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桃源



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【この小説が収録されている参考書籍】
桃源
桃源 (集英社文庫)

桃源の評価: 4.18/5点 レビュー 28件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.18pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全22件 21~22 2/2ページ
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No.2:
(4pt)

いつも通り

いつも通りの軽快なやりとりで、いつも通り警察の内部事情や大阪のグルメに詳しくて、いつも通り一気に読める。いつも通りのクオリティではある。

この人のことだから、出版した後に実際にトレジャーハント出資詐欺事件が起こったりして、なんて気にさせないでもない。

今回は厚かったので、「国境」の時みたいにマンネリ感を裏切ってくれるんじゃないかと期待したけど、「いつも通り」でした。
桃源 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:桃源 (集英社文庫)より
4087444309
No.1:
(5pt)

バディにも「女性」たちにも優しい

「桃源」(黒川博行 集英社)を一気に読み終えました。
 大阪府泉尾署刑事課。映画オタクの刑事、上坂が組んだバディは、しゅんとした沖縄出身の刑事、新垣。二人は沖縄古来の「模合」の金を持ち逃げした解体業者社長(拐帯した解体業者(笑))の行方を追うことになり、半分、物見遊山で那覇、宮古島、石垣島、奄美大島を巡ることになります。日本南方「珍道中」。そしてその事件は、少しハリボテで(ハリポタではない(笑))大掛かりな「沈船詐欺」=「美術品詐欺」=「トレジャーハント」事件へとつながっていきます。反社会的勢力(ヤクザの方が文字数が少ない)、サルベージ会社、騙すもの、騙されるもの。
 前半は特に何も起きるわけではありません(笑)。新垣と上坂の「相棒」コンビのワイズクラック、タメ口、上司でもある係長・宇佐美への愚痴、しょうもない、性懲りもない、なんの意味もない「会話」を通して、南方の食物(くいもの)、主にドンパチ関連のミステリ映画が語られていきます。上坂は(私同様)映画の趣味は抜群だと思いますね(笑)
 しかし、彼らの屈託のなさの影には、上坂が泉尾署へ都落ちすることになった「過去」であったり、しゅんとした新垣の上坂へのある種の「配慮」であったりが、しっかりと醸し出されています。私は、そんなところに何故かグッときます(笑)この二人が他愛なく会話し続ける限り、いつまでも「物語」が続くのだと思います。
 多くは語りませんが、この「事件」のロジックも緻密にしっかりと組み立てられていて、揺るぎない。それであるが故に、二人の時にゆるーく超法規的なふるまいにも少し目をつぶりながら、ハラスメント、ギリギリの「おっさん会話」が生きてくるのだと思います。とても高いところで生きている「女性」たちはこの小説を読まないでしょうから、まあ、大丈夫でしょう(笑)
 最後まで「しゅんとした」新垣は、バディにも「女性」たちにも優しい、(久々使ってみましょう)、最後までハードボイルドな新ヒーローなのだと思います。
桃源 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:桃源 (集英社文庫)より
4087444309

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