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マルタの鷹
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【この小説が収録されている参考書籍】
マルタの鷹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 1~20 1/3ページ
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良かったです | ||||
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旧訳を2冊読んでいますが、格段に読みやすくなっていると感じました。新訳の価値あり、です。 | ||||
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古典といってもまったく古臭ささを感じなかった。安定のおもしろさ。 | ||||
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かつて古い探偵映画を独特の書体の字幕を頼りに鑑賞するのは楽しい体験だった。遠い国の景色と空気感の中に入り込み、日常とは違う時間を過ごす。学生時代、翻訳小説に親しむ楽しさとは、それに類するものだった。 だが、今回は違った。マルタの鷹を新訳で読み直し、ハードボイルド小説を’生(き)のままで’堪能した。ときどき元の英語を推量しながら読み進める翻訳小説としてではなく、最初から最後までどっぷりとハードボイルドの世界に浸る幸せな時間が持てたのは、今回の田口氏の新訳のおかげだろう。すぐに終わってしまうのがもったいなくて、じっくりと読みすすめた。 主人公のサム・スペードは腕っ節も強く、肝の据わった大男だ。自分で決めたルールを黙って守り抜くのがハードボイルドの探偵だとわかったような気になっていたが、サム・スペードは欲まみれの悪党どもに囲まれながら足掻き、葛藤し、ぎりぎりのところで一つ一つ判断している。考えを口に出しながら、自分に言い聞かせるように自分の進むべき道を探って行く。’非情’などというひと言では片付けられないほど、人間臭くて複雑な主人公だった。クールでタフでかっこよさばかり気になっていた、学生時代の読書体験とはちがったハードボイルドの世界を少しでも深く読むことができたのは、新鮮な発見だった。 | ||||
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古典!って読み通す自信がなかったのですが、すごく読みやすかったです。 文章が親切なので、歴史に疎くて、記憶力のない私にも、話の筋がスルスル分かりました。 心の声とか考えとか全然出てこないので(あ、こういうのがハードボイルドなのか!)、最初さびしい気がしたのですが、途中から癖になりました。格好良い。 知り合いに名前と評判だけは聞いてて、いつか読みたいと思ってた一冊なので、新訳ありがたいです。 | ||||
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他の訳者による『マルタの鷹』も読んだことがありますが、文学作品の翻訳がいかに難しいかを考えると、これほど読みやすく、かつ原作に忠実な訳文は本当に稀だと思いました。ハメットの新たな魅力を発見したような気分です。原作は1929~1930年に書かれたそうですが、古さはまったく感じませんでした。ハードボイルド小説がお好きな方には、ぜひおすすめしたい一冊です! | ||||
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私立探偵の元に女性が調査の依頼に来て・・・というお話。 この作品は、もう既に古典中の古典になっているので、何を言ってもしょうがない感じなので、個人的相対的な感想を書かせてもらいます(読んでも、読まないでもいいです)。 解説を書いてらっしゃる、諏訪部さんが、チャンドラー論を他に書いてらっしゃって、村上さんの訳が典拠だったので、今まで持っていて読んでいなかった、村上訳をシリーズ順に読みまして、チャンドラーの作品を通読したのですが、チャンドラーの作品が推理小説としては、若干無理がある物がある、という感じでしたが、本書で、久しぶりにハメットの作品を読み、推理小説としてはこちらの方が優れている様な感想をもちました(個人的には、ですが)。 また、鷹の像の争奪戦がリアルな話しというが、無理があるという批判もありますが、今から100年前くらいでは、こういう事もあり得たのでは、とか思います。また、高名な絵画を盗難し、闇で金を持っている人に売って、買った人が私物化している、似た感じで高名な小説などの生原稿を私物化している、という話しも聞くので、こういう事もまだあり得るかもとか思いました(盗難絵画に関して詳しい人に依ると、大概の作品が日本にある、とか聞きますが)。 あと、映画の方の最後の有名なセリフが、最後まで読んでなかった様な感じで、集中力が悪くて、読み飛ばしたかも、と思って、読み返しましたが、発見できず、あのセリフは映画のみでしたっけ、とか思いました。以前の小鷹さんの訳で読んだ際の記憶が全くないの物で、比較できませんが、読解力が落ちたみたいで悲しいです。 田口さんはハードボイルド/クライム・ノベルの翻訳に定評があるので、チャンドラーの「長い別れ」同様、安心した読めました。「ガラスの鍵」も機会があったら是非お願いしたい所です。 諏訪部さんの解説は難しい感じですが、その分繰り返し読めそうで、そうしようと思っております。 ハードボイルドの翻訳に定評のある田口さんのハードボイルド古典の新訳。是非ご一読を。 | ||||
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数十億の価値と目される中世ヨーロッパの至宝を巡り、主人公の探偵や依頼人の謎の女、殺し屋などの人間関係が複雑に入り乱れ、沸騰していく物語。奥行きのある台詞回しと人物造形の巧みさが醍醐味。まさにザ・ハードボイルド。 本筋とは関係ない会話の中だけに出てくる、行方不明になった不動産屋の男のエピソードが、実は背筋が寒くなるくらい恐ろしい。 | ||||
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ダシール・ハメットにはもっと多くを期待していた。映画『マルタの鷹』のイメージほど主人公はかっこよくない。まもなく大恐慌という時代、素寒貧のアメリカ人たちも、周囲のあらゆる職業人が敵である。同業者とて例外ではない。賭博師は上海に逃れ、英国から最新鋭の潜水艦を購入して独立戦争中のギリシャ人は中世の宝物「マルタの鷹」の争奪に余念もなく、欧州軍需産業のみが繁栄していた時代、EHカーが『危機の二十年』と呼んだ時代。あらゆる人々の生活圏に正義などなかった。これは古い「戦前」アメリカの実録。大恐慌の余波に苦しむ日本では大政翼賛会の時代。 | ||||
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説明の通りで満足です。 | ||||
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ハードボイルドですが、読みやすかったのは小鷹信光さんの名翻訳の賜物だと思います。 登場人物の個性がそれぞれ面白かったです。 | ||||
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ダシールハメットによるハードボイルド小説の傑作である。昔、読んだときはこの小説の良さが全く分からなかった。シャーロック・ホームズにどっぶりと漬かっていただろうか。一昔前のアメリカの探偵の活動がよく分かる。ちなみにアメリカでは職業としての探偵社会的ステイタスが確立されており、日本とは状況が全く違う。アメリカでの探偵の立ち位置が分かればとても楽しめる。翻訳もとても良い。 | ||||
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もう半世紀も昔に読んだ記憶しかないダシール・ハメットの『マルタの鷹』を読んでみようと思いアマゾンで購入した。 ボガードが演じたサム・スペードの映画も古い映画ばかりを上映する映画館で観た記憶であるがこの本を読む以前だったと思う。 チャンドラーの『長いお別れ』や『大いなる眠り』などを久しぶりに読んだことから、チャンドラーが影響を受けたハメットを読みたくなってしまったのである。 この『マルタの鷹』は、サム・スペードという私立探偵を主人公にした最初の長編で、ハメットの全盛期(1930年)の作品である。 今の時代から考えると少々荒っぽいストーリー展開であるが、作者自身21歳のときから7年間も全国に支社をもつピンカートン探偵社で探偵として働いた経験もあり、荒っぽいストーリーにもリアリティーを感じてしまう。 巻末の解説で小鷹信光氏がハメットの履歴などを詳しく書いていたが、ハメットの思想信条を貫いたことから辛酸を舐めた晩年を知ることができた。 本作のなかでサム・スペードがブリジッド・オショーネシーを許すことなどできず、探偵としての矜持を貫くところなどはハメット自身の人間性を吐露しているように想像してしまった。 ・・・・・ 私立探偵の始祖、〝ハードボイルド〟の創始者、純アメリカ産文学の巨匠とさえ崇められ、神格化されているが、みわたしてみれば、ハメットのように書くことのできる物書きはひとりもいない。模倣し、分析し、論評し、我田引水の評論を仕立て上げる者は多いが、だれもハメットのようには書けない。ハメットはハメットであり、偉大なオリジナルであるからだ。 だれもハメットを真に真似ることはできない。これは最大の賛辞である。 ・・・・・ 大昔に読んで記憶の彼方にあった『マルタの鷹』を再読し、解説の小鷹信光氏の言葉を上の・・・・・内に転載して、評者の手抜きのレビューとしておきたい。 <追記> ボギー演ずるサム・スペードを観たくなりDVDを注文してしまいました。 | ||||
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戦前の作品であるが、流石にハードボイルドの不朽の名作であり、現在でも楽しめる。ストーリーもスピード感があり、黄金の鷹像をめぐるサスペンス、謎解きと驚きの犯人は、現在の推理モノの原型といえる。 | ||||
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犯罪小説が好きな方なら面白いと思います。重すぎず一気によめました。 | ||||
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Someone said that Akira Kurosawa’s “Yojimbo” was one of the greatest comedy movies that he had ever seen. Calling “Yojimbo” a comedy movie seems a little strange, but I understand what he wanted to say. In imitation of his saying, I would like to say that Dashiell Hammett’s “The Maltese Falcon” is one of the greatest comedy novels that I have ever read. In fact, I can’t think of any other book in which I have laughed so much and so loudly. For example, when Spade, Cairo, and Brigid O’Shaughnessy are in the same house, two policemen come along. Finding nothing peculiar they try to leave, but just at the moment, Cairo and Brigid, not knowing the policemen are at the front door, begin to fight in the house, and the sound of a brief struggle, of a blow, of a subdued cry come to the policemen. Naturally they try to break in the house. So Spade invents a very foolish excuse to send away the policemen. He says that with the purpose of playing a joke on them, they pretended to fight. And after the interrogation by the police, Cairo answers to Spade, asked “What did you let the police shake out of you?” “Not a single thing. I adhered to the course you indicated earlier in your rooms. Though I certainly wished you had devised a more reasonable story. I felt decidedly ridiculous repeating it.” This dialogue of Cairo’s made me laugh to death. | ||||
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まさにハードボイルド探偵小説の始祖であり、不朽の名作です。スパイものを含むその後のハードボイルド探偵像は、この作品のサム・スペードと「血の(赤い)収穫」のコンチネンタル・オプが原点といえます。 | ||||
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映画でハンフリー・ボガ−トとピーター・ローレの強烈な個性と妙に威圧感のある黒い鳥が記憶から離れないでいたが、諏訪部浩一氏の「マルタの鷹講義」(研究社)を読んでエンディングが原作と違っていると知らされ、不明を恥じつつ慌てて原著を読んだ。「講義」では章ごとに詳しい解析をしており、ヴィンテージ版のページと行番号が記されているのでこの版を手に両書を読み比べていくのがとても楽しかった。ストーリーは先刻ご承知のものであるが、どうしても登場人物像が映画の配役どおりとなるのはしょうがない。時代のせいか多少のスラングはあるにせよ現代のハードボイルドに氾濫している下品な四文字だらけの会話よりずっと落ち着いているのを再発見、古典はいいな。諏訪部氏が指摘するように最終ページで秘書のエフィーがサム・スぺードと交わす会話がこの小説の持ち味をぐっと高め、また引き締めているのがわかって安心した。「マルタの鷹」は映画と原作と(敢えて言えば「マルタの鷹講義」と)を合わせて見るのが最高の楽しみ方だろう、というのは不遜か? インターネットでJohn’s Grillを訪れると甘い歌声で「マルタの鷹」のノスタルジーに浸れるのも嬉しい。 | ||||
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『マルタの鷹』というとハンフリー・ボガードのイメージが強くて(写真でしか見たことないですが)、渋系のハードボイルドかなと勝手に思い込み、今まで手を出していなかったんですが・・・。早く読めばよかった。 探偵サム・スペードがストイックなタイプでなく、見方によってはワルい奴なところがいいですね。「こけにされたくはない。」スペードの印象的な科白。善だ悪だではなく自分の基準をもって生き抜く男。かっこいいなぁ。 登場人物も一人ひとり気になる奴らでスペードと彼らのやり取りが面白く、そのやり取りが進む中でストーリーも進行していく。ぐいぐい読まされます。また、三人の女性が登場しますが、彼女たちとのやり取りでスペードがどんな男なのかがなんとなくわかります。勢いで読んでしまいましたが、色々深読みできる小説のような気がします。 改訳とのことですが旧訳や他の訳書(ましてや原書)は読んでおらず、決定版かどうかはわかりませんが、妙に今っぽい新訳ではありません。あとがきを読むと訳者の『マルタの鷹』への想い、仕上げた感がよく伝わってきます。ついでにハメット全集決定版も出版していただきたいものです。 | ||||
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最近のハードボイルドはチャンドラーの影響を受けすぎている。チャンドラー的なハードボイルドというのは、お決まりの世間的善悪からは距離をおいているが、自分にとっての正義がしっかりある人間が、恋人や友達を失ったりしながらも動じず、下劣な人間を追い詰めるとか、何かを守りきるとか、そういう目的を遂げていく話だ。そこには甘い感傷が漂っており、バーボンと葉巻を相棒に書斎でじっくり読みふけりたいと思わせる強烈な魅力がある。しかし、ハードボイルドはチャンドラー的なものばかりではない。それを理解したければ、ハードボイルドの始祖的なハメットの、この名作を読めばいい。 この本は楽しいか。楽しくない。わくわくするか。わくわくしない。探偵が何かを依頼され、それを遂行する話だが、謎解きもない、アクションもない。だが、ハードボイルドはある。ハードボイルドとは何か。それは善悪やつまらない常識にとらわれず、かといって正義なんてものも、感傷すらもなく、ただ自分のポリシーにしたがって、人を傷つけることも気にせずに生きる、冷酷な男を中心に起き、心情吐露を一切排除し、現実のしぐさや光景を、乾いた、冷たい、つまらないほどシンプルな文章で描きつづけることで、その人物像や、苦く重たい空気を浮かび上がらせる、文学的な方法、あるいはその方法をとった文学なのだ。探偵というのは、多少アウトロー的な側面があり、その方法にマッチしやすいので、多くのハードボイルドは探偵小説であったりもするし、探偵小説は時にミステリの色合いをおびるが、それは必ずしもそうでなければならないというわけではない。このマルタの鷹は、たまたま探偵を中心に置いているが、探偵小説ではないし、ミステリでもない。冷酷な男を、冷酷に描いた、純然たるハードボイルドである。主人公は時に非道にうつる。決して美化したりはしない。甘い干渉はない。少しの共感も必要としない。そういう小説である。こういう小説は決して多くない。ハードボイルドはチャンドラー的になったり、あるいは過剰に悪のドラマに振れたノワール化してしまったりしている。そうなる前の、純然たるハードボイルドに興味があるなら、この本を読んでみるべきだろう。 | ||||
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