乳と卵

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

乳と卵の評価:

3.35/5点 レビュー 153件。 D ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.35pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全298件 261〜280 14/15ページ
No.38
(5pt)

似ているようで似ていない、他のどこにもない未映子ワールド

最初の一行から最後の一行まで、一切の無駄も隙もない文章。ぐいぐいと読まされて、本当に新人?とびっくりです。前回の芥川賞で前作が候補になった時、町田康にそっくりと非難する声があったそうだけど……違うじゃん。単に大阪弁の語りというならむしろ谷崎潤一郎だし、作者本人は逃げも隠れもせず樋口一葉ですと言ってるんだし、多和田葉子が好きという言葉も出てくるから、おいくつですか?と本当にびっくりです。寺山修司とか岸田理生の匂いもするし、椎名林檎っぽい気もするけど、もうそんなんどうでもええわ、他のどこにもない、古そうでいて新しそうでいて、本当に凄い新人。凄いです。
 たとえばもう、15ページから続く飲み屋街の描写ひとつとっても、饒舌というよりは本質のど真ん中を突くストライク。豊胸手術をしたがる母と、初潮を恐れる娘という設定にしても、その母子と語り手の距離感にしても、三日間のできごとがきっちり並べられた作品構造にしても、全てが満点。今日からファンです。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.37
(5pt)

似ているようで似ていない、他のどこにもない未映子ワールド

最初の一行から最後の一行まで、一切の無駄も隙もない文章。ぐいぐいと読まされて、本当に新人?とびっくりです。前回の芥川賞で前作が候補になった時、町田康にそっくりと非難する声があったそうだけど……違うじゃん。単に大阪弁の語りというならむしろ谷崎潤一郎だし、作者本人は逃げも隠れもせず樋口一葉ですと言ってるんだし、多和田葉子が好きという言葉も出てくるから、おいくつですか?と本当にびっくりです。寺山修司とか岸田理生の匂いもするし、椎名林檎っぽい気もするけど、もうそんなんどうでもええわ、他のどこにもない、古そうでいて新しそうでいて、本当に凄い新人。凄いです。
 たとえばもう、15ページから続く飲み屋街の描写ひとつとっても、饒舌というよりは本質のど真ん中を突くストライク。豊胸手術をしたがる母と、初潮を恐れる娘という設定にしても、その母子と語り手の距離感にしても、三日間のできごとがきっちり並べられた作品構造にしても、全てが満点。今日からファンです。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.36
(4pt)

斬新で独特な文章が楽しい。

「やっぱ、コミュニケーションよね。」
なんて、ワイドショーの安っぽい批評家か!? 
みたいなことしか思いつかないんだけど、
大切なことは、うまく語れないことの中にあるのかもしれない。
だから、すれ違ったり、傷つけあったり、
話せるのにノートを使って会話したり?

さすが、芥川賞受賞なだけあって、斬新で独特な文章が楽しい。
女性ならではのえぐい部分を、しっかり描写しつつも、そんなにグロテスクにならないのはそのせいか?若いんだか、古いんだか、固いんだか、やわらかいんだか、わからないような。
です、ます調も、断定調もごちゃまぜなのに、自然。
こんなふうに、自由に書き綴って、独特のリズムみたいなのが生まれたら、読むほうも楽しい。

最後は、卵の複線が、思わぬ形で盛り上げてくれて、やっぱりジーンとしちゃうわけです。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.35
(4pt)

斬新で独特な文章が楽しい。

「やっぱ、コミュニケーションよね。」
なんて、ワイドショーの安っぽい批評家か!? 
みたいなことしか思いつかないんだけど、
大切なことは、うまく語れないことの中にあるのかもしれない。
だから、すれ違ったり、傷つけあったり、
話せるのにノートを使って会話したり?

さすが、芥川賞受賞なだけあって、斬新で独特な文章が楽しい。
女性ならではのえぐい部分を、しっかり描写しつつも、そんなにグロテスクにならないのはそのせいか?若いんだか、古いんだか、固いんだか、やわらかいんだか、わからないような。
です、ます調も、断定調もごちゃまぜなのに、自然。
こんなふうに、自由に書き綴って、独特のリズムみたいなのが生まれたら、読むほうも楽しい。

最後は、卵の複線が、思わぬ形で盛り上げてくれて、やっぱりジーンとしちゃうわけです。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.34
(5pt)

少女期の著者自身へのレクイエム

貧しい母子家庭に育ち、生まれ生きることに後ろめたさを感じ、自分が子供を産める大人の女になることを恐れる少女、大阪の品なき京橋のスナックで懸命に働き、豊胸手術に生きる因(よすが)を求める母、二人の互いへの愛情と切なき極限の魂の邂逅の物語です。

小学生の緑子は著者自身の代弁(表現)者であり、本書は著者が描かずにはいられなかった少女期の自分自身へのレクイエムだと感じました。芥川賞の名に恥じない、自身を表現し人間存在の核心に迫った素晴らしい親娘の物語だと思います。

〜以下、著者の日記「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」から抜粋〜

「私は子供の頃、生まれてきたことがなぜか後ろめたくて、わけが判らなくて、なぜ毎日はこんななのに、いつかみんな死んでしまうのに、いくら働いたってお母さんはちっとも楽にならんのに、なんで3人も子供を生んで、朝も夜も毎日働いて、みんな死んでしまうのに、悲しいことの方が多いのに、お母さんはそれでいいの。しんどくないの。そんな風に感じていた」

「表現する人はすごいなどと、なんでかいつの間にかそういう馬鹿げた話になっているわけだけど、表現というのは実はほんとうは滑稽で恥ずかしいものだ。表現者というのは大きな声を出してみたり、反抗してみたり、ここに居ますと叫ばなければ、そこに黙って座っていられないどうしようもない種類の人間であって、いわば一番判りやすく欠落した人間であるともいえる」

格差社会が表面化した現在の日本において、貧しさの中、すれ違いながらも互いを思いあう親娘の哀切な物語が芥川賞に選ばれたのは、出版業界や選考委員等々の思惑の域を超えた大いなる意思によるのではないか、ふとそんな気がしました。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.33
(4pt)

女性の身体性へのこだわり

この作品、〈女性の生理・身体性〉を突き詰めて描いている。だから、男の私にとっては、なかなか共感はしにくい。何と言うか、生々しすぎる。いや、初めて知った世界だというのではない。いろいろの伝聞や読書経験で、この程度の知識は漠然とではあるが私にもある。それは勿論、他人事としての、実感を伴わない知識に過ぎないのだが。
 初潮、思春期を迎えての身体的心理的変化の疾風怒濤ぶりは、男よりも大きいのであろう、と思える。男の私自身ですら思春期の一時期は苦しかった記憶があるが、女性の変化はそれに勝るだろう。〈女は子宮で考える〉なんて表現もある。あるいは♪おんなはう〜み〜♪ 
 誰の言葉か忘れたが「女は男にとって存在論的他者」という表現があったように思う。で、この小説は女にとっての「存在論的不快」を描いている、と思った。それは成長の一過程で現れるものであって、それを克服というか超克というか、乗り越えて女性の成熟はなされるのだろうが、一時的にはそういう状態になる、と。
 そういう意味ではこのテーマはいわばありきたりなのだが、小説の言語表現(樋口一葉風の延々と続く長広舌のねちっこさと深さ)には作者の言語センスのただならぬ才能を感じさせられた。私は韻文はからっきしダメなのだが、その一歩手前の散文で妙技を見せてくれたように思った。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.32
(5pt)

少女期の著者自身へのレクイエム

貧しい母子家庭に育ち、生まれ生きることに後ろめたさを感じ、自分が子供を産める大人の女になることを恐れる少女、大阪の品なき京橋のスナックで懸命に働き、豊胸手術に生きる因(よすが)を求める母、二人の互いへの愛情と切なき極限の魂の邂逅の物語です。

小学生の緑子は著者自身の代弁(表現)者であり、本書は著者が描かずにはいられなかった少女期の自分自身へのレクイエムだと感じました。芥川賞の名に恥じない、自身を表現し人間存在の核心に迫った素晴らしい親娘の物語だと思います。

〜以下、著者の日記「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」から抜粋〜

「私は子供の頃、生まれてきたことがなぜか後ろめたくて、わけが判らなくて、なぜ毎日はこんななのに、いつかみんな死んでしまうのに、いくら働いたってお母さんはちっとも楽にならんのに、なんで3人も子供を生んで、朝も夜も毎日働いて、みんな死んでしまうのに、悲しいことの方が多いのに、お母さんはそれでいいの。しんどくないの。そんな風に感じていた」

「表現する人はすごいなどと、なんでかいつの間にかそういう馬鹿げた話になっているわけだけど、表現というのは実はほんとうは滑稽で恥ずかしいものだ。表現者というのは大きな声を出してみたり、反抗してみたり、ここに居ますと叫ばなければ、そこに黙って座っていられないどうしようもない種類の人間であって、いわば一番判りやすく欠落した人間であるともいえる」

格差社会が表面化した現在の日本において、貧しさの中、すれ違いながらも互いを思いあう親娘の哀切な物語が芥川賞に選ばれたのは、出版業界や選考委員等々の思惑の域を超えた大いなる意思によるのではないか、ふとそんな気がしました。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.31
(4pt)

女性の身体性へのこだわり

この作品、〈女性の生理・身体性〉を突き詰めて描いている。だから、男の私にとっては、なかなか共感はしにくい。何と言うか、生々しすぎる。いや、初めて知った世界だというのではない。いろいろの伝聞や読書経験で、この程度の知識は漠然とではあるが私にもある。それは勿論、他人事としての、実感を伴わない知識に過ぎないのだが。
 初潮、思春期を迎えての身体的心理的変化の疾風怒濤ぶりは、男よりも大きいのであろう、と思える。男の私自身ですら思春期の一時期は苦しかった記憶があるが、女性の変化はそれに勝るだろう。〈女は子宮で考える〉なんて表現もある。あるいは♪おんなはう〜み〜♪ 
 誰の言葉か忘れたが「女は男にとって存在論的他者」という表現があったように思う。で、この小説は女にとっての「存在論的不快」を描いている、と思った。それは成長の一過程で現れるものであって、それを克服というか超克というか、乗り越えて女性の成熟はなされるのだろうが、一時的にはそういう状態になる、と。
 そういう意味ではこのテーマはいわばありきたりなのだが、小説の言語表現(樋口一葉風の延々と続く長広舌のねちっこさと深さ)には作者の言語センスのただならぬ才能を感じさせられた。私は韻文はからっきしダメなのだが、その一歩手前の散文で妙技を見せてくれたように思った。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.30
(4pt)

最初は読みにくかったが・・・

最初は何とも読みにくい文章だなあと思っていたが、読み進む内に苦ではなくなりました。
樋口一葉のオマージュだという解説を読んで、納得しました。確かに、長い文の連続でした。少女の名前も緑子というのは、「たけくらべ」の美登利から採ったのかな?

物語は、コンプレックスから豊胸手術をしようとする母親巻子、その娘で初潮への不安と母への愛憎から喋らない緑子、東京でひとり住まいの語り手で巻子の妹夏子の3人だけが登場人物です。夏子の家での二泊三日の生活がすべてです。
内容が内容なだけに、男性の私としては解らないところが多すぎますが、話としては結構面白いと思いました。
文章全体も起承転結がしっかりしていて、しかも、ラストのクライマックスの卵のシーンは最高でした。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.29
(4pt)

純文学として強力。ラストが凄い。

ほとんどの芥川賞選考委員が賛成したのも納得できる作品。
読みにくい「小さな話」であり、純文学純文学している。しかし純文学らしい深く鋭い味わいも確かにある。

乳と卵子のつながりは選考委員が選評で述べていたようにもう一つストレートには腑に落ちないが、
日記をつけ辞書を調べ言葉の意味に拘る喋らない緑子(小学生)が、物事の根源を哲学的に探っているのに対して、
貧乳で豊胸手術を受けようとする母(中年女)「ほんまのことなんて、ないこともあるねんで」と現実に疲れた科白で応じながら、
二人が激しく衝突する文学ファンの間で評価が高いクライマックスは、
確かに、表現力でも相当に高いものがあるし、意味を考えても、鮮烈だと感じる。

前作とも構造が似ていて、(日記が出てきたり、クライマックスが騒動であること等)、
この作家に幅の広さがあるか疑問もあるけれど、
この小説は「純文学としては」、やはり腕っ節の強い、なかなかの作品であると感じました。

タイトルの「乳と卵」のついて。
衝撃のあるクライマックスの親子対決の、
「母と娘」の意味かもしれませんね。

乳を持つ大人と、卵である娘、の対決という意味。
(貧)乳に悩む女と、卵(生まれたこと)に悩む娘、の対決という意味。

ともかくこの小説は語り手である自分は脇役で、母娘のお話です。

貧乳である母を「父」性的なものと見立て、
「乳と卵」ならぬ「父と卵」という洒落的な含意もあるのかな? などと、
読者がちょっと迷ってみるのも、読者の勝手、読書の楽しみです。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.28
(4pt)

最初は読みにくかったが・・・

最初は何とも読みにくい文章だなあと思っていたが、読み進む内に苦ではなくなりました。
樋口一葉のオマージュだという解説を読んで、納得しました。確かに、長い文の連続でした。少女の名前も緑子というのは、「たけくらべ」の美登利から採ったのかな?

物語は、コンプレックスから豊胸手術をしようとする母親巻子、その娘で初潮への不安と母への愛憎から喋らない緑子、東京でひとり住まいの語り手で巻子の妹夏子の3人だけが登場人物です。夏子の家での二泊三日の生活がすべてです。
内容が内容なだけに、男性の私としては解らないところが多すぎますが、話としては結構面白いと思いました。
文章全体も起承転結がしっかりしていて、しかも、ラストのクライマックスの卵のシーンは最高でした。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.27
(4pt)

純文学として強力。ラストが凄い。

ほとんどの芥川賞選考委員が賛成したのも納得できる作品。
読みにくい「小さな話」であり、純文学純文学している。しかし純文学らしい深く鋭い味わいも確かにある。

乳と卵子のつながりは選考委員が選評で述べていたようにもう一つストレートには腑に落ちないが、
日記をつけ辞書を調べ言葉の意味に拘る喋らない緑子(小学生)が、物事の根源を哲学的に探っているのに対して、
貧乳で豊胸手術を受けようとする母(中年女)「ほんまのことなんて、ないこともあるねんで」と現実に疲れた科白で応じながら、
二人が激しく衝突する文学ファンの間で評価が高いクライマックスは、
確かに、表現力でも相当に高いものがあるし、意味を考えても、鮮烈だと感じる。

前作とも構造が似ていて、(日記が出てきたり、クライマックスが騒動であること等)、
この作家に幅の広さがあるか疑問もあるけれど、
この小説は「純文学としては」、やはり腕っ節の強い、なかなかの作品であると感じました。

タイトルの「乳と卵」のついて。
衝撃のあるクライマックスの親子対決の、
「母と娘」の意味かもしれませんね。

乳を持つ大人と、卵である娘、の対決という意味。
(貧)乳に悩む女と、卵(生まれたこと)に悩む娘、の対決という意味。

ともかくこの小説は語り手である自分は脇役で、母娘のお話です。

貧乳である母を「父」性的なものと見立て、
「乳と卵」ならぬ「父と卵」という洒落的な含意もあるのかな? などと、
読者がちょっと迷ってみるのも、読者の勝手、読書の楽しみです。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.26
(4pt)

文体のリズム

皆さん言われているように、関西弁でとうとうと流れ続く文章が
独特の味で、楽しんで読みました。
ただ関西弁を自分の言葉としないので、文体による効果と関西弁
による効果との区別がつかない。もちろん両者相まって著者の文
章なのだろうけれども、関西弁での微妙なニュアンスや意味合い
がわからない自分としては、本当に味わえているのか?も確信は
もてず、やや不安というか、損してるかも感があります。
この文体のまま、標準語に変換したらどんな感じか読んでみたい
ものだと思いました。
内容については、たいして中身はないというご意見もなるほどと
いう感じですが、女家族で育ったためか、母親と娘の葛藤や、つ
いにふたりの間の壁が崩れた場面は心うごくものがありました。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.25
(4pt)

文体のリズム

皆さん言われているように、関西弁でとうとうと流れ続く文章が
独特の味で、楽しんで読みました。
ただ関西弁を自分の言葉としないので、文体による効果と関西弁
による効果との区別がつかない。もちろん両者相まって著者の文
章なのだろうけれども、関西弁での微妙なニュアンスや意味合い
がわからない自分としては、本当に味わえているのか?も確信は
もてず、やや不安というか、損してるかも感があります。
この文体のまま、標準語に変換したらどんな感じか読んでみたい
ものだと思いました。
内容については、たいして中身はないというご意見もなるほどと
いう感じですが、女家族で育ったためか、母親と娘の葛藤や、つ
いにふたりの間の壁が崩れた場面は心うごくものがありました。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.24
(4pt)

昼は書店員、夜はホステス。文学的じゃないか。

その作品よりも作者本人がセンセーショナルな話題となっている川上未映子の芥川賞受賞作。直木賞の桜庭一樹による「私の男」が傑作だった事もあり、興味深々読み始めたのだが、他のレビュアー諸氏もこぞって触れるように、これが、かなり読みづらい(笑)。
大阪から豊胸手術を受けに上京した姉とその娘を迎えるもう若くない女性の視点で語られる物語。
文節の区切り方と言い回しが独特、しかも標準語と大阪弁がチャンポンで使われ、それが口語体になったり、写実体になったりする。
正直、何度か頓挫したが、彼女が、かって知り合いの女性との豊胸と男根主義の相関関係について論争した回想シーン辺りからようやくその作品世界にノレテきて、一気に読み切った。
主人公たちの“物事”の見方、捉え方が面白く、それを表現するまどろっこしいと思えた文体も読み続けるうちにクセになっていく。
大衆浴場での乳をめぐる洞察のおかしさ。
そして、時折インサートされる、思春期を迎え、“多感”な娘の、母親への複雑な思いが、最後の最後に爆発し、それが切なさを以って、融和と受容の世界にまとめられる意外なウエルメイド感。
文学的才気を感じさせながら、女性身体のデリケートな感性を生理的になまめかしく、時にあっけらかんと描写してみせた作者、埴谷雄高の「死霊」に感激したという作者、やはり、注目すべき存在だ。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.23
(3pt)

消化不良だからこそ面白い

文章が長くて読みにくいのか、だからこそ面白いのか、賛否が分かれているようですが、一つ一つの文が長いのだがシンプルでわかりやすい表現、ごちゃまぜな独特のリズム、一つか三つが妥当なのにあえて二つの視点。これを私は面白いと思い、むしろ読む力が伸びたとも思います。

 ストーリーは、女なら誰にでもある体の悩みとの葛藤と、「どうしていいかわからない」親子関係を娘とおばさんという視点から描いてあり、クライマックスのシーンはそれまでの煮え切らない流れを一気に洗い流してくれる爽快さがありました。

 ページ数も少なく展開も大きくないので物足りない感はありますが、「なぜかわからないけどよかった」感じがして、「おまけ」の短編もありチョットお得な本でした。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.22
(4pt)

昼は書店員、夜はホステス。文学的じゃないか。

その作品よりも作者本人がセンセーショナルな話題となっている川上未映子の芥川賞受賞作。直木賞の桜庭一樹による「私の男」が傑作だった事もあり、興味深々読み始めたのだが、他のレビュアー諸氏もこぞって触れるように、これが、かなり読みづらい(笑)。
大阪から豊胸手術を受けに上京した姉とその娘を迎えるもう若くない女性の視点で語られる物語。
文節の区切り方と言い回しが独特、しかも標準語と大阪弁がチャンポンで使われ、それが口語体になったり、写実体になったりする。
正直、何度か頓挫したが、彼女が、かって知り合いの女性との豊胸と男根主義の相関関係について論争した回想シーン辺りからようやくその作品世界にノレテきて、一気に読み切った。
主人公たちの“物事”の見方、捉え方が面白く、それを表現するまどろっこしいと思えた文体も読み続けるうちにクセになっていく。
大衆浴場での乳をめぐる洞察のおかしさ。
そして、時折インサートされる、思春期を迎え、“多感”な娘の、母親への複雑な思いが、最後の最後に爆発し、それが切なさを以って、融和と受容の世界にまとめられる意外なウエルメイド感。
文学的才気を感じさせながら、女性身体のデリケートな感性を生理的になまめかしく、時にあっけらかんと描写してみせた作者、埴谷雄高の「死霊」に感激したという作者、やはり、注目すべき存在だ。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.21
(3pt)

消化不良だからこそ面白い

文章が長くて読みにくいのか、だからこそ面白いのか、賛否が分かれているようですが、一つ一つの文が長いのだがシンプルでわかりやすい表現、ごちゃまぜな独特のリズム、一つか三つが妥当なのにあえて二つの視点。これを私は面白いと思い、むしろ読む力が伸びたとも思います。

 ストーリーは、女なら誰にでもある体の悩みとの葛藤と、「どうしていいかわからない」親子関係を娘とおばさんという視点から描いてあり、クライマックスのシーンはそれまでの煮え切らない流れを一気に洗い流してくれる爽快さがありました。

 ページ数も少なく展開も大きくないので物足りない感はありますが、「なぜかわからないけどよかった」感じがして、「おまけ」の短編もありチョットお得な本でした。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.20
(3pt)

不思議な文章ですが

今まで読んだことのない独特の長々と続く文章にははっとさせられたが、実際に中身がある作品かと言われたらちょっと疑問。
最近の芥川賞は話題性や作家の経歴重視で、文学の質とはもはや違う気がする。

しかし不思議とこの方の次回作もぜひ読んでみたいとは思った。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.19
(3pt)

不思議な文章ですが

今まで読んだことのない独特の長々と続く文章にははっとさせられたが、実際に中身がある作品かと言われたらちょっと疑問。
最近の芥川賞は話題性や作家の経歴重視で、文学の質とはもはや違う気がする。

しかし不思議とこの方の次回作もぜひ読んでみたいとは思った。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013