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(短編集)
カナダ金貨の謎
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カナダ金貨の謎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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収録作品は、中編(長めの短編?)3本と「コンパクト」な短編2本で、それを交互に並べた形になっている。国名シリーズだけを考えると『モロッコ水晶の謎』から『インド倶楽部の謎』までは13年ほどあいたのに対し、本作は『インド~』から1年しか経過していない。 巻頭に収録されている「船長が死んだ夜」は、『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』に収録されたもの。犯行が不可能な人を容疑者から外していくのではなく、この人だけが犯人足りえるという推理を火村英生が披露する。 表題作「カナダ金貨の謎」は、殺害現場から持ち去られていたのは、一枚の「金貨」だけだったということがポイントになる。アリスの視点から語られる部分と犯人の視点から語られる部分に分かれている。「あとがき」にも書かれているが、「国名を冠した作品では初の倒叙もの」である。この金貨(メイプルリーフ金貨)ともう一つの証拠を繋げた謎の解明は見事だ。 最後の「トロッコの行方」は、サンデルの「トロッコ問題」がキーとなっている。ネイリストを歩道橋から突き落とした容疑者として3人が浮かぶが、それぞれのアリバイには微妙な部分があり、火村とアリスは刑事と一緒に聞き込みに行く。私は、この作品には、やや釈然としない部分がある。 「船長~」と「カナダ~」の間の「エア・キャット」は猫好きの火村ならではの作品だ。 「カナダ~」と「トロッコ~」の間の「あるトリックの蹉跌」は火村とアリスの最初の出会いが描かれた作品。「あとがき」によると『46番目の密室』でも描いているそうだが、本作はその時にアリスが書いていてミステリー作品の内容にも触れている。また、煙草好きの火村ならではの作品だ。 「カナダ金貨の謎」の切れの良さは買うけれど、全体としては及第点という感じなので、★は3つにした。 | ||||
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