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シーソーモンスター
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シーソーモンスターの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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プレゼント用で不明 | ||||
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八人の作家による競作・螺旋プロジェクトのなかの一冊。昭和のバブル時代、そして人工知能が発達した近未来が舞台の二篇が収録されており、二篇共に「山族と海族の対立を描く」などの共通テーマが組み込まれている。「絶対こうはならないだろう」といった世界を書くことが多いとあとがきにあったが、伊坂さんが描く近未来SFは実現率が高いからちょっと恐ろしい。 ストーリーはそれぞれ毛色が違い、個人的には表題作の『シーソーモンスター』の方が軽い気持ちで読めて好きだった。『スピンモンスター』は別作品の『魔王』に作風が近い気がしたのでそちらも読み返してみると、同じく「宮沢賢治」「国家」「対決」がキーワードになっていたので驚いた。偶然かもしれないが、ファンからするとこういうちょっとした繋がりが嬉しい。 『スピンモンスター』の中での、「平和は努力しないと現れない。努力しても平和になるかどうかは分からないが、少なくとも何もしなければ、争いは起きる」という言葉に、今現在も他国間で起きている戦争を重ねてしまう。ただ暢気に暮らしていれば永遠に平和が続くと勘違いをしていた。平和は、願っているだけじゃだめなんだ。 | ||||
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これを言ったら元も子もないが、海と山の話自体が押しつけがましくて、 自分にとっては今一つの作品でした。 | ||||
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日本の当代随一の作家の小説を私は読んだ事が殆んどないです。売れている作家という意味です。20人も、30人もいると思う。確実にもっといるだろう。理由はよく分からない。読んで挫折した事も多いのかも知れない。そういう事の後、20年は読まずに今、やっぱり読書が好きなので誰か私に合いそうな小説を書く人はいないかなと、伊坂さんをここで初めて手に取りました。でもまだ序盤ですが、最後まで読めそうにないです。 1つには、日本人全般に日々強い嫌気が刺しているというのもあります。仕事場もだし、街で触れる店での人や何かからも。または制度についてもそうで、何故これでみんな納得なのか納得行かないとか。今日は4軒の買い物現場の内、二軒で低レベルのクオリティにやっぱり辟易する。JRの窓口で新幹線の往復チケットを買ったら、渡して来ようとしたのは、名古屋→大阪の同じ乗車券が2枚。カウンターの向こうの机に置いて確認している最中に私が気付いて質したから発券の彼は気付いた。もう1つは、コンビニのレジで、ホットシェフ的なコロッケを1つ頼んだのに、私の会計を終え、おつりを貰った段階で彼女は終わりにしようとした。「コロッケ、入りました?」と嫌味を堪えて言うのが精一杯。 この街では毎日こんな感じで5割くらいの高い確率でうかうかしていると巻き添えを食らう最低なクオリティ。うんざりです。そして実の家族はというと、義姉からは「ユタカさん(私)がいつまでも独りでいるから、お義母さんが元気でいるのよね」と、2年ぶりに会った家族の場での、彼女の開口一番のセリフがそんな言葉です。日本でもこれまた随一の猪突猛進の県民性の四国人らしい彼女の無邪気な言い放ち方。知っている人も知らない人も、私の周りの日本人からは頑張らないと良い所を全然探せない状況。そして本書を読み始めた。 日本人らしく、言葉の裏や気持ちの隙間に感受性があるのは良いが、こと開放感という意味では皆無な出だしで。それが私の現実から受ける傷口に塩を塗る感じでストレス過多になる。小説は自分の現実とは別、とはならないのです。あまりに嫌々が似ていると。嫁姑の嫌々は解決しないだけに本当に苦労でしょう。戦時の国ともイーブンな程の顔の歪む事態だと思う。でも… そんな話がいつまで続くか分からない厚めの本を、さて果たして読み進められるか。開放感もない現実に、開放感のない小説で。展開は必ずしも悪くはないと思う。逆に出だしがこんな閉塞感だから、きっと当代随一の作家は何か「読んで良かった」と言える風にするのではないか。しかし…。沢山の日本人が好む作家とは?日本人が大挙して押し寄せる邦画が私にはヤンキー、予定調和映画に見えて本当に嫌なのを考えると、読書好きとてそんな邦画に群がる人と何ら変わらない気もする。邦画に集まる日本人と、読書好きの日本人はきっと違うだろうという夢は甘いだろう。憂鬱な現実に憂鬱な始まりの本。小説の内容とは別の賭けに出て、もう少し読むつもりです。伊坂幸太郎さんが私にとって良い作家であるように、夢見ている。 | ||||
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シーソー モンスター、スピンモンスターの中編二作から成る作品。 シーソー モンスターは安定の伊坂作品という感じで楽しめました。 ただスピンモンスターはラストがあっさりしていて物足りず.. ※他の螺旋プロジェクト作品を読んでいないため、より未来を描いた作品を読めばスッキリする? また、独特の語り手や引き込まれる展開は健在ですが、設定や話の運び自体には新鮮味が無くなってきたなあと感じました(闇の仕事、近未来的ディストピア) | ||||
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とても読みやすいです もう一度読み返しています | ||||
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伊坂幸太郎さんの本です。 80年代を舞台にした「シーソーモンスター」と、近未来を舞台にした「スピンモンスター」の二つの中編を合わせたような小説です。 といっても、二つの舞台は連なっていて、二つで一つのまとまりとも読めます。 「シーソー」の方は、スパイをやってた女の嫁姑問題が軸に、「スピン」は、山族vs海族の対決、というような感じです。 二つとも、山族vs海族という対立軸ですすんでいきます。 伊坂さんの、どことなくとぼけたような感じが、良い味をだしています。緊迫した場面なのに、とぼけているというか、そういうところが、ついついくすっとなってしまうんですよ。 なんか、この小説は、他の作家との競作っぽくなってて、「螺旋プロジェクト」とかで、世界観が繋がっているようですね。知りませんでした。 次は誰の作品を読もうかと思っちゃいました。 | ||||
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螺旋プロジェクト第二回配本は言い出しっぺの伊坂幸太郎。 第一回配本朝井リョウの「死にがいを求めて生きているの」の平成を挟むように、 ・昭和バブル期(1980年代)を舞台とした「シーソーモンスター」 ・近未来(2050年)を描く「スピンモンスター」 の中編二作から成る。全く別の物語であるが、「シーソー」の重要人物を「スピン」にキーパーソンとして登場させており、長い年月を経た同じ世界という設定は「魔王」と「モダンタイムズ」の関係を思い出す。 伊坂が「単独の作品としても楽しめる」と書いているように、彼独特の軽妙な語り口、それでいて重い社会問題の提起、巧妙な伏線、ラストのどんでん返し等々は健在。 とは言えこの作品はやはり螺旋プロジェクトの一環として読まないとやや珍妙で尻切れトンボな感じを受ける。このあたり、単独の作品として読みたかった朝井リョウとは対照的。 語り口には定評のある伊坂だから、さすがに面白い。「シーソーモンスター」では冷戦時代の米ソ対立と嫁姑対立の大小二つの対立を同列で扱うという離れ業をやってのけて痛快。 「スピンモンスター」では対立による争いが人類を進化させるとの判断を人工知能がくだし、情報操作により主人公二人を窮地に追い詰めるとともに、暴動を誘発、東京を東西に分断する壁の建設が進んでいく様が不気味に描かれる。 これはクラフトエヴィング商會の吉田篤弘による「天使も怪物も眠る夜」に引き継がれていくようだ。 | ||||
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あるテーマで8人の作家が、原始から近未来までの各時代でそれぞれ物語を書く、小説BOCの「螺旋プロジェクト」という企画の中の1冊。表題作の他、「スピンモンスター」の計2編が収録され、時代は昭和バブル期と近未来の設定。 今回も2編の物語は緩く上手く繋がっていて、物語の導入部から興味をそそられます。会話も巧妙で洒脱ですし、キャラも軽くて親しみやすい。個人的には、嫁姑問題を描いた表題作は、初期の伊坂幸太郎氏の作品のテイストが色濃いと感じました。 | ||||
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一部の、「お義母さんに怒られるじゃないの」に象徴される強者の余裕がとてもツボにハマった 海山問題に関しては…当事者同士が「ウマが合わない」「いけ好かない」と認識しちゃえばそれで良いんじゃないかなあ。と。 「意識して、距離を取る」は大人の分別としてとても真っ当。性別特性ってあるのかな?女同士なら互いの了解で距離を置けるが、男の場合には「大元の理由」は教えてあげちゃ駄目とか? 「死にがい~」の時の印象で、山の方が攻撃的で海の方は「観察」出来る忍耐があるんだと思っていたが、それも個人特性か? 「螺鈿プロジェクト」には余り興味ないから、好きな作家さんだけ読めばいいや。と半分以上思っていたが、↑が少々気になり始めた 面白く読みました | ||||
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二部構成の第一部は、ハリウッド映画(ブラピ主演だったかな)でよく似た構成のを見たし、小説としてもありがちなネタで、爽快感は味わえますが、この作者にしては平凡な着想だと感じました。 第二部の中心的ギミックも、日本の有名なコミックから拝借してきたのかと思うほどで、かつ、一部目の爽快感もなかった作品でした。人工知能関連の手垢のついた設定は、あえて挑戦したものなのでしょうか。まあ、手から光線銃が出るような話にならなくてよかった。 伊坂幸太郎さんの非凡なところは、ストーリーの巧みさ以外に、会話の妙にあります。レナード、ブロック、ランズデールのようなテイストを持った希有な日本人作家です。例示した米作家に共通する特徴のひとつは、国家的陰謀のような壮大な話をしなことです。伊坂さんはたまにその手のものを手がけたくなるようですが、どちらかといえばパーソナルな犯罪を描いたものの方が好みです。 デビュー作からずっと読んでいるので、ついつい期待が大きくなりすぎて、前作と本作には勝手にがっかりしています。 | ||||
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いつもながらに『ツカミ』は抜群ですし,ミステリアスでスリリングな展開をはじめ, 時代や人物の異なる二編の繋がりという,著者らしい仕掛けも期待通りという印象です. ただ,一編目の『シーソーモンスター』は,主人公の思わぬ正体に驚かされたものの, そのせいでもう一人の中心人物,さらにおおよその流れまで見えてしまったのは否めず, その結果,終盤の窮地やそこから逆転劇には乗り切れず,最後の二人の選択もやはりで…. もう一方,2030年が舞台の『スピンモンスター』も,人工知能の暴走や監視社会など, 近未来ものでよく見る設定や,主人公の記憶を巡る物語が目新しさには欠けて映ります. テーマとされる『人と人との対立』自体は,うまく落とし込めていたと思うのですが, そこから先,物語以上の強いものまでは,残念ながら拾いきることはできませんでした. | ||||
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