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(短編集)
カナダ金貨の謎
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カナダ金貨の謎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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国名シリーズ10作目、5つの作品から成る短編集です。 「エア・キャット」これは実際には猫がいないのに飼っているかのように声をかけたりして、いるつもりで生活する、そんな架空の猫のことです。猫好きの火村にふさわしい小気味よい一品に仕上がっていて、事件解決のきっかけになった火村のひらめきがユニークでした。 「あるトリックの蹉跌」アリスと火村の最初の出会いを描きます。久しぶりに同志社大学(作中では英都大学)と学生会館のシーンが目に浮かんでなつかしくなりました。2人がまだ学生だった頃、それから14年たち火村は卒業校の准教授に、アリスはミステリ作家になった、来し方をアリスがしみじみと振り返ります。 「カナダ金貨の謎」ある殺害現場で、消えていたのは被害者が首にかけていたメイプル金貨のネックレスだけだった、犯人自身のつぶやきから始まる倒叙スタイルのめずらしい設定。ここまでの3作が京都舞台です。 「船長が死んだ夜」めずらしくスピード違反を犯して免停になってしまった火村。聞き取り調査で兵庫県を訪ねていかねばならないのに足がない、そこでアリスに運転をたのみます。夜は温泉に泊まって2人でのんびり。けれどそんな所でも2人は殺人事件に出くわしてしまいます。 前に2人が北陸の温泉にカニを食べに行った短編を思い出しました。また、殺害された船長の人生や人となりが興味深かったです。 「トロッコの行方」久しぶりに大阪府警のコマチこと高柳真知子と森下刑事が登場し、おお、と声が出ました(笑)。お久しぶりです。森下刑事は相変わらずアルマーニを着用。バブル期に大流行したあのスタイルのスーツがなつかしいです。 「カナダ金貨の謎」と「船長が死んだ夜」「トロッコの行方」は犯人が殺人に至るまでの心理を描いて秀逸です。人はさまざまな理由で人を殺すという重大な行為に踏み切る、その複雑さが興味深いです。有栖川氏も年月と作品を重ねて、だんだんと人間観察が深くなっているような気がします。 そして「インド倶楽部の謎」からのスタイリッシュな装丁がいいですね。最近はアニメ風のものばかりになってしまって、どれもが軽いラノベ作品に見えてしまいます。内容にあわないと感じるカバーも多いので出版社さんには考えてほしいです。 5つとも異なったカラーのなかなかおもしろい作品集でした。 | ||||
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有栖川有栖の国名シリーズ短編集である。小説家・アリス&火村探偵もの。 5編が収録されているが、うち2編は超短編という格好だ。ぜんぶを構えて読んでいると肩透かしを食う。 ともあれ火村節は健在。超ストレートな謎解きものがあるかと思えば、えぇーそういう動機ってありうるのかみたいは話(いや、でも近年ならありえそうな話な気がしてきた)、などなど。 個人的には、冒頭のつかみもふくめて「トロッコの行方」が好み。ミステリ小説にトロッコ問題なんて持ち出してどうするんだと思っていたら、、、という展開が楽しい。ただし結末は、なんというか身につまされる、悲しいお話ではあるのですが。 | ||||
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面白さ。 | ||||
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ドラマからハマって 全巻読んでます。ぜひ 読んでみて下さい。 | ||||
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あとがきにあるクイーンのフルハウスは、 「QQQXX」みたいなハンドです。 まあ、有栖川さんの実力からして、これは せいぜい4か3のフルハウスでしょ。 川端康成の千羽鶴の志野茶碗じゃ ないけれど、もっと、いいものが ありますからね。 | ||||
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人気の国名シリーズ第10弾。短編2編と中編3編の構成。うち「船長が死んだ夜」は別のノベルズ「7人の名探偵」に収録済の作品です。 短編2編は本格ミステリーの範疇からは外れますが、火村・有栖川ファンは楽しめます。特に、「あるトリックの蹉跌」のエピソードなんて長年愛するファンには微笑ましい。 中編3編は真っ直ぐな本格推理もの。派手な事件でもなく、ドラマチックな展開がある訳でもないのに、ミステリー好きの読者の心をつかんで離さない。表題作は、シリーズ初の叙述もの。考えてみれば、追い詰める火村と追い詰められる犯人の構図はこのシリーズにピッタリでした。次回はその長編でも読んでみたい。 | ||||
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表題作を含む中短編集。 長編もいいけど、短編もいい! 「船長が死んだ夜」は、アンソロで読んでいたがやっぱり面白かった。容疑者3人で、犯人あてが楽しい。また土地や人の描写がいい。雰囲気が伝わる。 「エアキャット」は謎が少し変わっていて良かった。話に入る前の小夜子とのやり取りも面白い。 やっぱり表題作が一番おもしろかった!犯人視点で始まったので、どうかな?と思ったが読んでいくうちに引き込まれた。金貨を手に入れた経緯のあたりなんかまさにカナダ金貨の「謎」という感じ。 文庫になるまで読むまいと思っていたけどインド倶楽部の謎も読み返したくなってきた。 というか国名シリーズ全部読み返したい。 「面白い」と「いい」ばかり出てくる貧弱なレビューですが、おすすめです! 中短編集なので読みやすいですよ。 あとがきによるとシリーズ次作が出る予定はあるようなので楽しみです。 | ||||
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有栖川、法月、我孫子、二階堂、綾辻・・・ 本格ミステリーの若手を言われてからもう20年か。 全員終わってしまった。 中編だから仕方ないのかもしれないが、 犯人が誰だろう?と考える気すら起きず、ダラダラを読んでしまえる内容。 本当なら星一つだが、次回への期待を込めて4つ。 | ||||
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良かった。 | ||||
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火村と有栖が出会った詳細な経緯が明らかになる。このコンビのファンであれば満足な書だろう。しかしそれ以外特筆するものはく、筆者にはもう推理小説を書くのは無理なのだろうかと悲しさすら覚えた。近年、筆者はよく挑戦という言葉を使うが、挑戦の上の迷走ならまだしも、ここまで続くとただのスランプにしか感じられない。 | ||||
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国名シリーズ十冊目。中編三本と短編二本という構成だ。 安心のブランド、安定の品質だ。名探偵がサクッと謎を解く話は、やっぱりいいな。 一時は大流行した形式だが、今やコンスタントに本格推理を書いてるのは作者だけではないか。 もちろんベテラン量産作家は除く。西村とか内田とかは読む気がしないし。 『船長が死んだ夜』殺人現場のポスターが剥がされ、燃やされていた。火村は小さな謎から真相に至る。 論理が美しい逸品。最高に気に入った。解決後のエピソードが深い余韻を残す。 次の二篇は短編である。 『エアキャット』は火村の猫好きがフィーチャーされる。謎は他愛ないが、「なるほど」と思わせる。 『あるトリックの蹉跌』は有栖川のボツ作品の話だ。固定ファン向けの番外編という感じ。 表題作は、いつもの有栖川の一人称と犯人側からの記述が同時進行する。 倒叙物のサスペンスと犯人が現場で行った不可思議な行為の謎を解く本格推理の両方が味わえる。贅沢な中編である。作者は他の新本格作家と違って、人間を描くのが巧みだ。だからいまだに需要があるんだろうな。 絶妙な間の悪さとか、周囲から仲良しに見えるのに怨みが蓄積されていたとか、いかにも現実にありそうだ。 バーのマスターがさりげに印象に残る。キャメルクラッチ。 『トロッコの行方』冒頭でトロッコ問題が語られるが、本編の事件に結び付けるのは、やや苦しい。 解決が唐突だが、意外性があって悪くはない。 本格ミステリはかくあるべし。 サイコ野郎の生育歴や心理の裏側をねちねち掘り起こす小説も、メタがかった捻くれプロットも、もういらない。 衝撃ぶった作品に飽きると、子供のころから好きだった世界に戻ってくるのかなあ。 新鮮な驚きには乏しいので、星4個。 | ||||
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学生時代によく読んでいた作家さんですが、ドラマ放送のため本屋さんで平積みしていたので購入しました。 気づいたら、自分も火村やアリスと同い歳になっていてびっくりしました。 内容ですが、相変わらず安心して読める内容でした。 旅行の長距離移動の前に買うとしたら、この作家さんの本だとハズレがないかな。 まず、登場人物が、本当に生活していて、物事を見て考えているように書かれているのがとても良い。 ミステリでも登場人物があまりに作られた感がするもの、これはミスリード狙ってるな的なものも多いし、生活感ゼロで突っ込みたくなるものも多いので。 それから読んだ後の後味がいい点も、とても良い。 北欧ミステリなど内容がすごくても後味が悪かったり気分が重くなるものも多くて、育児の合間に読むのはちょっとな、と思うことがあるが、この作家さんだとその心配をしなくて済む安心感がありますね。 どんでん返しや、無茶をしすぎてひねくれてるトリックなどはないけれど、きちんとミステリを読ませてくれる本でした。 どちらかというと、火村シリーズは長編が好きなので、次はまた長編が近いうちに出てくれるとありがたいです。 | ||||
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中編3本と短編2本を収録した国名シリーズ。 短編の方は箸休め的な内容ですが、火村&アリスシリーズの始まりの物語である「46番目の密室」で描かれた2人の出会いを膨らませたエピソードは、シリーズのファンとしては楽しい内容。 中編3本の中でも特に気に入ったのは表題作の「カナダ金貨の謎」 国名シリーズ初の犯人視点が入るストーリーですが、過去作の「ショーウィンドウ〜」といい「完璧な遺書」といい、火村アリスの倒叙ものにはハズレが無くて面白い。 「トロッコ〜」は所謂トロッコ問題の提議に始まり、現実に起きた状況(事件)に対する結果が印象的。 「船長〜」も内容的には好きですが、犯人があることをせざるを得なかった理由はもっと別の事情(怪我とか)の方が説得力があったのでは?とも思う。 | ||||
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収録作品は、中編(長めの短編?)3本と「コンパクト」な短編2本で、それを交互に並べた形になっている。国名シリーズだけを考えると『モロッコ水晶の謎』から『インド倶楽部の謎』までは13年ほどあいたのに対し、本作は『インド~』から1年しか経過していない。 巻頭に収録されている「船長が死んだ夜」は、『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』に収録されたもの。犯行が不可能な人を容疑者から外していくのではなく、この人だけが犯人足りえるという推理を火村英生が披露する。 表題作「カナダ金貨の謎」は、殺害現場から持ち去られていたのは、一枚の「金貨」だけだったということがポイントになる。アリスの視点から語られる部分と犯人の視点から語られる部分に分かれている。「あとがき」にも書かれているが、「国名を冠した作品では初の倒叙もの」である。この金貨(メイプルリーフ金貨)ともう一つの証拠を繋げた謎の解明は見事だ。 最後の「トロッコの行方」は、サンデルの「トロッコ問題」がキーとなっている。ネイリストを歩道橋から突き落とした容疑者として3人が浮かぶが、それぞれのアリバイには微妙な部分があり、火村とアリスは刑事と一緒に聞き込みに行く。私は、この作品には、やや釈然としない部分がある。 「船長~」と「カナダ~」の間の「エア・キャット」は猫好きの火村ならではの作品だ。 「カナダ~」と「トロッコ~」の間の「あるトリックの蹉跌」は火村とアリスの最初の出会いが描かれた作品。「あとがき」によると『46番目の密室』でも描いているそうだが、本作はその時にアリスが書いていてミステリー作品の内容にも触れている。また、煙草好きの火村ならではの作品だ。 「カナダ金貨の謎」の切れの良さは買うけれど、全体としては及第点という感じなので、★は3つにした。 | ||||
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最近は電子版を購入しているのですが、表紙が収録されていないのは残念です。 内容は期待通り楽しめました。 また、某サイトに掲載され、読むためにはIDが必要だった為に諦めていた「あるトリックの蹉跌」が収録されているのもありがたい。やっと読めて嬉しいです。 | ||||
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