作品にしたわけでもない、中途半端な内容だと感じてしまった。

本作のカート(カーティス)は、「最初の事件」ということもあって未熟さが消えない若者だが、それが魅力となっているとまではいえないし、キャプテン・フューチャーになっていく成長物語としても弱い。

原作の主人公はいわば完全無欠のヒーローで、逆にいえば尖った個性を感じさせない、記号ともいえるような存在だった。それでも夢中になって読めたのは、波乱万丈のストーリーに加えて、グラッグとオットーをはじめとするサブキャラクターや悪役の魅力が立っていたからだと思う。

その意味でも、グラッグとオットーのキャラやお互いの関係が(これまた「最初の事件」とあってか)面白みに欠け、カートの弱さを補うような存在になっていない。また、スーパーマンのレックス・ルーサー、バットマンのジョーカーに相当するような原作の悪役を投入しているのに、このリブートでは、ただの「悪者」としか感じられなかった。

またハミルトンの原作の面白さは、正直言って「野田節」によるところも大きかった、と原文と読み比べた際に思ったが、本書では、そうした「超訳」すれすれの翻訳をめざしたのではないのは一読して明白なので、その点では分が悪い。ただ、本書の原文は読んでいないものの、英語の慣用句などはもう少しスマートに訳せなかっただろうか、と感じたところがいくつかあった。

最近はリブート流行りだが、アメリカのサブカルチャー系の作品で感心したのは、バットマンのコミックスのリブート Batman: Earth One だった。これは元のキャラクターや設定から大きくは逸脱していないものの、それでも現代の読者にとって説得力のある改変がされていて、”弱い”バットマン=ブルース・ウェインの葛藤と成長がうまく表現されていた。本書もそうした内容を期待して読み始めたのだが、そうはいかなかったのが残念だ。
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No.6
(3pt)

懐かしさはあるが奇想天外さや壮大さは物足りない

カーティス・ニュートンが20歳ごろの物語。両親が殺害された経緯やフューチャーメンの誕生秘話が紹介されて
いる。何よりキャプテン・フューチャーの名称の由来や幼き日々の姿に、新たな発見と驚きがあった。と共に何故
か懐かしさを覚えた。
 舞台背景はSF的だがE・ハミルトンの作品に比べ読みやすさや奇想天外さ壮大さ、センス・オブ・ワンダーが不
足している(主人公の若い時分の出来事だから仕方ないのかもしれない)。加えて背景描写が詳細であるため、
ページ数の多さのわりにストーリー展開がなかなか前進しない(欧米人はこの様な長ったらしい物語を好むそうだ
が・・・)。
 私個人的にはE・ハミルトン作、野田昌宏氏翻訳につきると思っています。今頃、野田宇宙大元帥はE・ハミル
トン氏と共にフューチャーメンに合流し、渺茫とした時空を駆け巡っているのでしょうね。
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