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線は、僕を描く
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線は、僕を描くの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全103件 1~20 1/6ページ
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青山霜介(そうすけ)はひ弱な文型の大学生。たまたまバイトで水墨画の展示を手伝い、水墨画の大家、篠田湖山(しのだこざん)と知り合いになり、成り行きでその弟子にされる。しかも、1年後に湖山の孫娘、千瑛(ちあき)と水墨画で対決することになる。向こうはプロの画家、霜介は全くの素人である。 霜介は、17歳の時に両親を交通事故で亡くした。それがトラウマになり、何もできなくなった霜介だが、私立の附属高校から大学に進学し、何とか大学生になった。ひとり暮らしをして講義に出席し、友達らしきものもできた。だが、心の中の問題は解決していなかった。 すべて納得したわけではないが、湖山先生の言葉には何となく説得力があり、水墨画を習ってみることにした。めったに内弟子を取らない湖山先生の弟子になったのだ。 湖山先生によれば、水墨画は墨だけを使って森羅万象を描き出そうとする。その本人が「自然」でない状態では、「自然」を描き出すことは無理だというのだ。そして、霜介が心を閉ざしており、その強張りや硬さが所作に現れていることも見抜く。 一方、湖山先生の描画は、さすがに達人らしく、力が抜けているのにずっと見ていたいような雰囲気を出している。 霜介は初心者向けの蘭だけを描いている。しかし、水墨画では「蘭に始まり蘭に終わる」という言葉があり、基本的な要素は全て含まれているようだ。 その後、霜介は藤堂翠山(とうどうすいさん)というもう一人の大家と会う機会があり、目の前で水墨画を描いてもらう。しかも、落款を押した正式な画としてプレゼントされた。 千瑛との勝負も楽しみである。 水墨画には描いた人物の個性が現れるようで、どんな気質の、どんな性格の人間が描いたのかまで分かるという。全く知らなかった水墨画の世界を知り、少し視野が広がった。「ラブカは静かに弓を持つ」と同系統の小説だと感じた。 | ||||
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幼い頃、両親を事故で同時に喪った霜介。親戚に育てられたが、心の中は空虚だった。真っ白な壁に囲まれた部屋の中てうずくまっているように。 大学生になり外の世界に踏み出し始めた時に水墨画の巨匠に見出される。「綺麗にお箸を持つね。」彼の心の素直さが出てたのだろう。純粋で真っ白で素直。彼の描く線はどこか寂しさがあるのか心の琴線に触れる。 テクニックは学べる。でも心の底にあるものをどう描くか。文字だけで書かれているのに墨絵が描かれる様子が見える。天才画家が生まれる現場に居合わせたような幸運を体験出来ました。 2020年本屋大賞 第3位 | ||||
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私は映画から入りました。タイトルからすでにオーラが漂い、惹きつけられるように 見始めて、美しさと驚きの中で終わりました。 原作のこの作品。 水墨画のイベントにアルバイトとして訪れていた青山君。水墨画も何も全然知らずに いた彼が、西濱さんと話し、湖山先生に見出され、千瑛さんと出会う。 彼の過去が、少しづつ水墨画の世界の意味とか美しさとか、余白とか、濃淡とか、 そんな言葉の表から裏まで全てを超えたところで融合する、融和する、溶け合って、 見つけ出すのか、見出されたのか。 蘭の花、竹、菊と、学園祭を乗り越え、湖山先生の病も、この時のためなのか。 100点の3乗。 芸術が芸術を語り、芸術を超える時が来るとは思っていませんでした。 蜜蜂と遠雷では恩田さんが言葉で音楽を語るというテーマに挑みました。それは それで見事だったと思います。 この作品、水墨画の色彩とか、濃淡とか、深さとか、全てを全て言葉で語り、 恐らくはほとんどの読者にその音が、色が、光、輝き、驚きが伝わった。 そう思います。 そのくらい、言葉のセンス、使い方、選び方、並べ方が芸術的でした。 引用したいところ、紹介したい文章、覚えたい言葉の使い方をマークしていったら、 後半はほとんど全部の文章をマークしてしまいました。 映画も素晴らしかったのですが、映画では水墨画が目に映ります。視覚で圧倒される 素晴らしさも感動したのですが、この作品、レベルが違いました。この作品を描き 伝えるには、ハードルが高過ぎました。 でもなあ、最初がこの大傑作で、この天才君は、これ以上の作品を描こうと、そして 著そうとするのでしょうか。無理でしょ。そのくらい言葉のセンスと美しさと響きに 魅せられました。むしろ私はこの方の水墨画を見てみたい。 私、100点の3乗って、この間のWBCの侍と、ゴースト、大誘拐、アイアンジャイアント くらいしかつけたことないんですけど、それらに並びます。 ありがとうございました。 | ||||
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水墨画をテーマに過去に傷を負った青年が躍動する青春小説。読みやすく痛快に話が進む。時に感動を覚える。 | ||||
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子供が面白いと一気に読み切りました。子供は満足しています。 | ||||
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心を閉ざした主人公が、水墨画に触れ徐々に心を開いてく様子が良かった。自分自身、内面をよく見れていないなとも感じた。二人のその後のストーリーが知りたかった。が、これくらいで終わるのがいいのかもしれない。 | ||||
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●墨の匂いから擦り方まで或いは筆のはこび、身体の動きなど、こと細かな濃密な描写はさすが水墨 画の絵師でなければ表現できないものでした。加えて主人公の心模様はあくまでも”淡”。濃淡織り交 ぜた筆致です。水墨画は私の全く未経験の分野で、新鮮な感動半分難解さ半分でした。 水墨画の命は”線”といいます。その線を描く難しさと喜びを知り、自分自身の姿を描く(説明する) 主人公の成長が温かく伝わってきました。 | ||||
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線は、僕を描く 10/24 ブルク13 砥上裕將(とがみ ひろまさ)という水墨画家/小説家による同名小説を、小泉徳宏が監督して映画にした。脚本は片岡翔と小泉。いい映画だと思う。帰宅後、Amazonで文庫を注文した。 主演が横浜流星と清原果耶。ふたりとも最近映画出演が多いという思いこみがあったが、実は清原が出演した劇場映画は今年はこれだけ。じゃ、テレビ出演が多いのかと思いきや、彼女は今年は1月放送の「ファイトソング」(TBS系、主演)に出演しただけ。私はそんなドラマがあったことすら知らなかった。意図的に本数を絞りこんだ事務所の配慮が感じられて好感を持つ。一方の横浜流星の映画は今年4本目で、すでにこの後2本が来年封切られることが発表されている。 水墨画をテーマにした映画。映画だけでなく、小説としても水墨画がメインに取り上げられたのは、この原作しかないらしい。もともとのタイトルは「黒白の花蕾」で、2019年に第59回メフィスト賞を受け、出版にあたって「線は、僕を描く」に改題された。その作品は2020年の4月に発表された「本屋大賞」(第7回)で3位になった。ちなみにこの年の本屋大賞の1位が「流浪の月」(凪良ゆう 作、)で今年5月に映画が発表され、2位の「ライオンのおやつ」(小川糸 作)は昨年NHK BSプレミアムでテレビドラマになったが未見。調べると、花蕾の読み方は「からい」らしいが、ネットでしらべてもブロッコリーの和名としか載っていない。タイトル変更は当然だろう。 水墨画とは縁もゆかりもなかった大学生、青山霜介(横浜流星)は、ちょっとしたアルバイトで水墨画展示の現場に行き、そこで出会った水墨画家、篠田湖山(三浦友和)に「弟子にならないか」と声をかけられる。狐につつまれた思いで湖山の家に通うようになった霜介は、そこで湖山の孫娘、やはり大学生の千瑛(ちあき、清原果耶)に出会う。千瑛は新鋭の水墨画家で、画号としてはせんえいと読むらしい。どうやら、祖父が霜介を弟子にしたことが気に入らないらしい…。 清原果耶の映画をずいぶん見てきたので、今年も何本かあると思っていたら、彼女の今年の映画出演はこの作品だけのようだ。前年、2021年には5本あったので、その印象が強かったのだろう。彼女は2018年の「ちはやふる-結び-」にも出演しているが、その作品は小泉徳宏(のりひろ)監督が撮った。そちらは競技かるたの世界を描いた作品だった。今回もROBOT社の小泉監督の演出作品。 今年の邦画としてかなり上位に位置する作品になった。本物の水墨画家が、映画で使われる下絵、完成品を描いているようだ。とにかくそれらの絵が美しい。大袈裟でなく、墨絵なのに色が浮かんで見える。映画として、大きなスクリーンでご覧になることをお薦めしておきたい。 ここまで書いてから翌日、火曜日のブルク13に別の映画を見に出かけた。前日注文した原作の文庫本が郵便受けに入っていたので、それを持って往復の電車の中で少しだけ読んだ。原作の第1章に、私がこの直前のパラグラフに書いた、墨絵のなかに見える色について主人公が師匠に話すセグメントがあった。小説の文章がうまいのか、私の感受性が優れているのか—。いや、ここは監督の感性、演出力をほめておきたい。一瞬そんな「色を見せる」CG技法があるのかと疑った自分が情けない。ROBOTはCGの技術の見事さで知られるが、この映画ではそんな部分にCGは使ってはいないと思う。 最初の題名を改めた「線は、僕を描く」というタイトルがいい。そして、水墨画をまったく知らない大学生に、それはほとんどの観客に向けてでもあるのだが、水墨画について解説、説明してくれる。画家の湖山がなぜ弟子になるように誘ったのかは原作を読んで初めて理解できた。その部分をあえてセリフにしなかった脚本家に敬意を表しておく。 これはよくできた脚本、演出の映画。お薦めできる。// | ||||
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水墨画という全く馴染みのない世界の話だったが、描写が細やかなので(作者が水墨画家とのこと)、水墨画の美しさや奥深さを堪能できた気がした。まるで主人公の瑞々しい感性を疑似体験しているかのような感覚で読めた。全体を通して、癒される文や、勇気づけられたり気づかされる言葉に何度も出会えた。 | ||||
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白と黒の世界に色気があることを、文章を読んでいて惹き付けられました! 映画も観てみたいと思います! | ||||
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2022年10月21日から横浜流星主演で映画化もされる話題作。 小説や漫画や映画を見ることは、知らない世界を知る楽しさがある。 漫画『ちはやふる』が競技かるたを、漫画『3月のライオン』は将棋の世界を描いている。 『線は、僕を描く』は最近では珍しく小説が原作で、水墨画の世界を描く。しかもかなり本気で、水墨画の魅力を伝えようとしている。 文庫版のあとがきを読むと、著者自身が水墨画の個展を開くほどの腕前があるとのこと。 白と黒だけで描く、究極のシンプルな芸術の世界、それが水墨画。 雪舟や宮本武蔵や仙崖などをはじめとして、日本からも多くの天才が生まれた。 そしてこの小説の最大の魅力は名言で、その名言の宝庫でもある。 そのほとんどが湖山先生のものだが、以下に14個引用する。 水墨画の本質は人生の本質そのものであり、以下の名言にそのことが散りばめられているからだ。 1 「才能かあ。いや、違いますよ。青山君。きっと違う。才能はね、この煙みたいなものですよ」 「タバコの煙ですか?」 「そう。気づくと、ごく自然にそこにあって、呼吸しているものですよ。たぶん当たり前にやっていることの中に、才能ってあるんですよ」 2 「でも、これが僕にできると思えません」 「できることが目的じゃないよ。やってみることが目的なんだ」 3 「いま君が経験したのが、天才が絵を描いたときに感じる感覚だよ。 純粋に絵を描 ことと言ってもいい」 「天才が絵を描いたときの感覚? あんな子供のように描くことがですか?」 「もし子供のように無邪気に描ければ、その人は天才になれるよ。失敗することが楽 しければ、成功したときはもっと嬉しいし、楽しいに決まっている」 4 湖山先生は言葉を繰り返した。 「いいかい。水墨を描くということは、独りであるということとは無縁の場所にいる ということなんだ。水墨を描くということは、自然との繋がりを見つめ、学び、その 中に分かちがたく結びついている自分を感じていくことだ。その繋がりが与えてくれ るものを感じることだ。その繋がりといっしょになって絵を描くことだ」 5 「描くものに心を通わせないと、いい絵は描けないと思うよ。でもまあ、そういうの は最初はいいんだよ。最初は大丈夫」 6 千瑛は首を振った。 「私は人に教えたことなんてないわ。教わることがまだまだ山ほどあるし、どうやっ て教えればいいのかも分からない」 「自分の絵だけを見ていれば、そのうち自分自身の手にも技にも騙されるようになっ てしまうよ。人に教えることで気づくことも多い」 7 「水墨画が大学でも教えられず、専門的に学ぶこともできないのなら、今の水墨画は どうやって継承されていくの?」 千瑛は一呼吸おいて真剣な顔になった。 「正直な話、私たちが学ぼうとしているような専門的な技術は、継承されない可能性 もあるわ。しっかりと教わる場所は何処にもないから、ただの趣味の習い事として、 カルチャースク ルやお教室に通うしかないわね」 「嘘だよね?」 「本当よ。水墨画がいま根付いている業界は、美術ではなくて、どちらかというと生 涯学習とか趣味の分野で、美術的な流行というのは、はるか昔に終わってるの」 8 「湖山先生が言ったんだよ。まじめというのは、悪くないけれど、少なくとも自然じ ゃないって。自然さが大事だって湖山先生は言っていたんだよ。それが指先に表れる って言っていた」 千瑛は参った、というような顔をしてその後、静かに首を振った。 た。 「なるほどね。どうすれば、最高の絵が描けるのか、もしかしたら最速の道を青山君 には教えているのかもしれないわね」 9 「は、はい。とにかく描き続けました」 「それでいいんだよ。最初はセンスとか才能とかそんなのは何も関係ない」 「センスとか才能とかってあまり関係ないのですか?」 「少なくとも最初は、あまり関係がない。できるかどうかは分からない。でもとにか くやってみる。それだけだよ」 「とにかくやってみる…....ですか」 どこかで聞いたような言葉だ。 「才能やセンスなんて、絵を楽しんでいるかどうかに比べればどうということもな い」 10 筆は進み、湖山先生は話を続ける。 「難しい話をしても仕方ない。ともかく最初は描くこと。 成功を目指しながら、数々 の失敗を大胆に繰り返すこと。そして学ぶこと。 学ぶことを楽しむこと。失敗からし か学べないことは多いからね」 11 「水墨というのはね、森羅万象を描く絵画だ」斉藤さんと千瑛は、これ以上ないほど真剣に湖山先生の話を聞いていた。 湖山先生 もまた二人に語り掛けていた。 「森羅万象というのは、宇宙のことだ。 宇宙とは確かに現象のことだ。現象とは、いまあるこの世界のありのままの現実ということだ。だがね・・・・・・」 湖山先生はそこでため息をつくように息を放った。 「現象とは、外側にしかないものなのか? 心の内側に宇宙はないのか?」斉藤さんの眉がハの字に歪んでいた。千瑛は何を言われたのか分からないほど、言葉に迷っていた。僕にはようやく湖山先生が何を言おうとして、なぜ僕がここにいるのか、ほんの少しだけ分かるような気がしてきた。 「自分の心の内側を見ろ」 と湖山先生は言っていたのだ。 12 毛筆という特異な道具を使い、筆致にすべてをかけていく東洋の絵師にしか真似のできない究極の技法といえた。 斉藤さんの言うとおりだ。あまりに当たり前すぎて、気づかなかったが、 究極の技 法とはつまり、 『線を引くこと』 なのだ。 13 僕はここからが勇気だと思った。水墨画を水墨画たらしめる要素は、描くことでは見いだせない。描くこと以外の方法で描き方を見いださなければならない。描くという行為以外の場所に、水墨画の本質は存在しているのだ。 14 「美の祖型を見なさい」 と湖山先生が言っていたのはこのことだった。それは命のあるがままの美しさを見 なさいということだった。こうして花を感じて、絵筆を取るまで何も分からなかっ た。 水墨とはこの瞬間のための叡智であり、技法なのだ。 自らの命や、森羅万象の命そのものに触れようとする想いが絵に換わったもの、そ れが水墨画だ。 | ||||
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タイトルを、『僕は、線を描く』ではなく『線が、僕を描く』としたのが素晴らしい。その理由も読んでいくうちにわかっていく。 完璧とは何か読み終わると少しだけ理解できる。 | ||||
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デジタルが主流の昨今 筆一本で描く水墨画の奥深さを知る事ができる作品! 物語も大きな展開の変化はなかったでものの、登場人物がそれぞれに個性的で人間関係のバランスが良く、 読んでて心地の良い一冊でした。 | ||||
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はじめてKIndle版で購入しました! 少し時間がある時にスマホをさわる時にiPhoneでもiPadでも手軽に読めてすごく便利ですね✨「線は、僕を描く」漫画版は本で購入したのですが、こちらの原作の小説の方は話の奥行き感が全然ちがっていて、漫画版とはまるで別物でした!Kindle版なので、好きなところにマーカーをひけたりするのも便利。 私は南画をしているのですが、水墨画や四君子について感じる魅力をなかなか言葉で表現しがたい部分があるにもかかわらず、その感性をみごとに伝わる言葉で文言化されていて、心にすっと届きました。これから先も何度でもその言葉を反復したくなる作品だと思いました! | ||||
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最近本屋大賞の本を読んでいますが、青春小説として楽しく読ませて頂いております。 | ||||
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横浜流星くんの大ファンで映画化されると知り原作を読もうと購入しました。 水墨画の世界に引き込まれ一気に読みました。感動しました。 | ||||
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全く馴染みのない世界のことが知れてすごく新鮮でした。 深い喪失感の中にあった主人公が、新しい世界に飛び込んで生き生きとし始めるのが清々しくて、とても楽しい作品です。 | ||||
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久しぶりに読書に熱中して3日間で読み終わって、途中でこの作者は一体どんな人だろうとネットで検索。納得の1冊でした。新聞で映画の記事を見ての購入でしたが、そちらも楽しみです。 | ||||
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水墨画の物語である。絵師の技術をどう継承するのか?という意味では興味ふかい。 著者は、水墨画家であるので、自らの成長過程を物語化したと推察できる。 主人公、青山霜介は、17歳の時に両親を交通事故でなくす。大学生の時に、アルバイト先の展覧会会場で、水墨画の巨匠、篠田湖山と出会う。篠田湖山は、どういうわけか青山霜介の才能を見つけ出し、青山霜介を水墨画を描く、内弟子とする。セレンビリティなんだな。 湖山の孫の千瑛は、それに反発し競い合い、翌年の「湖山賞」に勝負するという話になる。 青山霜介の水墨画への挑戦が始まる。水墨画の描画の上達をどう文字表現するか?というところが、極めて難しいと思うが、その成長過程での湖山や先輩たち、そして千瑛から教えてもらうことで、成長していく。 湖山はいう「真面目とは悪くない。少なくとも、自然ではない」という、真面目に努力するのもいいが、自然体で立ち向かえと諭す。千瑛は、「勇気がなければ、線を引けない」という。 「線」というのが、重要な意味を持ち、メタファーとなる。本の題名も、「僕は、線を描く」ではなく「線は、僕を描く」のだ。線とは、点と点をつなげる。つまり関係性を持たせる意味となっている。 先輩の西濱は、水墨画は、線を描いても塗ることをしないと教える。塗るという行為をしない、筆によって作られる線によって描かれる。まずは、東洋蘭を描くことから始まる。 そして、水墨画の巨匠、湖山ともう一人の水墨画の藤堂翠山に会うことで、湖山とは違った東洋蘭の絵を見ることで、大きく変化する。東洋蘭といっても、人によって描き方が違う、まして、本物を見たら、そんなにすごい蘭でもない。そこに、青山霜介は気がつく。そして、繰り返し東洋蘭を描くことで習得する。翠山からもらった水墨画をコピーして真似る。学ぶとは真似ることだ。ある一定の段階に達した青山霜介に、湖山は竹と梅の書き方を教える。蘭、竹、梅を習得したら、その上で菊を次のテーマにする。青山霜介は、「墨で描くことが、水墨画ではない」ということを知る。 湖山は、菊の花を見ることではない。菊の命を見なさい。菊に教えてもらいなさいという。 霜介はその意味が、よくわからず、行き詰まるが、両親に菊を手向けることで、菊の心を理解する。 湖山は、筆によって、「心をすくいとれ」という。日本の水墨画の教え方が、いかにも日本的なのが面白い。菊を描くには、菊にきく。なるほど、絵を描く姿勢が、明らかになってくる。水墨画家の成長物語。 | ||||
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水墨画がこれほど奥が深いものだとは知りませんでした。 両親を事故で亡くし、心を閉ざしてしまった主人公。 水墨画の巨匠に出会い、水墨画を通して人と出会い心をひらいていくストーリーは感銘を受けます。 水墨画は、命を描くこと。 筆者が水墨画家ということですが、描いている時の描写の細かさには驚きました。 すぐ側で見ているような感銘を受けます。。 機会があったら、水墨画の展示を見に行きたいです。 今までと違った見方ができそうです。 | ||||
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