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マルタの鷹
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【この小説が収録されている参考書籍】
マルタの鷹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 41~42 3/3ページ
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一癖も二癖もある男女の黄金の鷹をめぐる虚々実々のかけひき、意外な結末。読者は主人公のスペイドでさえも法の側なのか、それとも欲望に忠実なだけなのか判断できず、振り回されることになる。彼の言葉は本心から出たものなのか、相手を欺くためなのか。 筋立てはシンプル。しかし読み始めると一気に引き込まれてしまうのはそのリアリティーと、言い古されたことだが心情描写を一切排したハードボイルドスタイルの文体のため。同時代のいわゆる本格ミステリーはもはや「古典文学」だが、ハメットの作品は現代のグループに入れるべきだろう。というよりハメット以降が現代の作品というほうが正確かな。 ちなみに「マルタの鷹」は多くの訳があり、それぞれ印象がちがうので読み比べるのも面白いかもしれませんね。 | ||||
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数あるハードボイルド小説の中から唯一つを紹介するのなら、この作品をおいて他には見当たらない。そう、この作品は1929年にパルプ雑誌である”ブラック・マスク”に連載され、翌’30年に刊行され、現代にまでその冷酷な文体でファンを魅了してやまないのである。 作者のダシール・ハメットは高校中退というハードな環境で育ち、自らの経験に基づき、行動するということを作中の主人公サム・スペードに要求し、スペードは見事に霧深いサンフランシスコの街を憂いを帯びながら自らの規範を押し通すのだ。 ハメット自身もかつてピンカートン社の探偵であったことも幸いし、作中のマンハントの場面は臨場感あふれている。 探偵作法を学ぼうとする作家ではなく、小説作法を学ぼうとした作家ハメットのハードな生き方そのものがハードボイルドであり、我々を迷宮のサンフランシスコへ誘ってくれる。 冷酷さと非情さに裏打ちされた、やせがまんをしようとした男達にこの作品を捧げたい。 | ||||
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