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線は、僕を描く
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線は、僕を描くの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全126件 61~80 4/7ページ
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なぜこれほど評価が高いのか理解できません。題材は面白いのに、如何せん小説家としての力が不足していると思います。ときどきあるのですが、ある分野の専門家が、自分の知識を生かして小説にしたものの、小説家としての力量が足りなかったので読み物としておもしろくないというパターンでしょう。少なくとも、小説慣れした大人が読んでも、残念ながら肝心の文章が稚拙なので、感動はしないでしょう。読んでないけれども、漫画のほうが良いかもしれません。 | ||||
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なんと書けばいいだろか? 孤独な少年期の終わりの君は純粋で透明だ。 それを解るように言葉を選び丁寧に自分の心を表現した。 水墨画を勉強してみたくなった。 この古典芸術が広く日本人に知られるといい。 | ||||
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ラストシーンまで、流れるような描写によって静かに描かれる僕と内面と、現代人には珍しい水墨画の世界。 主人公の“僕”は、2年前に事故で両親を失って心が空っぽなまま上手く生きられないでいる。 そんなときにバイト先の展示会で出会った老人が、実は水墨画界の巨匠で、“僕”は内弟子として迎えられることになる。 老人の孫娘は絵師を目指すものすごい美女。 (ワンピースのハンコックを思わせる) “僕”と彼女は対立しながらも、賞を目指して争うことになる。 というのがストーリーの概要である。 前半でこのような展開をされて、珍しいのは水墨という題材だけで、設定としてはありきたりだなと感じてしまった。 結末としては、僕か彼女かのどちらかが賞を取るのだろうし、ふたりはいずれ惹かれ合うだろう。 水墨を描くことで“僕”の心が救われていくのだろうな、と。 話にだいだい予想がついてしまい、私のこの本に対する評価はそこまで高くなかった。 ーー後半に入るまでは。 主人公の青年の、両親の他界という“わかりやすい不幸”に多少の苛立ちを感じながらも(というのは私が虐待サバイバーであり、親がいるからこそ苦しんだ人間だからなのだが)、 最後まで読ませたのは、各絵師が絵を描くときの描写が、まるで目の前で絵を描かれているかのように生々しく迫力のあるものであったこと。 また、作者が訴えたいテーマが、紙面を飛び出して伝わってくるような気がしたからだった。 物語は綺麗に、かすかに墨の香りを残して、最後に点を打つかのような一文で終わる。 この一文以外にふさわしいラストはないだろうという締めだ。清々しい気持ちになった。 他に印象に残ったのは、「まじめは悪くないけれど、少なくとも自然じゃない」という先生の言葉と、 「何も知らないということが、どれだけの大きな力になるのか」という先輩絵師の言葉だ。 著者は絵を嗜む人間なのだろうか? 少なくとも、自分の内側を外側に出すということがどういうことなのか、突きつめて考え、それを活字にした人なのだろう。 芸術と呼ばれる分野は、そういう面では表現しようと思った手段が音であれ絵であれ文字であれ、根底にあるものは同じような気がする。 しばらくぶりに、絵を描いてみたくなった。 余談だが、作者は「みずみずしい」という言葉に思い入れがあるのだろうか? 本文中、たくさん見かけた気がするのだが……。 | ||||
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一筆、ただ線をひく。その数舜の動作を三十行にわたって描写してある。大げさに書くと、そういう印象のある小説であり、物語がダイナミックに進むタイプの作品ではない。本屋大賞には珍しいタイプなので、その点は留意されたほうが良いかもしれない。 しかし、わずか数舜の動作、単純に見える動作にどれだけの困難と修練と思いがこめられているか。ただ一本の線から、どれだけ芳醇で大きな世界が広がっていくか。その世界がいかに精妙で精緻で、力強いものか。その新しい地平を教えてもらっただけで、十二分に満足です。水墨画を見る目が変わりました。より深く、より多面的に楽しめると思う。 何より、捉えどころのないような水墨の一筆、一筆をこれほど微に入り細に入り見て取ることができる素晴らしい観察眼、いろどり豊かに描き出す筆力。脱帽です。文章に酔い、ページをめくるたび、水墨をやってみたい気持ちを抑えるのがたいへんでした(苦笑)。その意味で間違いなく良い小説だと思います。 | ||||
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非常に良かった。最後まで読んで改めて腑に落ちるタイトルが秀逸。 実際に水墨画に携わって「本物」を見た人じゃなきゃ書けない話と心の動きと観察眼だよなと思ったらその通りだった。主人公の青年の目を通して作者が水墨画で出会った経験と感動とその奥行を仮体験させてもらえる一冊。 個人的には、「線」というものに昔からなにか縁を感じていて、でも書道ではないんだよな、と思っていたのだが描かれていた水墨画の精神にすごく響くものや気付きがあった。 | ||||
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主人公の「生き直し」を描いた作品。 村上春樹さんの「ノルウェーの森」を思い出しました。 両方の作品に共通しているのは、主人公に透明感があるということでしょうか。 主人公の目を通して物語が展開されていくのですが、そこに主人公の確固たる 「個」を感じ取ることはできません。 湖山先生はじめ個性あふれる周りの人々が彼をどのように扱うか、を通じて 読者は主人公の人となりを理解していくことになります。 主人公自身が自分は何者であるのかを見失っている (ネタバレになるのでこれ以上は書きませんね) ことを合わせてみると、この描き方は非常に効果的でした。 彼が水墨画に挑戦することで、自らの「生」に戻ってくるプロセス も素晴らしかったです。 無駄なものは省き、自然で無理のない作品です。 たくさんの方々と共有したい感動があります。おすすめです | ||||
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"筆に濃墨を含ませて、根元を逆筆で作り、韮の葉っぱのような鋭い線を葉先に向かって作っていく。真っ白な紙に墨のアーチができる。真っ白な空間に、ポツンと一枚の葉が浮いている"2019年発刊の本書は水墨画を題材にして主人公の成長が描かれた、王道的青春物語。 個人的には、関わらせていただいている【読者による文学賞】の選考作品として手にとらせていただきました。 さて、そんな本書は喪失を抱えた大学生の青年が偶然出会った水墨画の世界に魅せられ、様々な人と出会う中での成長と再生が描かれていくのですが。多少なりと文化に関わる立場としては、水墨画という非言語芸術分野の鮮やかな描き方は素晴らしいと感じました。 また一方で、物語としては予定調和的で、私個人としては物足りなかったのですが。漫画化が決定しているように物語の主人公に感情移入して読むたい人には満足度が高いのではないか。とは思いました。 水墨画好き、あるいは爽やかな青春物語が好きな人にオススメ。 | ||||
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久しぶりに面白く読めました。水墨画や絵に対する知識も感性もありませんが、楽しめました。 | ||||
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水墨画の表現がとても瑞々しく、やわらかにイメージが広がりました。 主人公が少しずつ外界と接していく様子など、急ぐことなく書き連ねてあるところが好きです。 自分の生活を見つめ、大切に過ごしたいと思う読後感でした。出会えて良かった本です。 | ||||
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水墨画において、線を引くということの重要性はとても伝わりました。 不可逆性(一度引いたらもう訂正できない)は、過去に戻れない人生と重なるし、それゆえにとても緊張感を伴う、その臨場感も伝わってきました。 けれど、小説としてはつまらない。 主人公は確かに水墨画という新しい世界に飛び込むのだけれど、才能を見いだされて、お膳立てしてもらって、という受け身がずっとついてまわる。 小説にする必要があったのかな。 筆者の美しい画と、文章というエッセイの方が面白い気がする。 面白い題材なのに、もっと違う書き方があったんじゃないかなあと物足りなかったです。 | ||||
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水墨画を知らなくても読める本です 言葉で表すのが難しいので1度よんで欲しいです | ||||
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主人公の青山霜介は17歳のときに、両親を自動車事故で亡くす。 失意のまま、付属の大学に進学する。 展覧会の設営のアルバイトの際、 水墨画の大家・篠田湖山に出会い、才能を見込まれ、内弟子となる。 水墨画に向き合い、水墨画を通じて様々な人と触れ合うことで 青山は再生していく。 水墨画というあまり知られていない世界に スポットライトをあてるという試みは大成功している。 画を文字で表現している表現力も目を見張る。 画を丁寧に説明し、感じたこを的確に言葉にしているからであろう。 正にその画の前に立っているかのような臨場感を 味わうことができる。 水墨画の描き方や、芸術の中での位置づけなども丁寧に書かれており、 唯一無二の水墨画の紹介文だ。 一方で、物語自体には疑問符が少しつく。 出来過ぎたエピソードが所々にある。 p66-67で、湖山先生が青山に自然の大切さを説いているが、 自然じゃない箇所が散見された。 まずは、青山と湖山先生の出会いのシーンが挙がる。 初めて生で見る水墨画にあれほど鋭い感受性を示す青山が、 隣にいる老人を水墨画関係者と思わないはずがない。 次に、同じ大学の同じゼミの川岸さんと青山の最初のシーン。 山岸さんに本作内での水墨画界について説明させ過ぎている。 作家の読者サービスだと思われるが、 山岸さんから青山が受け身に情報を手にいれるのではなく、 水墨画により興味を持った時点で、青山自身が図書館などに行って 自分で調べて情報を手に入れる方が、よほど自然だろう。 湖山先生が孫娘の千瑛と内弟子の湖栖先生に、なぜ指導したのか。 p178では、青山が「後で聞いた話」として詳しい内容が展開されているが、 後で青山に伝える人物が想定できない。 本書でも、青山が誰から聞いたかは明かされない。 p51「まるで魔法のような」 p217「映画のワンシーンのようだ」といった表現も、 作家の表現としては、いかがなものだろうか。 こういう疑問が読んでいる間に浮かび上がると、 物語に没頭できない。 本書を読みながら、マンガ・アニメの「3月のライオン」 が思い浮かんだ。 「3月のライオン」の主人公は、両親を亡くし、 将棋に打ち込み、将棋を通じて出会った人々との交流によって再生していく。 そんな物語だ。 どこが違うか。 「3月のライオン」は将棋の説明を最低限にし、 人間関係の物語に焦点が当てられている。 将棋に詳しくない人にも、取っつきやすくなっている。 それに比べて本作は、 水墨画の世界と青山の再生の物語の両方を描こうとしている。 物語を通じて、水墨画の世界を知ってもらうというのが 作家の意図だったのかもしれない。 水墨画の紹介文としては、素晴らしい。 物語に焦点を当てたら、もっと素晴らしい物語を書けると思う。 これだけのことを、デビュー作でやってのけたのだから。 ファンになった。次回作に期待している。 | ||||
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他の方のレビューにもありましたが、読んでいるかなり早い段階から、『蜜蜂と遠雷』と 優劣ではないですが、重ねてしまいました。 『蜜蜂・・・』が動なら、本書は静です。 華やかさやエンタメ性では前者が私の中では断然良かったですが、人の内面の描写や人生観を より感じて楽しめたのは本作品の方でした。 両方に共通して言えるのは、読書でありながら、情景が見えてくる(蜜蜂は音が聞こえてくる) というビジュアル化できることだと思います。これって読者にとってはすごく楽しいこと ですよね。 本作品の中でいくつかいいなぁという人生観を表す表現が出てくるのですが、私が特に いいなぁと思ったのは、「減らすことで、より満たされる」です。おそらく同じことを 余白を活かすという表現でもされています。 読後感もよくて爽やかな青春ストーリーでかなり満足しました。 惜しむらくは、著者のポテンシャルを考えると、ストーリーに起伏というか、陰影を もっとつけると、よりリッチな作品になったのではないかと思ったことです。 作家としてはこれからの方だと思いますので、自作が楽しみです。 | ||||
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両親を失った主人公、ちょっととっぽいバディと才能あふれる美人のサイドキック、 そして温かく見守りながら導いてくれる老賢者。 いつヴォルデモートが出てくるのかと、少し期待してしまったが、 そういうことはなく、むしろ最後まで悪役は一人も出てこない。 すべてを失った主人公は、それ以上過酷な使命や運命を背負うことなく、 周囲の温かい視線に包まれながら、才能を素直に開花していく。 クライマックスも予定調和から半歩もはみださない。 ツイストを重ねる物語を読み慣れてしまっている今、 これ、いったいどうしたらいいんだろう? 一読した印象では、正直、困惑した。 メフィスト賞みたいな面倒くさい賞の選考者たちが、 いったいこの作品のどこを評価したのか納得いかなかった。 一方で、墨絵の描写は圧倒的だ。 文体こそこなれていないものの、描く者の心理を鮮やかに描き、 音、光、空気、そして描かれた絵までが見える気がする。 おそらく、経験した人ならではの固有の風景が見えている。 これ、いったいどうしたらいいのよ? さらに困惑は深まる。 なんとなく納得したのは、少年マガジンに連載されたマンガを読んでからだ。 物語の起伏や空気感がちょうどいい。 絵を言語化したものを、さらにマンガで表現することに、 期待と不安が混じりあった感情を抱いていたけれど、 マンガ表現の洗練は、凡庸な読者の遥かに先を行っているようで、 違和感を感じていたところが補われ、強い説得力を覚えた。 ついつい物語とキャラクターに目がいきがちだけれど、 この作品にとっては「描くこと」を書くのが主眼で、 物語や登場人物はそれを邪魔しなければいいぐらいに考えているのかもしれない。 なんだか、そんなふうに納得してしまった。 主人公はそこにある一幅の絵。 虚飾を排して、そこにあるもののスピリットを描こうとする意志。 たしかにこの作品は、その絵そのものかもしれない。 やはり小説は好きなことを好きなように書いていいのだったと、再認識しました。 | ||||
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両親を交通事故で失い、喪失感の中で生きる大学生の主人公が、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠に気に入られ内弟子となり、 反発した巨匠の孫娘と最初はぶつかったり、水墨画や巨匠や他の兄弟子との時間の中で、 「命」を描きながら、自分の心と向き合いながら、 空虚となった自分の心と人生を再生していく感動作品です! 水墨画を書いている表現も繊細かつ巧みであり、 僕は水墨画を知りませんが、一般的な絵画鑑賞や音楽鑑賞をしてる時に感じる心の潤いや高まり、フィニッシュへ向かう創作の流れの構成力等、芸術に感動する体験を存分に味わう事が出来、感無量でした! ただ、今作の水墨画の表現から芸術を楽しめるかどうかは読者の感性等に大きく左右されるとは思うので、読者を選ぶ作品だとは思います。 それでも、世界に絶望した主人公が、心と真摯に向き合う水墨画・師匠や兄弟子たちとの時間の中で心を再生していく様は圧倒的な感動であり、 かつて主人公と同じく世界に絶望した経験をした自分にとっては、改めて生きる素晴らしさを再確認させてくれた名作でした! 今年の本屋大賞ノミネート10作に選ばれていて、現在6作読み、 去年唯一読んだ『ノースライト』以外は外れだなと感じていますが、ようやく今作で今年の本屋大賞に値する名作に巡り会えました! 是非とも本屋大賞を受賞して欲しいです(^-^*)/ | ||||
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この小説は読む人それぞれの鏡のような気がします。 扱うのは緻密な推理ではなく、心の内側。 それをどう表すかは個々に違い表れたものがどう映るのかもまた個々に違い・・・。 それが青春と絡み合い色を成してゆく姿は読んでいてとても爽やかになれました。 | ||||
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作者が本当の水墨画家とは知らず読んだ。芸術家の心理とはこのような内面を追求するものなのかとおもった。 | ||||
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何故「線は僕を描く」を購入しようと思ったのだろう 友人との待ち合わせの時間に早く着いたため時間つぶしで とある大型書店に立ち寄りました その時は特に本を買うつもりもなく書店内をブラブラと目的も無しに歩いていたのですが何気なく平積みになっていた本に目をやると その美しい表紙から目が離せなくなりました 手に取り あらすじを読んで「どうしても読みたい」という衝動に駆られ購入を決めました 正直ここ最近 小説を読んでも面白いと思える作品(個人的な意見ですのでお許しを)に出会えず家の書棚にある本を読む日々を過ごしていました 「線は僕を描く」は心の再生と成長のハ-トフルな作品 王道と言えば青春小説の王道のように思いますが…何かが違うような気がしました 「読み終えて」ただ…ただ…美しい…とそう余韻に浸ることが出来ました 久しぶりに購入をして良かったと心から思える作品でした 「線は僕を描く」を購入した時期は遅く漫画連載もされていることを知り後に漫画も購入をしました | ||||
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心に響く言葉が何度か出てきてつい鼻水をすすりつつ読んでしまいました。 | ||||
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本質の美を感じさせる物語です。 小説を読んだというよりも、水墨を通じて感じる美の世界の物語を感じる作品でしょうか? 面白いと感じる方、どこが面白いの?と感じる方に分かれる作品だと思います。 | ||||
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