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シブミ
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【この小説が収録されている参考書籍】
シブミの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 1~20 1/2ページ
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ドン・ウィンズロウの「サトリ」が良かったので、二十年ぶりぐらいに再読。 意外と内容、忘れてます。「サトリ」も東洋思想があったけど、こちらはさらにより深い。悪く言うと、理屈っぽい?かな。 ニッコが使う裸ー殺が模倣される恐れがあるからと具体的な言及がないのが、興味深い。 訳者の菊池光さんはゴリゴリとした訳文で読みづらいんだけど、これは読みやすい。 おすすめです。 | ||||
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ドン・ウィンズロウ著『サトリ』がよかったので、その原著で『サトリ』の後日譚である本書を読んでみた。 内容的にはオリジナリティに富んでおり、太平洋戦争中~後の日本についてよく調べてある。 アメリカにおける日本人移民に行われたひどい仕打ちが、同じ敗戦国のドイツやイタリアの移民には行われなかったことは、「人種差別」に基づくものであること、広島や長崎への原爆投下は壮大なる実験であったことが語られている。本文の中で「8月6日」について、登場人物の女性が何のことか全くわかっていない。 現実、いまだ大半のアメリカ国民は原爆投下を正当化している。日本人として怒りを禁じ得ないが、言い出したら切りがないのでここでやめておく。 …少なくとも著者はわかってくれていたようだ。 内容はよかった。 ただ、わかりにくいところが何カ所かあること(序盤から)、かなり冗長であること(特に洞穴に入っている場面)が難点だと感じた。クライマックスシーンは今一つモヤがかかっている印象だ。 ウィンズロウの方が無駄がなく明確な迫力があり、自分には合っていると感じた。 本作は1979年発表の作品であり、時代によるものなのかもしれないが。 | ||||
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トレヴァニアンらしい、ひたすら修飾過多の凝った文章が延々と続くのはいいとしても、1冊丸々かかって、殺し屋ニコライの半生が描かれているだけ。 話の展開は帯のあらすじ通りなのに、そこまでいかない! ”シブミ”に表される日本的ワビ寂の世界観も日本人から見たら違和感があるし、戦後日本の生活も外国人から見たら興味があるのかもしれないが、我々から見たら今更かな。 | ||||
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後半になっても、ニコライの精神性を表すケイビング描写などが長く退屈。 読み応えある文章は魅力的だし、陰影のあるキャラはそれなりに魅力的なので、もう少しストーリーが走れば面白くなったのでは? | ||||
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プロット的にはイギリス風の冒険小説ですが、上巻は主人公の生い立ち描写に終始します。 下巻は本筋とは無関係のケーヴィング(洞穴探検)の描写が長く続き、何の小説なのかわかり辛くなります。 「シブイ」生き方を追求してるはずの主人公は、食事に関しては「健康志向」ですが、性に関しては日本人の考えるシブサとは裏腹にストイックとは言えません。 そして「命の借り」はその恩人当人だけではなく、面識も無く「素人」である姪にまで及ぶのか?そこまでする「義理」はあるのか?の問いに、主人公は、自分の命と財産を検案して「無い」と判断します。 それは損得勘定=主人公が嫌っている商人の考えでは無いのか? これが「シブイ」生き方なのか? むしろサムライであるなら、助けを求めてきた相手は、自分の命も財産も投げ出して助けるほうを選ぶでしょう。 それが明らかに「損な」ことであっても義理を優先する。それこそがサムライにとってのシブイ生き方のように思われます。 なので、作家が日本文化を非常に研究していること、東京大空襲、原爆という大量虐殺と、東京裁判という人種差別に根差した私刑に対する怒りを同じアメリカ人として抱いたのは素晴らしいことですが、 サムライのシブサとは、少々解釈が違っているように思われました。 | ||||
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個人的には極めて好ましいと感じるが、多くの読者にとってはネガティブな要素であろう、読了までの苦痛感。 これぞ、シブミなのかと、そう言い聞かせつつページをめくる。 着想、主人公のキャラクター構築、筆者自身の経験、知己に基づくものであろうディテールの描写。 全体を通して、粗密感の変化が著しく、プロ作家としては評価の分かれるところ。 しかし、それすらもシブミの境地を表現しているものだとしたら、これぞ裏の裏の裏を読んでこそという作品。 菊池光氏訳がこの作品を成り立たせているのか、あるいは、スポイルしてしまっているのか。 原文で読んでみたいと思った一作。 この日本という国が育んできた社会的、文化的価値観が瓦解しつつある今こそ、日々変わりゆく日常と本作において語られる、過剰な日本文化礼賛ともとれる表現の数々との対比を楽しむべき。 3度通読してこそ、真の価値が感じられるであろう、佳作。 | ||||
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自称「日本人の中の日本人」として、「シブミ」とは何なのか、本文を手掛かりに類推してみる。 「シブミ」とは言葉では言い表せないもののようだ。物質的利益の追求が犠牲にしてきたもの。 武士道とは異なり、忠誠の対象となる集団は必要ない。ノブレス・オブリージュとは異なり、世襲貴族のエクスキューズである慈善の対象も必要ない。個の内部で完結している。 それは正義でもなければ道徳でもない。"基本的な美徳はとかく都合のいい理屈の圧力の下で崩壊する傾向がある"。規範よりは美意識に近いものと思われる。 重みと深みを備えた様式美。素朴さの対極にある高度な鍛錬の賜物だが、外形的には自然体と映る。地味で控え目なことが、中身で勝負しているが故に一周回ってクールとなる。そういう有り様が「シブイ」のである。 だとしたら、その勝負している「中身」が「シブミ」の正体ということになる。 <囲碁> 囲碁に要求される能力として、中長期的視野、洞察力、大局観、経験に基づく直観力、俯瞰した視界の中に自らも含める視点、などが挙げられる。これらは「シブミ」の重要な構成要素である重みと深みに欠かせない能力である。 <階級> 著者の言う「階級」とはカーストのことではない。主として精神的階梯のことを言っている。知力、体力は精神力を支える補助的な要素となるが、地位、財力とは無関係である。精神的強者による強力な自律こそが、「シブミ」の源泉だろう。 <血統> 著者の言う「血統」とはDNAのことではない。"抑制的文明を人工的に育てる"ことである。教養、躾、修行によって、人間の獣的側面を牽制する。環境よりも自らの制御を優先する。「血統」とは洗練の継承を指している。「シブミ」の背景には歴史と伝統の積み重ねがある。"形式(と礼儀)がすべてであって、問題は一過性の事象にすぎない" その血統も、今はもうフィクションの世界に細々と見出されるのみである。自らの行動様式である「スタイル」に殉じるハードボイルドの主人公たちが、その末裔なのだ。 シビレル。 | ||||
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作家がアメリカ人と知って驚いた。上を半分読んだところだが、下を買っておこうと思った。訳者が好きで購入したが、やはり面白い。日本人よりも日本人らしい主人公の生き様を堪能しよう。 | ||||
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20年以上前に読みました。軍隊に入った正義感溢れる若者達が、仕組まれた航空機事故で全滅する場面しか覚えていません。これで、この国の就職難も少しは解消されるだろう、主人公がそんな会話をしていた様な…渋いですかねぇ(笑) | ||||
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世界中の街を「我が家」のようにして育った少年が己の核を日本の情緒に求める姿は面白いです。 「スタイル」を求めて生きる、ということそのものがとても味わい深く素敵なものに見え更にそれが「渋さ」なことにグッときます。 ストーリーとしては序盤からちょっと私にはわかりづらかったですね。 空港でのテロを装った殺人をその現場で伝えるのではなく、その様子を撮影した映像を多くの違う立場の者が一緒に観ている状態で伝えているので一層混乱します。 シブミを得ていくまでの過程が描かれ、やっとそれを見ている周りの連中とヘルとの関係性が明らかになっていった段階で上は終わります。 まだ本筋が走り出さずその前段階がやっと終わった感じです。 | ||||
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“シブミ”とは、ありふれた外見の裏に潜む洗練、日本的精神の至高の境地をさす。少年期に日本人の岸川将軍から“シブミ”の思想を学び、青年期に大竹七段から囲碁の手ほどきを受けたニコライ・ヘルは、いまや世界屈指の暗殺者となっていた。ハンナを護る決意をしたヘルだが、“マザー・カンパニイ”はCIAや警察をも支配下に置き、包囲網をせばめてゆく…。 | ||||
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東洋の神秘、日本人の精神性が高く評価されていて少々くすっぐたいが、 外国の読者はどう感じたのだろうか。 他のレビューにもありますが、洞窟探検やバスク人の話が長すぎたり、 アクションシーンがそこまで胸のすくものではなかったりと微妙な 感じもありました。 筆者の造詣が深いものをやや強引に詰め込んでありますがストーリー としての盛り上がりはいま一つの印象です。 | ||||
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ミュンヘン・オリンピックのテロ事件の犯人に報復するべく、ユダヤ人グループは立ち上がった。だが、その計画は事前に察知され、グループのメンバー二人が虐殺されてしまう。虐殺の首謀者は巨大組織“マザー・カンパニイ”。一人生き残ったハンナは、からくもその惨劇の場から脱出し、バスク地方に隠遁する孤高の男に助けを求めた―“シブミ”を会得した暗殺者ニコライ・ヘルに。 | ||||
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「シブミ」のタイトルと文中ででてくるシブミの意味合いが純粋な日本人とは異なり、違和感を感じた。ストーリー自体はまあまあであった。 | ||||
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「シブミ」のタイトルと文中ででてくるシブミの意味合いが純粋な日本人とは異なり、違和感を感じた。ストーリー自体はまあまあであった。 | ||||
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自分にとって、この小説の魅力は物事の本質に迫った洞察と、シニカルな考察(とくにハンナに対するシニシズム)だ。日本文化へのそれは興味深かったが、ケイヴィング(洞窟探検)やバスク人についてはやや退屈した。ちょっとニッチすぎる気がする。 そして暗殺者ニコライ・ヘルの、通俗を嫌う、ほとんど偏屈ともいえるキャラクターも秀逸。彼が手にする霊的な能力も、彼の超人性を高めている。 冒険小説としての出来はいまいちだと思うが、ハンナにからめて最終的な戦いに挑む結構は(あざといが)よかった。 それとIRAやPLOなど、実在する政治的テロ団体への(罵倒に近い)批判的視点も興味深かった。日本の小説は、このあたりを自主規制しているのだろうな。 | ||||
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お送り頂いた「シブミ上)は、梱包、中身特に問題ありません。文庫本ではなく、単行本か新書ものなら、最近、もの が読みにくくなった私には、喜びが大きいのですが、仕方がありません。関係者の皆さんに感謝申し上げます。 | ||||
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テロによるテロの報復事件が起こり、生き残ったテロリストが究極の暗殺者に助けを求めるが・・・というお話。 本書の要諦を箇条書きにしてみると、 1 テロリスト対テロリストを巡る謀略小説 2 日本の本質を極めた暗殺者を主人公にした冒険小説 3 東洋的視点で西洋を俯瞰した思索的スリラー 4 洞穴探検を詳細に描いた迫真の冒険サスペンス ということになると思います。そしてこの4つのどこをとっても欠損する部分のない一部の隙もない稀有な物語だと思います。 とくに我々日本人には日本と日本人の描写の正確さに驚かされます。ポストの「影の獄にて」同様にここまで日本の本質を理解した小説を私は他に知りません。よくぞここまで書いたと感心してしましました。 兎に角本書を読まずに冒険小説は語れない現代の古典。海外の視点から日本の見つめた小説としては前記のポスト「影の獄にて」やバラード「太陽の帝国」と並ぶ傑作。是非ご一読を。 | ||||
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評価が良いのですが、私には良くわからない作品でした。 特に本下巻は読むに耐えない | ||||
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(上巻) 『アイガー・サンクション』『夢果つる街』読了済。 著者の情感溢れる筆致は大いに認めるものの、欧米作家の描く日本という設定に違和感を覚え、今日まで読まずにきた。 話の本筋よりは、ゴルゴ13を思わす稀代の暗殺者の出生の秘密と戦時下の上海・日本での青春時代の描写が秀逸。 アメリカ人とは思えない日本文化への理解と共感。 もし日本学の泰斗ドナルド・キーン博士が謀略小説を書けばこの様なものになるかも。 現代日本人には決して書けない廃れゆく日本の美への哀惜の念。 日本人の目には心地良いが肝心の母国の読者が理解できたのかが気になる。 (下巻) ノスタルジックかつリリカルな上巻から一転、ケイビング(洞窟探検)場面での幕開け。 当然これはクライマックスへ向けての伏線となっている訳だが、幾ら何でも80頁は長すぎる。 全体の4分の3くらい過ぎて、やっと話が動き出すが、最強の暗殺者と言いながら、攻めは強いが守りは弱い。 西洋版金田一耕助といったところか。世界を裏から牛耳る黒幕とは談合し、実行部隊に対してのみ復讐するなど、 今一つ感情移入し切れなかった。但、上下巻平均すれば水準以上の出来栄えと言える。 上巻が気に入ったら『夢果つる街』を是非 読んでほしい。哀感絶品。 『見知らぬ国は狼の国』『しかし、鳥はそれぞれ美しい巣を持っている』 | ||||
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