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到達不能極



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【この小説が収録されている参考書籍】
到達不能極
到達不能極 (講談社文庫)

到達不能極の評価: 3.21/5点 レビュー 29件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.21pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(3pt)

ジュブナイルに書き直しては?

まぁだいたい他の皆さんと同じ感想だと思うんですが、導入はいいのに中盤からは技術的なところがご都合主義というか前世紀B級SFというか、どんどんダメになっていきますよね。倒したかと思った悪役が実は生きていて〜みたいな流れも陳腐というか、もう70〜80年代くらいのお約束って感じで。
ただ思ったんですけどこれ小学生くらいのころに読んでたらかなり楽しめたと思うんですよね。このままのアイデアで少年少女向けにリライトしてみたらどうかなぁ、と思いました。
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603
No.11:
(3pt)

この作品が乱歩賞受賞作とは・・・・

普通のB級SF小説のようだ、というのが読後感です
これがなぜ乱歩賞をとれたのかがよくわかりません
例えば第二次世界大戦中に南極大陸奥地にジェット戦闘機まで配置した
基地があったという設定にはトンデモ仮想戦記なのかと思った
乱歩賞もレベルが下がったと感じました
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603
No.10:
(3pt)

極地でのミリタリー冒険小説

江戸川乱歩賞といえば、本格推理や探偵小説、法廷ものという印象を抱いていた。ところが本書では本格
推理ではなく、SF的アイディアを盛り込んだ冒険小説、例えば007ジェームズ・ボンドの類である。おまけ
にボーイミーツガールもある。
 極寒の地南極を舞台におよそ半世紀にも及ぶ物語は、壮大な時空のドラマでもある。最後まで読ませる筆
力はさすが乱歩賞受賞作との感あり。

 残念な点はちょうど物語の半ばで一つどんでん返しが披露されたが、それ以降落としどころが何となく見
えてしまった。想像を超える驚きを味わえず残念。またSFガジェットの科学的理論武装が少々甘く、SFファ
ンから見たら若干の物足りなさを覚えるかも知れない。
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603
No.9:
(3pt)

珍しいジャンル=SFミステリー

江戸川乱歩賞受賞作。読み始めると一気だった。推理小説と言うよりはSFだろう。巻末の選評も面白く読んだ。

 思考は電流の一種という事実を大胆に発展させたアイデアが、選考では余り高い評価を得られなかったようだ。私はそんなことないけどな。ま、受賞後に書き直したのだろうけれど。

 映画にしても面白いのでは? ロケが大変そうだ。
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603
No.8:
(3pt)

ある漫画との類似が気になるので………

あらすじを読んで、星野之宣氏が1975年に発表された「はるかなる朝」のイメージのそのままなんですが…………。ちなみ未読ですので一旦は中立の星3にして読後にレビューを修正させていただきます。

読了しました。
星野之宣氏の「はるかなる朝」とは全く別物でした。しかし、中盤の見せ場のシーンはまるで宇宙戦艦ヤマトのあるシーンのパロディのようでした。これで感動しろと言われても……

また、ラスト近くで敵を攻撃するために使った兵器は望月三起也氏のワイルド7で有名なあの兵器ですね。(兵器自体には問題ないのですが、問題解決の方法が実は倉庫にこんな兵器を積んでましたっていうのは安易すぎるかと)

文章力については、前半の高い筆力に感服したのですが、後半は描写ではなく説明調でストーリーを進める文章が結構ありここは残念。

あと、一番気になったのは前半部分で作者の政治的主張が直接的すぎて、もっとスマートに出来なかったのかということです。例えば映画ですが「ライフイズビューティフル」みたいな感じであれば感動できたと思います。
本気になれば筆力がある人だと思いますので、次回作に期待します。

追伸
SF設定については当時の技術的にありえないと思います。その辺りをうまくまとめた星野之宣氏の想像力の完勝です。
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603
No.7:
(3pt)

高級コース料理が途中でB級グルメに急変します

作者の知人から勧められて読みました。

独創的な構成と緻密かつ簡潔な文体が素晴らしく、今作品が前回該当不在だった乱歩賞を受賞するのは当然と思えました(僕は過去の受賞作を13作品しか読んでいないため大きなことは言えませんが)。ただ、審査員のコメントにあるように、若干の問題点も感じました。

南極へ行く途中の飛行機システムトラブルから始まる、極寒世界での冒険譚は非常にリアルですし、戦時下におけるドイツとの共同戦線模様は(百田尚樹著「終戦のゼロ」などよりはるかに)説得力がありました。ただ、中盤以降で突如SF小説であることが判明し、度肝を抜かれました。

これにかかわる問題を2点述べます。

①物語の肝となる擬似意識の説明と描写が相対的に低密度であり、前半との温度差を感じました。取材・描写力やミステリ的趣向のセンス(2018年のあの人物が、実は1945年の主人公だった)が秀でていたため、かえって稚拙に感じられてしまうのです。村上春樹の代表作「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を斉藤氏は意識されていると思ったのですが(間違っていたらすみません)、あの小説は難解な専門用語は全く出てこなくとも、物語世界を貫徹するSF的構造に必然性が高いので秀逸なSF作品となっています。対して「到達不能局」は、精緻に組み上げたフレンチコースの終盤に突然B級グルメ(それはそれで美味ですが)が出てきたようでした。

②成功するSF小説は、SFであることを序盤に示す必要がある気がします。「SF的な一つのルールを遵守し、他はリアリズムに徹する」「当初SFと思わせつつ実はそうではなかった」などの演出は有効ですが、中~終盤で突如SF化すると「何でもアリ」「ご都合主義」な印象を抱いてしまいます。

ただ、優れた書き手であることは間違いありません。
次回作も読んでみようと思います。
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603
No.6:
(3pt)

こんな乱歩賞もあり

第64回江戸川乱歩賞受賞作。南極に不時着したチャーター機の乗客であるツアーコンダクター望月拓海と謎のアメリカ人ベイカーが、物資を求め今は閉鎖されたアメリカの南極基地に向かう現在と、第二次世界大戦末期のペナン島で、星野二飛曹が練習航空隊で軍務に従事する過去とが交互に語られる。

現在では、南極地域観測隊も絡み閉鎖基地でミイラ化した死体が発見されたり、過去では、突拍子もない命令が下されたりと、いずれ収束されていく設定の面白さは流石に受賞作と思わせます。
しかし最期は、乱歩賞の応募規定「広い意味の推理小説」の範疇を超え、壮大なSFラブロマンスとなります。
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603
No.5:
(3pt)

読ませる筆力は★5だが、SF面が★1

まず文章がたいへん読みやすいです。
平易な文章という意味でなく、冗長な装飾や過度に感情のこもった叙述が無く、それでいて、
臨場感や温かみはちゃんとあるという絶妙の筆致で、テンポもほど良く、とてもスムーズに
読み進めることができます。
おそらくは、たいへんな回数推敲を重ねられたのではないかとうかがわせるような文章でした。

構成も、読み手がついてこれるようによく工夫されていて、読ませてくれる作品でした。

ただ、唯一かつ致命的に惜しむらくは、物語の核となるSF的設定が、オカルトとさえいえない
レベルのトンデモで…。
他の部分の記述が、非常に緻密なリアリティをもって丁寧に記述されているのに、
肝となるこの部分だけどうしてこんなふわっとしたB級ファンタジーにしたのか…と非常に
惜しい気持ちになりました。

凄いわー!と舌を巻く部分と、無いわー!と突っ込みたくなる部分の落差が鮮烈な作品でした。
本作がデビュー作だそうですので、次作で真価が問われるところかと思います。
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603
No.4:
(3pt)

男の夢とロマンに溢れる骨太な世界

到達不能極。
南極のさらに最果ての、到達不能な場所で、一体何が起こるんだろう……

タイトルを見ただけで、地平線まで果てしなく続く白い世界や、そそり立つ氷山を連想し、わくわくしながら頁をめくりました。

賞の選考委員も賞賛したとおりの、プロの域に達した筆力。

南極大陸の情景描写や、理由も分からずに最果ての地に向かう登場人物たちの不安な心の内、さらには、極寒に備えるための細かな装備まで、著者の体験を綴ったのではと思わせるほどの、精緻な描写。しかも、過去と現在がどこかで繋がるであろう、スケールの大きさを感じさせる構成。

1945年と2018年を行き来する描写に、最初のうちは良い意味で焦らされて、ぐいぐい引き込まれた。

しかし、ずっとこのパターンの繰り返しで、だんだんと消化不良を感じだし、読む速度がスローダウン……

それでも最後の山場まで読み進め、どんなカタルシスがあるのかと期待したけど、何ら心を揺さぶられることもなく、淡々と読み終えてしまった。

他のレビュワーさんも指摘していますが、本作の要のSF的な仕掛けに、どうしてもリアリティが感じられず冷めてしまい、小説の世界に没入出来なかったことが、あっさり読み終えてしまった理由。

冒頭から中盤までの密度の濃い情景描写が、山場になると嘘みたいに淡白になり、また、戦闘場面になっても文章のリズムが一定で、緊迫感を感じない。

ナチスと南極、意識をエネルギーに置き換えるSF的な設定、 七十年以上の時を超えた純愛など、男の冒険心とロマンを満たす世界。
こんな夢溢れる壮大なスケールの小説待ってました!
と、期待が最高潮に膨らんだだけに、後半が残念でした。

でも、次回作は読んでみたいと思います。
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603
No.3:
(3pt)

お笑い南極物語か?!

ネタバレがある部分があります。未読の方はご注意ください。池井戸潤氏が帯に書かれているように構成力はしっかりしています。文章も手堅く、読みやすいです。前半はぐいぐいと引き込まれました。しかし、後半にいくにつれて、説明的な会話が多く、若干の拙さを感じました。文章そのもは作者の知性を感じるの洗練されたものです。ただ、絶体絶命の状態なのに、緊迫感がなく、主人公や周囲の人々は常に冷静です。読んでいる方としては、まあ、通過点だからな、と合点はいくものの、本当にこの状況に置かれたら怖いという感じは味わえませんでした。作者はアクションシーンはあまり得意でないようですね。ストーリーはこうなるのかな、と思って読んでいくと、そうなります。ほぼ、驚きはない展開です。選評によると選考委員の辻村深月さんも、こうなるのかなと思って読んでいくと、そうなると、ほぼ同じ感想をお持ちになったようです。伏線の回収という意味では、前に書いてある気になった記載が、ああそうだったのか、という感じに特にカタルシスもなく、自然に回収されていきます。作品は後半になるにつれて、SF的要素が強くなっていきます。
<以下ネタバレがあります>ナチが開発したという設定の心理的な影響を与える兵器などは特に科学的な根拠もないので、残念ながら作者の妄想のようにしか感じられませんでした。結末も現実には存在しないものを前提に書かれているので、リアリティがなく『なんで?』と、思わず笑っていました。タイトルを『お笑い南極物語』にした方が内容にはあっているのではと思ってしましいました。しかし、筆致の滑らかさと、作者の誠実で暖かい人柄の伝わる良い作品だと感じました。次回作に期待いたします。妙な酷評になってしまい、お詫び申しあげます。
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603
No.2:
(3pt)

面白い! が、SF的部分をどう評価するか

第64回江戸川乱歩賞受賞作。ネタバレはありませんが、一部内容に言及しますので、未読
の方はご注意下さい。星は3個としたが、面白さは4~5。リアリティーは2というところ。
 1945年の日本軍、2018年の南極観測チーム、同じく南極観光ツアー、これら3つが
並行して描かれていく。それぞれは比較的抑揚が少ないのだが、それでも物語に引き込まれる
のは、筆力のなせる業か。その3つがやがて1つの真実に結実するというのは予想通りだが、
後半から急にSFめいてくる。
 1945年のシーンでは若い日本人通信兵とドイツ人ユダヤ娘の恋も描かれていて、これが
固い内容の物語に良い意味での弛緩と人間くささを与えている。全体として、非常に面白く読
めるのだが、終盤のSF的設定が出て来る段階で、興ざめする人も知るかも知れない。なぜな
ら、コンピュータ、AI、半導体などまったくない時代の技術による遺物(ある種の兵器)が、
現代の高度な技術をも凌駕する形で侵入してくる。これはいくらなんでもあり得ない。
 この辺りを完全なSFとしてしまうか、あるいはどの読者も納得出来るような説明があれば、
もう一回り出来の良い作品になり得たかもしれない。が、基本設定を考えると、小手先の改変
では不可能ともいえるから、この辺りが妥協点かもしれない。
 SF的部分はリアリティーを下げているが、南極観測チームの装備、旧日本軍の兵器、飛行
機、南極の気候などの考証は充分にされていて、リアリティーは高い。
 星の数は3としたが、技術に詳しくない人は、上記のデメリットをあまり気にしないだろう。
実際に読んでおもしろいから、受賞作としてのレベルは充分に確保できていると思う。
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603
No.1:
(3pt)

SFですね

肝となる部分がSFなので好き嫌いは分かれるでしょうね。

心理描写が上手なのでリアリティある展開を期待してしまうと期待が外れる。期待が外れるといろんなことが気になってしまう。

SF以外のところでも、90を超えたじいさんがテキパキとツアコン代わりに搭乗客を落ち着かせるところとか、地磁気発電って世界大戦の時に基地を維持できるほど実用化されていたのかしらんとか、「基地を爆破します」って地下の原子炉を忘れてないか?とか、90を超えた老人の「お願いします」に従って本当に大丈夫なのか?とかとか。

そして、
一番気になるのが、ステレオタイプにナチを悪者にしているのに日本兵はとても理性的に書かれていること。(しないとは思いますが)英訳したら全く受けないだろうな。外国人がたくさん出てくるけど、グローバルな感覚は全く感じられない。
到達不能極Amazon書評・レビュー:到達不能極より
4065130603

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