乳と卵
評判
乳と卵の評価:
3.35/5点 レビュー 153件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全298件 121〜140 7/15ページ
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乳と卵の評価:
3.35/5点 レビュー 153件。 D ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
読みやすい関西弁が、素晴らしく効いています。
諸々の描写力に長けた著者の文章は、今時の文学にしても珠玉です。
舞台は東京三ノ輪。語り手のわたしを中において、胸の整形に拘る姉(巻子)と、
筆談しかしない彼女の娘(緑子)との数日が描かれています。
次々散りばめられる小説の設定が面白く、終盤まで期待しながら読み進めました。
巻子には胸、緑子のノートには卵子についての、そして母についてのコンプレックスが
語られてゆきながら、豊かな描写力にして主人公のわたしには、更なる背景がつらつらと
認められてゆきます。上記設定のあざとさはあるものの、巻子を見る私の視線は至極よく、
なにより鮮やかに彼女を描き出します。
冒頭、しばらく振りに見た巻子は、意外な位にやせて見えた。読みながら、当然その真相が
小説の芯になってゆくだろうと思いました。然しながら、結局それは仄めかしにまでも
到らなかった。その点にがっかりさせられました。これではこの話は報われない。
せめて語り手のわたしにだけは、巻子のその先の死が仄めかされて(半信半疑に)いてほしい。
すればそこに決定的な意味が生じ、クライマックスのタマゴ割りは至高のシーンになった筈です。
訳も分からぬ緑子にさんざをぶつけさせてもいい。そうしてドロドロになった巻子がボロボロの顔を
して笑ってみせるならば、きっと心底に笑っているのでしょう。
それはもううんざりするほど書き連ねられた日常の漠たる不安やイロニーなどではなく、
なんとあれど生んだもんの勝ち、つないだもんの勝ち、オカンの大勝利な訳です。
なぜこの小説がバッチリとそう書かれなかったのか、今更に不思議でなりません。
なぜ、傑作の評価を回避したのか、否、させられたのか。
著者にはもっともっと素晴らしい小説が書ける筈です。